第一部:化学と物質構造 化学の基本

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 ここでは,化学に関する基本法則や反応を,【タイトル検索(五十音)】, 【基本法則・反応の概要】 に分けて紹介する。

 化学の基本法則・反応検索

 ここでは,化学を理解するうえで必要な基本的な法則と反応について,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。  現時点の内容である。今後に,本文追加に伴い順次追加予定である。
(ア行)
アニオン重合 】  , 【アボガドロの法則】  , 【 アルドール反応 】  , 【 暗反応 】  , 【 イオン重合 】  , 【 ウィッティヒ反応 】  , 【 エステル交換反応 】  , 【エネルギー保存の法則
(カ行)
開環 】  , 【 開裂反応 】  , 【 可逆反応 】  , 【 核反応 】  , 【 核融合反応 】  , 【 加水分解反応 】  , 【 カチオン重合 】  , 【 カップリング反応 】  , 【 カルボニル縮合反応 】  , 【 環化 】  , 【 環化付加 】  , 【 還元 】  ,
完全弾性衝突 】 【 気体の状態方程式 】  , 【 気体反応の法則 】  , 【 気体分子運動論 】  , 【 吸エルゴン反応 】  , 【 求核置換反応 】  , 【 求核反応 】  , 【 求核付加反応 】  , 【 求電子置換反応 】  , 【 求電子反応 】  , 【 求電子付加反応 】  ,
クーロンの法則  , 【 グリニャール反応 】  , 【 ゲイ=リュサックの法則 】  , 【 光化学反応 】  , 【 合成 】  , 【 酵素反応 】  , 【 コーリー・チャイコフスキー反応
(サ行)
ザイツェフ則 】  , 【 酸塩基反応 】  , 【 酸化 】  , 【 酸化還元反応 】  , 【 シャルルの法則 】  , 【 重合 】  , 【 重縮合 】  , 【 縮環 】  , 【 縮合 】  , 【 縮合重合 】  , 【 シュルツ・バーディーの法則】 】  , 【 ストレッカー反応 】  , 【 正則溶液 】  , 【 束一的性質】
(タ行)
脱離反応 】  , 【 置換反応 】  , 【 チンダル現象 】  , 【 ディークマン反応 】  , 【 ディールス‐アルダー反応 】  , 【 呈色反応 】  , 【 転位 】  , 【 電荷保存則 】  , 【 電極反応
(ハ行)
発エルゴン反応 】  , 【 ハミック反応 】  , 【 ピーターソン反応 】  , 【 光反応 】  , 【 ファントホッフの因子 】  , 【 ファントホッフの法則 】  , 【 フィッシャー・トロプッシュ反応 】 【 付加重合 】  , 【 付加反応 】  , 【 複合反応 】  ,
ブヒャラー反応 】  , 【 フリーデル・クラフツ反応 】  , 【 分圧の法則 】  , 【 分解 】  , 【 分子軌道法 】  , 【 分体積の法則 】 【 閉環 】  , 【 並発反応 】  , 【 ペリ環状反応 】  , 【 ヘンリーの法則 】  , 【 ホーナー・ワズワース・エモンズ反応 】  , 【 ポアソンの法則 】  , 【 ボイルの法則 】  , 【 ボイル・シャルルの法則
(マ行),(ヤ行)
マクスウェル分布 】  , 【 マンニッヒ反応 】  , 【 明反応 】  , 【 森田・ベイリス・ヒルマン反応 】  , 【 溶解度 】  , 【 ヨウ素‐デンプン反応
(ラ行)
ラジカル反応 】  , 【 ラジカル付加 】  , 【 ラウールの法則 】  , 【 連鎖反応 】  , 【 連続反応 】  , 【 ロンドン分散力

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 基本法則・反応の概要

 
 【アニオン重合】( anionic polymerization )
 イオン重合の一つ。活性種がアニオンであるイオン重合で,開始剤にアルキルリチウム化合物がよく用いられる。
 関連ページ : 高分子合成反応   ビニル樹脂   
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 【アボガドロの法則】( Avogadro's law )
 「同一圧力,同一温度,同一体積のすべての種類の気体には同じ数の分子が含まれる」である。
 物質量 1 mol とそれを構成する粒子の個数との対応を示す比例定数をアボガドロ数( Avogadro's number )と命名された。記号 NA で表し単位は mol−1 である。
 その後,アボガドロ数は,1969年のIUPAC総会でアボガドロ定数( Avogadro constant )に改称された。
 主要な物理定数の見直しは,国際学術連合会議の科学技術データ委員会( CODATA )に 設置された基礎物理定数作業部会( Task Group on FundamentalPhysicalConstants )によって,不定期であるが,10年程度の間隔で実施されている。
 現在の推奨値( 2010年)は,NA = 6.02214129 ( 27 ) × 1023 mol−1 である。なお( )内の数値は最後の 2 桁に対する不確実さを示している。
 関連ページ :  気体の状態方程式:気体の状態方程式
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 【アルドール反応】( Aldol reaction )
 求核付加反応の一つで,アルドール縮合反応ともいう。α水素原子を持つすべてのアルデヒドやケトンの塩基触媒で起きる一般的な反応である。
 例えば,α水素を持つカルボニル化合物とアルデヒド( R−CHO )又はケトン( R−C(=O)–R’ )とが反応してβ-ヒドロキシカルボニル化合物を与える反応。
 関連ページ : 求核付加反応   置換反応   高分子合成反応   クエン酸回路(TCA回路)   
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 【暗反応】( dark reaction )
 光合成の反応経路で,光エネルギーに直接に依存しない部分。暗反応は,循環的な反応経路で,炭酸固定回路(カルビン=ベンソン回路:Calvin-Benson's cycle )といわれる。
 関連ページ : 糖の光合成   
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 【イオン重合】( ionic polymerization )
