化 学 (化学反応)

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 ここでは,酸・塩基に関連し,【酸・塩基の定義について】【アレニウスの定義】【ブレンステッド・ローリーの定義】【ルイスの定義】【参考:アルカリとは】に項目を分けて紹介する。

 【酸・塩基の定義について】

 酸塩基反応は,一般に知られる中和反応など,酸と塩基の化学反応をいう。
 なお,日常生活で酢酸や消石灰など身近な化学物質として用いられる酸・塩基であるが,厳密には理解されていなかった。
 酸・塩基に関する研究の歴史で,次の3種の定義が定着している。
 1884 年にスウェーデンの科学者スヴァンテ・アレニウスが酸と塩基を定義(アレニウスの定義)した。アレニウスの定義では,水溶液中の中和反応を説明できるが,一般的な酸塩基反応の説明には不都合であった。
 1923 年には,アレニウスの定義より広義の定義がデンマークの科学者ヨハンス・ブレンステッドとイギリスの科学者マーチン・ローリーによって同時に発表(ブレンステッド・ローリーの定義)された。これにより,水溶液以外でもプロトンを持つ物質の酸塩基反応の説明が容易になった。
 同じ 1923 年には,アメリカの物理化学者ギルバート・ニュートン・ルイスによって,プロトンを持たない物質( BF3 ,AlCl3 など)にまで拡大した【配位結合】の考え方を発表(ルイスの定義 )している。

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 アレニウスの定義

 水溶液中における定義のため,本来は水和物として化学式を書くべきであるが,簡単のため,水和水を省略している。
 アレニウス酸 ( Arrhenius acid )
 水溶液中においてプロトン( H+を出す物質。
 例えば,次式の塩酸( HCl )がアレニウス酸になる。
     HCl → H+ + Cl
 この定義は,厳密にいうと,水溶液中ではプロトンとして存在できないので,ヒドロニウム(オキソニウム)イオン( H3O+ )を用いた次の表記が多くなっている。
     HCl + H2O → H3O+ + Cl
 アレニウス塩基 ( Arrhenius base )
 水に溶けた時に水酸化物イオン( OHを出す物質。例えば,次式の水酸化ナトリウム( NaOH )がアレニウス塩基になる。
     NaOH → Na+ + OH

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 ブレンステッド・ローリーの定義

 ブレンステッド酸 ( Brönsted acid,base) :反応する相手に対しプロトンを与える物質。
 ブレンステッド塩基 ( Brönsted acid,base) :反応する相手からプロトンを受け取る物質。
 
 例えば,
     HCl + H2O → H3O+ + Cl
では,塩酸( HCl )がブレンステッド酸になり,水( H2O )がブレンステッド塩基になる。

 次のアンモニア( NH3 )を水に溶解した時の平衡反応
      NH3 + H2O ⇆ NH4+ + OH
では,正反応(右方向の反応)では NH3 がブレンステッド塩基で,水( H2O )がブレンステッド酸になる。
 逆反応(左向きの反応)では,アンモニウムイオン( NH4+ )がプロトンを放出するのでブレンステッド酸で,プロトンを受け取る水酸化物イオン( OH )がブレンステッド塩基になる。

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 ルイスの定義

 ルイス酸 ( Lewis acid,base ) :電子対を受け取る物質。
 ルイス塩基 ( Lewis acid,base ) :電子対を供給する物質。
 例えば,次式の水素イオン( H+ )がルイス酸になり,水酸化物イオン( OH )がルイス塩基になる。
      H+ + :OH → H2O
 次式では,三フッ化臭素( BF3 )がルイス酸になり,ジメチルエーテル( CH3OCH3 )がルイス塩基である。
      BF3 + :O (CH3)2 → (CH3)2O BF3
 なお,生成物の三フッ化ホウ素メチルエーテル( (CH3)2O BF3 )は有機合成の触媒として用いられる。

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 【参考】

 アルカリとは
 アルカリ( alkali )は,中世ヨーロッパの錬金術に大きな影響を与えたアラビアの哲学者,科学者アブー・ムーサー・ジャービル・イブン・ハイヤーン(西暦 700 年代)の創設した概念(元来は植物の灰を水に溶かした時の性質)である。
 アルカリとは,水に溶解して塩基性( pH > 7 )を示し,酸と中和する物質の総称をいい,典型的なものにはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物がある。これらは,水に溶解すると水酸化物イオンを生じるアレニウス塩基に相当する。
 他に,アンモニア,アミン,アルカリ性の水溶液やアルカリ金属を単にアルカリと呼ぶこともある。

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