化 学 (物質の構造)

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 【エネルギーバンド】

 巨大分子では,結合に関わる原子数が多いため,分子軌道は数多くの電子軌道に分裂する。電子軌道のエネルギー順位は連続していないが,あたかも連続した帯状の様相を呈するため,エネルギーバンド( energy band )という。
 電子に満たされたエネルギーバンドは,価電子帯,又は充満帯といい,電子を含まないエネルギーバンド伝導帯,又は空準位という。
 なお,価電子帯で最もエネルギーの高い軌道を最高被占軌道 HOMO )といい,伝導帯で最もエネルギーの低い軌道を最低空軌道 LUMO )という。伝導帯と価電子帯のエネルギーギャップをバンドギャップ禁制帯という。
 

分子軌道とエネルギーバンドの模式図

分子軌道とエネルギーバンドの模式図

 禁制帯のエネルギーギャップが大きく電子が価電子帯から伝導帯に移動できない物質は,不導体(絶縁体)となる。
 
 禁制帯のエネルギーギャップが比較的小さく,条件次第で伝導帯に電子が移動できる物質は,半導体と呼ばれる。
 
 金属のような導体では,HOMO と LUMO のエネルギーギャップが非常に小さく,価電子帯の電子の一部が比較的自由に伝導帯に移ることができる。この電子は,隣り合う原子の間を自由に動き回ることができるので,自由電子と呼ばれる。
 
 【参考】
 ● バンド理論( band theory )
 周期的な原子配列,分子配列を持つ物質(特に結晶)の電子状態を量子力学で記述する理論の一つである。 通常は, 結晶中の電子のエネルギーと,電子の波数の関係を表す関数を計算する手法全般を指す。バンド理論では,エネルギーと波数の関係(分散関係)をエネルギーバンド(バンド構造)と呼ぶ。
 ● LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital )
 最低空軌道と訳され,電子がない空の軌道のうち最もエネルギーの低い軌道のことをいう。
 ● HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital )
 最高被占軌道と訳され,電子が存在している軌道のうち最もエネルギーが高い軌道のことをいう。

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