 重合体成長の末端がイオンである付加重合をイオン重合といい,成長イオンがカチオン(陽イオン)の場合はカチオン重合といい,アニオン(陰イオン)の場合をアニオン重合という。
 反応には開始剤が必要で,カチオン重合ではプロトン酸やルイス酸が,アニオン重合ではアルカリ金属や有機金属化合物が用いられる。
 関連ページ : 高分子合成反応   
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 【ウィッティヒ反応】( Wittig Reaction )
 ウィッティヒ試薬を呼ばれるリンイリドとカルボニル化合物からアルケンを生成する化学反応。
 イリド(ylide)とは,正電荷を持つヘテロ原子(リンなど)と負電荷を持つ原子(一般に炭素)が共有結合で隣接した構造をもつ化合物の総称で,ウィッティヒ試薬には,リン(P)のイリドであるホスホニウムイリド(phosphonium ylides ) Ph3 P=CR2 ( Ph :フェニル基)などが用いられる。
 関連ページ : 求核付加反応   
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 【エステル交換反応】( )
 エステル基交換,エステル置換ともよばれる。エステル(RCOOR')にアルコール(R-OH),酸(R-COOH),他のエステルを反応させ,元のエステルの酸基(アシル基 R-CO- など)やアルキル基を交換する反応。
 一般的に,エステル交換反応は,アルコーリシス(アルコールを作用させてアルキル基(-R')を交換する反応),アシドリシス(酸を作用させてアシル基(RCO-)を交換する反応),エステル相互交換( 2 種類のエステル間の交換)に分けられる。
 関連ページ : 熱可塑性樹脂   陰イオン(アニオン)界面活性剤   
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 【エネルギー保存の法則】( the law of the conservation of energy )
 「孤立系のエネルギーの総量は変化しない」という物理学における保存則の一つである。エネルギー保存の法則は,熱力学では熱力学第一法則 (the first law of thermodynamics) と呼ばれる基本的な法則の一つである。
 ある系の異なる状態を比較すると,二つの状態のエネルギー総量が同じ(差がゼロ)である。時間変化においても,任意の時刻のエネルギー総量の時間変化量はゼロである。
 関連ページ :  熱運動と状態変化:熱運動,  気体の圧力:気体分子の熱運動
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 【開環】( ring opening )
 環式化合物が反応時に開裂し鎖式化合物(脂肪族化合物)になること。
 関連ページ : 高分子合成反応   
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 【開裂反応】( cleavage )
 
 関連ページ : アルケンの特徴   カルボン酸の製法   高分子合成反応   
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 【可逆反応】( reversible reaction )
 原系から生成系へ向う反応を正反応,生成系から原系へ向う反応を逆反応という。正反応と逆反応が同時に起る反応が可逆反応で,実質的に,正反応のみで逆反応が起こらない反応を不可逆反応と呼ぶ。
 関連ページ : 化学反応とは   化学平衡とは   
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 【核反応】( nuclear reaction )
 原子核や粒子との衝突で別の種類の原子核に変わること。核分裂反応と核融合反応に分けられる。
 関連ページ : 放射性壊変とは   
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 【核融合反応】( nuclear fusion reaction )
 略して核融合といわれ,軽い核種同士が融合してより重い核種になる核反応。
 核融合反応には,熱核融合(超高温で起こる核融合反応),衝突核融合(原子核の直接衝突で起こす核融合反応),スピン偏極核融合(陽子と中性子の角運動を制御する事による核融合反応),ピクノ核融合(高密度の白色矮星内部で考えられる核融合反応),ミューオン触媒核融合(電子を 200 倍の質量を持つ負ミューオンに置き換えることによる核融合反応)などがある。
 関連ページ : 放射性壊変とは   
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 【加水分解反応】( hydrolysis )
 水分子と反応し,反応物が分解した生成物が得られる反応。
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 【カチオン重合】( cationic polymerization )
 イオン重合の一つ。活性種がカチオンであるイオン重合で,開始剤にブレンステッド酸,三塩化アルミニウムなdのルイス酸などが用いられる。
 関連ページ : 高分子合成反応   
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 【カップリング反応】( coupling reaction )
 2 つの分子を選択的に結合させて一つの分子にする反応。天然物の合成など,比較的大きな構造の物質の反応に用いられることが多い。
 カップリング反応は,2 つの分子構造が同じホモカップリング反応,分子構造が異なるクロスカップリング反応(ヘテロカップリング反応ともいう)に分けられる。 また,用いる触媒により多くの反応が報告されている。
 関連ページ : 着色料   
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 【カルボニル縮合反応】( calbonyl condensation reaction )
 ⇒アルドール反応(アルドール縮合反応)
 関連ページ : 求核付加反応   置換反応   高分子合成反応   
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 【環化】( cyclization )
 鎖式化合物を環式化合物に変換すること。閉環(ring closurecyclization)ともいう。
