社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,タ行 “た”の用語を  たあ~たいこ,  たいさ~たこ,  たさ~たん  に分けて紹介する。

 用語一覧 たいさ~たこ

耐サワー鋼 】  , 【 耐サワー油井用鋼管 】  , 【 耐酸性 】  , 【 耐紫外線性 】  , 【 体質顔料 】  , 【 耐湿潤摩耗性 】  , 【 耐湿潤冷熱繰り返し性 】  , 【 耐湿性 】  ,

耐衝撃性 】  , 【 耐食性 】  , 【 体心立方格子 】  , 【 耐水性 】  , 【 耐水素誘起割れ鋼 】  , 【 対数伸び 】  , 【 対数ひずみ 】  , 【 耐洗浄性 】  , 【 耐チッピング性 】  ,

耐中性塩水噴霧性 】  , 【 大同塗料株式会社 】  , 【 大日本塗料株式会社 】  , 【 耐熱鋼 】  , 【 耐熱性 】  , 【 耐熱塗料 】  , 【 耐燃性 】  , 【 耐疲労性 】  , 【 タイプレート 】  ,

耐摩耗性 】  , 【 耐薬品性 】  , 【 ダイヤフラム 】  , 【 太陽集熱器 】  , 【 太陽追跡集光暴露 】  , 【 太陽放射 】  , 【 対流 】  , 【 対流圏 】  ,

耐硫酸露点腐食鋼 】  , 【 多液形塗料 】  , 【 多塩基酸 】  , 【 多価アルコール 】  , 【 ダクタイル鋳鉄 】  , 【 ダクタイル鋳鉄管 】  , 【 多形

 用語の概要と関連ページ


 【耐サワー鋼】( steel with sour resistance )
 石油・天然ガス生産の油井やガス井は,しばしば腐食性ガスの硫化水素(H2S) や炭酸ガス(CO2)を含む。硫化水素で酸性化した井戸環境をサワー環境(sour service)と呼ぶ。
 低合金鋼管が硫化水素を含むサワー環境に曝されると,硫化物応力割れ(Sulfide Stress Cracking:SSC)と呼ばれる腐食に起因した水素脆性破壊 が起こる。
 耐サワー鋼とは,悪影響を及ぼす不純物・介在物を極力減らすことによってH2S の存在で吸収された水素が鋼中に留まらないようにした鋼である。具体的には硫黄(S)を極力減らし,マンガン(Mn)の添加量を抑え,代わりにモリブデン(Mo),銅(Cu),ニッケル(Ni)などで強度を出している。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,  
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 【耐サワー油井用鋼管】( sour-gas-resistant steel pipe )
 油井,ガス井は,腐食性ガスの硫化水素(H2S)や炭酸ガス(CO2)を含む。硫化水素により酸性化した井戸環境はサワー環境と呼ばれる。この非常に厳しい腐食環境では,降伏強度以下の応力で破壊することがあり,この現象を硫化物応力割れ(Sulfide Stress Cracking: SSC)と呼ばれる。SSC 抵抗性に優れた耐サワー鋼を用いた鋼管を耐サワー油田用鋼管という。
 関連ページ : 防食基礎:耐食材料とは ,  
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 【耐酸性】( acid resistance, fastness to acid, acidproof )
 酸の作用に抵抗して変化しにくい塗膜の性質。「耐液体性」参照 【JIS K5500「塗料用語」】
 腐食性の高い環境,例えば,酸性成分を排出する工場内部や工場付近の建築物や構造物では,外来の腐食性分から塗膜を保護するために上塗り塗膜の耐酸性が求められる。
 強い酸の作用に対しては,炭酸塩,硫化物,塩基性酸化物,水酸化物,弱酸との塩で構成される無機顔料は酸塩基反応を示す。また,展色材に用いる樹脂として,耐酸性の大きい,フェノール樹脂系,マレイン酸樹脂(不飽和ポリエステル)系,,エポキシ樹脂系,ビニール樹脂系,ポリウレタン樹脂系などが知られている。
 関連ページ : 塗料評価:上塗り塗料のJIS品質項目 ,  塗料評価:品質試験の項目と手順 ,  塗膜の評価:品質試験 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:化学的性質とは ,  塗膜の評価:耐酸性 ,  
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 【耐紫外線性】( ultraviolet resistance )
 太陽光からの紫外線に耐える性質。
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  塗膜の評価:上塗り塗料 ,  塗膜の評価:耐久性とは ,  塗膜の評価:促進耐候性 ,  塗膜の試験規格:促進耐候性 ,  
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 【体質顔料】( extender, filler, extender pigment )
 使用するビヒクルに不溶のつぶ状又は粉状で,それ自体に着色力,隠蔽(いんぺい)力はないが,他の顔料の希釈や増量など塗料・塗膜のある種の改質を目的として配合される。通常は屈折率が小さい(1.7以下)白色顔料。硫酸バリウム,炭酸カルシウム,タルク,バライト粉など。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 防食基礎:塗料の構成 ,  塗料概論:塗料構成材料 ,  塗料概論:防せい:体質顔料 ,  
