化 学 第一部:化学と物質構造

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  元素の分類について,【化学的性質による分類】, 【金属性による分類】  に項目を分けて紹介する。

  化学的性質による分類

 周期表は,原子の電子配置の違いを原因とする化学的性質の違いを基準に元素を分類したものである。
 元素は,周期表中の化学的性質の変化の違いから,遷移元素と典型元素に分けられる。
 
 遷移元素 ( transition element )
 原子の電子配置に基づく元素分類の一種(電子軌道 d 軌道あるいは f 軌道が閉殻でない元素)で,周期表の 3族から 11族(12族を含める学者もいる)までの全ての元素をいう。各族の縦の類似性はあまり著しくなく,横の類似性が目立つ元素類である。
 典型元素 ( typical element )
 遷移元素以外の元素(周期表の第 1 族,第 2 族と第 12 族から第 18 族)の総称で,各族で縦の類似性が大きい。これが,典型の語源で,周期表の特徴をよくあらわしている。
 
 グループ分けの例
 周期表で隣り合う元素の化学的性質が似通っている場合に,それらの元素群をとして分類しているが,ここでは,周期表の族以外に広く用いられているグループ分けの例を紹介する。
 典型金属元素( typical metal element )
 典型元素(周期表の第 1 族,第 2 族と第 12 族から第 18 族)の中で,金属性を有する元素の総称である,
 アルカリ金属( alkali metal )
 典型金属元素の中で,周期表第 1 族の 水素( H )を除くリチウム( Li ),ナトリウム( Na ),カリウム( K ),ルビジウム( Rb ),セシウム( Cs ),フランシウム( Fr )の 6元素を指す。
 アルカリ土類金属( alkali earth metal )
 典型金属元素の中で,周期表第 2 族のベリリウム( Be ),マグネシウム( Mg )を除くカルシウム( Ca ),ストロンチウム( Sr ),バリウム( Ba ),ラジウム( Ra )の 4元素を指す。
 希土類元素( rare-earth element,略称 REE,レアアース)
 周期表第 3 族のアクチノイド系 15元素を除く,スカンジウム( Sc ),イットリウム( Y ),ランタノイド系 15 元素の総称である。古くは,水に不溶の酸化物で産出量が少ないため,希土やレアアースなどの名称がつけられたが,現状では必ずしも希少ではないのでレアメタル( rare metal,希少金属)とは区別される。
 チタン族元素( titanium group )
 周期表第 4 族のチタン( Ti ),ジルコニウム( Zr ),ハフニウム( Hf )の 3元素を指す。
 鉄族元素( iron group metal )
 一般的には,性質の類似する周期表第 8 族の( Fe ),周期表第 9 族のコバルト( Co ),周期表第 10 族のニッケル( Ni )の 3元素を指す。
 白金族元素( platinum group metal,略称 PGM )
 周期表第 8,9,10 族の第 5 ,6 周期のに位置するルテニウム( Ru ),オスミウム( Os ),ロジウム( Rh ),イリジウム( Ir ),パラジウム( Pd ),白金( Pt )の 6元素を指す。
 亜鉛族元素( zinc group )
 周期表第 12 族の亜鉛( Zn ),カドミウム( Cd ),水銀( Hg )の 3元素を指す。
 ハロゲン( halogen )
 ハロゲンとは,周期表第 17 族のふっ素( F ),塩素( Cl ),臭素( Br ),よう素( I )の 4元素を指す。
 希ガス( rare gas )
 一般には,周期表第 18 族のヘリウム( He ),ネオン( Ne ),アルゴン( Ar ),クリプトン( Kr ),キセノン( Xe ),ラドン( Rn )の 6元素を指す。
 なお,希ガスは,貴ガス( noble gas )ともいわれる。また,古くは不活性ガス( inert gas )といわれていた。

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  金属性による分類

 単体の特性(金属性)の違いで,高等学校教育など一般的には,金属元素と非金属元素の 2種に分類している例が多い。分野によっては,工学上の便利さから,金属元素,半金属元素,及び非金属元素に分類されことがある。

 金属元素( metal )
 単体が金属としての性質を持つ元素の総称とされている。
 非金属元素( nonmetal )
 金属元素以外の全ての元素の総称とされている。
 半金属元素( metalloid :メタロイド)
 周期表上で金属と非金属との境界付近の元素で,金属と非金属の両方の性質を持つものとされ,ホウ素 ( B )・ケイ素 ( Si )・ゲルマニウム ( Ge )・ヒ素 ( As )・アンチモン ( Sb ) ・テルル ( Te ) ・ポロニウム ( Po ) ・アスタチン ( At )をいう場合が多い。
 例えば,ダイヤモンド構造のケイ素は金属の性質を示さないが,βすず構造のケイ素は,金属の性質を示す。
 半金属元素の定義が曖昧なため,日本の高等学校教育では,ゲルマニウム ( Ge )・アンチモン ( Sb ) ・ポロニウム ( Po )を金属元素,ホウ素 ( B )・ケイ素 ( Si )・ヒ素 ( As )・テルル ( Te ) ・アスタチン ( At )を非金属元素に分類した周期表を用いている。
 
 【参考】
 金属とは
 広辞苑では,“固体状態で金属光沢・展性・塑性(延性)を持ち,種々の機械的工作を施すことができ,かつ電気および熱の良導体であるなどの性質を持つ物質の総称。”と定義し,大辞林では,“単体のうち,金属光沢をもち,熱や電気をよく伝え,展性や延性に富む物質の総称”と定義している。

 金属には明確な定義はないが,固体状態で,次の性質を示すものの総称とするのが一般的である。
 ① 塑性変形が容易で,展延加工ができる。
 ② 不透明で輝くような金属光沢がある。
 ③ 電気および熱をよく伝導する。
 ④ 水溶液中で陽イオン(カチオン)になる。
 なお,水銀のみは,常温・常圧の下で液体の金属である。また,比重 4~5より重いものを重金属,軽いものを軽金属に分類することもある。分野によっては,鉄の比重を基準に重金属と軽金属に分ける場合もある。

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