 一般的には,鎖状構造の両末端に官能基をもつ化合物を環状化合物を得る反応(環化反応)をいう。
 環化は,ディークマン反応(ジエステルの環化反応)などの分子内環化( 1分子内の 2 個の官能基の縮合反応),ディールス‐アルダー反応(2種類のジエン分子から一つの環を生成する閉環反応)などの分子間環化(  2 個以上の分子の環化反応)に分けられる。
 関連ページ : ジエンの特徴   
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 【環化付加】( cycloaddition )
 cycloaddition は,日本語訳では,環化付加の他に付加環化,環状付加ともいわれ,環式化合物を合成する重要な反応。
 不飽和結合への付加で,環式化合物(環状化合物)を生成する反応である。
 反応機構には,ペリ環状反応機構(π電子系に対し,別のπ電子系が付加反応を起こして環を形成),イオン性反応機構(求核剤と求電子剤の反応で環化付加が進行),ラジカル反応機構(ラジカル的な付加反応により環化付加),遷移金属による反応(複数のアルケンやアルキンが配位した遷移金属錯体による環化付加)などがある。
 関連ページ : ジエンの特徴   
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 【還元】( reduction )
 一般的には,物質(原子,分子)が電子を受け取る化学反応のこと。卑近な例では,物質から酸素が奪われる反応,物質に水素が化合する反応などがある。
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 【完全弾性衝突】( perfectly elastic collision )
 運動している 2 つの物体が接触し,短時間に力を相互に及ぼし合う物理的現象を衝突という。
 2 つの物体が衝突した時,衝突前の一方の物体の相対速度をνとすると,衝突後の相対速度ν’は,ν’= - e νとなる。e は反発係数と呼ばれ,0 から 1 の間の値を取る。
 e = 1 であれば運動エネルギーが保存されるので,この場合を完全弾性衝突という。完全弾性衝突以外は,運動エネルギーの一部が熱エネルギーなどに変換される。
 関連ページ :  気体の圧力:気体分子の熱運動
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 【気体の状態方程式】( equation of state )
 アボガドロの法則,標準状態の概念の発展に伴い,ボイル・シャルルの法則の定数が明らかになり,気体の状態を評価する一般則「気体の状態方程式」が確立した。
 気体定数 R ,気体のモル数 n とすると,圧力 P ,体積 V と温度 T との関係は,
     PV = nRT
 科学技術データ委員会( CODATA )の推奨( 2010年)する気体定数は,R = 8.3144621(75) J・K-1・mol-1 である。なお( )内の数値は最後の 2 桁に対する不確実さを示している。
 関連ページ :  気体の状態方程式:気体の状態方程式
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 【気体反応の法則】( Gay-Lussac's law )
 【ゲイ=リュサックの法則】 参照。
 関連ページ :  気体の状態方程式:気体の基本法則
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 【気体分子運動論】( Kinetic Theory of Gases )
 気体運動論とも分子運動論とも呼ばれ,速度分布関数を用いて広く気体の性質を論ずる理論一般。
 関連ページ :  気体の量と体積:気体の性質と分子運動論
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 【吸エルゴン反応】( endergonic reaction )
 化学反応のうち,反応前後で自由エネルギー(ギブスエネルギー)変化が正,すなわち外部からエネルギーを吸収する反応。従って,この反応は自発的に進まないので非自発反応ともいわれる。⇔対義語は,発エルゴン反応(自発反応)
 関連ページ : 自由エネルギー変化   糖の代謝   
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 【求核置換反応】( nucleophilic substitution )
 反応の中心となる求電子剤に対して求核剤が求核攻撃し,脱離基が脱離する反応。
 求核置換反応は,プロトン性溶媒で脱離基が陰イオンとなり離れ,得られた陽イオンに試薬(求核剤)が攻撃し官能基の置換が起きる SN1 反応と試薬(求核剤)が脱離基の背面から攻撃し。脱離基と試薬の置換が起きる SN2 反応に分けられる。
 芳香族炭素上の反応は芳香族求核置換反応,カルボン酸誘導体の置換反応は求核アシル置換反応という。
 関連ページ : 化学反応の反応機構による分類   アルケンの特徴   置換反応   フェノールの反応   芳香族炭化水素   
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 【求核反応】( nucleophilic reaction )
 イオン反応のうち,電子対をもつ反応種(陰イオンやルイス塩基)が,電子が不足している化学種(形式的には正電荷を帯びた状態)を攻撃して始まる反応。
 関連ページ : 化学反応の電子移動による分類   
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 【求核付加反応】( nucleophilic addition )
 陰イオン種である求核剤( Y )が付加することによってπ結合が解裂し新たな共有結合を生成する反応。
 関連ページ : 化学反応の反応機構による分類   アルケンの特徴   求核付加反応   
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 【求電子置換反応】( electrophilic substitution )
 芳香環(ベンゼン環)によく見られる反応で,ベンゼン核のπ電子に対して陽イオンが置換する反応。
 関連ページ : 化学反応の反応機構による分類   ベンゼン   フェノール   フェノールの反応   
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 【求電子反応】( electrophilic reaction )