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 【耐湿潤摩耗性】( wet-scrub resistance )
 JIS K5600-5-11「「塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 11 節:耐洗浄性」
 適用範囲 この規格は,塗膜の耐湿潤摩耗性及び洗浄性の促進試験方法について規定する。
 原理 耐湿潤摩耗性は,以下の方法による。
 規定の隙間のフィルムアプリケータを用いて,塗料を規定する試験板に塗布する。
 規定する手順で乾燥及び養生したものを試験片とする。
  試験片の質量を求め,湿潤摩耗試験装置で,他に規定(製品規格)又は受渡当事者間の協定がなければ,200サイクルの湿潤摩耗試験を行う。
 試験後,試験片を洗浄,乾燥,ひょう(秤)量し,塗膜の損失重量を求め,次いで塗膜厚さの平均損 失量を求める。塗膜厚さの平均損失量を規定値と比較することによって,塗料の耐湿潤摩耗性の等級を格付けすることができる。
 関連ページ : 塗膜の評価:耐摩耗性 ,  
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 【耐湿潤冷熱繰り返し性】( humidity and cool-heat cycling test )
 塗膜が湿潤又は浸せきの状態を経た後,温度変化を受けた場合の塗膜の変化を調べる試験をいい,試験方法は,JIS K 5600-7-4「塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第4節:耐湿潤冷熱繰返し性」(Testing methods for paints−Part 7 : Long-period performance of film−Section 4 : Humidity and cool-heat cycling test)に規定されている。
 関連ページ : 塗料評価:品質試験の項目と手順 ,  塗膜の評価:品質試験 ,  塗膜の評価:耐久性とは ,  塗膜の評価:環境因子繰り返し性 ,  塗膜の試験規格:耐久性評価試験規格 ,  
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 【耐湿性】( moisture resistance, humidity resistance, resistance to humidity )
 塗膜,塗装系及び類似の製品の,高湿度条件に対する耐久性を測定するための方法には,表面に連続結露が生じる条件の JIS K 5600-7-2「塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第2節:耐湿性(連続結露法)」(Testing methods for paints−Part 7 : Long-period performance of film−Section 2 : Resistance to humidity (Continuous condensation)),断続的な結露に対する抵抗の評価を目的とするJIS K 5600-7-3「塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第3節:耐湿性(不連続結露法)」(Testing methods for paints−Part 7 : Long-period performance of film−Section 3 : Resistance to humidity (Intermittent condensation))がある。
 関連ページ : 塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:耐久性とは ,  塗膜の試験規格:耐湿性 ,  
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 【耐衝撃性】( impact resistance, shock resistance, chip resistance )
 塗膜が物体の衝撃を受けても破壊されにくい性質。衝撃試験では,試験片の塗面におもりを落下して,割れ・はがれの有無を 調べる。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K 5600-5-3「塗料一般試験方法-第5部:塗膜の機械的性質-第3節:耐おもり落下性」は,球状のおもりを塗装試験片に落として,塗膜の変状(割れ・はがれ)と落下高さで評価する試験法である。
 関連ページ : 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,  防食基礎:ライニング皮膜の品質 ,  塗料評価:品質試験の項目と手順 ,  塗料評価:耐衝撃性 ,  塗膜の評価:品質試験 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:機械的性質とは ,  塗膜の評価:耐衝撃性 ,  防食設計:防食設計の前提 ,  
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 【耐食性】( corrosion resistance )
 金属が腐食に耐える性質。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 ある環境における腐食作用に耐える性質。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 腐食性物質を含む環境にさらされたときに耐える性質。アルカリ耐食性,酸耐食性,塩水耐食性などがある。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
