ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
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ハ行 ハで始まる用語を ( ハア - ハノ ) , ( ハハ - ハン ) に分けて紹介する。
用語一覧 ハ行 ハア - ハノ
【 羽二重(はぶたえ) 】 ,
【 ハフニウム 】 ,
【 ハミック反応 】 ,
【 パラ(p) -トルエンスルホン酸 】 ,
【 パラクリン 】 ,
【 パラ系アラミド 】 ,
【 パラジウム 】 ,
【 パラトルモン 】 ,
【 パラフィン 】 ,
【 パラフィンワックス 】 ,
【 パラレル巻き 】 ,
【 バリウム 】 ,
【 L-バリン 】
【 バルクモールディングコンパウンド法 】 ,
【 パルス‐シーケンス法 】 ,
【 パルミチン酸 】 ,
【 ハロゲノ基 】 ,
【 ハロゲン 】 ,
【 ハロヒドリン生成 】 ,
【 ハロン 】 ,
【 はん(汎)用炭素繊維 】 ,
【 半乾式排煙脱硫装置 】 ,
【 半金属元素(メタロイド) 】 ,
【 反結合性分子軌道 】
【 半減期 】 ,
【 半硬質プラスチック 】 ,
【 半合成繊維 】 ,
【 反射吸収 】 ,
【 反射高速電子線回折法( RHEED ) 】 ,
【 反射電子 】 ,
【 反射防止ガラス 】 ,
【 半値幅 】 ,
【 半定量分析 】 ,
【 半電池 】 ,
【 半導体 】 ,
【 半導体レーザ 】 ,
【 半透膜 】 ,
【 バンドギャップ(禁制帯) 】 ,
【 パントテン酸 】
【 バンド理論 】 ,
【 ハンドレイアップ成形 】 ,
【 反応型接着剤 】 ,
【 反応次数 】 ,
【 反応性希釈剤 】 ,
【 反応速度 】 ,
【 反応速度式 】 ,
【 反応特異性 】 ,
【 反応熱 】 ,
【 反応物 】 ,
【 半反応式 】 ,
【 帆布(はんぷ) 】 ,
【 半無煙炭 】 ,
【 はん(汎)用炭素繊維 】 ,
【 汎用プラスチック(樹脂) 】
用語の概要と関連ページ
【羽二重(はぶたえ)】( habutae )
たて,よこ糸に無よりの生糸などを使用した主として平織の後練織物( JIS L0206 「繊維用語(織物部門)」)。
関連ページ : 繊維関連用語
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【ハフニウム】( hafnium )
ハフニウム( Hf ),周期表第4族,原子番号72の元素
関連ページ : 周期表第 4 族
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【ハミック反応】( Hammick reaction )
有機合成反応の一つ,α-ピコリン酸の熱分解で,脱炭酸と求核付加反応により(2-ピリジル)アルコールが生じる反応。
関連ページ : 求核付加反応
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【パラ(p) -トルエンスルホン酸】( p-toluenesulfonic acid )
=トシル酸
関連ページ : カルボン酸の酸性度
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【パラクリン】( paracrine )
内分泌の分類の一つ:分泌された物質が近隣の受容体を持つ細胞に作用する神経伝達物質など。
関連ページ : ホルモンとは
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【パラ系アラミド】( poly-p-phenyleneterephthalamide )
商標ケブラーとして知られる p –フェニレンジアミンとテレフタル酸クロリドの共重縮合で得られるポリアミド。
関連ページ : 熱可塑性・エンプラなど
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【パラジウム】( palladium )
パラジウム( Pd ),周期表第10族,原子番号46の元素
関連ページ : 周期表第 10 族
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【パラトルモン】( parathormone )
副甲状腺から分泌されるペプチド系ホルモン。副甲状腺ホルモン( PTH ),上皮小体ホルモンとも呼ばれ,血液のカルシウムの濃度を増加させる働きがある。
関連ページ : 主な内分泌器官
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【パラフィン】( paraffin )
炭素原子の数が 20 以上のアルカン。
関連ページ : 分子構造による分類 脂肪族炭化水素
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【パラフィンワックス】( Paraffin wax )
石油の常圧及び減圧蒸留留出油から得た固形の炭化水素の混合物で,主として直鎖状の炭素数 20~40 の炭化水素の混合物が食品添加剤(光沢剤)として用いられる。
関連ページ : 発色剤,漂白剤,光沢剤
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【パラレル巻き】( parallel winding, hoop winding )
FRP の FW 成形法で用いる繊維の巻き方の一種で,フープ巻き(hoop winding)ともいい,回転する円筒形マンドレルの軸に対し,ほぼ直角となる方向に巻き付けること。
関連ページ : FRP 成形法
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【バリウム】( barium )
バリウム( Ba ),周期表第2族,原子番号56の元素
関連ページ : 周期表第 2 族
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【L-バリン】( valine )
アルキル鎖を持ち,硫黄を含まない中性アミノ酸,必須アミノ酸。
