社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)
“社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
ここでは,タ行 “た”の用語を たあ~たいこ, たいさ~たこ, たさ~たん に分けて紹介する。
用語一覧 たさ~
【 多彩模様塗料 】 ,
【 ダスタ刷毛 】 ,
【 たたら製鉄 】 ,
【 脱亜鉛腐食 】 ,
【 タック 】 ,
【 脱酸素剤 】 ,
【 脱脂 】 ,
【 脱水縮合 】 ,
【 脱成分腐食 】 ,
【 タッチアップ塗装 】 ,
【 縦桁 】 ,
【 棚足場 】 ,
【 ダニエル電池 】 ,
【 ダメ込刷毛 】 ,
【 タルク 】 ,
【 たるみ(塗膜の) 】 ,
【 たれ(亜鉛めっき) 】 ,
【 たれ(塗料) 】 ,
【 たわみ性 】 ,
【 淡彩 】 ,
【 単純橋 】 ,
【 淡水 】 ,
【 淡水腐食 】 ,
【 弾性 】 ,
【 弾性率 】 ,
【 鍛接鋼管 】 ,
【 鋳造 】 ,
【 鍛造品(アルミニウム及びアルミニウム合金) 】 ,
【 炭素鋼 】 ,
【 炭素鋼鍛鋼 】 ,
【 炭素鋼鋳鋼 】 ,
【 団体規格 】 ,
【 端補剛材 】 ,
【 断面曲線 】 ,
【 断面耐力 】 ,
【 断面法 】 ,
【 短油 】
用語の概要と関連ページ
【多彩模様塗料】( multicolor paint )
2色以上の塗料が互いに溶解混合し合わないように,不溶性の媒体の中につぶ状に分散させて作り,1 回の吹付け塗りで色散らし模様の塗膜ができる塗料。 【JIS K5500「塗料用語」】
1 回塗りで多彩模様の仕上げをする屋内用と屋外用の多彩模様塗料については,JIS K 5667「多彩模様塗料」に規格されている。
関連ページ : 塗料概論:分類(形態,機能) , 塗料各論:塗料分類(機能別分類) ,
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【ダスタ刷毛】( duster brush )
清掃に適した腰の強い毛を持つ刷毛。
関連ページ : 塗装概論:手工具 ,
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【たたら製鉄】( tatara )
古墳時代(紀元 3世紀中ごろ~ 7世紀)の中期には,朝鮮半島を経由して“製鉄”の技術が伝来し,飛鳥時代(紀元 6世紀~ 8世紀)には,鉄鉱石や砂鉄,木炭を原料とする“製鉄”が広く普及したと考えられている。当初の製鉄は自然風を用いた方法であったが,間もなくして強制的に送風する“たたら製鉄”に進化した。なお,“たたら製鉄”とは,“たたら”と呼ばれる炉に空気を送り込むための“ふいご”に因んで命名された。
関連ページ : 金属概論:金属利用の歴史 ,
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【脱亜鉛腐食】( dezincification )
読み「だつあえんふしょく」,黄銅から亜鉛が溶解する場合をいう。 ⇒ 選択腐食(せんたくふしょく)
関連ページ : 腐食基礎:腐食形態による分類 , 腐食基礎:腐食現象の分類 ,
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【タック】( tack , quick stick )
粘着剤の主要性質の一つで,軽い力で短時間に被着体に粘着する力。 【JIS Z0109「粘着テープ・粘着シート用語」】 ⇒ 粘着性
関連ページ : 塗料評価:付着性 ,
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【脱酸素剤】( deoxidant, deoxidating agent, deoxidizer, deoxidizing agent, oxigen scavebger )
密閉容器の中を脱酸素状態にする薬剤をいう。鉄の酸化を利用したタイプが主流。
関連ページ : 防食基礎:酸素除去 ,
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【脱脂】( degreasing )
金属表面に付着している油脂性の汚れを除去して清浄にすること。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
基材に付着している油脂性の汚れを除去して清浄にする操作。【JIS H8200「溶射用語」】
溶剤又は水溶性洗剤のいずれかを用いて,塗装前に油,グリース及び類似の物質を表面から除去する操作。【JIS K5500「塗料用語」】
圧延,成形などで付着した油脂分や汚れの除去。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
素地に付着している油脂性の汚れを除去して清浄にする操作。参考:アルカリ脱脂,溶剤脱脂,エマルジョン脱脂,電解脱脂,機械脱脂などがある。【JIS H 0400「電気めっき及び関連処理用語」】
関連ページ : 防食基礎:素地調整概論 , 塗装概論:塗装技術(素地調整) ,
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【脱水縮合】( dehydration condensation )
2個の分子がそれぞれ水素原子と水酸基(-OH)を失い,水分子が離脱する縮合反応。