 関連ページ : 防食設計:防食設計の前提 ,  防食基礎:溶融めっき鋼 ,  防食基礎:耐食材料とは ,  塗料概論:防せい:体質顔料 ,  
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 【体心立方格子】( body–centered cubic lattice )
 配位数 8 の結晶構造,すなわち立方体形の単位格子の各頂点と中心に原子が位置する。
 関連ページ : 金属概論:金属の結晶構造 ,  金属概論:金属の化学的分類 ,  腐食基礎:金属結晶構造 ,  
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 【耐水性】( water resistance, waterproof )
 塗膜が,水の化学的作用又は物理的作用に対して変化しにくい性質。試験片を水に浸して,しわ,膨れ,割れ,はがれ,つやの減少,曇り,変色などの有無や程度を調べる耐水試験がJIS K 5600-6-2「塗料一般試験方法-第6部:塗膜の化学的性質-第2節:耐液体性(水浸せき法)」に規定されている。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料評価:品質試験の項目と手順 ,  塗膜の評価:品質試験 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:化学的性質とは ,  塗膜の評価:耐水性 ,  
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 【耐水素誘起割れ鋼】( hydrogen induced cracking resistance steel )
 油井,ガス井などの硫化水素(H2S)と水分を含む環境に曝された鋼に発生する割れには,外部応力の作用している場合の硫化物応力腐食割れ(sulfide stress cracking , sulfide stress corrosion cracking ;略号 SSC ,SSCC)と外部応力の作用していない場合の水素誘起割れ(hydrogen induced cracking ;略号 HIC)がある。水素誘起割れは,板表面に平行な水素膨れまたは水素膨れ割れとなって現れる。
 関連ページ : 防食基礎:耐食材料とは ,  
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 【対数伸び】( logarithmic strain )
 記号 εln で表す真ひずみ。⇒ 真ひずみ,ひずみ
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・機械特性 ,  
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 【対数ひずみ】( logarithmic strain )
 記号 εln で表す真ひずみ。⇒ 真ひずみ,ひずみ
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・機械特性 ,  
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 【耐洗浄性】( washability )
 塗膜の特性を損ねないでじんあい,汚れ,表面のしみなどを除去できる洗浄の容易さ,洗浄したとき摩耗・損傷されにくい塗膜の性質。
 エマルションペイント,水性塗料などについて試験する。汚染除去の容易さを cleanability,塗膜の摩耗・損傷のしにくさを wet-scrub resistance といい,それぞれについてJIS K 5600-5-11「塗料一般試験方法-第5部:塗膜の機械的性質-第11節:耐洗浄性」に試験法が定められている。
 関連ページ : 塗膜の評価:機械的性質とは ,  
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 【耐チッピング性】( resistance to chipping, chipping resistance of coatings )
 自動車の走行時に跳ね上げられた石等による衝突で塗膜が損傷を受ける現象をチッピングといい,これに耐える性質。
 この特性の評価試験は,グラベロ試験,飛び石試験,チッピング試験などともいわれ,塗膜評価の他に,自動車成形部品,車載カメラやセンサ類の耐久性評価にも用いられる。
 耐チッピング性に関する JIS規格はないが,日本では ASTM D3170 (Standard Test Method for Chipping Resistance of Coatings)に準じた試験が採用されている。
 関連ページ : 塗膜の評価:耐衝撃性 ,  
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 【耐中性塩水噴霧性】( resistance to neutral salt spray )
 中性の塩水噴霧の作用に対する塗膜の抵抗性を評価するための試験法については,JIS K 5600-7-1「塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第1節:耐中性塩水噴霧性」(Testing methods for paints−Part 7 : Long-period performance of film−Section 1 : Resistance to neutral spray)に規定されている。
