ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
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ハ行 ヒで始まる用語を ( ヒア - ヒソ ) , ( ヒタ - ヒノ ) , ( ヒハ - ヒン ) に分けて紹介する。
用語一覧 ハ行 ヒア - ヒソ
【 非イオン界面活性剤 】 ,
【 ピーターソン反応 】 ,
【 ビーライト 】 ,
【 ビオチン酵素 】 ,
【 比界面張力 】 ,
【 光イオン化検知器(PID) 】 ,
【 光音響検出器(PAS) 】 ,
【 光化学オキシダント 】 ,
【 光化学系Ⅰ 】 ,
【 光化学系Ⅱ 】
【 光化学スモッグ 】 ,
【 光化学反応 】 ,
【 光起電効果 】 ,
【 光ケーブル 】 ,
【 光合成色素 】 ,
【 光反応 】 ,
【 光ファイバ 】 ,
【 光リン酸化 】 ,
【 非環式化合物 】 ,
【 引裂き 】 ,
【 引抜成形法 】
【 非金属元素 】 ,
【 非結晶性樹脂 】 ,
【 非硬化形粘着剤 】 ,
【 飛行時間型 】 ,
【 ビシクロアルカン 】 ,
【 ビスコース 】 ,
【 ヒスチジン 】 ,
【 ヒステリシス 】 ,
【 ヒストン 】 ,
【 ビスフェノール 】 ,
【 ビスマス 】 ,
【 ひずみ 】 ,
【 ひ素 】 ,
【 ヒ素族元素 】
用語の概要と関連ページ
【非イオン界面活性剤】( nonionic surface active agent )
水に溶けたとき,イオン化しない,すなわち電離しない親水基を持つ界面活性剤である(家庭用品品質表示法)。 JIS K 3211「界面活性剤用語」では,ノニオン界面活性剤)という。電離しないため,水の硬度や電解質の影響を受けにくく,他の界面活性剤との併用が可能である。近年に使用量が非常に増えている界面活性剤である。
関連ページ : 生活の中の有機材料 洗剤(界面活性剤)とは 非イオン(ノニオン)界面活性剤 界面活性剤関連用語
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【ピーターソン反応】( Peterson reaction )
有機合成反応の一つ。
関連ページ : 求核付加反応
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【ビーライト】( belite )
セメント成分の一つ。けい酸二カルシウム( 2CaO・SiO2 :記号 C2A )
関連ページ : セメントの化学
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【ビオチン酵素】( biotin enzyme )
ビオチン,ビタミン Bw ,ビタミン H などと呼ばれるビタミン B7 は,カルボキシル基転移酵素の補酵素として二酸化炭素の転移を触媒する。特にビオチンを補酵素として持つ酵素の一群をビオチン酵素と呼ぶ。
関連ページ : 酵素(はじめに) 水溶性ビタミン
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【比界面張力】( relative interfacial tension )
灯油の試験液に対する界面張力と灯油の水に対する界面張力との比。通常は滴容法によって求める( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
関連ページ : 界面活性剤関連用語
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【光イオン化検知器(PID)】( photoionization detector )
ガスセンサーとして広く利用されている技術で,光励起でイオン化した化合物の量を電流量に変換して検出する方法で,多種多様な有機化合物や一部の無機化合物に反応する検出器である。
関連ページ : ガスクロマトグラフィー
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【光音響検出器(PAS)】( optoacoustic detector )
赤外吸収による熱膨張を音響信号として検出。
関連ページ : 赤外分光分析装置
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【光化学オキシダント】( photochemical oxidant )
光化学オキシダントとは,窒素酸化物と炭化水素とが光化学反応を起こし,生じたオゾンやパーオキシアシルナイトレート( PAN : CxHyO3NO2 )などの酸化性物質(オキシダント)の総称。
関連ページ : 環境問題の国際的取り組み 光化学オキシダント
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【光化学系Ⅰ】( photosystem I )
光化学反応の明反応において,波長 λ=700 nm (可視光(赤))の吸収で励起し,放出された電子が近傍の電子受容体クロロフィルに伝達され,最終的にフェレドキシンに伝達され生じた還元型フェレドキシンがフェレドキシン-NADP+レダクターゼ( FNR )で触媒されることで NADPH を生産するたんぱく質複合体。
関連ページ : 糖の光合成
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【光化学系Ⅱ】( photosystem II )
光化学反応の明反応における波長 λ=680 nm (可視光(赤))の光を吸収し,色素分子の励起で酸化還元反応が起きるたんぱく質複合体。
関連ページ : 糖の光合成
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【光化学スモッグ】( photochemical smog )
