化学関連用語解説 (索引)

 ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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 用語一覧 サ行 ソ

層間はく離 】  , 【 双極子 】  , 【 双極子モーメント 】  , 【 走査オージェ電子顕微鏡( SAM ) 】  , 【 走査電子顕微鏡( SEM ) 】  , 【 走査トンネル顕微鏡( STM ) 】  , 【 走査プローブ顕微鏡( SPM ) 】  , 【 双糸 】  , 【 相図(状態図) 】  , 【 双性界面活性剤

相対保持時間 】  , 【 相対立体配置 】  , 【 増粘安定剤(食品添加剤) 】  , 【 増粘剤 】  , 【 増摩剤 】  , 【 増量材 】  , 【 ソーダ石灰ガラス 】  , 【 束一的性質 】  , 【 速硬化性樹脂 】  , 【 測色計 】  , 【 促進剤 】  , 【 促進暴露 】  , 【 促進老化

測定値 】  , 【 速度定数 】  , 【 粗骨材(砂利) 】  , 【 塑性 】  , 【 粗製海水塩化カリウム 】  , 【 組成式 】  , 【 塑性変形 】  , 【 その場分析 】  , 【 ソマトスタチン 】  , 【 ソルビタン 】  , 【 ソルビタン脂肪酸エステル 】  , 【 ソルビトール