 なお,この JIS規格の序文には,“耐中性塩水噴霧性は,塗料や塗装系の品質チェックを目的とし,塩水噴霧の作用に対する塗膜の抵抗性と他の環境における腐食に対する抵抗性との直接の関係はなく,試験によって得られた結果は,その試料が使用されるすべての環境での腐食抵抗性の直接の指標になるものではない。”と記されている。
 関連ページ : 防食基礎:人工環境腐食試験 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:耐塩水噴霧性 ,  塗膜の試験規格:耐久性評価試験規格 ,  塗膜の試験規格:耐中性塩水噴霧性 ,  
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 【大同塗料株式会社】( DAIDO CORPORATION )
 大同塗料株式会社;大阪市淀川区三津屋北2丁目14番18号
 関連ページ : 塗料概論:塗料工業の黎明期 ,  
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 【大日本塗料株式会社】( Dai Nippon Toryo CO., LTD. )
 大日本塗料株式会社;大阪府大阪市此花区西九条6-1-124
 関連ページ : 塗料概論:塗料工業の黎明期 ,  
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 【耐熱鋼】( heat resisting steels )
 高温における各種環境で耐酸化性,耐高温腐食性又は高温強度を保持する合金鋼。数%以上のクロム(Cr)のほか,ニッケル(Ni),コバルト(Co),タングステン(W),及び/又はその他の合金元素を含むことが多い。主としてその組織によってマルテンサイト系,フェライト系,オーステナイト系及び析出硬化系の四つに分類される。
 なお,合金元素の含有率の合計が約 50%を超える場合は,一般に超合金,耐熱合金又は超耐熱合金と呼ばれる。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 耐熱鋼に関する JIS 製品規格には,JIS G 4311「耐熱鋼棒及び線材:Heat-resisting steel bars and wire rods」,JIS G 4312「耐熱鋼板及び鋼帯:Heat-resisting steel plate, sheet and strip」,JIS G 4901「耐食耐熱超合金棒:Corrosion-resisting and heat-resisting superalloy bars」,JIS G 4902「耐食耐熱超合金板:Corrosion-resisting and heat-resisting superalloy plates and sheets」がある。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,  金属概論:鉄鋼製品JIS ,  
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 【耐熱性】( heat resistance, heat-resisting property, thermal resistance )
 高温において耐酸化性に優れ,又は高温強度に優れている性質。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 塗膜が加熱されても変化しにくい性質。試験片を規定の温度に保ち,塗膜の泡,膨れ,割れ,はがれ,つやの減少,色の変化などの有無や程度をJIS K 5600-6-3「塗料一般試験方法-第6部:塗膜の化学的性質-第3節:耐加熱性」に従い調べる。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,  塗料評価:品質試験の項目と手順 ,  塗膜の評価:品質試験 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:化学的性質とは ,  
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 【耐熱塗料】( heat resistant coating )
 明確な定義はないが,一般的には 100℃以上(300~600℃)の熱に耐えて実用できる塗料を指す場合が多い。耐熱塗料に用いられる樹脂は,アクリル系樹脂,ウレタン系樹脂,シリコン系樹脂,ふっ素系樹脂の 4つに分類される。
 関連ページ : 塗料概論:分類(形態,機能) ,  塗料各論:塗料分類(機能別分類) ,  
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 【耐燃性】( flame resistance )
 一般の耐火性とは定義が異なる。プラスチックの燃えにくさ及び自己消火性の度合。着火後の燃焼時間及び燃焼距離で表す。【JIS K6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」】
 耐燃性は,不燃性(規定する条件で継続して燃焼しない),難燃性(規定する条件で燃焼する速さは遅い),自己消火(規定された条件で炎から離すと消火する性質),遅燃性(自己消火性は無いが燃焼する速さが遅い)に分けられる。
