ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
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タ行 トで始まる用語を ( トア - トソ ) , ( トタ - トン ) に分けて紹介する。
用語一覧 タ行 トア - トソ
【 トウ 】 ,
【 糖 】 ,
【 銅 】 ,
【 銅アンモニアレーヨン 】 ,
【 同位体 】 ,
【 同化 】 ,
【 同化(脂肪酸) 】 ,
【 同化(ヌクレオチド) 】 ,
【 同化(ピリミジンヌクレオチド) 】 ,
【 同化(プリンヌクレオチド) 】 ,
【 同化(飽和脂肪酸) 】 ,
【 凍害 】 ,
【 等価回路 】
【 透過電子顕微鏡( TEM ), 】 ,
【 透過率 】 ,
【 統計的仮説検定 】 ,
【 動径分布 】 ,
【 統計変動 】 ,
【 糖原生 】 ,
【 等軸晶系 】 ,
【 糖脂質 】 ,
【 糖質 】 ,
【 糖質コルチコイド 】 ,
【 同時分析 】 ,
【 等色関数 】 ,
【 糖新生(とうしんせい) 】 ,
【 透析 】 ,
【 銅族元素 】 ,
【 同族体 】 ,
【 同素体 】 ,
【 同定 】
【 動的架橋 】 ,
【 動的粘弾性法 】 ,
【 導電率 】 ,
【 導波管 】 ,
【 糖原性アミノ酸 】 ,
【 動物繊維 】 ,
【 灯油 】 ,
【 当量点(滴定の) 】 ,
【 ドーパミン 】 ,
【 ドーピング,ドーパント 】 ,
【 特性X線 】 ,
【 特性基 】 ,
【 トコトリエノール 】 ,
【 トコフェロール 】 ,
【 土酸族元素 】 ,
【 トシル酸 】
用語の概要と関連ページ
【トウ】( tow )
極めて多数のフィラメントをそろえた束( JIS L 0204 「繊維用語」)で,撚りのないもの。
関連ページ : FRP とは 繊維関連用語
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【糖】( sugar , saccharose )
広義では単糖を構成成分とする化合物の総称で,狭義では単糖を構成成分とする化合物の中の水溶性で甘味のあるものを指す。代表的なものには,しょ糖(サッカロース,砂糖),グルコースなどがある。
関連ページ : 糖質と炭水化物 脂質とは
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【銅】( copper )
銅( Cu ),周期表第11族,原子番号29の元素
関連ページ : 周期表第 11 族
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【銅アンモニアレーヨン】( cuprammonium rayon )
シュバイツァー溶液にセルロースを溶解させた溶液を,酸性の水中に押し出すことで得られるセルロースの再生繊維である。
関連ページ : 繊維とは
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【同位体】( isotope )
陽子の数が同じ(同じ原子番号)で,中性子数の数が異なるもの。
安定した状態の元素には,陽子の数に対する適切な中性子の数があり,その組み合わせが同位体( isotope )の存在確率を決めることになる。
陽子と中性子の組み合わせによっては,比較的不安定な場合もある。このような状態の原子は,より安定な原子核になるため核反応が起きる。核反応時に放射線を放出するので,この種の原子(同位体)を放射性同位体(ラジオアイソトープ)と呼ぶ。
関連ページ : 原子核の構造 放射性壊変とは
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【同化】( anabolism )
生体反応において,同化作用ともいわれ,異化で得られたエネルギーを用い,酵素反応を利用し,単純な前駆体を経て核酸,たんぱく質,糖質,脂質など複雑な生体高分子の合成を行う過程。
関連ページ : たんぱく質の代謝 糖の代謝 脂質の代謝とは
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【同化(脂肪酸)】( )
脂肪酸の生合成は細胞質基質内で行われ,アセチル CoAを直接利用するのではなく,これと二酸化炭素( CO2 )から合成されたマロニル CoA が二酸化炭素を放出しつつ脂肪酸の鎖にアセチル基が転移する過程を経る。なお,放出された二酸化炭素はマロニル CoA の合成に再利用される。
関連ページ : 脂質の同化
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【同化(ヌクレオチド)】( )
ペントースリン酸経路(PPP)から供給される D-リボース-5-リン酸を用いて得られた 5-ホスホリボシル-1α-二リン酸(PRPP)を出発原料とするが,プリン塩基のヌクレオチド(アデニン:A ,グアニン:G )と,ピリミジン塩基のヌクレオチド(シトシン:C ,チミン:T ,ウラシル:U )では異なる経路で合成される。
関連ページ : ヌクレオチドの代謝
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【同化(ピリミジンヌクレオチド)】( )
