化 学 (物質の構造)

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 【イオンとは】

 最外殻の軌道電子を放出することで,単原子,又は原子団(複数の原子が結合)は正の電荷を持つ陽イオンになる。最外殻の電子軌道に電子を受け取ることで,単原子,又は原子団は負の電荷を持つ陰イオンになる。
 
 どのような過程を経てイオンになるかを,周期表第 1 族(アルカリ金属元素)のナトリウム( Na )に,第 17 族(ハロゲン元素)の塩素( Cl )が接近した場合で考えてみる。
 
 【原子の構造】で紹介したように,ナトリウムの電子配置は,1s2 2s2 2p6 3s1 と K 殻と L 殻の軌道が電子で満たされ,M 殻の s 軌道に電子が 1 個(最外殻電子 1 個)存在する。この電子を排出することで,安定な希ガス元素のネオン( Ne )と同じ電子配置になることができる。
 塩素の電子配置は,1s2 2s2 2p6 3s2 3p5 と K 殻と L 殻の軌道が電子で満たされ,M 殻の s 軌道とp 軌道に電子が 7 個(最外殻電子 7 個)存在する。M 殻の軌道に電子を1個受け取ることで,安定な希ガス元素のアルゴン( Ar )と同じ電子配置になる。
 

イオンの生成

イオンの生成

 ナトリウムと塩素が接近すると,第一イオン化エネルギー(後述)が小さいナトリウムの最外殻電子が容易に引き抜かれ,電気陰性度の大きい塩素に移動する。これにより,希ガスと同様の電子配置(最外殻電子軌道が満たされた)を持つナトリウムイオン( Na )と塩化物イオン( Cl )が生成する。
 また,ナトリウム元素の低い第一イオン化エネルギー,塩素元素の高い電子親和力(後述)のため,陽イオンのナトリウムイオン,陰イオンの塩化物イオンともイオンとして安定して存在できる。
 
 【参考】
 ● 電気陰性度
 【電気陰性度】で説明するように,化学結合にあずかる電子を引き寄せる力の強弱を表す尺度で,電気陰性度が大きいと電子を引き付ける能力が大きいことを意味する。
 ● イオン化エネルギー
 【イオン化エネルギー】で説明するように,原子やイオンなどから電子を取り去る(陽イオンになる)のに要するエネルギーで,電子を1個引き抜くのに必要なエネルギーを第一イオン化エネルギーといい,電子を1個失った状態からさらに1個引き抜くときのエネルギーを第二イオン化エネルギーという。 エネルギーが小さいと,電子を放出しやすいことを意味する。
 ● 電子親和力
 【電子親和力】で説明するように,原子が電子1個を受け取って,1 価の陰イオンになるときに放出されるエネルギーをいう。

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