光化学オキシダント,硝酸塩や硫酸塩などの固体微粒子が混合し,視程(見通し)が低下した状態。
関連ページ : 光化学オキシダント
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【光化学反応】( photochemical reaction ,light‐dependent reaction )
一般的には,光により引き起こされるさまざまな化学反応を光反応( photoreaction )といが,大気成分の太陽光による光反応(光化学オキシダント),生化学分野の光合成における光反応(色素分子が光エネルギーを吸収し,物質の酸化還元)などは光化学反応と称する場合が多い。
関連ページ : 光化学オキシダント 糖の光合成
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【光起電効果】( photovoltaic effect )
金属と半導体の接触部又は半導体の接合部に光を照射すると,光を吸収して,その界面に自由キャリア対を生じ,正負の電荷がそれぞれ界面にできた電界によって移動し,負荷側が開路になっていると,電位差すなわち起電力を発生する現象( JIS Z 8113「照明用語」)。
関連ページ : 発光ダイオード
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【光ケーブル】( optical fiber cable )
光ファイバの外表面を保護被覆で覆い,施工性,耐久性を向上した実用ケーブル。⇒光ファイバケーブル
関連ページ : 電気通信材料とは
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【光合成色素】( photosynthetic dye )
光エネルギーを吸収する色素(たんぱく質複合体)である。植物では葉緑素と呼ばれ,マグネシウムイオン( Mg2+ )が 4 個のピロールが環状に配置したテトラピロール環の中心に配位(キレート)した構造のクロロフィル a ( C55H72O5N4Mg ),クロロフィル b ( C55H70O6N4Mg )である。
関連ページ : 糖の光合成
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【光反応】( photoreaction )
光のエネルギーにより引き起こされるさまざまな化学反応を総称して光反応という。
関連ページ : 用途による分類
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【光ファイバ】( optical fibers )
誘電体で作られた,光を伝送する繊維。裸光ファイバ,光ファイバ素線,光ファイバ心線及び光ファイバコードの総称をいう。( JIS C 6820「光ファイバ通則」)
光ファイバは,コア/クラッドの組み合わせにより,石英系ガラス/石英系ガラス(記号 S ),多成分系ガラス/多成分系ガラス(記号 C ),石英系ガラス/プラスチック(記号 R ),プラスチック/プラスチック(記号 P )に分けられる。
光ファイバは,古くから胃カメラなどの医療用途(スコープ,レーザ治療など),装飾用途(照明など)に用いられ,工業的には計測器(温度測定,歪み測定,光量モニタなど),産業用レーザ,や光ファイバジャイロスコープなどにも用いられてきた。
現在の主要な用途は通信用途(機器制御,中長距離通信など)である。電磁誘導ノイズの影響を受けない,伝送損失が非常に小さい,高速かつ長距離の伝送が可能,同一の太さの管路に多くの回線を収容できるなどの利点から適用範囲が拡大している。
通信用途の材料は,伝搬モード数により,マルチモード光ファイバ,シングルモード光ファイバ,イントラコネクション光ファイバ,及び偏波面保存光ファイバに分類されている。
関連ページ : 光ファイバ
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【光リン酸化】( photophosphorylation )
光合成・明反応において,CF0-CF1 ATP 合成酵素で,プロトン濃度勾配を利用(濃度勾配を解消するためにプロトンが合成酵素を通って汲み出される現象)し,ADPとリン酸から 1 分子の ATP を合成する反応。
関連ページ : 糖の光合成 ATP 生成とクエン酸回路
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【非環式化合物】( acyclic compound )
⇒鎖式化合物
関連ページ : 分子構造による分類
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【引裂き】( tear )
切りきず又は鋭角的若しくは局部的な変形の箇所で,高応力の集中によって生じた,ゴムの機械的な破壊( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
引き裂き強さとは,規定の試験片を引き裂くのに要する最大の力( JIS K 6200「ゴム‐用語」)をいう。
関連ページ : ゴム関連用語
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【引抜成形法】( pultrusion moulding )
繊維基材に樹脂を含浸させたものを金型内に引き込み,又は金型内で含浸させ,金型若しくは金型を出た所で加熱硬化して,硬化物を金型から引き出す成形方法( JIS K7010 「繊維強化プラスチック用語」)。
連続形成法の一種で,軸方向に強度の大きい製品を連続的に大量製造に適した方法である。
関連ページ : FRP とは FRP 成形法 FRP 関連用語
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【非金属元素】( nonmetal )
