社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)
“社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
ここでは,ハ行 “ほ”の用語を ほあ~ほお, ほか~ほん に分けて紹介する。
用語一覧 ほか~
【 保管施設 】 ,
【 補強 】 ,
【 補剛材 】 ,
【 保護性さび 】 ,
【 補修 】 ,
【 補助電極 】 ,
【 保全 】 ,
【 堀田瑞祥 】 ,
【 ポットライフ 】 ,
【 ポニートラス 】 ,
【 ポリアミド 】 ,
【 ポリアミン 】 ,
【 ポリウレタン樹脂 】 ,
【 ポリウレタン樹脂塗料 】 ,
【 ポリウレタン樹脂塗料用中塗 】 ,
【 ポリエーテルポリオール 】 ,
【 ポリエステル樹脂 】 ,
【 ポリエステルポリオール 】 ,
【 ポリエチレン(PE) 】 ,
【 ポリエチレンテレフタラート(ペット,PET) 】 ,
【 ポリエチレン被覆 】 ,
【 ポリ塩化ビニル(PVC) 】 ,
【 ポリ塩化ビフェニル 】 ,
【 ポリオール 】 ,
【 ポリオレフィン系ポリオール 】 ,
【 ポリカーボネート(PC) 】 ,
【 ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE) 】 ,
【 ポリスルフィド 】 ,
【 ホリデー 】 ,
【 ホリデーディテクター 】 ,
【 ポリテトラフルオロエチレン 】 ,
【 ポリふっ化ビニリデン 】 ,
【 ポリふっ化ビニル 】 ,
【 ポリマー 】 ,
【 ボルツマン因子 】 ,
【 ボルツマン定数 】 ,
【 ボルト継手 】 ,
【 ホルムアルデヒド放散速度(放散量) 】 ,
【 本足場 】 ,
【 本州四国連絡橋 】 ,
【 ポンプ 】
用語の概要と関連ページ
【保管施設】( )
倉庫,野積場,貯木場,コンテナターミナルなど
関連ページ : 社会資本:港湾設備 ,
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【補強】( reinforcing, strengthening )
構造物の力学的な性能を初期の状態より高いものに向上させることを目的とした措置。(鉄道橋)
既設橋に生じた損傷の補修にあたってもとの機能以上の機能向上を図ること,又は,特に損傷がなくても積極的に既設橋の機能向上を図ることを目的とした措置をいう。 (道路橋)
関連ページ : 維持管理(鉄道) , 維持管理(鉄道):措置 , 維持管理(道路) , 維持管理(道路):補修・補強 ,
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【補剛材】( stiffener )
プレートガーダー橋の主桁の座屈を防ぐと同時に,集中荷重を腹板に分散させることを目的に,山形鋼又は鋼板を腹板の側面に取り付ける。支点の上に設けられるものを端補剛材(end stiffener),支点以外に設けられるものを中間補剛材(intermediate stiffener)という。
関連ページ : 鋼橋構造:鋼桁部材 ,
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【保護性さび】( protective rust )
金属表面,特に耐候性鋼表面に生成する錆(さび)のうち,腐食を抑制する機能をもったさび層をいう。耐候性鋼に微量に添加された銅(Cu),ニッケル(Ni)など合金成分が,さびの生成と共に素地表面に,これらの成分からなる結晶性が低く(非晶質)緻密な保護性が高く,その後の腐食を抑制できるさび層が形成される。
この緻密なさび層を以前は“安定錆”と称していたが,環境条件の変化により保護性を示さなくなる事例が明らかになり,“安定錆”と称するのをやめ,“保護性錆”と称するようになった。
関連ページ : 鋼の腐食:大気腐食性評価 , 防食基礎:耐候性鋼材とは , 防食塗装系:鋼橋の防食設計 , 防食塗装系:鉄道:塗替え劣化耐候性鋼用 ,
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【補修】( mending, recovery )
変状が生じた構造物の性能を回復させること,あるいは性能の低下を遅らせることを目的とした措置。(鉄道橋)
既設橋に生じた損傷を直し,もとの機能を回復させることを目的とした措置をいう。(道路橋)
関連ページ : 維持管理(鉄道) , 維持管理(鉄道):措置 , 維持管理(道路) , 維持管理(道路):補修・補強 ,
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【補助電極】( auxiliary electrode )