ピリミジン塩基を持つピリミジンヌクレオチドは,先にピリミジン環を完成させてから,5-ホスホリボシル-1α-二リン酸(PRPP)と結合させる方法で得られる。
関連ページ : ヌクレオチドの代謝
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【同化(プリンヌクレオチド)】( )
プリン塩基を持つプリンヌクレオチドの合成は,5-ホスホリボシル-1α-二リン酸(PRPP)を出発原料として得られる中間体のイノシン一リン酸(IMP)を経て合成される。
関連ページ : ヌクレオチドの代謝
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【同化(飽和脂肪酸)】( )
アセチル ACP ,マロニル ACP を出発物質とし,炭素鎖の伸長 は,縮合反応,アセトアセチル ACP の還元,脱水,クロトニル ACP の還元の 4 段階を繰り返して行われる。
関連ページ : 脂質の同化
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【凍害】( frost damage )
コンクリートに含まれる水の凍結や凍結・融解の作用によって,表面劣化,強度低下,ひび割れ,ポップアウトなどの劣化を生じる現象。
関連ページ : コンクリートの種類と劣化
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【等価回路】( equivalent circuit )
相似の関係をもたせるように作った回路。
関連ページ : 電気特性の測定原理
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【透過電子顕微鏡( TEM ),】( transmission electron microscope )
数百 kV の電位差で加速した電子線をあて,透過した電子を拡大して観察する電子顕微鏡である。すなわち,試料の構造や構成成分の影響で透過する電子の密度変化を顕微鏡像として観察している。
関連ページ : 電子顕微鏡・電子線回折
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【透過率】( transmittance )
透過度ともいう,透過光の強度( I )と入射光の強度( I0 )の比( I /I0 )であり,記号 T で表される。透過率を百分率で表したものを透過パーセント( T%)という。
関連ページ : 赤外吸収スペクトル測定
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【統計的仮説検定】( statistical hypothesis testing )
F 検定,t 検定,χ二乗検定など
関連ページ : 検量線を用いた定量
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【動径分布】( radial distribution )
任意の原子を中心としたときの他の原子までの距離の分布。
関連ページ : X線回折
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【統計変動】( statistical error of counting )
放射線計数における計数値の変動。この変動は,ポアソン分布に従い,計数値の平方根で表す。
関連ページ : 蛍光X線分析
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【糖原生】( glycogenic )
アミノ酸異化の炭素骨格代謝で,最終生成物は,クエン酸回路(TCA回路)でエネルギー生成に必要なオキサロ酢酸やフマル酸などである。
関連ページ : アミノ酸の代謝
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【等軸晶系】( isometric system )
関連ページ : 固体の形と結晶構造
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【糖脂質】( glycolipid )
グリコリピドともいい,糖と脂質が共有結合した物質の総称で,リン( P )を含まず,ガラクトースや窒素を含むアミノ糖を成分とし,脳の主要な脂質成分である。糖脂質には,加水分解で脂肪酸,グリセリン,及び糖になるグリコ糖脂質,脂肪酸,スフィンゴシン(又は類似の塩基),及び糖になるスフィンゴ糖脂質などがある。
関連ページ : 脂質とは
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【糖質】( glucides , saccharides )
糖を主成分とする有機化合物の総称で,脂質やタンパク質に対してよばれる用語である。糖質の多くは単糖が直鎖状もしくは枝分れのある鎖状に結合した高分子化合物(多糖類)で,天然に存在する有機化合物の中で最も量の多い化合物である。なお,古くは炭水化物といわれており,栄養学では現在も炭水化物といっている。
関連ページ : 有機化合物の分類 糖質と炭水化物 糖の代謝 脂質の代謝とは
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【糖質コルチコイド】( glucocorticoid )
⇒ステロイド系ホルモン
