金属概論:鉄および鋼

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  【はじめに】

 鉄鋼材料とは,基本的には(Fe)と炭素(C)の合金をいう。含まれる炭素の量により,少ない方から,(iron),(steel),及び銑鉄(pig iron)に分類される。炭素含有量が特に少ない鉄を純鉄(pure iron)とも呼ぶ。
 炭素含有量の他に,製造方法,成分,鋼種,状態,及び用途などにより様々に分類される。

 基礎用語

  • 銑鉄(せんてつ, pig iron)
     高炉や電気炉などで鉄鉱石(iron ore)を還元して取り出した鉄のこと。銑鉄は,鋼や鋳鉄の原料として用いられる。
     銑鉄は,純鉄の融点よりも低い融点(共晶点)で取り出すため,炭素含有量が4.25%と高い。このため,硬く,衝撃を与えると割れやすい特徴がある。
  • (steel)
     JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」では,“鉄を主成分として,一般に約 2%以下の炭素と,その他の成分を含むもの。”と定義している。
     基本的に鉄(Fe)と炭素(C)の合金で,目的に応じてニッケル(Ni),クロム(Cr),モリブデン(Mo),タングステン(W),チタン(Ti),ニオブ(Nb),バナジウム(V)やホウ素(B)などが添加される。
     これらの元素の添加,製造方法,及び熱処理方法を組み合わせることで,機械的性質,物理的性質,化学的性質の異なる数多くの合金が得られる。
  • 鋼材(steel material)
     JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」では,“圧延,鍛造,引抜き,鋳造など各種の方法で所要の形状に加工された鋼の総称。鋼塊及び鋼片は含まない。”と定義されている。
     構造用圧延鋼材には,一般構造用圧延鋼(rolled steels for general structure),溶接用圧延鋼(weldable rolled steel )などがあり,これらは,形状により鋼板,平鋼,形鋼などの名称でよばれる。
  • 炭素鋼(carbon steel)
     JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」では,“鉄と炭素の合金で炭素含有率が,通常 0.02~約 2%の範囲の鋼。少量のけい素,マンガン,りん,硫黄などを含むのが普通である。便宜上,炭素含有量又は硬さ(強度も含まれる。)によって炭素鋼は,更に次のように分類される場合がある。炭素含有量による分類:低炭素鋼,中炭素鋼,高炭素鋼。硬さによる分類:極軟鋼,軟鋼,硬鋼。”と定義されている。
     炭素含有量が多くなるほど,引張強さ,かたさが大きく,伸びが小さい。また,炭素含有量の違いで次のように分類されるのが一般的である。0.12%以下(極軟鋼:鋼線材など),0.13~0.20%(軟鋼:リベット材など),0.21~0.35%(半軟鋼),0.36~0.50%(半硬鋼:構造用鋼材など),0.51~0.80%(硬鋼:レール材など),0.81~1.70%(最硬鋼:工具材など)
  • 高炭素鋼(high carbon steel)
     炭素含有量0.6%以上の硬い鋼。主に工具材として用いられる。
  • 合金鋼(alloy steel)
     JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」では,“鋼の性質を改善向上させるため,又は所定の性質をもたせるために合金元素を 1 種又は 2 種以上含有させた鋼。”と定義している。
     炭素鋼に合金元素をある量以上加え,物理的あるいは化学的性質を良好にした鋼。引張力が強い,降伏点が高い,溶接性に優れる,耐食性が良いなどの特徴を生かした適用事例が多くある。
  • 高張力鋼(high tensile steel)
     JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」では,“建築,橋,船舶,車両,自動車その他の構造物用及び圧力容器用として,通常,引張強さ 490 N/mm2以上で溶接性,切欠きじん性及び加工性も重視して製造された鋼材。冷延鋼板では引張強さ 340 N/mm2以上を高張力鋼という。”と定義している。
     溶接用鋼材のうち490 N・mm-2以上の引張り強さがあり,降伏点の高い鋼。
  • 鋼板(steel plate)
     JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」では,“平らに熱間圧延又は冷間圧延した鋼で,平板状に切断した鋼材。鋼帯からの切板も含む。ただし,平鋼は,含まない。”と定義している。
     鋼塊を形成圧延した板材。熱間圧延鋼板(hot-rolled steel),冷間圧延鋼板(cold-rolled dteel)があり,厚さ3mm以上の鋼板は一般構造用鋼材として用いられる。

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