 用語の概要と関連ページ


 【双極子】( dipole )
 分子内に生じた電子の偏りを原因として発生する電荷のひずみである。すなわち,分子構造の中で,正の電荷の重心と負の電荷の重心が一致しない電荷の配置を双極子という。
 関連ページ : 双極子   水素結合と分子の凝集   
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 【双極子モーメント】( dipole moment )
 極性分子において,双極子の程度を比較する場合に,双極子モーメント(方向ベクトルと大きさの積)を用いる。
 双極子モーメントμは,電荷の大きさδ,電荷の正と負の重心間の距離γとすると,
   μ = δ ・ γ    で与えられる。
 双極子モーメントの単位は,SI 単位系として認められていないが,広く使用(高等学校教育でも)されている D (デバイ)が用いられる。
 関連ページ : 双極子   
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 【走査オージェ電子顕微鏡( SAM )】( scanning Auger electron microscopy )
 細く絞った電子線を用いて試料表面を走査し,得られたオージェ電子による元素像(オージェ像)によって表面の元素,それらの分布状態を解析する顕微鏡。
 関連ページ : 表面・局所分析   電子衝突と局所・表面分析   
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 【走査電子顕微鏡( SEM )】( scanning electron microscope )
 細く収束した数十 kV の電子プローブを試料上で二次元的に走査することによって試料から得られる二次電子などを用いて表面の拡大像を観察できる顕微鏡。
 関連ページ : 表面・局所分析   電子顕微鏡・電子線回折   
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 【走査トンネル顕微鏡( STM )】( scanning tunneling microscope )
 探針と試料との間に流れるトンネル電流値の変化を測定しながら,探針を走査し,表面の原子の位置及び電子状態を解析する顕微鏡。
 関連ページ : 表面・局所分析   
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 【走査プローブ顕微鏡( SPM )】( scanning probe microscope )
 探針を走査しながら試料と探針との間に働く原子間力,摩擦力,磁気力などの相互作用の変化を検出して,表面の形状,性質などを解析する顕微鏡の総称。
 関連ページ : 表面・局所分析   
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 【双糸】( two folded yarn , two ply yarn )
 2 本の糸をより合わせた糸( JIS L0205「繊維用語(糸部門)」)。
 関連ページ : 繊維関連用語   
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 【相図(状態図)】( phase diagram )
 物質などの相と熱力学的な状態量(温度,圧力など)との関係を表したもので,状態図ともいわれる。相図には,合金や化合物の温度,圧力,組成に関する相図,磁気構造と温度との関係を示す相図など様々ある。
 物質の三態(固体,液体,気体)と温度,圧力の相図では,液相と固相の境界を融解曲線,気相と固相の境界を昇華曲線,気相と液相の境界を蒸発曲線という。
 関連ページ : 熱運動と状態変化:相転換   
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 【双性界面活性剤】( amphoteric surfactant )
 ⇒両性界面活性剤
 関連ページ : 生活の中の有機材料   洗剤(界面活性剤)とは    陽イオン(カチオン),両性界面活性剤   
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 【相対保持時間】( relative retention time )
 一定の分離条件における,基準とする成分の空間補正保持時間と対象成分の空間補正保持時間との比( JIS K 0214 「分析化学用語(クロマトグラフィー部門)」)。
 関連ページ : ガスクロによる分析   
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 【相対立体配置】( relative configuration )
 D /L 表示法,d – グリセルアルデヒドの立体配置を基準として,この立体配置を崩さずにできる化合物を D –体とし,その鏡像異性体を L –体と表記する相対立体配置の表示方法。
 関連ページ : アミノ酸の構造   
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 【増粘安定剤(食品添加剤)】( thickening stabilizer )
 ゲル化剤,糊料などとも呼ばれ,「水に溶解又は分散して粘稠性を生じる高分子物質」のことで,少量で高い粘性を示す目的では「増粘剤」,液体をゼリー状に固める作用を目的とする場合は「ゲル化剤」,食品成分を均一に安定させる目的の場合は「安定剤」と名称を区別することがある。主なものに,カラナギン,カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC),キサンタンガム,ペクチンなどがある。
 関連ページ : 増粘安定剤,乳化剤,膨張剤   
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 【増粘剤】( thickener )
 液状重合系の粘度を増加させる物質(JIS K 6900「プラスチック―用語」)。
 液体に分散又は溶解させて粘度を増すのに用いられる薬剤( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
 関連ページ : プラスチックの記号と関連用語   非イオン(ノニオン)界面活性剤   界面活性剤関連用語   
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 【増摩剤】( antislipping agent )
 摩擦抵抗を大にして滑り止めを目的とする薬剤( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
 関連ページ : 界面活性剤関連用語   
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 【増量材】( extender )
 主として価格を下げるため,樹脂,プラスチック又は接着剤に添加される液体又は固体の不活性物質。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
 関連ページ : プラスチックの記号と関連用語   
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 【ソーダ石灰ガラス】( soda-lime glass )
 組成中に炭酸ナトリウム(ソーダ)を相当量含むガラス
 関連ページ : ガラス   
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 【束一的性質】( colligative properties )
 不揮発性溶質の希薄溶液における性質で,溶質分子の数(質量モル濃度またはモル分率)だけに依存する性質。束一的(そくいつてき)性質を持つ現象には,蒸気圧降下,沸点上昇,凝固点降下,浸透圧がある。
 関連ページ : 希薄溶液の性質   
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 【速硬化性樹脂】( fast cure type resin )