関連ページ : ヒドロキシ酸・アミノ酸 アミノ酸の構造
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【バルクモールディングコンパウンド法】( bulk Molding Compound )
不飽和ポリエステルなどの液状樹脂,硬化触媒,促進剤,添加剤,補強繊維などを混練して得られるパテ状の成形材料であるバルクモールディングコンパウンド( BMC )を射出成形機,圧縮成形機あるいはトランスファ成形(高周波で余熱した材料を金型へ圧入して加熱硬化する方式)機を用いて成形する方法である。
関連ページ : FRP 成形法
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【パルス‐シーケンス法】( pulse sequence )
パルス状の電磁波( RF パルス)を試料に当て,その結果生じる自由誘導減衰( FID )を測定し,これをフーリエ変換することで NMR スペクトルを得ることができる。
関連ページ : 核磁気共鳴分光装置
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【パルミチン酸】( palmitic acid )
飽和のモノカルボン酸
関連ページ : カルボン酸とは
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【ハロゲノ基】( halogen group )
ハロゲン基ともいい,炭化水素の水素と置換したハロゲン -X( F ,Cl ,Br ,I )をいう。
関連ページ : 置換基・特性基・官能基
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【ハロゲン】( halogen )
ハロゲンとは,周期表第17族のふっ素( F ),塩素( Cl ),臭素( Br ),よう素( I )をいう。
複数のハロゲン元素が結合した化合物をハロゲン間化合物という。ハロゲンの関わる反応には,ハロゲン化,ハロゲン付加,ハロゲン化水素付加などがある。
関連ページ : 酸化剤・還元剤 共有結合型水素化物 ハロゲン化物 アルケンの特徴 アルコールの反応 置換反応 ベンゼン フェノールの反応
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【ハロヒドリン生成】( halohydrin )
⇒求電子置換反応
関連ページ : アルケンの特徴
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【ハロン】( halon )
臭素( Br )を含むフロンをハロンという。ハロンは優れた消火能力があり消火剤として使用されいた。臭素のオゾン破壊能力は,塩素の 40 倍から 50 倍といわれている。
関連ページ : オゾン層破壊問題
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【はん(汎)用炭素繊維】( general purpose carbon fibre )
引張弾性率が約 140 GPa 以下の炭素繊維( JIS K7010 「繊維強化プラスチック用語」)。
関連ページ : FRP とは
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【半乾式排煙脱硫装置】( semidry flue-gas desulfurization equipment )
ボイラの排煙脱硫装置の一種で,スラリー状の吸収剤を微粒化して,スプレードライヤ内で排ガス中の硫黄酸化物( SOx )と反応させ,副生品を乾燥固体で回収する装置。
関連ページ : ボイラ事故と排煙処理
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【半金属元素(メタロイド)】( metalloid )
周期表上で金属と非金属との境界付近の元素で,金属と非金属の両方の性質を持つものとされ,ホウ素 ( B )・ケイ素 ( Si )・ゲルマニウム ( Ge )・ヒ素 ( As )・アンチモン ( Sb ) ・テルル ( Te ) ・ポロニウム ( Po ) ・アスタチン ( At )をいう場合が多い。
関連ページ : 元素の分類
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【反結合性分子軌道】( antibonding molecular orbital )
原子 A の波動関数をψA,原子 B の波動関数をψBとすると,分子ABの波動関数は,和分のψMOⅠ,差分のψMOⅡになる。
すなわち,
ψMOⅠ= a ψA+ b ψB
ψMOⅡ= c ψA- d ψB
ここで a ,b ,c ,d は,原子の組み合わせなどで決まる因子( weighting factor )である。
MOⅠは2つの原子間の電子密度が高く,結合性分子軌道( bonding molecular orbital )という。
MOⅡは電荷の密度が極めて低く,反結合性分子軌道( antibonding molecular orbital )と呼ばれ,結合性分子軌道よりエネルギー順位が高い。
いずれの分子軌道もσ結合,π結合のいずれにもなれる。
関連ページ : ジエンの特徴 分子軌道について
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【半減期】( radioactive half-life )
放射性半減期とは,放射性核種の原子の数が,放射性壊変によって半分になるのに要する時間をいう。
関連ページ : 放射性壊変とは
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【半硬質プラスチック】( semi-rigid plastic )
指定の条件のもとで,曲げ弾性率,又はもしそれが適用し得ない場合には,引張り弾性率が 70 MPa と 700 MPa の間にあるプラスチック。(注) 材料は通常 ISO 291 に従って標準温度及び相対湿度において分類される。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
