ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
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ヤ行 ヨ で始まる用語を紹介する。
用語一覧 ヤ行 ヨ
【 陽イオン 】 ,
【 陽イオン界面活性剤 】 ,
【 溶液重合 】 ,
【 溶解度 】 ,
【 溶解熱 】 ,
【 容器定数 】 ,
【 陽極 】 ,
【 溶剤型接着剤 】 ,
【 溶剤系粘着剤 】 ,
【 葉酸 】 ,
【 陽子 】 ,
【 溶質 】 ,
【 溶出曲線 】 ,
【 溶出時間 】
【 よう素吸着量 】 ,
【 よう素滴定法 】 ,
【 ヨウ素‐デンプン反応 】 ,
【 溶媒 】 ,
【 溶媒和 】 ,
【 羊毛 】 ,
【 溶融紡糸 】 ,
【 容量分析 】 ,
【 葉緑体 】 ,
【 抑泡剤 】 ,
【 四次構造(たんぱく質) 】 ,
【 四重極型 】 ,
【 四大公害病 】
用語の概要と関連ページ
【陽イオン】( cation , positive ion )
カチオン(cation)ともいい,正の電荷を帯びたイオンをいう。イオン(ion)とは,原子や原子団(分子)が電子を得たり失うことで電荷を帯びた状態をいう。
歴史的には,ファラディーが電気分解の実験で,陽極(アノード:anode )に向かう粒子と陰極(カソード:cathode )に向かう粒子を発見し,これらの粒子をイオン(ion)と名付け,陽極に向かう粒子を陰イオン(anion :アニオン),陰極に向かう粒子を陽イオン(cation :カチオン) と呼んだのが始まりである。
関連ページ : 無機化学(電気的性質) 元素分析
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【陽イオン界面活性剤】( cationic surface active agent )
カチオン界面活性剤ともいい,水に溶けたとき,陽イオンに電離する官能基を持つ界面活性剤である (家庭用品品質表示法)。 水中でイオン化し,界面活性を示す部分が陽イオンである界面活性剤(JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
石けんと逆のイオンになるため,逆性石けんとも呼ばれる。陽イオンになるため,マイナス(負)に帯電する固体表面に強く吸着するため,柔軟性,帯電防止性,殺菌性などの性質を付与でき,柔軟仕上げ剤,リンス剤,消毒剤として利用されている。
関連ページ : 生活の中の有機材料 洗剤(界面活性剤)とは 陽イオン(カチオン),両性界面活性剤
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【溶液重合】( solution polymerizat )
1 種類又は 2 種類以上の単量体を共通の溶剤に溶解させて,重合体を生成させる反応工程( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
関連ページ : ゴム(エラストマー)とは ゴム関連用語
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【溶解度】( solubility )
溶質が一定量の溶媒に溶ける限界の量(飽和溶液の濃度)である。温度と溶解度の関係を図示したものを溶解度曲線という。
代表的な溶解度の表記は,
固体,液体の溶解度:溶媒 100 g に対する溶質の質量( g )や飽和溶液 100 g に溶けている溶質の質量( g )などで表す。
気体の溶解度: 1 気圧の気体が溶媒 1 ml に溶ける体積を標準状態(STP: 0℃,1 atm )に換算して表す(ブンゼンの吸収係数)。
関連ページ : 液体への溶解現象:溶解について 液体への溶解現象:溶解度 液体への溶解現象:無機塩の水溶解 液体への溶解現象:固体・液体の溶解平衡 液体への溶解現象:溶媒と溶質 液体への溶解現象:気体の溶解
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【溶解熱】( heat of dissolution )
溶質 1 mol を溶媒(液体)に溶かしたときに発生または吸収する熱。
標準状態( 25 ℃,固体液体は 1 気圧,気体はフガシチー 1 )での溶解熱を標準溶解熱と呼び,そのエンタルピー変化(⊿solH0 )を用いる。
関連ページ : 反応熱とは
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【容器定数】( cell constant )
→ セル定数
関連ページ : 電解液の電気伝導率
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【陽極】( anode )
a ) 電気分解において電気活性物質から電子を受け取る電極。アノード( anode )となる。
b ) 電池の放電において電池活物質に電子を与える電極。正極,カソード( cathode )となる。
関連ページ : 電極反応(はじめに)
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【溶剤型接着剤】( solvent adhesive )
有機溶剤を溶媒とした接着剤( JIS K6800 「接着剤・接着用語」)。
関連ページ : その他高分子材料
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【溶剤系粘着剤】( solvent pressure sensitive adhesive )
溶剤に溶解された粘着剤。塗工後乾燥により溶剤を蒸発させることによって粘着剤の性質を示す( JIS Z0109「粘着テープ・粘着シート用語」)。
関連ページ : その他高分子材料
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【葉酸】( folate )
⇒ビタミンB9
関連ページ : 酵素(はじめに) 水溶性ビタミン
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【陽子】( proton )
近似的に 1.602 18×10-19 C の正の電荷と 1.672 6×10-27 kg の静止質量をもつ安定な粒子。
関連ページ : 放射性壊変とは
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【溶質】( solute )
溶液における溶媒以外の化学種。( JIS K 0211 2013 「分析化学用語(基礎部門)」)
一つの溶液において,溶かされた成分を溶質という。溶質は,固体,液体,気体のいずれでもよい。
溶媒への溶解性は,経験則として「似た者同士の相性が良い」と言い表せられるように,無極性分子は無極性溶媒に,極性分子は極性プロトン性溶媒に溶け易いと考えて大きな問題はない。
関連ページ : 液体への溶解現象:溶解現象とは
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【溶出曲線】( elution curve )
⇒クロマトグラム
関連ページ : クロマトグラフィーの原理