関連ページ : ホルモンとは
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【同時分析】( multi-element/species analysis )
⇒共存分析
関連ページ : 有機化合物の分析
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【等色関数】( color-matching function )
人間の眼で観察したとき, 光の可視光領域( 380 ~ 780μm )の各波長の色と 原色を混合した色(混合色)が同じ色(等色)に見えるときの原色の混合比率を示す数値関数
関連ページ : 無機化学(物体色の評価)
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【糖新生(とうしんせい)】( gluconeogenesis )
読みは“とうしんせい”。飢餓状態(血糖値低下に伴うグルカゴンの分泌)に陥った動物が,肝臓や腎臓で糖質以外の物質(糖原性アミノ酸,ピルビン酸,乳酸,プロピオン酸,グリセロールなど)からグルコースを生産すること。
関連ページ : アミノ酸の代謝 糖の代謝 ATP 生成とクエン酸回路
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【透析】( dialysis )
溶媒和したイオンは透過できるが,コロイド粒子が透過できない程度の細孔を持つ半透膜を選択(例えば,高分子膜,セロハン膜やコロジオン膜)した場合,コロイド溶液から小さいイオンや分子を除き,コロイド粒子のみが濃縮した溶液を得ることができる。この操作を透析という。
関連ページ : コロイド溶液の特徴
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【銅族元素】( copper group )
周期表第 11 族の銅( Cu ),銀( Ag ),金( Au )の総称である。古代から貨幣や宝飾品として用いたことから貨幣金属や貴金属とも称される。
関連ページ : 分類:化学的性質
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【同族体】( homologue ,homolog )
有機化学においては,分子の一般式が R - (CH2)n - X ( R ,X は官能基)で表せ,CH2 の数 n が異なる誘導体を同族体という。
関連ページ : 分子構造による分類
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【同素体】( allotrope )
同一元素の原子からつくられるが,原子の配列(結晶構造)が異なる単体,分子の結合様式が異なる物質同士の関係をいう。同素体は同じ元素から構成される単体であるが,それぞれの化学的・物理的性質が異なる。
例えば,結合様式の異なる酸素( O2 )とオゾン( O3 )の関係,炭素( C )の配列(結晶構造)が異なる石墨(黒鉛,グラファイト)とダイヤモンドの関係,リン( P )の結晶構造の異なる黄りん,赤リン,紫リンなどの関係,環状の硫黄( S8 )の結晶構造の異なるα硫黄(斜方硫黄),β硫黄(単斜硫黄)とγ硫黄(単斜硫黄)の関係を同素体という。
関連ページ : 硫化物
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【同定】( identification )
未知物質と既知物質との物性値を比較し既知物質と同一であるということを確認する操作(JIS K 2013 「分析化学用語(基礎部門)」)。
関連ページ : 分析化学とは
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【動的架橋】( dynamic vulcanization )
熱可塑性樹脂と適度に反応性のあるゴム状ポリマーとを十分に溶融混合し,化学的に架橋したゴム相をもつ熱可塑性エラストマーを生成させるプロセス( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
関連ページ : ゴム関連用語
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【動的粘弾性法】( Dynamic Viscoelastic Method )
試料に微小振幅の正弦波形の歪みを与え,応力や位相に遅れを検出し,各種粘弾性パラメーターを求められる。これにより,高分子材料の相溶性,異方性,振動吸収性,結晶化度,分子量,可塑化度,配向度などの評価,材料のガラス転移温度,強度,耐熱性などの材料特性評価に利用できる。
関連ページ : 有機化合物の分析
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【導電率】( conductivity (of solution) )
→ 電気伝導率
関連ページ : 電極反応とは 無機化学(電気的性質) 電解液の電気伝導率 電解液の電気伝導率
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【導波管】( waveguide )
電磁波の伝送に用いられる構造体。
関連ページ : 電気通信材料とは