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  
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 【耐疲労性】( fatigue resistance )
 設計耐用期間中に生じるすべての作用の繰り返しに対して,構造物が耐荷能力を保持することができる性能。【鉄道構造物等設計標準・同解説(鋼・合成構造物)】
 関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,  
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 【タイプレート】( tie-plate )
 圧縮材・引張材の両端または中間に用いる連結用部材。トラス橋などの組合せ部材で各材片が直接接触していないものに対し,レーシングバーとともに用い,一体となって働くようにするもの。
 関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋・部材 ,  
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 【耐摩耗性】( abrasion resistance, wear resistance )
 相対運動する金属面の機械的引っかき,金属的粘着などが総合されてその面が損耗する現象を磨耗といい,これに耐える性質。 【 JIS G0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 塗膜の耐摩耗性に関しては,JIS K 5600-5-8 「塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 8 節:耐摩耗性(研磨紙法)」,JIS K 5600-5-9「塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 9 節:耐摩耗性(摩耗輪法)」,JIS K 5600-5-10 「塗料一般試験方法−第 5 部:塗膜の機械的性質−第 10 節:耐摩耗性(試験片往復法)」などが規定されている。
 磨耗に対する抵抗性を調べる方法。参考:JIS H 8503「めっきの密着性試験方法」には,往復運動磨耗試験方法,平板回転磨耗試験方法,両輪駆動磨耗試験方法など,5種類の試験方法が規定されている。【JIS H 0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 耐磨耗性試験(abrasion resistance test, wear resistance test)とは,陽極酸化皮膜の耐磨耗性を調べる試験。砂落し磨耗試験,噴射磨耗試験,往復運動平面磨耗試験などがある。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:機械的性質とは ,  塗膜の評価:耐摩耗性 ,  
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 【耐薬品性】( chemical resistance, chemical corrosion resistance test )
 塗膜が酸,アルカリ,塩などの薬品の溶液に浸しても変化しにくい性質。
 JIS K 5600-6-1「塗料一般試験方法-第6部:塗膜の化学的性質-第1節:耐液体性(一般的方法)」の耐薬品試験では,試験片を規定の溶液に浸して,塗膜の変状(しわ,膨れ,割れ,はがれ,色・つやの変化,膨潤,軟化,溶出など)を調べる。【JIS K5500「塗料用語」】
 溶射被膜の耐薬品性を調べる試験。【JIS H8200「溶射用語」】
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,  塗料各論:ふっ素樹脂塗膜性能 ,  塗膜の評価:化学的性質とは ,  塗膜の評価:はじめに ,  
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 【ダイヤフラム】( diaphragm )
 一般には金属製の薄膜をいい,膜の可とう性を利用した隔壁などに用いられる。鋼構造物では,箱断面の部材の形状を支持するため,橋軸に直角に配置した板状の構造部分をいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:鋼桁部材 ,  
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 【太陽集熱器】( Solar collectors )
 集熱媒体を強制循環する平板形,真空ガラス管形などの非追尾式の太陽集熱器について,JIS A4112「太陽集熱器:Solar collectors」に規定されている。JIS A4111の2011年改訂で制定
 関連ページ : 金属概論:アルミ関連JIS規格 ,  
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 【太陽追跡集光暴露】( intensified weathering by daylight using Fresnel mirrors )
 太陽放射光の光軸方向を追跡し,フレネル反射鏡を用いて太陽放射光を反射集光する部位に設置した試料保持枠に試料を取り付けて暴露する試験方法。【JIS Z 2381「大気暴露試験方法通則」】
 関連ページ : 防食基礎:大気暴露試験 ,  塗膜の評価:耐候性 ,  塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【太陽放射】( solar radiation )
