化 学 (物質の構造)

  ☆ “ホーム” ⇒ “生活の中の科学“ ⇒

 【原子とは】

 原子( atom )は,用語本来の意味と自然科学の発展で本来の意味からずれてしまったが,そのまま用いられている意味で用いられる。
  古代ギリシャの哲学者(レウキッポス,デモクリトスら)が提唱した分割不可能な存在としての哲学の概念。従って,実在を証明された対象とは限らない。
  元素の最小単位。自然科学で扱う原子で,内部構造を持つ中間的な存在であることが明らかになり,①の概念「究極の分割不可能な単位」には該当しなくなった。
 自然科学や一般的な文脈では②の意味で用いられる。哲学的な話題では①の意味で用いられることもある。
 
  の意味で用いる原子は,中心に原子核( atomic nucleus )があり,その周りを電子( electron )が取り巻く構造を持つ。
 ここでは,原子の大きさ,原子核の構造,原子の構造(軌道電子の状態)について紹介する。
 
 原子の構造変遷
 1900年代の初めに,原子は正電荷の粒子と負電荷の粒子の集まりであるらしいことが話題になり,多くの物理学者がその構造について考察した。
 日本では,1903年(明治36年)に,長岡半太郎が正電荷を帯びた原子核を中央に置き,その周りを負電荷の電子が土星の輪のように,リング状に取り囲む土星型原子モデルを提唱している。
 実験的な検証に基づいたモデルとしては,1911年にアーネスト・ラザフォードがα線の散乱実験(原子核を発見)に基づいてラザフォードの原子もでるを発表した。
 これは,小さな中心核(すなわち原子核)に原子量の大部分と電荷が集中し,その周りを電子が回るモデルで,国際原子力機関の紋章のデザインにみられるような惑星モデルである。

国際原子力機関IAEA

 現在の原子モデルは,正の電荷を持つ陽子と電気的に中性な中性子から構成される原子核が,ある空間の中央に点状で存在し,負の電荷を持つ電子が原子核のまわりに確率的に分布し,原子核を電子雲が包むモデルを用いている。
 
 原子の大きさ
 原子の大きさは,元素の種類で異なるが,概ねで直径 10-10m ( 1Å ,0.1nm ,10-4μm )である。この中で,原子核の直径は 10-15 ~ 10-14m と非常に小さい。電子については,大きさを持つのか判明していない。
 原子の直径に比較して原子核が著しく小さく,例えば,太陽系の海王星の軌道を原子の大きさとすると,太陽では原子核より大きすぎる。原子のイメージは,太陽の代わりに木星を中心に置いた時の太陽系に近い。
 
 【参考】
 ● 長岡 半太郎( 1865~ 1950年)
 日本の物理学者,土星型原子モデル提唱などの業績がある。東京帝国大学教授,初代大阪帝国大学総長や帝国学士院院長などを歴任した。
 ● アーネスト・ラザフォード( 1871 ~ 1937年)
 ニュージーランド出身の物理学者,化学者。マイケル・ファラデーと並び称される実験物理学の大家で,α線とβ線の発見,ラザフォード散乱による原子核の発見,原子核の人工変換などの業績により「原子物理学の父」と呼ばれる。1908 年にノーベル化学賞を受賞。
 ● 国際原子力機関( IAEA : International Atomic Energy Agency )
 原子力の平和的利用の促進,原子力の軍事的利用への転用防止を目的とした国際連合傘下の自治機関である。
 1953 年のアメリカ合衆国大統領のドワイト・D・アイゼンハワーによる国際連合総会演説「平和のための核」を契機に 1957 年に創立された。オーストリアのウィーンに本部,トロントと東京に地域事務所,ニューヨークとジュネーヴに連絡室がある。

  ページの先頭へ