均一電着性若しくは被覆力を改善するために用いる補助の陰極又は陽極。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
⇒ かぶり止め(補助陰極),補助陽極
関連ページ : 防食基礎:電気防食(陰極防食) ,
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【保全】( maintenance )
安全あるいは安定した状態に保つこと。
関連ページ : 防食設計:鋼構造物の現状 ,
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【堀田瑞祥】( )
堀田 瑞松(ほったずいしょう;1837-1916年),彫刻家,漆工芸家,発明家として知られ,日本の特許第一号を取得している。⇒ 特許第一号
関連ページ : 塗料概論:歴史(日本の油性塗料) ,
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【ポットライフ】( pot life )
幾つかの成分に分けて供給される塗料を混合した後,使用できる最長の時間。【JIS K5500「塗料用語」】
それぞれ別々の成分として供給される製品が一緒に混合された後の,使用可能の最大値をいい,塗料の試験室内におけるポットライフの測定は,JIS K 5600-2-6「塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第6節:ポットライフ」(Testing methods for paints−Part 2 : Characteristics and stability of paints−Section 6 : Pot life)に規定されている。
関連ページ : 塗装概論:塗装施工管理 , 塗料評価:品質試験の項目と手順 , 塗料評価:可使時間 ,
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【ポニートラス】( pony truss )
スパンが短い場合にはトラスの高さが低くなる。従って,下路橋および中路橋では,上横構,橋門構,対傾構などは建築限界によって取り付けることができないため,上方が解放された橋になる。これをポニートラスという。
関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋 , 防食塗装系:鋼橋の構造例 ,
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【ポリアミド】( polyamide )
連鎖中の繰返し構造単位がアミドの形のものである重合体。【JIS K 6900「プラスチック―用語」】
ポリアミドは,略号 PA,カルボニル基と窒素の結合(アミド結合)で重合した結晶性の熱可塑性プラスチック(結晶性エンジニアリング・プラスチック)である。
脂肪族骨格を含むポリアミドはナイロン(Nylon)と総称し,芳香族骨格のみで構成されるポリアミドはアラミド(aramid)と総称される。⇒ ナイロン,アラミド
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 塗料各論:エポキシ樹脂とは ,
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【ポリアミン】( polyamine )
第一級アミノ基が 3つ以上結合した直鎖脂肪族炭化水素の総称。アミノ基( amino group )とは, アンモニア( NH3 ),第一級アミン( NH2R ),第二級アミン( NHRR" )から水素を除去した 1価の基( -NH2 ,–NHR ,–NRR' ) をいう。
関連ページ : 塗料概論:塗料形成要素(展色材) , 塗料各論:エポキシ樹脂塗料概要 ,
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【ポリウレタン樹脂】( polyurethane resin )
ポリウレタン樹脂とは,連鎖中の繰返し構造単位がウレタンの形のそれからなる重合体,又はウレタン及びその他の形式の繰返し構造単位がその連鎖中に存在する共重合体,を主成分とするプラスチック。【JIS K 6900「プラスチック−用語」】
多官能イソシアネート類と反応性ヒドロキシル基をもつ化合物との反応によって作られる合成樹脂。【JIS K5500「塗料用語」】 参考追記:常温硬化型のふっ素樹脂塗料は,ポリウレタン樹脂の定義範疇の樹脂を用いた塗料である。
ポリウレタンとは,ウレタン結合を有するポリマーの総称である。ウレタン結合は,多官能イソシアネート類と水酸基などの活性水素を有する化合物ほ付加反応により生成される。ウレタン結合:R‐NH-COOR‘は,イソシアネート基(-N=CO)とアルコール基(‐R‐OH)が縮合してできる。イソシアネートは,水(反応しやすい)やカルボキシル基と反応しCO2発生で発泡する。
