第一部:化学と物質構造・物質の構成
☆ “ホーム” ⇒ “生活の中の科学“ ⇒ “基礎化学(目次)“ ⇒
純物質とは
純物質( pure substance )とは,1種類の元素からなる単体( elementary substance )と 2 種以上の元素で構成される化合物( compound )とに分けられる。
単体
単体には,水素 ( H2 ),酸素 ( O2 )などの等核二原子分子や純鉄 ( Fe ),金 ( Au )などの純金属などがある。
同じ元素の単体でも,原子の数や配列(結晶構造など)の違いで性質が異なるものがある。これを同素体( allotropy )という。
同素体には,酸素( O2 )とオゾン ( O3 )のような分子を構成する原子の数が異なるもの,硫黄 ( S:斜方硫黄,単斜硫黄,ゴム状硫黄 ),炭素 ( C:ダイヤモンド,グラファイト,カーボンブラック,フラーレン,カーボンナノチューブなど ),リン ( P:黄リン,赤リン )などのように,原子の配列(結晶構造)の違いによるものがある。
化合物
化合物は,2種以上の元素で構成されているので,化学反応を経て 2種類以上の元素の単体に分離できるものといえる。
例えば,化合物の水 ( H2O )は,電気分解で単体の水素 ( H2 )と酸素 ( O2 )に分けることができる。
ページのトップへ
【参考】
同素体( allotrope )
酸素とオゾン,ダイヤモンドと黒鉛(グラファイト),α鉄とγ鉄など,同一の元素からなる元素の単体で,構成する原子の配列,結合の仕方が異なるため,異なった構造や性質を示す単体が複数存在するとき,互いに同素体という。
同位体( isotope )
陽子の数が同じ(同じ原子番号)で,中性子数の数が異なるもの。
安定した状態の元素には,陽子の数に対する適切な中性子の数があり,その組み合わせが同位体( isotope )の存在確率を決めることになる。
陽子と中性子の組み合わせによっては,比較的不安定な場合もある。このような状態の原子は,より安定な原子核になるため核反応が起きる。核反応時に放射線を放出するので,この種の原子(同位体)を放射性同位体(ラジオアイソトープ)と呼ぶ。
同族体( homologue ,homolog )
有機化学においては,分子の一般式が R - (CH2)n - X ( R ,X は官能基)で表せ,CH2 の数 n が異なる誘導体を同族体という。
誘導体( derivative )
有機化学においては,分子内の原子または基が他の原子または基で置き換えられて生じた化合物をいう。なお,母体の構造や性質は大幅には変わらない。
電気分解( Electrolysis )
略して電解ともいわれ,二次電池(蓄電池)の充電操作で代表されるように,自然に放置したのでは進まない酸化還元反応を外部からエネルギー(電圧)を与えることで強制的に酸化還元反応を進めて,化合物を分解する方法である。
ページの先頭へ