鉄道橋の維持管理

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   【はじめに】

 構造物の維持管理とは,構造物の目的を達成するために,要求される性能が確保されるように行う構造物の検査(点検および調査)及び措置(補修及び補強など)並びにこれらの記録の一元管理を云う。
 鉄道の構造物は,国土交通省の“鉄道に関する技術上の基準を定める省令”に対応する維持管理関連の解釈基準「鉄道構造物等維持管理標準・同解説(構造物編)」(以下「維持管理標準」という)に基づいて維持管理されている。
 「維持管理標準」は,コンクリート構造物,鋼・合成構造物,基礎構造物,土構造物,トンネルの各編で構成されている。ここでは,鋼橋等の鋼構造物の維持管理に関する基本的な知識習得を目的に,検査の考え方,構造物健全度の判定,損傷・変状事に基づいた措置の例などについて,目次に示す要領で解説する。

 【参考資料】
 「鉄道構造物等維持管理標準・同解説(構造物編)鋼・合成構造物」,国土交通省鉄道局監修,(財)鉄道総合技術研究所編集 丸善出版

  基礎用語

 参考資料に規定する用語を紹介する。

  • 維持管理(maintenance, rehabilitation management) :構造物の使用期間において,構造物に要求される性能を満足させるための技術行為。
  • 変状(harmful alteration, deformation) :構造物があるべき健全な状態から性能が低下している状態。(道路では損傷という)
  • 健全度(soundness, integrity):構造物に定められた要求性能に対し,当該構造物が保有する健全さの程度。
  • 検査(survey) :構造物の現状を把握し,構造物の性能を確認する行為。(道路では点検という)
  • 調査(examination):構造物の状態やその周辺の状況を調べる行為。
  • 照査(check, checking):構造物が要求性能を満たしているか否かを,理論的あるいは経験的に確証のある解析や適切な供試体による実験等により判定する行為。(大辞林:照らし合わせて調べること。)
  • 目視(visual observation) :変状等を直接目で見て行う調査。
  • 監視(monitoring, observation):目視等により変状の状況や進行性を継続的に確認する措置。(道路では追跡調査という)
  • 初回検査(prior inspection):新設構造物および改築・取替を行った構造物の初期の状態を把握することを目的として実施する検査。
  • 全般検査(general inspection) :構造物全般にわたって定期的に実施する検査で,通常全般検査,特別全般検査がある。(道路の定期点検,中間点検に相当する)
  • 通常全般検査:構造物の変状等を抽出することを目的とし,定期的に実施する全般検査。
  • 特別全般検査(special total inspection) :構造物の健全度の判定の精度を高める目的で実施する全般検査。
  • 個別検査(individual inspection):全般検査,臨時検査の結果,詳細な検査が必要とされた場合等に実施する検査。(道路では詳細調査という)
  • 措置(action) :構造物の監視,補修・補強,使用制限,改築・取替等の総称。
  • 補修(mending, recovery) :変状が生じた構造物の性能を回復させること,あるいは性能の低下を遅らせることを目的とした措置。
  • 補強(reinforcing, strengthening):構造物の力学的な性能を初期の状態より高いものに向上させることを目的とした措置。
  • 改築(rebuilding, reconstruction) :構造形式を部分的あるいは全体的に変更する措置,あるいは構造物の一部を取り壊して作り替える措置。
  • 取替(replacement):構造物全体を取り換える措置。

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