関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂とは ,
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【脱成分腐食】( dealloying )
読み「だつせいぶんふしょく」,特定の合金成分が選択的に溶解する腐食。 ⇒ 選択腐食(せんたくふしょく)
関連ページ : 腐食基礎:腐食形態による分類 , 腐食基礎:腐食現象の分類 , 防食基礎:腐食試験・形態観察 ,
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【タッチアップ塗装】( touch-up paint )
工事などで,塗膜に生じた傷などの損傷部分のみを補修塗りすること。
関連ページ : 防食塗装系:塗替え塗装 ,
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【縦桁】( stringer )
主構または主桁を連結する横桁上に置く桁。床版の荷重を,縦桁→横桁→主桁と分散して伝える。
関連ページ : 鋼橋構造:鋼桁部材 ,
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【棚足場】( )
水平の部分をもった足場で,本足場ともいう。⇒ 本足場
関連ページ : 塗装概論:足場工 ,
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【ダニエル電池】( Daniel cell )
硫酸銅水溶液に銅板を,硫酸亜鉛水溶液に亜鉛板を浸漬し,溶液間でイオンの移動が可能な半透膜(陶器の板)を介して接触させ,銅板と亜鉛板を導線で結ぶと,水素発生を伴わないで導線に電流が流れる。
関連ページ : 腐食基礎:腐食と電気化学 , 鋼の腐食:異種金属接触腐食 , 防食基礎:電気めっき ,
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【ダメ込刷毛】( damekomi-bake )
塗料用のはけの一種。窓回り,入り隅,目地部分などの峡部や端部を塗る刷毛。
関連ページ : 塗装概論:刷毛塗りの特徴 ,
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【タルク】( talc )
滑石を粉砕して作った体質顔料。へん平状のものが多い。水和けい酸マグネシウムに近い組成。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 塗料概論:構成(防せい・体質顔料 ,
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【たるみ(塗膜の)】( sags, sagging )
垂直又は傾斜した面に塗料を塗ったとき,乾燥までの間に,塗料の層が下方に移動して起こる局部的な膜厚の異常。半円状,つらら状,波状又はカーテンのひだ状などになる現象をいう。厚く塗り過ぎたとき,塗料の流動特性の不適,大気状態の不敵などによって起こりやすい。
備考:小さな sags は流れ(runs),涙滴(tears),小滴(droplets)と呼ばれ,幅広のカーテンのひだ状の外観を呈する大きな sags はカーテン(curtains)と呼ばれる。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装(竣工検査) , 塗装概論:塗膜変状と措置(塗装作業時) , 塗料評価:はじめに , 塗料評価:塗膜の外観 ,
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【たれ(亜鉛めっき)】( hanging )
端部又は部分的に,亜鉛が多量に付着しているもの。
参考:一般的にやけの発生しやすい素材は,めっき温度を低くしてめっき作業をするため亜鉛の流動性が低下し,たれを発生させてしまうことが多い。たれの部分をやすりなどで研磨し,平滑面を得ようとするときは,素材表面を露出させないようにする。実用上障害とならない限りそのままにしておいたほうがよい。【JIS H8641 「溶融亜鉛めっき」】
関連ページ : 金属概論:亜鉛について , 防食基礎:溶融めっきの不具合 ,
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【たれ(塗料)】( sags, sagging )
垂直又は傾斜した面に塗料を塗ったとき,乾燥までの間に,塗料の層が下方に移動して起こる局部的な膜厚の異常。半円状,つらら状,波状又はカーテンのひだ状などになる現象をいう。厚く塗り過ぎたとき,塗料の流動特性の不適,大気状態の不適などによって起こりやすい。
備考 小さな sags は流れ (runs),涙滴 (tears),小滴 (droplets)と呼ばれ,幅広のカーテンのひだ状の外観を呈する大きな sags はカーテン (curtains) と呼ばれる。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 塗料概論:塗料副要素(添加剤) ,
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【たわみ性】( flexibility, pliability )
工学的には,曲げ剛性(flexural rigidity)の逆数をいう。曲げ剛性とは,曲げこわさともいい,曲げ変形のしにくさを示す指標。⇒ 可とう(撓)性,耐屈曲性(塗膜の)