一般的にはポリイソシアネートとポリオールから生成される。ポリウレタンの特徴は,伸縮性や熱可塑性,熱硬化性などを条件によって様々に変化させて作れることにある。例えば,熱可塑性ポリウレタンのためのポリオールとして,ポリエステル系(アジピン酸エステル系,ラクトン系),ポリエーテル系(エラストマー),ポリカーボネート系,ポリエーテル・エステル系などの選択で特性を変えることができる。しかし,ポリウレタン樹脂の耐熱性や耐水性は他の合成ゴムに比べ低く,水分による加水分解や空気中の窒素酸化物(NOx),塩分,紫外線,熱,微生物などの影響で徐々に分解される。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 塗料概論:長期防錆用塗料の登場 , 塗料概論:塗料の分類(材料) , 塗料概論:塗料形成要素(展色材) , 塗料各論:ポリウレタン樹脂とは ,
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【ポリウレタン樹脂塗料】( polyurethane resin coating )
JIS K 5500「塗料用語」には,用語としての“ポリウレタン樹脂塗料”は定義されていない。一般的には,「塗膜形成要素の樹脂骨格にウレタン結合を有するか,あるいは塗膜を形成する過程でウレタン結合を生成する塗料の総称。」と理解されている。
関連ページ : 塗料概論:長期防錆用塗料の登場 , 塗料概論:塗料の分類(材料) , 塗料概論:分類(形態,機能) , 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料分類 , 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) , 塗料各論:JIS耐候性塗料 , 塗料評価:上塗り(鋼構造物用耐候性塗料) , 塗膜の評価:上塗り塗料 , 防食塗装系:防食塗装に用いる塗料 ,
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【ポリウレタン樹脂塗料用中塗】( )
ポリウレタン樹脂塗料用中塗は,展色材の分類ではエポキシ樹脂塗料であるが,塗装工程と用途による分類を合わせた名称で,内容は“ポリウレタン樹脂塗料上塗を適用する際に,用いられるエポキシ樹脂塗料中塗”を意味する。
関連ページ : 塗料評価:中塗り塗料JIS品質 ,
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【ポリエーテルポリオール】( polyether poriol )
多価アルコールにプロピレンオキサイド(CH3-CH(-O-)-CH2)を付加重合させたポリプロピレングリコールを主成分とした樹脂である。
粘度が低いという特徴はあるが,耐候性が低いため塗料用途は限定される。
関連ページ : 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,
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【ポリエステル樹脂】( polyester resin )
多価塩基酸と多価アルコールとの縮重合によって作られる合成樹脂。備考:この樹脂は,その構造によって分類される。例えば,飽和及び不飽和ポリエステル樹脂。【JIS K5500「塗料用語」】
多価カルボン酸とポリアルコールとの重縮合体。ポリアルコール(-OH を複数有する化合物)と多価カルボン酸(-COOH を複数有する化合物)を反応(脱水縮合)させて作ることを基本とする。テレフタル酸とエチレングリコールとから製造されるポリエチレンテレフタレート(Poly-Ethylene-Terephthalate ,PET)の生産量が最も多い。
樹脂の用途によって分類名が異なる。.繊維やペットボトルなどでは,テレフタル酸とエチレングリコールを主成分とするポリエチレンテレフタレートを,略してペットと称したり,ダクロン(アメリカ・デュポンの商標)、テトロン(帝人と東レの共同商標)などの商品名で称することもある。
成形品やFRP(ガラス繊維などで強化したプラスティック)では,ポリエステルの主鎖に不飽和基(二重結合)を含ませ,スチレンなどのビニル基(H2C=CH-)をもったモノマーと成形時に共重合させたものが用いられ,不飽和ポリエステルと称している。塗料等では,油脂や他の樹脂(たとえばエポキシ樹脂)を用いて変性(性質を調整)したポリエステル樹脂をアルキド樹脂と称している。アルキド樹脂の項参照。
関連ページ : 塗装概論:塗り付け技術(ローラ塗り) , 塗料概論:塗料の近代化 , 塗料各論:アルキド樹脂塗料 , 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,