関連ページ : プラスチックの記号と関連用語
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【半合成繊維】( semi‐synthetic fiber )
再生繊維と合成繊維の中間的な繊維,例えば天然のセルロースを化学反応させて得た人工的なセルロース誘導体を出発物質として得た繊維(アセテートなど)を半合成繊維という場合がある。
関連ページ : 繊維とは
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【反射吸収】( reflection absorption )
金属表面上の薄膜の赤外分光分析測定に,赤外線を大きな入射角で入射し,等しい角度で反射される光を測定する方法が採られる。
関連ページ : 赤外吸収スペクトル測定
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【反射高速電子線回折法( RHEED )】( reflection high energy electron diffraction method )
高速電子線回折法( HEED )で反射電子線の回折像を観察する方法。
関連ページ : 表面・局所分析 電子顕微鏡・電子線回折
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【反射電子】( reflection electron )
散乱電子のうち,後方に散乱されて試料から放出される運動エネルギーの高い電子。電子プローブの電子と同程度の運動エネルギーをもつ。
関連ページ : 電子顕微鏡・電子線回折 電子衝突と局所・表面分析
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【反射防止ガラス】( anti reflective glass )
反射防止ガラスには,ガラスの表面に細かい凸凹をつけ,反射光の拡散で映り込みを抑えた無反射ガラスとガラスの両面に特殊なコーティング(多層コーティングの干渉効果を利用)を施し,表面反射を 10 分の 1 程度に抑えた低反射ガラスがある。
関連ページ : ガラス
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【半値幅】( peak width at half height )
ピーク高さの 1/2 の点におけるピーク幅。時間軸に平行に引いた直線とピークとの交点間距離( JIS K0214 「分析化学用語(クロマトグラフィー部門」)。
半値幅は,ピーク面積の近似値を求める半値幅法,カラム効率を示す指標の理論段数( theoretical plate number ),ピークの分離度( resolution )評価などに用いられる。
なお,半値幅法(peak width at half height method )とは,半値幅にピーク高さを乗じて求めるピーク面積計算法。
関連ページ : クロマトグラフィーの原理
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【半定量分析】( semi quantitative analysis )
量的概念を加味して行う定性分析。
関連ページ : 分析化学とは
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【半電池】( half-cell )
金属などの電子伝導体の相と電解質溶液などのイオン伝導体の相とを含む,少なくとも二つの相が直列に接触している系。二つの半電池を組み合わせれば電池を構成することができる( JIS K0213 「分析化学用語(電気化学部門」)。
関連ページ : 電池
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【半導体】( semiconductor )
関連ページ : 集積回路(IC)
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【半導体レーザ】( semiconductor laser )
半導体レーザ( LD )は,ダイオードレーザやレーザダイオード( LD )とも呼ばれ,半導体の構成元素によりレーザ光の中心周波数(色)が決まる。
関連ページ : レーザ
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【半透膜】( semipermeable membrane )
溶媒(又は水)だけが透過し,溶質は透過しない選択透過膜( JIS K3802 「膜用語」)。
半透膜を介して移動する物質に対し,溶媒と溶質の何れに注目するかで呼称が変わる。溶媒の移動に注目する場合は浸透(しんとう: osmosis )といい,溶質の分別に注目する場合は透析(とうせき: dialysis )といる。
半透膜は,粒子(分子やイオン)の大きさで,物質を分別できるため,適切な半透膜を用い,溶液のモル濃度と浸透圧の関係から高分子化合物などの分子量を測定できる。
水浄化など身近で利用される半透膜には,概ね 1 ~ 10 nm の孔径を持つ限外ろ過膜( ultrafiltration membrane ),2 nm 以下の孔径を持つ逆浸透膜( RO 膜: reverse osmosis membrane )などがある。
関連ページ : 希薄溶液の性質:浸透圧
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【バンドギャップ(禁制帯)】( band gap )
価電子帯で最もエネルギーの高い軌道を最高被占軌道( HOMO )といい,伝導帯で最もエネルギーの低い軌道を最低空軌道( LUMO )という。伝導帯と価電子帯のエネルギーギャップをバンドギャップ(禁制帯)という。
関連ページ : 集積回路(IC) エネルギーバンド
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【パントテン酸】( pantothenic acid )
