化 学 (物質の構造)

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 【多重結合の形成】

 1 組の電子対を共有する単結合については,【電子雲の重なり】で紹介した。共有結合には,単結合の他に,2つの原子間で複数の電子対を共有する多重結合(二重結合,三重結合)がある。
 多重結合は,有機化合物の合成や特性に大きく寄与する。

単結合,多重結合の構造式例

単結合,多重結合の構造式例

 単結合の例には,水素分子( H2 ),水( H2O ),アンモニア( NH3 )やメタン( C2H6 )などの飽和炭化水素類がある。
 二重結合の例としては,二酸化炭素( CO2 )の炭素原子・酸素原子間,エチレン( C2H4 )の炭素原子間などの不飽和炭化水素類が,三重結合には窒素分子( N2 ),アセチレン( C2H2 )の炭素原子間などがある。
 多重結合の構造式では,一組の共有電子対を1本の線で表す価標の本数で示す。例えば,窒素分子( N2 )を構造式で表すと( N ≡ N )となる。

 【電子雲の重なり】では,炭素原子が水素と共有結合(単結合)する際に,4 つの軌道を持つ sp3 混成軌道(四面体形)と呼ばれる新しい軌道を形成することを示した。
 炭素原子間の二重結合や三重結合では,電子軌道の重なりの違いによると考えられる。
 
 単結合では,両原子の電子軌道の一つが縦方向で重なることで生じ,二重結合や三重結合では電子軌道の一つが縦方向で重なり,他の軌道の一つ又は 2 つが側面で重なることで生じる。
 
 縦方向の重なりをシグマ(σ)結合といい,横方向の重なりをパイ(π)結合という。炭素-炭素の二重結合は sp2 混成軌道によりσ結合とπ結合,三重結合は sp 混成軌道により 1 つのσ結合と 2 つのπ結合で構成される。

多重結合の電子雲

多重結合の電子雲

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