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【ポリエステルポリオール】( polyester poriol )
二塩基酸( 1分子でプロトン H+ を 2つ放出する酸)と過剰の多価アルコール(分子中に水酸基を 2つ以上持つアルコール)の縮合(エステル結合)で生成する複数の水酸基を持つポリエステル樹脂である。
酸及びアルコールの種類,官能基数により特性の調整が可能である。
関連ページ : 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,
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【ポリエチレン(PE)】( polyethylene,PE )
ポリエチレンとは,エチレン[エテン]の重合体。【JIS K 6900 「プラスチック―用語」】,最も単純な構造をもつ高分子であり,容器や包装用フィルムなど様々な用途に利用されている。
重合法により分子量,分枝数,結晶性が異なり,特性(密度,熱特性,機械特性など)も異なる。一般に酸やアルカリに安定である。低分子量のものは有機溶剤で膨潤するが,高分子量のものは耐薬性に優れる。
ポリエチレンの密度による分類では,0.92~0.96を高密度ポリエチレン(HDPE, High Density Polyethylene:荷重たわみ温度130℃以下),0.91~0.92を低密度ポリエチレン(LDPE, Low Density Polyethylene:荷重たわみ温度100℃以下),0.9未満を超低密度ポリエチレン(VLDPE, Very Low Density Polyethylene / ULDPE, Ultra Low Density Polyethylene)とされている。他に,直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE, Linear Low density Polyethylene),超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE, ultra high molecular weight-polyethylene:一般に分子量150万以上)といった分類もある。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,
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【ポリエチレンテレフタラート(ペット,PET)】( poly ethylene terephthalate )
ポリエチレンテレフタラートは,ペットとも略され,略号 PET ,熱可塑性ポリエステル(非結晶性汎用プラスチック)。
エチレングリコール及びテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルの重縮合によって製造する重合体。【JIS K 6900 「プラスチック―用語」】
強靭で疲労強さが大きく,融点が高く耐熱性があり,熱処理・延伸すると強度は著しく向上し,寸法の安定性,電気絶縁性(体積抵抗率,絶縁破壊強さ,耐アーク性など)に優れ,耐摩耗性も良好で,耐候性も比較的良い。 二軸延伸で強度,ガスバリア性が向上するので,繊維,フィルム,シート(ペットボトルなど)での用途が多い。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 塗料各論:アルキド樹脂とは ,
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【ポリエチレン被覆】( polyethylene coated steel pipes )
ガス,油,水などの輸送に用いるもので,主に埋設用の外面にポリエチレンを被覆した鋼管。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
関連ページ : 防食基礎:有機ライニング鋼管 , 防食基礎:ライニング方法 , 防食塗装系:水道鋼管の防食 ,
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【ポリ塩化ビニル(PVC)】( polyvinyl chloride,PVC )
ポリ塩化ビニルとは,塩化ビニルを本質的に唯一の単量体として製造する重合体を主成分とする塩化ビニルプラスチック。【JIS K 6900 「プラスチック―用語」】
略号 PVC で表され,塩化ビニル( CH2=CHCl)を原料とし,有機過酸化物触媒で懸濁重合・乳化重合した非結晶性汎用プラスチック(熱可塑性樹脂)。