関連ページ : 塗膜の評価:目次 , 塗膜の評価:塗膜品質の分類 , 塗膜の評価:機械的性質とは , 塗膜の評価:柔軟性(可とう性) ,
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【淡彩】( tint )
白に近いうすい色。白塗料に有彩塗料を混合して作った塗料の塗膜。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 塗料評価:隠ぺい率 ,
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【単純橋】( simple bridge )
主桁または主構(トラス)の両端が,単純ばり(simple beam:一本の部材が二つの支点で支えられ,その一方がヒンジ支点,他端が可動支点のはり)の支承で支えられた橋梁をいう。
関連ページ : 鋼橋構造 ,
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【淡水】( fresh water )
一般的には,河川水・湖沼水・地下水など塩分濃度の極めて低い水を差す。
海洋学で伝統的に用いられている塩分濃度(salinity)による水の分類で,塩分濃度 0.05%以下の水をいう。
なお,塩分濃度 0.05%以下の水を淡水(fresh water),淡水と塩水の混合で塩分濃度 0.05~3.0%の汽水(brackish water),塩分濃度 3.0~5.0%の塩を含んだ水(saline water),塩分濃度が飽和に近い又は飽和塩水 5.0%以上の塩水(brine)などに分けられる。
関連ページ : 鋼の腐食:淡水とは , 腐食概論:鋼の腐食とは ,
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【淡水腐食】( corrosion in fresh water )
読み「たんすいふしょく」,河川水,上水,地下水などの淡水中で起きる腐食の総称である。
関連ページ : 腐食基礎:環境による分類 , 腐食基礎:腐食現象の分類 , 腐食概論:鋼の腐食とは , 鋼の腐食:淡水とは , 鋼の腐食:淡水中の局部腐食 ,
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【弾性】( elasticity )
読み「だんせい」,変形させている力を除くと原寸及び原形を回復する特性。(注) 1 ひずみが加えられた応力に比例する場合は,その材料はフック弾性又は理想弾性を示すと言われる。(注)2 その機構はゴム状弾性(エントロピー弾性)又は鋼状弾性(エネルギー弾性)のいずれであってもよい。【JIS K 6900「プラスチック―用語」】
変形を与えた力を除去したときに,元の寸法及び形状を回復しようとする性質。【JIS K 6200「ゴム‐用語」】
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 塗装概論:塗り付け技術(刷毛の特徴) , 塗料評価:付着性 , 塗膜の評価:柔軟性(可とう性) , 塗膜の評価:耐摩耗性 ,
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【弾性率】( elastic modulus, modulus of elasticity )
弾性定数,弾性係数ともいい,弾性体の応力とひずみの比をいう。
比例限度内では応力とひずみは比例(フックの法則)するので弾性率は物質により決まる定数となる。応力とひずみの種類により,ヤング率,剛性率,体積弾性率,ポアソン比等がある。
関連ページ : 塗膜の評価:耐摩耗性 ,
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【鍛接鋼管】( butt-welded steel pipe )
読み「だんせつこうかん」,高温加熱の鋼帯を引き出しながら,幅方向を円形に変形させ,両端に酸素を吹き付けて瞬間的に突き合わせること(鍛接)で管に加工。主に小径管の製造に用いられる。
関連ページ : 社会資本:水道 ,
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【鋳造】( casting )
溶けた金属を形に流し込んで凝固させて目的とする形状のものを得る加工法。鋳造の主な作業工程は,金属の溶解,形の製造,鋳込み,形ばらしなどからなっている。
関連ページ : 鋼橋製作:工程 , 金属概論:金属利用の歴史 ,
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【鍛造品(アルミニウム及びアルミニウム合金)】( Aluminium and Aluminium Alloy Forgings )
型打鍛造又は自由鍛造したアルミニウム及びアルミニウム合金の鍛造品について,JIS H 4040「アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品:Aluminium and Aluminium Alloy Forgings」に規定されている。
関連ページ : 金属概論:アルミ関連JIS規格 ,
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【炭素鋼】( carbon steel )