CoA(補酵素A)の構成成分として糖代謝や脂肪酸代謝での反応に関わるビタミン B 群(ビタミン B5 )。
関連ページ : 酵素(はじめに) 水溶性ビタミン
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【バンド理論】( band theory )
周期的な原子配列,分子配列を持つ物質(特に結晶)の電子状態を量子力学で記述する理論の一つである。 通常は, 結晶中の電子のエネルギーと,電子の波数の関係を表す関数を計算する手法全般を指す。バンド理論では,エネルギーと波数の関係(分散関係)をエネルギーバンド(バンド構造)と呼ぶ。
関連ページ : エネルギーバンド
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【ハンドレイアップ成形】( hand lay up moulding )
繊維基材に樹脂を含浸させながら所定の形と厚さに手作業で積み重ねて製品を作る成形方法( JIS K7010 「繊維強化プラスチック用語」)。
手積積層成形ともいい,安価に製作でき,成形品のサイズに制限がなく,形状の自由度が大きいが,量産に適さず,品質が作業者の熟練度に依存し寸法精度に劣る。
関連ページ : FRP 関連用語 FRP とは FRP 成形法
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【反応型接着剤】( reactive adhesive )
化学反応によって硬化する接着剤( JIS K6800 「接着剤・接着用語」)。
関連ページ : その他高分子材料
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【反応次数】( reaction order )
⇒べき乗係数
関連ページ : 反応次数と速度定数の関係
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【反応性希釈剤】( reactive diluent )
高粘度の無溶剤熱硬化性接着剤に加える低粘度の液体で硬化の間にその接着剤と化学的に反応するもの。(注) 粘度を一段下げる利点はその他の性質の喪失を最小限度に止めることをもたらす。希釈剤も参照。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
関連ページ : プラスチックの記号と関連用語 熱硬化性プラスチックとは
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【反応速度】( reaction velocity ,reaction rate )
化学反応において,反応物(又は生成物)の量の時間変化率を表す物理量と定義される。
関連ページ : 反応速度とは 化学平衡とは
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【反応速度式】( reaction rate equation )
濃度のべき関数として表現したものである。
関連ページ : 化学反応の速度とは
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【反応特異性】( reaction specificity )
特定の化学反応にしか触媒しない反応特異性は,消化酵素などいくつかの例外を除き,多くの酵素に見られる。
関連ページ : 酵素(はじめに)
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【反応熱】( heat of reaction )
化学反応の最初の状態と最終状態の結合エネルギーの差に基づき,出入りする熱を反応熱という。
反応熱 =「生成物の結合エネルギーの総和」-「反応物の結合エネルギーの総和」
関連ページ : 反応熱とは
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【反応物】( reactant )
化学反応では,反応する出発物質を反応物,基質,又は始原系,原料などと呼び,反応で生成ずる物質は生成物と呼ぶ。
関連ページ : 化学反応とは
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【半反応式】( half reaction )
酸化還元反応は,酸化と還元を分けて記述すると理解しやすい。この一方のみに注目した記述方式を半反応式と呼ぶ。
関連ページ : 酸化還元反応の基礎
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【帆布(はんぷ)】( canvas , duck )
たて,よこ糸に太番手のより糸又は引きそろえ糸を使用して密に織った平織物(帆,テント,ろ布,布ぐつ地など)( JIS L0206 「繊維用語(織物部門)」)。
関連ページ : 繊維関連用語
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【半無煙炭】( semianthracite )
関連ページ : 石炭と燃焼
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【はん(汎)用炭素繊維】( general purpose carbon fibre )
関連ページ : FRP 関連用語
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【汎用プラスチック(樹脂)】( commodity plastic )
包装材料・雑貨・家庭用品など幅広い用途に使われる合成樹脂の総称で,一般的には,耐熱温度 100 ℃未満の熱可塑性樹脂が用いられている。
例えば,非結晶性の汎用ポリスチレン(GPPS)は,透明で剛性が高い特性を利用し,電気冷蔵庫の庫内部品などの家電部品,CDケース,トレー,ボールペンの軸などに用いられている。
関連ページ : プラスチックとは 熱可塑性・エンプラなど
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