一般的な合成樹脂の1つで,塩化ビニル樹脂,俗には塩化ビニール,塩ビ,ビニールなどと呼ばれる。塩化ビニルモノマーを重合させただけの樹脂は硬く脆い。また,紫外線で劣化黄変しやすい。実用製品には,柔軟性を与えるための可塑剤,紫外線劣化を防ぐ安定剤を加えたものが用いられている。
ポリ塩化ビニルの特性として,優れた耐水性・耐酸性・耐アルカリ性・耐溶剤性に加え,難燃性,電気絶縁性が期待できる。優れた物性を持ちながら,ソーダ工業との関係で低価格である。このため,壁紙,衣料,バッグ,インテリア(クッション材、断熱材、防音材、保護材として),電線被覆(絶縁材),包装材料,水道パイプ,建築材料,農業用資材(農ビ),消しゴムなど広い分野で利用されている。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,
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【ポリ塩化ビフェニル】( polychlorinated biphenyl )
ポリクロロビフェニル((polychlorobiphenyl)や略して PCB(ピーシービー)とも呼ばれ,ベンゼン環が 2つ結合した芳香族化合物ビフェニル(分子式 C12H10,構造式 C6H5-C6H5 )の水素原子が塩素原子で置換された化合物の総称である。PCB は,塩素の置換数が 1個のモノクロロビフェニルから 10個置換したデカクロロビフェニルまでの 10種類ある。置換塩素の位置の違いによる異性体は,209種存在する。
化学的に安定で,熱媒体,変圧器やコンデンサなどの電気機器の絶縁油,塩ビ管や塗膜の可塑剤などの幅広い分野で用いられていたが,生体に対する毒性が高く,体内の脂肪組織に蓄積され,発癌性,皮膚障害,内臓障害,ホルモン異常を引き起こすため,1973年に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」で第 1種特定科学物質に指定され,製造・輸入・使用が禁止され,廃棄物に対しても非常に厳しい管理が求められる。
関連ページ : 塗装概論:素地調整技術 , 塗膜の評価:はじめに ,
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【ポリオール】( poriol )
複数の水酸基(ヒドロキシ基,ヒドロキシル基)を持つ単量体(ポリオール)には多種多様のものがある。ポリウレタンの製造に用いられるポリオールは,分子種により,ポリエーテルグルコール,ポリエステルポリオール,ポリマーポリオールの 3 種に大別される。
関連ページ : 塗料各論:ポリウレタン樹脂とは , 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料分類 , 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,
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【ポリオレフィン系ポリオール】( polyolefin polyol )
ブタジエン(CH2=CH-CH=CH2)の重合体(ポリブタジエンなど合成ゴムの原料)や,ブタジエンとアクリロニトリル(CH2=CH-C≡N)やスチレン(ベンゼン環-CH=CH2)との共重合体(ニトリルブタジエンゴム,スチレンブタジエンゴム,ABS樹脂の原料)の末端に水酸基を有するポリオールで,電気的特性に優れる。
また,分子中の不飽和結合(二重結合)を解消して耐候性を高めたタイプもある。
関連ページ : 塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料(ポリオール硬化形) ,
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【ポリカーボネート(PC)】( polycarbonate )
ポリカーボネートとは,略号 PC ,透明で耐衝撃性に優れる非結晶性エンジニアリング・プラスチック。
連鎖中の繰返し構造単位が炭酸エステルの形のものである重合体。【JIS K 6900 「プラスチック―用語」】
炭酸エステル(carbonate ester)とは,炭酸(H2CO3 : C(=O)(OH)2 )の2つの水素原子をアルキル基で置き換えたもの(RO−C(=O)−OR’)。( –O–(C=O)–O– ) は,カーボネート基 とも呼ばれる。
可視光透過率 90%程度と無機ガラスと同程度の透明度を有し,耐熱性( 130 ℃~180 ℃まで使用可),難燃性,寸安定性に優れる。特に耐衝撃性については,一般的なガラスの 250 倍以上といわれほど強い。
透明性,耐衝撃性を利用した用途として光学用途( CD,DVD など),航空機・自動車(風防,ライトなど),建材(窓材,屋根材など),医療機器,防弾ガラスの材料などに用いられている。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,
