化 学 (物質の構造)

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 【電子雲の重なり】

 分子軌道は,希ガス構造,即ち周期表第一周期の水素原子は最外殻電子 2 個,周期表第二周期や第三周期の原子では最外殻電子8個の状態になろうとする。
 例えば,図に示すように,最外殻電子 1 個の水素原子と,最外殻電子 4 個の炭素原子,5 個の窒素原子,6 個の酸素原子,及び 7 個の塩素原子との反応では,最外殻電子 8 個の希ガス構造の分子になることで安定する。

水素原子の原子間距離と相互作用

水素原子の原子間距離と相互作用

 これらの元素の電子配置は,
 炭素(原子番号 6 ) : 1s2 2s2 2p2
 窒素(原子番号 7 ) : 1s2 2s2 2p3
 酸素(原子番号 8 ) : 1s2 2s2 2p4
 塩素(原子番号 17 ): 1s2 2s2 2p6 3s2 3p5
である。いずれも最外殻の p 軌道は電子で満たされていないのが分かる。
 なお,多くの化合物において,共有結合に関わる最外殻電子は 8 個となるが,例外として,三塩化ホウ素( BCl3 )で 6 個,五塩化リン( PCl5 )で 10 個が知られている。
 
 p 軌道は,【原子の構造】で解説したように,方位量子数 l = 1 ,磁気量子数 m = -1 , 0 , 1 の 3 つの軌道をもつ。 p 軌道に電子が入るとき,磁気量子数の異なる軌道から順番に入る。
 すなわち,p3 までは,磁気量子数の異なる軌道に電子が 1 個ずつ入り,p4 から電子軌道にスピン量子数の異なる電子が入り対(電子対となる。電子対となっていない電子を不対電子という。

 窒素( N )は,3 つの P 軌道に 3 個の不対電子酸素( O )は 1 組の電子対(電子 2 個)と 2 個の不対電子塩素( Cl )については 2 組の電子対(電子 4 個)と 1 個の不対電子がある。
 これらの原子では不対電子の数の水素と共有結合し,三角錐の頂点に原子が配置した分子構造( NH3 が三角錐,H2O は折れ線,HCl で直線)を形成する。

 一方,炭素( C )は,3 つの p 軌道に 2 個の不対電子しかないが,メタン( CH4 )で知られるように,4 個の水素と共有結合できる。
 詳細は省略するが,これは,最外殻の s 軌道の電子 1 個が空の p 軌道に移動(昇位:promotion )し,s 軌道と 3 つの p 軌道の混合混成軌道: hybrid orbital )が起こり,4 つの軌道を持つ sp3 混成軌道四面体形)と呼ばれる新しい軌道を形成したためである。
 これにより,不対電子 1 個を持つ 4 つの軌道は,4 個の水素と共有結合できる。分子は,四面体の重心と各頂点に原子を配置した構造をとる。
 同様の結合形態には,後述の【その他結合(配位結合)】で紹介するアンモニウムイオン( NH4+ )や硫酸イオン( SO42- )などがある。

電子軌道と共有結合

電子軌道と共有結合

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