 電子の不足している反応種(陽イオンやルイス酸)が,化学種の電子の豊富な部位(不飽和結合,非共有電子対など)を攻撃して始まる反応。親電子反応,カチオノイド反応(cationoid reaction)ともいう。
 関連ページ : 化学反応の電子移動による分類   
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 【求電子付加反応】( electrophilic addition )
 二重結合(又は三重結合)のπ電子に陽イオン種( X :求電子剤)の攻撃・付加で開裂し,生成したカルボカチオン( -C )を陰イオン種( Y )が攻撃する反応。
 関連ページ : 化学反応の反応機構による分類   アルケンの特徴   ベンゼン   
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 【クーロンの法則】 ( Coulomb’s Low )
 荷電粒子間に働く反発し,又は引き合う力が,それぞれの電荷の席に比例し,距離の二乗に反比例(逆二乗の法則)する。
 電荷を帯びた 2つの荷電粒子間に働くクーロン力 ( F ) は,2つの粒子の電荷の大きさ ( q1 と q2 ) ,粒子間の距離 ( r ) より,次の関係から求められる。
     F = k× ( q1×q2 )/r2
     ここに,k は比例定数
 関連ページ :  原子核の構造
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 【グリニャール反応】( Grignard reaction )
 グリニャール試薬を求核剤として,カルボニル化合物の求核置換反応(グリニャール反応)。
 グリニヤール試薬(Grignard reagent)は,エーテル溶媒中で付加させたい構造を持つハロゲン化アルキルに金属マグネシウムを作用させ,炭素-ハロゲン結合を炭素-マグネシウム結合に置き換えることで生成した一般式 R–MgX ( R :有機基,X :ハロゲン)で表される有機マグネシウムハロゲン化物(有機金属試薬)。
 関連ページ : 求核付加反応   
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 【ゲイ=リュサックの法則】( Gay-Lussac's law )
 次の 2 つの法則であるが,一般的にゲイ=リュサックの法則という場合は,第 1 の法則を指す。
 第 1 の法則
 「反応物と生成物の気体の体積の間の比は,簡単な整数の比で表される」である。気体反応の法則とも呼ばれる。
 第 2 の法則
 「一定の質量と一定の体積の気体の圧力は,気体の絶対温度に比例する」である。
 圧力 P と温度 T( K )との関係は,
    P / T = C(一定)
 気体の質量一定の時,圧力と温度の間の関係を発見したギヨーム・アモントンに因んで,アモントンの法則とも呼ばれる。
 関連ページ :  気体の状態方程式:気体の基本法則
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 【光化学反応】( photochemical reaction )
 光合成など,生化学の分野などで,色素分子が光エネルギーを吸収し,励起された電子が飛び出し,物質の酸化還元を引き起こす光反応。
 関連ページ : 糖の光合成   
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 【合成】( synthesis )
 複数のものを一つにすることで,化学反応を用いて化合物を作ることを化学合成(chemical synthesis)という。
 生体内の物質代謝を意味する生合成(biosynthesis),生体の炭素同化の一種で,太陽光エネルギー,二酸化炭素から糖類などを合成する光合成(photosynthese)とは区別される場合がおおい。
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 【酵素反応】( enzyme reaction )
 生体で起こる化学反応の中で,酵素の作用で,触媒される反応や選択的に起きる反応。
 酵素(enzyme)とは,選択的な触媒作用をもつたん白質などの生体高分子物質。多くは単体で細胞内外で作用するが,複数個の酵素が複合体を形成して触媒作用を行うものもある。(JIS K 3600「バイオテクノロジー用語」)
 関連ページ : 酵素とは   
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 【コーリー・チャイコフスキー反応】( Corey-Chaykovsky reaction )
 アルデヒド( R−CHO )又はケトン( R−C(=O)–R’ )と硫黄イリドとからオキシラン環(エポキシド)を合成する化学反応。
 硫黄イリドは,スルホニウム,スルホキソニウム化合物に強塩基を作用させることで合成される試薬。
 関連ページ : 求核付加反応   
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 【ザイツェフ則】( Saytzeff's rule )
 分子内脱水などの脱離反応では,結合している水素原子数の少ない方から水素原子が失われる。
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 【酸塩基反応】( acid-base reaction )
 酸と塩基を混合した時の化学反応。アレニウス定義による酸・塩基の混合では中和反応が進行,ブレンステッドまたはルイスの定義による酸・塩基の混合では,電子対の授受による配位結合(錯体)が形成。
 関連ページ : 酸塩基とは   酸・塩基の反応   
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 【酸化】( oxidation )
 一般的には,物質(原子,分子)が電子を失う化学反応のこと。卑近な例では,物質に酸素が化合する反応,物質から水素が奪われる反応などがある。
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 【酸化還元反応】( oxidation-reduction reaction )
 反応物から生成物が生じる化学反応において,物質間で電子の授受のある反応。
 関連ページ : 化学反応の用途による分類   酸化還元反応の基礎   