金属元素以外の元素。すなわち,金属元素とは,金属の性質を持つ元素をいう。⇒金属
関連ページ : 非金属元素とは
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【非結晶性樹脂】( amolphous resin )
分子配列に規則性がない熱可塑性樹脂。
関連ページ : プラスチックとは
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【非硬化形粘着剤】( non-curable pressure sensitive adhesive )
粘着剤が使用の前後において同じ粘弾性を示し,架橋による硬化がないもの。一般的な粘着剤はこの形のものである。( JIS Z0109「粘着テープ・粘着シート用語」)
関連ページ : その他高分子材料
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【飛行時間型】( Time–of–Flight )
電圧( V )で加速したイオンの速度( v )が質量電荷比( m /z )に応じて異なることを利用し,検出器に到達する時間差を検出する方式の質量分析計。
関連ページ : 質量分析
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【ビシクロアルカン】( bicycloalkane )
環を 2 つ持つ飽和炭化水素⇒シクロアルカン
関連ページ : 脂肪族炭化水素 不飽和脂肪族の特徴
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【ビスコース】( Viscose )
レーヨンを製造する技法のひとつの中間生成物である。このため,セルロースをアルカリ処理して得たアルカリセルロースと二硫化炭素( CS2 )との混合で得たコロイド溶液を経る製造技術をビスコース法という。
関連ページ : 繊維とは
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【ヒスチジン】( histidine )
2 つ以上のアミノ基を持つα-アミノ酸(塩基性アミノ酸,必須アミノ酸)。食品添加物としては,タンパク質原料の加水分解により,又は糖類を原料とした発酵により得られたものを分離し,アミノ酸系調味料として用いられる。
関連ページ : ヒドロキシ酸・アミノ酸 調味料 アミノ酸の構造
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【ヒステリシス】( hysteresis )
変形と回復の 1 サイクルにおいて,エネルギー損失をもたらす現象( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
関連ページ : ゴム関連用語
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【ヒストン】( histones )
DNA 分子に結合し,折り畳み収納する役割のたんぱく質で,真核生物のヌクレオソームを構成する主要成分である。
関連ページ : DNA , RNAとは
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【ビスフェノール】( bisphenol )
ビスフェノールは,2 個のヒドロキシフェニル基を有する化合物の総称。
ビスフェノールには,エポキシ樹脂製品などでの実用例の多いビスフェノール A ,ビスフェノール F の他にビスフェノール AP ,ビスフェノール B ,ビスフェノール C ,ビスフェノール E ,ビスフェノール Gなど多数ある。一般的に,単にビスフェノールといった場合は,エポキシ樹脂として実用例の多いビスフェノール A を指すこともある。
ビスフェノール A :(CH3)2C(C6H4OH)2 ,2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
関連ページ : フェノール 熱可塑性・エンプラなど エポキシ樹脂
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【ビスマス】( bismuth )
ビスマス( Bi ),周期表第15族,原子番号83の元素
関連ページ : 周期表第 14 , 15 族
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【ひずみ】( strain )
ひずみ(ε)とは,物体のもとの寸法又は形状と比べた外力に基づく長さの寸法又は形状における変化。(注) ある一点におけるひずみは六つの成分のひずみ,すなわち一組の座標軸に対する三つの法線成分と三つのせん断成分によって規定される。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
力による物体の元の寸法からの変化( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
関連ページ : プラスチックの記号と関連用語 ゴム関連用語
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【ひ素】( arsenic )
ヒ素( As ),周期表第15族,原子番号33の元素
関連ページ : 元素一覧
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【ヒ素族元素】( arsenic group )
一般的ではないが,周期表第 15 族のアンチモン( Sb ),ビスマス( Bi )をヒ素族元素と称する場合がある。
関連ページ : 分類:化学的性質
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