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【ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)】( polychloro trifluoro ethylene )
完全ふっ素化樹脂(PTFE)のふっ素原子 1個を同じハロゲン族の塩素原子(Cl)に置き換えた PCTFEと略され三ふっ化塩化エチレン樹脂ともいう部分ふっ素化樹脂。
関連ページ : 塗料各論:ふっ素樹脂とは ,
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【ポリスルフィド】( polysulfide )
硫黄原子を鎖状に結合した化学構造を含む化合物を多硫化物といい, R-(S)n-R' で表される有機多硫化物をポリスルフィドという。
関連ページ : 塗料各論:エポキシ樹脂塗料概要 ,
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【ホリデー】( holiday )
塗膜やライニング膜などの被膜に存在する素地に達する文字通りのピンホール(pinhole)の他に,き裂,薄膜部,空洞(void)などの微小欠陥の総称として用いられる。なお,日本では,ホリデーの意味合いでピンホールと称する場合も多い。
関連ページ : 防食基礎:ライニング皮膜の品質 , 塗装概論:塗膜変状と措置(塗装作業時) ,
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【ホリデーディテクター】( holiday detector )
⇒ ピンホール検知器
関連ページ : 防食基礎:ライニング皮膜の品質 ,
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【ポリテトラフルオロエチレン】( polytetrafluoroethylene )
ポリテトラフルオロエチレンは,略号 PTFE ,完全ふっ素化樹脂,四ふっ化エチレン樹脂,商標テフロンとして知られる。
テトラフルオロエチレンの重合体。【JIS K 6900 「プラスチック―用語」】
テトラフルオロエチレン(Tetrafluoroethylene : TFE)は,炭素原子とふっ素原子のみのエチレン( C2F4 )。
抜群の耐熱性(連続使用温度約 260℃),耐薬品性(殆どの薬品に侵されない),耐燃焼性,低い表面エネルギー(非粘着性,高撥水性:水接触角約 110°),低摩擦特性(物質中で最も摩擦が少ない),低誘電率,高い絶縁性を活かした分野で利用されている。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 防食基礎:有機ライニングの要求性能 , 塗料各論:ふっ素樹脂とは , 塗料各論:ふっ素樹脂塗料 , 塗料各論:ふっ素樹脂塗膜性能 ,
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【ポリふっ化ビニリデン】( polyvinylidene difluoride )
ポリエチレンの二つの水素を置換した PVDFと略される部分ふっ素化樹脂。
関連ページ : 塗料各論:ふっ素樹脂とは ,
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【ポリふっ化ビニル】( polyvinyl fluoride )
ポリエチレンの一つの水素を置換した PVFと略される部分ふっ素化樹脂。
関連ページ : 塗料各論:ふっ素樹脂とは ,
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【ポリマー】( polymer )
一種又はそれ以上の種類の原子又は原子団(構成単位)の多数の繰返しを,一つ又は少数の構成単位の付加又は切除では著しくは変化しない一連の性質を与えるのに十分な量を互いに連結したことを特徴とする分子からなる物質。【JIS K 6900「プラスチック―用語」】
すなわち,複数のモノマー(単量体)が重合し,単量体構造が繰り返し連結した化合物をいう。重合体ともいい,一般的には,高分子(ハイポリマー)と同義で用いられることも多いが,オリゴマーを意識する場合は,高分子とは区別した意味で用いられる。
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,
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【ボルツマン因子】( Boltzmann factor )
温度 T の熱平衡状態の系で,特定の状態が発現する相対的な確率を定める重み因子をいう。