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 【シャルルの法則】( Charles's law )
 「圧力が一定のとき,理想気体の体積は熱力学的温度に比例する」である。
 体積 V と温度 T( K )との関係は,
    V / T = C(一定)
 式からは,0 K で体積 0 となるが,実際には有限の体積を保持するので,シャルルの法則は理想気体に対して成立する関係である。
 関連ページ :  気体の状態方程式:気体の基本法則
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 【重合】( polymerization )
 重合反応ともいい,単量体 (モノマー) 分子が 2 個以上結合する反応で,重合体(ポリマー)の合成を目的にする化学反応の総称。
 反応機構や化学反応種により多くの反応名が与えられている。一例を挙げると,付加重合,縮合重合,連鎖重合(連鎖反応),逐次重合,リビング重合,ラジカル重合,イオン重合,カチオン重合,アニオン重合,配位重合,開環重合などがある。
 関連ページ : 化学反応の用途による分類   高分子合成反応   
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 【重縮合】( polycondensation )
 ⇒縮合重合
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 【縮環】( annelation )
 環化付加反応(cycloaddition reaction)とは,π電子系に対し,別のπ電子系が付加反応を起こして環を形成する化学反応。
 反応機構には,ペリ環状反応機構,イオン性反応機構,ラジカル反応機構,遷移金属による反応などがある。
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 【縮合】( condensation )
 縮合反応ともいい,2 つの官能基が結合し,それぞれの官能基の一部が結合した簡単な分子を脱離するとともに,残った 2 つの官能基同士で結合した新たな分子を生成する反応。
 関連ページ : 置換反応   
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 【縮合重合】( condensation polymerization )
 縮合過程(すなわち,簡単な分子の脱離を伴う)の繰返しによる重合( JIS K 6900「プラスチック―用語」)。
 関連ページ : 高分子合成反応   
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 【シュルツ・ハーディの法則】( Schulze-Hardy rule )
 負に帯電する疎水コロイドの凝析における凝析価と添加した電解質の陽イオン価数との関係に関する経験則で,「コロイド帯電電荷と反対電荷を持つ電解質の添加によりコロイドは沈殿するが,この時の凝析価は一価の陽イオンを基準にして,イオン価数の 6 乗に反比例する。」
 関連ページ :  コロイド溶液:疎水コロイド
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 【ストレッカー反応】( Strecker reaction )
 アルデヒド(又はケトン)とアンモニア,シアン化水素とでアミノ酸を合成する反応。
 関連ページ : カルボン酸の製法   
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 【正則溶液】( regular solution )
 溶質と溶媒との間の凝集力がファンデルワールス力(厳密にはロンドン分散力)のみの場合の溶液をいう。 すなわち,正則溶液とは,静電相互作用(イオン結合),会合(水素結合),双極子相互作用(分極)等が作用しない溶液である。経験的には,混合により発熱あるいは吸熱を生じるが,混合エントロピーの変化は理想溶液と同等の溶液である。
 関連ページ :  液体への溶解現象:溶解現象とは
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 【束一的性質】( colligative properties )
 不揮発性溶質の希薄溶液における性質で,溶質分子の数だけに依存する性質。束一的(そくいつてき)性質を持つ現象には,蒸気圧降下,沸点上昇,凝固点降下,浸透圧,ヘンリーの法則がある。
 関連ページ :  希薄溶液の性質:凝固点降下
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 【脱離反応】( elimination reaction )
 化合物が原子団を放出してより原子数の少ない分子となる反応。
 関連ページ : 化学反応の反応機構による分類   
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 【置換反応】( displacement reaction )
 化合物の同一原子上で置換基が置き換わる化学反応。⇒求核置換反応,求電子置換反応
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 【チンダル現象】( Tyndall effect )
 チンダル現象とは,イギリスの物理学者ジョン・ティンダル( 1820 ~ 1893年)が発見したコロイド溶液の側面から強い光(光束)を当てると,粒子で光が散乱(ミー散乱)し,光路を観察できる現象である。
 関連ページ :  コロイド溶液:コロイド溶液の特徴
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 【ディークマン反応】( Dieckmann reaction )
 ディークマン縮合(Dieckmann condensation)ともいい,ジエステルと塩基から環化して 5 員環または 6 員環の化合物を与える分子内環化反応。
 関連ページ :    
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 【ディールス‐アルダー反応】( Diels–Alder reaction )
 共役ジエンにアルケンが付加して 6 員環構造を生じる閉環反応(分子間環化)。ペリ環状反応の中の環化付加(付加環化)反応のひとつで,ジエン合成ともいわれる。
 関連ページ : ジエンの特徴   