鉄と炭素の合金で炭素含有率が,通常 0.02~約 2%の範囲の鋼。少量のけい素,マンガン,りん,硫黄などを含むのが普通である。便宜上,炭素含有量又は硬さ(強度も含まれる。)によって炭素鋼は,更に次のように分類される場合がある。炭素含有量による分類:低炭素鋼,中炭素鋼,高炭素鋼。硬さによる分類:極軟鋼,軟鋼,硬鋼。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
炭素含有量による分類:一般的には,低炭素鋼(0.25%以下),中炭素鋼(0.25~0.6%),高炭素鋼(0.6%以上)に分類される。なお,炭素含有量 0.6%以下の炭素鋼は,広く用いられており,普通鋼ともいわれる。
硬さによる分類:規定された分類はない。炭素含有量で一概に分類されるものではないが,機械工学などで,炭素鋼(炭素含有率 0.02~約 2%の鋼)を極軟鋼(0.15%以下),軟鋼(0.15~0.2%),半軟鋼(0.2~0.3%),半硬鋼(0.3~0.5%),硬鋼(0.5~0.8%),最硬鋼(0.8~1.2%)などに区分する例がある。
関連ページ : 金属概論:鉄および鋼 , 金属概論:鉄鋼の分類 , 鋼の腐食:鋼材の変遷 , 鋼の腐食:応力腐食割れ , 防食塗装系:鋼橋の構造例 ,
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【炭素鋼鍛鋼】( Carbon Steel Forgings for General Use )
SF材と記され,一般用として使用する炭素鋼鍛鋼品で,品質については,JIS G 3201「炭素鋼鍛鋼品:Carbon Steel Forgings for General Use」に規定されている。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼製品JIS ,
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【炭素鋼鋳鋼】( Carbon steel castings )
SC材と記され,JIS G 0307「鋳鋼品の製造,試験及び検査の通則:Steel Castings-General technical delivery requirements」に従い製造された炭素鋼鋳鋼の品質などは,JIS G 5101「炭素鋼鋳鋼品:Carbon steel castings」に規定されている。
関連ページ : 金属概論:鋳鉄 ,
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【団体規格】( group standards, organization standards )
国家的に認められた学会,協会,業界団体が定める規格。なお,規格を制定する機関や適用される範囲で,国際規格,地域規格,国家規格,団体規格,社内規格などに分類される。
関連ページ : 塗膜の評価:性能評価の考え方 ,
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【端補剛材】( end stiffener )
腹板の側面に取り付ける補剛材が,支点の上に設けられるものをいう。
関連ページ : 鋼橋構造:鋼桁部材 ,
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【断面曲線】( primary profile )
測定断面曲線にカットオフ値λs の低域フィルタを適用して得られる曲線。【JIS B0601「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」】
注記 1 断面曲線は,断面曲線パラメータの評価の基礎となるものである。注記 2 測定断面曲線は,縦軸及び横軸からなる座標系において,基準線を基にして得られたディジタル形式の測定曲線である(JIS B 0651「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性」 参照)。
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・表面物性 ,
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【断面耐力】( capacity of member cross section )
材料の設計強度から求められる断面の耐力。【鉄道構造物等設計標準・同解説(鋼・合成構造物)】
関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,
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【断面法】( cross-sectioning )
JIS K5600-1-7 「塗料一般試験方法−第1部:通則−第7節:膜厚」 に規定する測定法 6Aで,金属顕微鏡の組織標本の作製と同様の研磨方法や極薄の切片が得られるミクロトーム(microtome)などによる切削方法を用いて,塗膜の断面を作成し,顕微鏡などの拡大装置で厚さを計測する方法である。⇒ 乾燥膜厚(塗膜)
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,
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【短油】( )
⇒ 油長,アルキド樹脂
関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂塗料