化 学 (物質の構造)

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 【水素・酸素の分子軌道】

 【水素の分子軌道】
 水素原子は,1s 軌道に 1 個の電子を持つ。水素分子( H2 )では,結合性分子軌道(σ1s )と反結合性分子軌道(σ* 1s)に分かれ,2 個の電子がエネルギー順位の低い結合性分子軌道を埋めることができ,分子として安定する。

水素分子の電子配置

水素分子の電子配置

 【酸素の分子軌道】
 酸素原子は,原子番号 8 で,電子は 1s 軌道に 2 個(電子対),2s 軌道に 2 個(電子対),2p 軌道に 4 個(電子対 1 ,不対電子 2 )存在する。
 酸素分子( O2 )では,原子の中心部にある 1s 軌道は,結合の形成にほとんど影響しない。2つの酸素原子が近づくと,2s 軌道が重なり合うことができ,水素の場合と同様に結合性分子軌道(σ2s )と反結合性分子軌道(σ* 2s )が形成される。
 方位量子数 1 の 2p 軌道は,磁気量子数 m = -1 , 0 , 1 の 3 つの軌道をとれる。それぞれの軌道は互いに垂直の関係にある。このため,この軌道の中の 1 つ( 2px とする)が 2 つの原子を結ぶ軸の方向を向く(σ結合)と他の 2 つの軌道( 2py , 2pz とする)は軸に対して垂直の方向を向く(π結合)ことになる。
 従って,2p 軌道には,結合性軌道(σ2px ,π2py ,π2pz )と反結合性分子軌道(σ*2px ,π*2py ,π*2pz )が形成される。

 それぞれのエネルギー順位は,σ2s <σ* 2s <σ2px <π2py =π2pz <π*2py =π*2pz <σ*2px となり,16 個の電子がエネルギー順位の低い軌道から分配され,π2pzまでは 7 組の電子対( 14個)で満たされる。残りの 2 個の電子は,不対電子として 1 個ずつπ*2py とπ*2pz に分配される。
 原子軌道と分子軌道の電子配置のイメージ図に示すように,原子軌道の 2p 軌道より 6 個の電子が低いエネルギー状態の分子軌道に,2 個の電子が高いエネルギー状態の分子軌道に配置され,電子全体としてはエネルギーが低く安定であることが分かる。

酸素分子の電子配置

酸素分子の電子配置

【結合次数の求め方】
 分子軌道論における正味の結合性を簡単に決めるために,結合次数( bond order )が用いられる。結合次数は,結合性分子軌道にある電子数(酸素分子の場合 はσ2px ,π2py ,π2pz の 8 個)と反結合性分子軌道の電子数(酸素分子の場合はσ*2px ,π*2py ,π*2pz に含まれる 4 個)の差(酸素の場合は,8 - 4 = 4 個)の半分である。従って,酸素分子の場合は,結合次数 2 ( = 4 / 2 )となる( 2 重結合)。

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