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 【呈色反応】( color reaction )
 発色反応ともいい,定性分析・比色分析・容量分析などの化学分析に利用される発色または変色を伴う化学反応。
 関連ページ : フェノールの反応   
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 【転位】( rearrengement )
 化合物を構成する原子,原子団の結合位置が移動し,分子構造が変化する反応。転位反応には,機構により,求核転位,求電子転位,シグマトロピー転位,ラジカル転位などがある。
 なお,材料工学の分野で,結晶中に含まれる線状の結晶欠陥を日本語で転位というが,概念,英語訳(dislocation)とも異なるものである。
 関連ページ : カルボン酸の製法   フェノール   
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 【電荷保存則】( law of conservation of charge)
 閉じた系の総電気量は時間的に一定である。すなわち,反応前後で電荷の総量が変わらないことを意味する。電荷保存則は,電気量保存の法則,電気中性条件ともいう。
 関連ページ :  物質の構成
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 【電極反応】( electrode reaction )
 電極と電解質溶液との界面で生じる電気化学的な反応の総称。
 関連ページ : 電極反応とは   
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 【発エルゴン反応】( exergonic reaction )
 化学反応のうち,反応前後で自由エネルギー(ギブスエネルギー)変化が負,すなわち外部へエネルギーを放出する反応。従って,この反応は自発的に進むので自発反応ともいわれる。⇔対義語は,吸エルゴン反応(非自発反応)
 関連ページ : 自由エネルギー変化   糖の代謝   
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 【ハミック反応】( Hammick reaction )
 アルデヒドの存在下にα-ピコリン酸を熱分解させると、脱炭酸とそれに続く求核付加反応により(2-ピリジル)アルコールが生じる反応。
 関連ページ : 求核付加反応   
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 【ピーターソン反応】( Peterson reaction )
 アルデヒド( R−CHO )又はケトン( R−C(=O)–R’ )とからアルケンを合成する化学反応。
 関連ページ : 求核付加反応   
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 【光反応】( photoreaction )
 光により引き起こされるさまざまな化学反応。
 関連ページ : 化学反応の用途による分類   
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 【ファントホッフの因子】
 沸点上昇度,凝固点降下など,溶液に溶けている溶質の濃度,言い換えれば粒子の数に比例する現象では,電解質などの溶質のモル濃度に対する電離程度を考慮した補正。
 関連ページ :  希薄溶液の性質:沸点上昇
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 【ファントホッフの法則】
  「浸透圧は,熱力学的温度と溶液のモル濃度に比例する」,即ち浸透圧(Π:パイ)が理想気体の状態方程式と同じく扱える(Π V = n R T )ことを証明した。
 関連ページ :  希薄溶液の性質:はじめに
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 【フィッシャー・トロプッシュ反応】( Fischer-Tropsch reaction )
 一酸化炭素と水素から触媒反応を用いて液体炭化水素を合成する一連の過程。
 関連ページ : 石油製品と燃焼
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 【付加重合】( addition condensation )
 付加反応と縮合反応の両方が繰り返される重合反応。
 関連ページ : 高分子合成反応   ビニル樹脂   ポリウレタン樹脂   
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 【付加反応】( addition reaction )
 多重結合が解裂し,他の原子,分子と単結合を生成する反応。⇒求核付加反応,求電子付加反応,付加重合
 関連ページ : アルケンの特徴   
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 【複合反応】( complex reaction )
 連続反応( successive reaction ),逐次反応( consecutive reaction ),連鎖反応( chain reaction )などとも呼ばれ,A → ( B → C ) → Dとなる中間の段階を経た多段階反応の一つ。
 関連ページ : 化学反応の形態   
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 【ブヒャラー反応】( Bucherer reaction )
 芳香族アミンの芳香環に直結するアミノ基を,亜硫酸水素ナトリウムで水酸基に変える反応,フェノール性の水酸基を亜硫酸アンモニウムでアミノ基に変える反応。
 関連ページ : フェノール   
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 【フリーデル・クラフツ反応】( Friedel-Crafts reaction )
 芳香環に対してアルキル基またはアシル基が求電子置換する反応。
 関連ページ : ベンゼン   
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 【分圧の法則】
 「混合気体全体の圧力(全圧)は,各気体成分の圧力(分圧)の和に等しい」を分圧の法則,又はドルトンの法則という。
 容器内の気体 A の物質量 nA モル,気体 B の物質量 nB モル,及び気体 C の物質量 nC モルが混合した気体の状態方程式は,