Z :分配関数,kB :ボルツマン定数(=気体定数 / アボガドロ数),T :熱力学的温度のとき,エネルギー Ei の状態が出現する確率は Z-1 exp ( - Ei /kBT ) で表せる。指数関数の項をボルツマン因子と呼ぶ。
関連ページ : 鋼の腐食:水質(温度)の影響 ,
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【ボルツマン定数】( Boltzmann constant )
分子 1 個あたりの気体定数で,気体定数をアボガドロ定数で割った定数。記号は k や kB を用いる。値は 1.380648×10-23J/K となる。
なお,科学技術データ委員会( CODATA )の推奨( 2010年)する気体定数は,R = 8.3144621(75) J・K-1・mol-1 である。なお( )内の数値は最後の 2 桁に対する不確実さを示している。
科学技術データ委員会( CODATA )に 設置された基礎物理定数作業部会が推奨(2010年)するアボガドロ定数(Avogadro constant) NA = 6.02214129 ( 27 ) × 1023 mol−1 である。なお( )内の数値は最後の 2 桁に対する不確実さを示している。
関連ページ : 鋼の腐食:水質(温度)の影響 ,
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【ボルト継手】( bolt joint )
ボルト,ナットで結合する継手をいう。継手(joint)とは,建築物,構造物,機械類の部材を結合する方法,またはその接合部をいう。
関連ページ : 鋼の腐食:鋼材の変遷 , 鋼の腐食:鋼材の選定 , 防食塗装系:道路:塗装系摩擦接合部用 , 防食塗装系:鉄道:ボルトナット用 , 防食塗装系:鉄道:摩擦接合部用 ,
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【ホルムアルデヒド放散速度(放散量)】( formaldehyde emission rate )
平成 14年(2002年)の建築基準法等の一部改正,建築基準法施行令の改正により,シックハウス対策のための規制対象となる化学物質並びに建築材料及び換気設備に係る技術的基準が定められ,平成 15年(2003年)には,国土交通省告示第 1113号(建築基準法に基づく告示第一種ホルムアルデヒド発散建築材料を定める件),第 1114号(建築基準法に基づく告示 第二種ホルムアルデヒド発散建築材料を定める件)及び第 1115号(建築基準法に基づく告示 第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を定める件)が公布された。
これらの施行令,告示では,ホルムアルデヒド発散速度に応じた基準が示された。建材のホルムアルデヒド放散速度(放散量)により,材料の使用が制約を受けることになる。このため,建材関連業界では,自主的なホルムアルデヒド放散等級の表示が進んでいる。
関連ページ : 塗料評価:鉛・クロムフリーさび止めペイント , 塗膜の評価:中塗り塗料 , 塗膜の評価:上塗り塗料 ,
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【本足場】( double-pole scaffold, independent scaffold, double row scaffolding )
2列の建地(たてじ),布(ぬの),腕木,筋かいから構成され,棚状の部分をもった門形の建物外部に組み立てられる足場。倒壊防止のため,壁つなぎや控えなどをとる。棚足場,枠組足場,二側(ふたかわ)足場ともいう。
関連ページ : 塗装概論:足場工 ,
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【本州四国連絡橋】( Honshu-Shikoku Bridge )
本州と四国を橋などで結ぶ道路・鉄道ルートである。1970年に設立された本州連絡橋公団が建設し,鉄道・道路併用の児島・坂出ルートは 1988年(昭和63年)に全線開通,道路橋の神戸・鳴門ルートは 1998年(平成10年),尾道・今治ルートは 1999年(平成11年)に全線開通した。2005年10月には日本道路公団等民営化関係法施行法により,本州と四国を連絡する自動車専用道路等の維持,修繕,料金収受などの管理を行う本州四国連絡高速道路株式会社(JB本四高速)が設立した。
関連ページ : 社会資本:鉄道新幹線網 , 塗料概論:長期防錆用塗料の登場 ,
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【ポンプ】( pomp )
機械的な作用で発生させた圧力差を液体や気体の運動エネルギーに変換させる機械である。平たく言うと,圧力の作用で液体や気体を送る機械。
関連ページ : 鋼の腐食:キャビテーション・コロージョン