化 学 (物質の状態と変化)

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 【物質の状態】

 物質の状態,固体,液体,気体をまとめて物質の三態三相と呼ぶ。三態が安定的に共存する温度を三重点という。
 なお,物質の状態を分類する場合に,古典的な固体,液体,気体に加えて,気体状態のイオン,即ちプラズマ( plasma )を含める場合もある。
 
 固体( solid )
 固体は,物質の三態の一つで,液体と比較して変形や体積変化が極めて小さい。固体を構成する粒子(原子,分子やイオン)は,粒子間の相互作用(引力)により粒子の移動が制限される。粒子が規則正しい繰り返しで並ぶ場合(結晶)と不規則に並ぶ場合(アモルファス)がある。
 液体( liquid )
 液体は,物質の三態の一つで,流動的で容器に合わせて形を変えることができる。液体は気体と異なり,粒子間の相互作用(引力)で粒子間の距離がほぼ一定に保たれ,容器全体に広がることが無い。また,圧縮性が小さいので,ほぼ一定の密度を保つ。一般的に,液体の密度は,固体の密度に近く,気体より著しく高い。
 液体特有の性質として表面張力があり,これによって「濡れ現象」が起きる。
 気体( gas )
 気体は,物質の三態の一つで,一定の形と体積を持たず,自由に流動し,圧縮やずれに対する抵抗が小さく,圧力の増減で体積が容易に変化する状態である。また,外部から力を受けない状態では,気体の体積が無限に膨張する。
 1 種類の気体分子で構成される純粋な気体には,ヘリウムやネオンのような単原子分子(希ガス元素),酸素や窒素などの等核原子分子,二酸化炭素などの複数の元素の原子から成る化合物がある。混合気体とは,空気のように,2 種以上の気体分子の混合物をいう。
 気体を構成する粒子(原子や分子)は,自由かつランダムに動く熱運動をしている。気体の粒子は,それぞれ離れているため,粒子間には引力(分子間力)が働かない。
 
 「温度( temperature )について」
 歴史的には定義の違う多くの温度が存在していた。現在は,熱力学的温度(ケルビン K ,絶対温度ともいう),セルシウス度(℃,摂氏ともいう)が,技術分野,日常生活で広く用いられている。なお,米国では,気象情報などの日常でファーレンハイト度(℉ ,華氏ともいう)がいまだに用いられている。
 熱力学的温度( thermodynamic temperature)
 一般的には絶対温度と呼ばれることが多い。熱力学的温度は,1848 年にウィリアム・トムソン(イギリスの物理学者,初代ケルビン男爵)のカルノーサイクル(温度の異なる 2 つの熱源の間で動作する可逆熱サイクル)で出入りする熱エネルギーから温度目盛を構築できることを提唱し,カルノーサイクルの効率が 1 となる温度(これ以上冷やせない温度)を基準( 0 K ,-273.15 ℃)とした。
 この基準の温度に到達するには無限の仕事が必要となるので,この温度を絶対零度( 0 K )という。温度の単位は,ウィリアム・トムソンの爵位からケルビン( K )を用いる。温度目盛の間隔は,セルシウス度と同じ,即ち 1 K = 1 ℃である。
 現在は,物質量の比により厳密に定義(国際度量衡委員会)された同位体組成を持つ水の三重点( triple point )の熱力学温度の 1/273.16 を 1 ケルビン( K )と定義している。
 セルシウス度( degree Celsius )
 アンデルス・セルシウス(スウェーデンの天文学者)が 1742 年に考案したものに基づいている。彼は,1気圧での水の沸点を 0 ℃,凝固点を 100 ℃と現在とは逆に定義していたが,セルシウス死後の 1744 年に,水の凝固点を 0 ℃,沸点を 100 ℃に改められた。
 現在のセルシウス度は,ケルビンを元に定義され,水の三重点の値を 273.16 K としている。従って,歴史的な定義であった標準大気圧の下での水の沸点と氷点は,厳密には 100℃,0℃ではない。
 水の三重点の実現

水の三重点の実現

水の三重点の実現
写真出典:(独法)産総研 計量標準管理センター
https://www.nmij.jp/library/units/temperature/

 温度計の校正などに用いる水の三重点( 0.01℃, 610 Pa )の実現には,図に示すような石英ガラス製のセルを用いる。
 このセルは,中央に温度計を差し込めるガラス管を有し,内部を真空排気した後で,規定された同位体組成の水を封入したものである。従って,内部の空隙は規定の水の蒸気で満たされている。
 三重点の状態は,温度計を差し込むガラス管に寒剤(ドライアイスなど)を入れ,中央のガラス管周辺に適度の厚さの氷の膜を作ることで実現できる。
 ファーレンハイト度(degree Fahrenheit)
 ガブリエル・ファーレンハイト(ドイツの物理学者)が 1724 年に提唱したもので,ファーレンハイト温度目盛は,水の融点を 32 ℉,沸点を 212 ℉ とし,氷点と沸点の間を 180度で区切られる。この温度は,人間の温度感覚(極寒の冬 0℉ = -17.8℃,欧米人の体温 100℉ = 37.8℃)に符合するので,米国では現在も天気予報などで日常的に用いられている。
 セルシウス度とは次の関係にある。
 C = 5 ( F - 32 ) / 9

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