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【溶出時間】( elution time )
カラムに試料を導入後,対象成分のピークの頂点が現れるまでの時間。→ 保持時間(retention time)
関連ページ : イオンクロマトグラフィー
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【よう素吸着量】( iodine adsorption number )
規定の条件下で,カーボンブラックの 1 kg 当たりに吸着される,よう素の量(g)。注記: カーボンブラックの表面積の尺度を表す。( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
関連ページ : ゴム関連用語
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【よう素滴定法】( iodimetry , iodometry )
よう素の酸化作用又はよう化物イオンの還元作用を利用する滴定方法( JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」)。
関連ページ : 酸化剤還元滴定
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【ヨウ素‐デンプン反応】( iodo-starch reaction )
ヨウ素イオンがアミロース(多糖類)のらせん構造に入り込むことにより呈色(青色)する現象。この現象は,アミロースを主成分とするデンプンの検出を目的とした定性分析に利用される。従って,長いらせん構造を有さないアミロペクチンを主成分とするデンプンでは青い呈色が生じない。
関連ページ : 多糖とは
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【溶媒】( solvent )
溶液において物質を溶解させるために用いる液体。( JIS K 0211 2013 「分析化学用語(基礎部門)」)
固体,液体,気体を溶かす液体の呼称である。工業分野では,溶媒より広い意味合いを持たせた溶剤と呼ぶ。溶媒は,目的物質を良く溶かすこと,安定で溶質と化学反応しないことが求められる。
溶媒は,極性(親水性)と無極性(疎水性)とに大別され,さらに,極性溶媒はプロトン性と非プロトン性とに分類される。
関連ページ : 液体への溶解現象:溶解現象とは
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【溶媒和】( solvation )
溶液中においてイオン又は溶質分子に溶媒分子が結合する現象。【 JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」】
溶質分子や電離して生じたイオンが,静電気力や水素結合などの作用で,溶媒分子に取り囲まれ,相互作用しながら拡散する現象である。溶媒が水の場合には,特に水和( hydration )という。
関連ページ : 液体への溶解現象:溶解について 液体への溶解現象:無機塩の水溶解
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【羊毛】( WOOL, Laine )
羊,ラム (Ovis aries) の毛嚢から得られる動物繊維。
関連ページ : 繊維とは
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【溶融紡糸】( melt spinning )
熱で溶かし,口金から押し出して繊維状にした後で冷却する操作をいう。
関連ページ : FRP とは
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【容量分析】( volumetric analysis )
滴定操作によって,分析種と定量的に反応する標準液の体積を求め,その値から分析種を定量する化学分析( JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」)。
分析種(analyte)とは,分析対象成分ともいい,分析試料又は試料溶液中の被検成分( JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」)。
標準液(standard solution)とは,特性値が必要,かつ,十分な程度で確定されている分析の際の標準となる溶液( JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」)。
関連ページ : 酸塩基滴定(中和滴定) 分析化学とは 元素分析 有機化合物の分析
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【葉緑体】( chloroplast )
葉緑体の中のチラコイド( Thylakoid )が結合した構造の膜(チラコイド膜)に配置したたんぱく質複合体(構造解析が困難)で光合成が起こる。
関連ページ : 糖の光合成
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【抑泡剤】( foam inhibitor , foam suppressor )
起泡作用を抑止する薬剤( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
関連ページ : 界面活性剤関連用語
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【四次構造(たんぱく質)】( quaternary structure )
三次構造までは,一つのポリペプチド鎖における構造である。四次構造は,折り畳まれた複数のポリペプチド鎖の会合で構成される空間配置(コンホメーション)を意味する。
関連ページ : たんぱく質の構造
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【四重極型】( quadrupole )
四重極型とは,4 本の電極を用い,高周波電圧を印加し,飛行するイオンに摂動をかけ,目的のイオンのみを通過させる方式。
四重極質量分析計(quadruple mass spectrometer)とは,高周波電圧及び直流電圧を印加した四重極を用いて,イオンを m/z に応じて分離する方式の質量分析計( JIS K 0215「分析化学用語(分析機器部門)」。
関連ページ : 質量分析
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【四大公害病】( Four Big Pollution Diseases of Japan )
水俣病(1956年頃から熊本県水俣湾で発生した有機水銀による奇病),第二水俣病(1964年頃から新潟県阿賀野川流域で発生した有機水銀による奇病),四日市ぜんそく(1960年頃から高度経済成長期に伴い三重県四日市市で発生した亜硫酸ガスなどによる大気汚染),イタイイタイ病(1970年代までに富山県神通川流域で発生したカドミウム汚染を受けた米による奇病)
関連ページ : 日本の環境問題
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