 ゲル化から最高発熱温度に至る時間の短い樹脂( JIS K7010 「繊維強化プラスチック用語」)。
 関連ページ : FRP 関連用語   
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 【測色計】( colorimeter )
 三刺激値のような測色に関する量(色刺激値)を測定する計測器。
 関連ページ : 無機化学(物体色の評価)   
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 【促進剤】( accelerator ,promoter )
 化学系(反応体にその他の添加剤を加えたもの)の反応速度を増大するために少量使用する物質。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
 関連ページ : プラスチックの記号と関連用語   
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 【促進暴露】( artificial weathering )
 屋外暴露の影響を促進した,実験的条件で行う,試料の暴露( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
 関連ページ : ゴム関連用語   
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 【促進老化】( accelerated ageing )
 短時間で,自然老化の影響を反映するように意図した,試験環境での老化。注記: 劣化速度は,通常は温度の上昇によって速くなる。ときには酸素又は空気の圧力の上昇,湿度の上昇など,他の条件の変化が組み合わされることもある。( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
 関連ページ : ゴム関連用語   
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 【測定値】( observed value , measured value )
 測定値(measured value)とは,測定によって得られた値( JIS K 0050 「化学分析方法通則」)。なお,JIS K 0050 「化学分析方法通則」では,定量値(quantitative value)を“化学種の量を明らかにする操作によって得られた値。”,分析値(analytical value)を“化学分析の結果として得られた値。”と定義している。
 統計用語の JIS Z 8101 では,観測値,測定値(observed value)を“1 回の測定結果として得られる特性の値”( JIS Z 8101-1「統計−用語と記号−第 1 部 確率及び一般統計用語」),測定結果,試験値 (test result) を“規定された測定方法の実施によって得られる特性の値( JIS Z 8101-2「統計−用語と記号−第 2 部 統計的品質管理用語」)。
 関連ページ : 結果の表し方   
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 【速度定数】( rate constant )
 化学反応の反応速度式を得るためには,まず測定結果からべき乗係数を求め,その結果を用いて速度定数を求めるのが一般的である。
 実験的に直接求められる量は,物質の濃度と時間間隔である。濃度測定の時間間隔や初期濃度を変えることで,時間平均反応速度も得られる。
 関連ページ : 反応次数と速度定数の関係   
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 【粗骨材(砂利)】( coarse aggregate )
 5 mm 網ふるいに質量で 85 %以上とどまる骨材
 関連ページ : コンクリートとは   
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 【塑性】( plasticity )
 ⇒可塑性
 関連ページ : プラスチックの記号と関連用語   
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 【粗製海水塩化カリウム】( cytidylic acid )
 海水を濃縮し,塩化ナトリウムを析出分離させた後,そのろ液を室温まで冷却し析出分離した無機塩系調味料。主成分は塩化カリウム( KCl )である。
 関連ページ : 調味料   
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 【組成式】( empirical formula )
 食塩(塩化ナトリウム)などのイオン結合物質,金属や巨大分子などの,原子の配置が単純な繰り返しで,化学構造の違いを区別する必要が無い場合に用いられ,原子の組成(比率)のみで表記するものである。
 関連ページ : 化学結合表記   
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 【塑性変形】( plastic deformation )
 応力を加えたプラスチックにその加えた応力が取り除かれた後にも残るひずみの部分(JIS K 6900「プラスチック―用語」)。
 なお,金属の塑性変形は,即ち原子の移動し易さは,金属結晶の種類(原子の配列)で異なる。塑性変形は原子密度が高いすべり面と呼ばれる結晶面に沿って,原子の間隔が広く抵抗が少ないところから間隔が狭い方向(すべり方向)に起こる。
 関連ページ : 金属の塑性変形   プラスチックの記号と関連用語   
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 【その場分析】( in-situ analysis )
 → 非破壊分析
 関連ページ : 分析化学とは   化学分析の流れ   有機化合物の分析   
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 【ソマトスタチン】( somatostatin )
 脳の視床下部,膵臓のランゲルハンス島δ細胞(D細胞),消化管の内分泌細胞(δ細胞)などから分泌される内分泌系を制御する略号 SST のペプチド系ホルモンである。二次ホルモン(インスリン,グルカゴン)の分泌を抑制し,成長ホルモン抑制ホルモン,ソマトトロピン放出抑制ホルモンと同義である。
 関連ページ : 視床下部・下垂体   主な内分泌器官   
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 【ソルビタン】( sorbitan )
 アルキルフェノール(ポリ)エトキシレートともよばれ,一般式 R-(C6H4)-O-(CH2CH2O)n-H で表されるエーテル型のアルキルフェノール系界面活性剤である。
 関連ページ : 非イオン(ノニオン)界面活性剤   
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 【ソルビタン脂肪酸エステル】( sorbitan fatty ester )
 脂肪酸系の非イオン系界面活性剤(ノニオン界面活性剤)。
 関連ページ : 洗剤(界面活性剤)とは    非イオン(ノニオン)界面活性剤   
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 【ソルビトール】( sorbitol )
 C6H8(OH)6 で表される六価の多価アルコール。ソルビットともいう。ノニオン界面活性剤の原料としても用いられる。( JIS K 3211「界面活性剤用語」)
 食品添加物として利用されるD-ソルビトール(D-ソルビットともいわる)は,ブドウ糖を還元して作られる。甘さは砂糖の約 60 %で,溶解時に吸熱性があるため清涼感のある甘味料である。保湿性や安定性などがあり,煮豆,つくだ煮,生菓子,冷凍すり身などに使われる。
 関連ページ : 界面活性剤関連用語   甘味料,酸味料,苦味料,香料   
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