化 学 (化学反応)

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 ここでは,酸化還元反応に関連し,【酸化剤・還元剤】【主な酸化剤】【主な還元剤】【参考:化学めっき,無電解めっき】に項目を分けて紹介する。

 【酸化剤・還元剤】

 酸化還元反応を一般化して示すと,
      酸化剤還元剤 → 生成物 A +生成物 B
 と表現できる。
 酸化剤( Oxidizing agent , oxidant , oxidizer )とは,酸化還元反応に於いて電子を得る物質で,還元剤( reducing agent , reductant , reducer )とは,電子を放出する物質である。
 前項までに,具体的な酸化還元反応の例を示しているが,反応式を見ただけでは,酸化剤,還元剤の区別や授受される電子数を容易に判別するのが困難である。
 そこで,これを容易にするため,還元剤が電子を放出し自身が酸化される反応と,酸化剤が電子を受け取り自身が還元される反応とに分けて記述する半反応式(電子 e- を含むイオン反応式)が用いられる。
 例えば,臭化ナトリウムに二酸化マンガンと濃硫酸を加えて加熱し,臭素単体を得る反応は,
      2NaBr + MnO2 + 3H2SO4 → Br2 + MnSO4 + 2NaHSO4 + 2H2O
となる。
 この反応では,臭化ナトリウムは酸化され( Brの酸化数 -1 → 0 )単体の臭素が得られているので還元剤となり,酸化マンガン(Ⅳ)は還元され( Mn の酸化数 +4 → +2 )硫酸マンガンが得られているので,酸化剤となる。
 
 これを半反応式で表すと
 酸化反応(還元剤)
      2NaBr + 2H2SO4 → Br2 + 2NaHSO4 + 2H+ + 2e-

 還元反応(酸化剤)
      MnO2 + H2SO4 + 2H+ + 2e- → MnSO4 + 2H2O

となり,酸化された物質,還元された物質,授受される電子数が容易に分かる。なお,当然ながら,“酸化還元反応式=酸化反応式+還元反応式”とならなければならない。

 

 【主な酸化剤について】

 次には,対象物質の酸化を目的に,利用例の多い酸化剤とその半反応式を紹介する。
 なお,式中の H+ は,水溶液中では H3O+ はヒドロニウムイオン(オキソニウムイオン)を指す。
 
 過酸化水素: H2O2 + 2H+ + 2e- → 2H2O (酸性),
      又は H2O2 + 2e- → 2OH- (中性,塩基性)
 二酸化硫黄: SO2 + 4H+ + 4e- → S + 2H2O
 オゾン: O3 + 2H+ + 2e- → O2 + H2O
 ハロゲン単体(例 Cl2 ): Cl2 + 2e- → 2Cl-
 過マンガン酸カリウム: KMnO4 + 8H+ + 5e- → K+ + Mn2+ + 4H2O (酸性) ,
      又は KMnO4 + 2H2O + 3e- → K+ + Mn2+ + 4OH- (中性,塩基性)
 酸化マンガン(Ⅳ): MnO2 + 4H+ + 2e- → Mn2+ + 2H2O
 硝酸(濃): HNO3 + H+ + e- → NO2 + H2O
 硝酸(希): HNO3 + 3H+ + 3e- → NO + 2H2O
 硫酸(濃・熱): H2SO4 + 2H+ + 3e- → SO2 + 2H2O
 二(重)クロム酸カリウム(酸性): K2Cr2O7 + 14H+ + 6e- → 2K+ + 2Cr3+ + 7H2O

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 【主な還元剤について】

 次には,対象物質の還元を目的に,利用例の多い還元剤とその半反応式を紹介する。なお,酸化剤で紹介した過酸化水素と二酸化硫黄は還元剤としても作用する。
 
 過酸化水素: H2O2 → O2 + 2H+ + 2e-
 二酸化硫黄: SO2 + 2H2O → SO42- + 4H+ + 2e-
 よう化カリウム: 2KI → I2 + 2K+ + 2e-
 硫化水素: H2S → S + 2H+ + 2e-
 二酸化硫黄: SO2 + H2O → SO42- + 4H+ + 2e-
 しゅう酸: H2C2O4 → 2CO2 + 2H+ + 2e-
 塩化スズ(Ⅱ): SnCl2 → Sn4+ + 2Cl- + 2e-
 硫酸鉄(Ⅱ): FeSO4 → Fe3+ + SO42- + e-
 ヒドラジン: N2H2 → N2 + 4H+ + 4e-
 金属単体 ( Na など): Na → Na+ + e-
 水素化物 :酸化数 - 1 のヒドリド H- 供与による有機化合物の還元に活用される。
     水素化ホウ素ナトリウム( NaBH4 ),水素化アルミニウムリチウム( LiAlH4 ),
     水素化シアノホウ素ナトリウム( NaBH3CN ),水素化イソブチルアルミニウム( (i-bu)2AlH )など

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 【参考】

 ● 化学めっき,無電解めっき(酸化・還元反応を利用した金属メッキ)
 外部からの電気を用いないで,金属塩溶液から 金属を対象物の表面に析出させる方法で,その手法の違いで,置換めっきと化学還元めっきに分けられる。
 置換めっきは,対象物が金属で,それより電極電位の大きい金属イオンとの酸化還元現象を利用する方法である。
 化学還元めっきとは,金属塩の水溶液に還元剤を投入し,対象物表面に金属を析出させる方法である。具体例を【めっき】に紹介する。

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