化 学 (化学反応)

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 ここでは,化学反応の分類に関連し,【化学反応機構による分類】【置換反応】【付加反応】【脱離状反応】【転移反応】に項目を分けて紹介する。

 【化学反応機構による分類】

 化学反応には,立場の違いを反映した様々な分類がある。中には発見者にちなんで命名された反応,試薬名を冠した反応など数多くの化学反応がある。ここでは,化学反応機構に注目した分類を紹介する。
 
 化学反応機構による分類には,置換反応( displacement reaction ),付加反応( addition reaction ),脱離反応( elimination reaction ),転位反応( rearrangement reaction )などがある。
 なお,ここでは簡潔な紹介にとどめたので,厳密な定義や詳細な解説,及び具体例について専門書などを参照するのが良い。

 

 置換反応( displacement reaction )

 有機化学において,官能基が化合物の同一原子上で置き換わる化学反応である。置換反応は,求核置換反応と求電子置換反応(親電子置換反応ともいう)に分けられる。
 
 求核置換反応は,機構の違いで SN1 反応, SN2 反応に分類される。
 SN1 反応
 プロトン性溶媒に溶かすと,脱離基が陰イオンとなり離れ,陽イオンが得られる。これに試薬(求核剤)が攻撃し官能基の置換が起きる。
 SN2 反応
 試薬(求核剤)が脱離基の背面から攻撃することで,脱離起と試薬の置換が起きる反応である。このため,生成物の立体化学は反転(ワルデン反転)する。
 
 求電子置換反応は,芳香環(ベンゼン環)によく見られる反応である。ベンゼン核のπ電子に対して陽イオンが置換する。 代表的な反応であるニトロ化反応では,硝酸( HNO3 )と硫酸( H2SO4 )の混酸中で生成するニトロニウムイオン( NO2+ )により,最終的にベンゼン環の水素と置換しニトロ化する。

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 付加反応( addition reaction )

 付加反応は,多重結合【多重結合の形成】参照)が解裂し,別の分子などの原子団と新たな単結合を生成する反応である。生成物は,付加体と呼ばれる。
 炭素化合物では,三重結合の結合エンタルピーが二重結合より小さいため,三重結合で最も起こりやすい。
 付加反応は,加えた試薬の最初に攻撃する基の特性により,求電子付加反応と,求核付加反応に区分される。

 求電子付加反応とは,二重結合(又は三重結合)のπ電子に陽イオン種( X+ )の付加で生成したカルボカチオン( C+ )を陰イオン種( Y- )が攻撃して付加反応が終結する。
      X+ Y- + ( R’ – C = C – R )
      ⇒ ( R’ – X C – C+ – R ) + Y-
      ⇒ R’ – X C – CY – R
 この時,X+ を求電子剤という。
 
 求核付加反応とは,陰イオン種である求核剤( Y-が付加することによってπ結合が解裂し新たな共有結合を生成する付加反応である。求電子付加反応と異なり,負電荷は他の炭素-炭素結合に移動して陽イオン種( X+ )が付加する。
      X+ Y- + ( R’ – C = C – R )
      X+ + ( R’ – Y C – C – R- )
      ⇒ R’ – Y C – C – R X

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 脱離反応( elimination reaction )

 原子団を放出して,小さい分子になる反応を離脱反応という。例えば,アルコール(エタノール)に濃硫酸を加えて加熱した時,分子内の脱水でアルケン(エチレン)が生成する分子内脱水反応は脱離反応である。放出された原子団は脱離基と呼ばれる。
 反応機構には,1 つの分子から原子の脱離で生成したイオンから,さらに他のイオンが脱離し異なる化合物ができる 1 分子脱離反応と,2 つの分子が反応し,一方の分子で付加,又は置換反応が,他方の分子で脱離反応が同時(協奏的)に起きる 2 分子脱離反応(付加脱離反応)がある。

 

 転位反応( rearrangement reaction )

 原子や原子団の結合位置を変えて,分子の骨格構造が変化する反応が転位反応である。分子の骨格構造に変化を与えずに結合位置を変える場合は,日本語の読みは同じであるが,転移反応( transfer reaction )とよぶ。
 転位反応には,分子骨格内で基が移動する分子内転位,一度遊離して他の分子に移動する分子間転位に分けられる。さらに,機構別に,求核転位,求電子転位,,シグマトロピー転位,ラジカル転位に分けられる。

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