 太陽から放出される放射の総称。太陽から放射される電磁波(光)は太陽放射光と呼ばれ,地上の観測点に到達した光は,日射(直達日射,全天日射)と呼ばれる。⇒ 直達日射量
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【対流】( convection )
 流体(気体や液体)の巨視的な流れに伴い,流体の熱エネルギーや溶存物質などが運ばれる現象を対流(convection)や移流(advection)ともいう。
 外力を与えて起こした対流を強制対流,流体内部の温度差,密度差,重力,表面張力などの自然の作用により自発的に起きる対流を自然対流と呼んで区別することもある。
 熱の流れに注目した場合は,熱対流(heat convection)や対流伝熱という。
 関連ページ : 鋼の腐食:物体の温度変化 ,  
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 【対流圏】( Troposphere )
 気圏の地表から 9~17km,高度とともに気温が低下する。気象現象は対流圏で起きる 。対流圏は,赤道付近で17km程度,極で9km程度と地球自転の影響で厚みが異なる。
 関連ページ : 鋼の腐食:大気とは ,  塗料概論:塗料の環境影響 ,  
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 【耐硫酸露点腐食鋼】( sulfuric acid resistance steel )
 排煙処理設備(空気予熱器,煙道,煙突等)の硫黄酸化物による低温腐食対策に用いられる鋼。
 関連ページ : 防食基礎:耐食材料とは ,  
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 【多液形塗料】( multi-pack paint )
 塗料の荷姿として,複数の成分に分けて供給され,塗装作業直前に混合して使用する塗料をいう。例えば,主剤と硬化剤の2成分に分けて供給されるエポキシ樹脂塗料やポリウレタン樹脂塗料,主剤,反応開始剤と硬化促進剤の3成分に分けて供給される不飽和ポリエステル樹脂塗料などが挙げられる。前者は 2 液形(型)塗料,後者を 3 液形(型)塗料ともいう。
 関連ページ : 塗料概論:塗料の分類(工程) ,  塗料概論:分類(形態,機能) ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:塗料分類(形態別分類) ,  塗料評価:中塗り塗料JIS品質 ,  塗料評価:試験準備 ,  塗料評価:可使時間 ,  
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 【多塩基酸】( polybasic acid )
 酸の 1分子中に含まれる水素原子のうち,金属原子で置き換えられる水素原子の数を,その酸の塩基度といい,塩基度 2以上の酸を多塩基酸と総称する。
 関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂とは ,  塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,  
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 【多価アルコール】( polyhydric alcohol )
 複数のヒドロキシ基を持つアルコールの総称。
 関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂とは ,  塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,  
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 【ダクタイル鋳鉄】( ductile iron, ductile cast iron )
 組織中のグラファイト(黒鉛)の形を球状にして強度や延性を改良した鋳鉄である。 「ダクタイル」 とは 「強靭な」 という意味の形容詞である。黒鉛の形状から球状黒鉛鋳鉄,ノデュラー鋳鉄とも呼ばれる。
 関連ページ : 金属概論:鋳鉄 ,  金属概論:ダクタイル鋳鉄 ,  
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 【ダクタイル鋳鉄管】( Ductile iron pipes )
 地中又は地上に配管し,圧力下又は無圧力下で水の輸送などに使用するダクタイル鋳鉄管の品質などは JIS G 5526「ダクタイル鋳鉄管:Ductile iron pipes」に規定されている。
 関連ページ : 社会資本:水道 ,  金属概論:鋳鉄 ,  
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 【多形】( polymorph )
 同一の化学組成をもつが,互いに結晶構造が異なる状態を同質異像(どうしついぞう,polymorphism)という。異なる結晶構造,すなわち相が 2 種類の場合を同質二像,3 種類の場合を同質三像という。
 各相の関係を多形という。なお,単一元素の固体(単体)の場合は互いに同素体(allotropy)ともいう。多形の表示にギリシャ文字を用い,α相,β相,・・・で表す例が多い。 ⇒同質異像(どうしついぞう)
 関連ページ : 腐食基礎:腐食反応と溶存酸素