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【糖原性アミノ酸】( glucogenic amino acid )
グルコース合成の前駆体となりうるアミノ酸である。すなわち,アミノ酸の窒素代謝(脱アミノ化)を受けた後で,炭素骨格が糖新生に用いられるアミノ酸である。
関連ページ : アミノ酸の代謝
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【動物繊維】( animal fiber )
主にタンパク質を構成要素とし,絹糸や蜘蛛の糸などの絹糸線(けんしせん,絹線ともいわれる)から産する物,羊毛などの毛嚢(もうのう)から産する物に分けられる。 絹糸腺からの繊維は,幾つかの昆虫,特にちょうが(蝶蛾)類りんし(鱗翅)目の幼虫が分泌するもので,フィブロイン( fibroin ,繊維状のタンパク質の一種)の二つのフィラメントがセリシン( sericin ,硬蛋白質の一種)で接着(にかわ付け)された形態で産する。毛穴や毛包との呼ばれる毛嚢から得られる繊維は,動物の外被状の毛,外被,頭髪又は尾を形成するケラチン(角質,タンパク質の一種)から成る繊維で,次に例示すように多くの動物の毛が利用されている。
関連ページ : 繊維とは
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【灯油】( kerosene )
→ ケロシン
関連ページ : 石油製品とは 石油製品と燃焼
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【当量点(滴定の)】( equivalence point )
滴定において,試料溶液に含まれている分析種に対し,これと反応する試薬(滴定剤という。)を分析種の全量と定量的に反応するのに必要な量だけ加えた点(JIS K 2013 「分析化学用語(基礎部門)」)。
関連ページ : 酸塩基滴定(中和滴定) 弱酸・強塩基の滴定
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【ドーパミン】( dopamine )
アミノ酸誘導体系ホルモンの一種であるが,カテコール基をもつのでカテコールアミンとも呼ばれる。
関連ページ : ホルモンとは
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【ドーピング,ドーパント】( doping , dopant )
実用の半導体は,真正半導体に,ごく微量の不純物を導入することで,キャリアの密度を増加するよう工夫されたものである。不純物の添加をドーピングといい,添加する不純物はドーパントと呼ばれる。電子供給を目的にするドーパントをドナー,正孔供給を目的にするドーパントをアクセプタと呼ぶ。
関連ページ : 集積回路(IC)
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【特性X線】( characteristic X-ray )
元素に固有の波長をもつ X 線(JIS K 2013 「分析化学用語(分析機器部門)」)。
外部から与えられた高いエネルギーで内殻電子がはじき出され,励起状態になった原子の外殻の軌道電子が電子状態遷移の選択律(許容遷移)に従い遷移する。 遷移できる電子のエネルギー状態変化(元素固有)に応じた特性X線を放出する。
関連ページ : 蛍光X線:特性X線 蛍光X線分析 電子顕微鏡・電子線回折 電子衝突と局所・表面分析
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【特性基】( characteristic group )
化合物を形式的に特徴づけるもので,化合物の命名法や化学反応機構を説明するために用いられる。
関連ページ : 置換基・特性基・官能基
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【トコトリエノール】( tocotrienol )
ビタミン E :C29H47O2 ,IUPAC 名 2,5,7,8-tetramethyl-2-(4',8',12'-trimethyltrideca-3',7',11'-trienyl)-6- chromanol
関連ページ : 脂溶性ビタミン
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【トコフェロール】( tocopherol )
ビタミン E :C29H50O2 ,IUPAC 名 2,5,7,8-tetramethyl-2-(4',8',12'-trimethyltridecyl)-6-chromanol
関連ページ : 脂溶性ビタミン
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【土酸族元素】( )
周期表第 5 族の 3 元素,バナジウム( V ),ニオブ( Nb ),タンタル( Ta )の総称。⇒バナジウム族元素
関連ページ : 分類:化学的性質
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【トシル酸】( tosic acid )
=パラトルエンスルホン酸
関連ページ : カルボン酸の酸性度
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