    PV = nRT = PA V+ PB V+ PC V
とできる。
 すなわち,P = PA + PB + PC となる。
 ここで,PA ,PB ,PC は,それぞれの気体種の分圧という。
 ちなみに,PA V = nA RT = ( nA / n )・n RT = ( nA / n )・PV とできるので,気体成分の分圧は,全圧とモル分率( nA / n )から容易に求めることができる。
 関連ページ :  気体の量と体積:混合気体の状態方程式
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 【分解】( decomposition )
 一塊のものを諸要素に分け直すことで,化学分解(chemical decomposition)は,化合物が 2 つ以上の化合物に変化する化学反応で,用いるエネルギーの違いによる分類(熱分解,電気分解,光分解,放射線分解など)もある。
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 【分子軌道法】( Molecular Orbital method ,通称 MO 法)
 原子に対する原子軌道の考え方を,そのまま分子に対して適用したもので,原子軌道の線形結合(量子力学的重ね合わせ)によって電子の波動関数を記述し,その電子状態(分子軌道)を求める計算手法LCAO 法( Linear combination of atomic orbitals method )を用いて記述される。
 この手法を,あるいは原子軌道による線形結合法という。
 分子軌道法では,軌道は,原子それぞれの軌道の波動関数の和と波動関数の差になる。
 原子 A の波動関数をψA,原子 B の波動関数をψBとすると,分子ABの波動関数は,和分のψMOⅠ( a ψA+ b ψB ),差分のψMOⅡ( c ψA- d ψB )になる。
 MOⅠは2つの原子間の電子密度が高く,結合性分子軌道( bonding molecular orbital )という。
 MOⅡは電荷の密度が極めて低く,反結合性分子軌道( antibonding molecular orbital )と呼ばれ,結合性分子軌道よりエネルギー順位が高い。
 結合に関わる電子が関連する原子核の影響を受け,結果として電子軌道が関連の原子の数分に分裂する。
 関連ページ :  分子軌道について
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 【分体積の法則】
 「理想気体において,混合気体の体積は,同温同圧の成分気体の体積の和に等しい」を分体積の法則,又はアマガーの法則といわれている。
 分圧の法則と同じように考えることができる。すなわち,気体の状態方程式から,
    PA V = nA RT = P VA
 従って, V = VA + VB + VC
とできる。
 関連ページ :  気体の量と体積:混合気体の状態方程式
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 【閉環】( ring closurecyclization )
 ⇒環化(かんか)
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 【並発反応】( simultaneous reaction )
 競争反応や並行反応などとも呼ばれ,同じ反応物(原料)から複数種の生成物が同時に生じる反応。
 関連ページ : 化学反応の形態   
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 【ペリ環状反応】( pericyclic reaction )
 結合状態の違うπ軌道からσ軌道へと,環状の遷移状態を経て,中間体を形成せずに,複数の結合が同時に形成,又は切断する化学反応。
 関連ページ : 化学反応の電子移動による分類   ジエンの特徴   
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 【ヘンリーの法則】( Henry's law )
 圧力のあまり高くない範囲で「一定の温度において,一定量の溶媒に溶けることができる気体の物質量は,その気体の圧力(分圧)に比例」である。
 関連ページ :  希薄溶液の性質:はじめに
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 【ホーナー・ワズワース・エモンズ反応】( Horner-Wadsworth-Emmons reaction )
 アルデヒド( R−CHO )又はケトン( R−C(=O)–R’ )とからアルケンを合成する化学反応。
 関連ページ : 求核付加反応   
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 【ポアソンの法則】
 理想気体を断熱準静的(熱の出入りが無く,熱平衡、力学的平衡、化学的平衡が保たれていることが)に変化させた時,圧力 P ,体積 V ,及び比熱比γの関係
    PVγ= 一定
 なお,断熱過程( adiabatic process )とは,外部との熱接触のない過程。準静的過程( quasistatic process )とは,熱平衡,力学的平衡,化学的平衡が保たれている状態変化。比熱比( heat capacity ratio )とは,定圧熱容量(圧力一定の条件下で単位量あたりの物質を単位温度変化させるのに必要な熱量)と定積熱容量(体積一定の条件下で単位量あたりの物質を単位温度変化させるのに必要な熱量)の比。
 関連ページ :  気体の量と体積:理想気体と実在気体
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 【ボイルの法則】( Boyle's law )
 「一定温度で,一定量の気体の体積は圧力に反比例する」
 圧力 P と体積 V との関係は,
     PV = C(一定)
 C は,温度が変わらなければ一定の比例定数である。
 関連ページ :  気体の状態方程式:気体の基本法則
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 【ボイル・シャルルの法則】( combined gas law )
 「気体の圧力は体積に反比例し,熱力学的温度に比例する」である。
 圧力 P ,体積 V と温度 T( K )との関係は,
    PV / T = C(一定)
 ボイル・シャルルの法則は,ボイルの法則: PV = 一定,シャルルの法則: V / T = 一定,ゲイ=リュサックの第 2 法則(アモントンの法則): P / T = 一定,から導かれる気体に関する一般則である。
 関連ページ :  気体の状態方程式:気体の基本法則
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 【マクスウェル分布】( Maxwell distribution )
 熱力学的平衡状態で気体分子の速度が従う分布関数(マクスウェル-ボルツマン分布:Maxwell - Boltzmann distribution ともいう)である。
 マクスウェル速度分布からは,分子速度のピーク νmax = ( 2 k T / m )1/2,平均速度νave = ( 4 / π)1/2νmax となる。また,二乗平均速度〈ν2 〉= 3 k T / m となる。
 ここで,m :分子の質量,k ボルツマン定数,T :温度(ケルビン)
 関連ページ :  気体の圧力:気体分子の熱運動
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 【マンニッヒ反応】( Mannich reaction )
 第一級又は第二級アミン( R–NH–R’ )とホルムアルデヒド( HCHO ,methanal )のようにα水素を持たないカルボニル化合物とα水素を持つカルボニル化合物が反応してβ-アミノカルボニル化合物を与える反応。
 関連ページ : 求核付加反応   
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 【明反応】( light reaction )
 光化学反応とも呼ばれ,光エネルギーを利用し,最終的には NADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)とATP(アデノシン三リン酸)を生成する生化学反応。
 生物種により機構が異なり,水を酸化する酸素発生型,硫化水素や水素などを酸化する酸素非発生型に分けられる。
 関連ページ : 糖の光合成   
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 【森田・ベイリス・ヒルマン反応】( Morita-Baylis-Hillman reaction )
 電子求引性基を持つアルケンがアルデヒドに付加する化学反応。
 関連ページ : 求核付加反応   
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 【ヨウ素‐デンプン反応】( iodostarch reaction )
 デンプンがヨウ素によって青紫色に呈色する現象。
 ヨウ素イオンがデンプン中のアミロースのらせん構造に入り込むことで呈色(青色)する。従って,長いらせん構造を有さないアミロペクチンを多く含むデンプン(もち米など)では青い呈色が生じない。
 関連ページ : 多糖とは   
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 【溶解度】( solubility )
 溶質が一定量の溶媒に溶ける限界の量(飽和溶液の濃度)である。温度と溶解度の関係を図示したものを溶解度曲線という。
 代表的な溶解度の表記は,固体,液体の溶解度:溶媒 100 g に対する溶質の質量( g )や飽和溶液 100 g に溶けている溶質の質量( g )などで表す。気体の溶解度: 1 気圧の気体が溶媒 1 ml に溶ける体積を標準状態(STP: 0℃,1 atm )に換算して表す(ブンゼンの吸収係数)。
 関連ページ :  液体への溶解現象:溶解について  液体への溶解現象:溶解度  液体への溶解現象:無機塩の水溶解  液体への溶解現象:固体・液体の溶解平衡  液体への溶解現象:溶媒と溶質  液体への溶解現象:気体の溶解
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 【ヨウ素‐デンプン反応】( iodostarch reaction )
 デンプンがヨウ素によって青紫色に呈色する現象。
 ヨウ素イオンがデンプン中のアミロースのらせん構造に入り込むことで呈色(青色)する。従って,長いらせん構造を有さないアミロペクチンを多く含むデンプン(もち米など)では青い呈色が生じない。
 関連ページ : 多糖とは   
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 【ラジカル反応】( free-radical reaction )
 反応に関わる化学種それぞれから電子 1 個が供与され,新しい結合性軌道が生成する化学反応。
 関連ページ : 化学反応の電子移動による分類   
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 【ラジカル付加】( free - radical addition )
 ⇒付加重合(ラジカル重合)
 関連ページ : 高分子合成反応   
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 【ラウールの法則】( Raoult's law )
 「混合溶液の各成分の蒸気圧はそれぞれの純液体の蒸気圧と混合溶液中のモル分率の積で表される」をいう。
 一般的には,十分に希薄な溶液について成り立つ。
 関連ページ :  液体への溶解現象:溶解現象とは  希薄溶液の性質:はじめに
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 【連鎖反応】( chain reaction )
 ⇒複合反応
 関連ページ : 化学反応の形態   
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 【連続反応】( successive reaction )
 ⇒複合反応
 関連ページ : 化学反応の形態   
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 【ロンドン分散力】( London dispersion force )
 分子や原子などに生じる一時的な電気双極子間の引力によって生じる弱い分子間力をロンドン分散力という。ファンデルワールス力も狭義にはロンドン分散力である。
 関連ページ :  液体への溶解現象:溶解現象とは

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