化 学 (生化学)

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 ここでは,生体のたんぱく質を構成するα-アミノ酸について,【アミノ酸の表記と分類】【硫黄を含まない中性アミノ酸】【硫黄を含む中性アミノ酸】【酸性アミノ酸】【塩基性アミノ酸】【芳香族アミノ酸】【複素環アミノ酸】に項目を分けて紹介する。

 【アミノ酸の表記と分類】

 特殊なアミノ酸を含む場合もあるが,通常のたんぱく質は,次に示すα-アミノ酸で構成される。グリシンを除くα-アミノ酸は,不斉炭素を持つので鏡像関係にある異性体エナンチオマーを有する。
 エナンチオマーの表示法には,絶対立体配置の表記法である R/S 表示法と相対立体配置の表示法である D/L 表示法がある。次に示すα-アミノ酸などの表記では,D/L表示法での表記が一般的である。大多数の天然アミノ酸は L 体である。
 なお,後述の構造式から分かるように,グリシンは,側鎖置換基 R が H で不斉炭素を持たないので,立体異性の無い唯一のα-アミノ酸となる。
 
 α-アミノ酸は,その特性の違いや側鎖置換基の違いで,中性アミノ酸,酸性アミノ酸,塩基性アミノ酸,芳香族アミノ酸,複素環アミノ酸に分けられる。さらに,中性アミノ酸は,分子中に硫黄を含むか否かでも分類される。

 

 【硫黄を含まない中性アミノ酸】

 グリシンL-アラニンL-バリンL-ロイシンL-イソロイシンL-セリンL-トレオニンは,カルボキシル基 1 個,アミノ基 1 個を持つ中性アミノ酸として分類される。なお,赤字必須アミノ酸である。
 なお,図には立体異性の関係が分かりやすいフィッシャー投影式を用いて示した。

中性アミノ酸

中性アミノ酸

 

 【硫黄を含む中性アミノ酸】

 L-システイン(L-シスチン),L-メチオニンは,カルボキシル基 1 個,硫黄を含むアミノ基 1 個を持つ中性アミノ酸として分類される。なお,赤字必須アミノ酸である。
 硫黄を含むα-アミノ酸が存在すると,アミノ酸残基がジスルフィド結合( S−S )の架橋構造をつくり分岐したたんぱく質になることもある。
 なお,図には立体異性の関係が分かりやすいフィッシャー投影式を用いて示した。

硫黄を含む中性アミノ酸

硫黄を含む中性アミノ酸

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 【酸性アミノ酸関連】

 L-アスパラギンL-グルタミンは,カルボキシル基 1 個,アミド基を含むアミノ基 1 個を持つ中性アミノ酸であるが,加水分解で生じる L-アスパラギン酸L-グルタミン酸は,カルボキシル基 2 個を持ち酸性アミノ酸に分類される。
 なお,図には立体異性の関係が分かりやすいフィッシャー投影式を用いて示した。

酸性アミノ酸

酸性アミノ酸

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 【塩基性アミノ酸】

 L-リシン( L-ヒドロキシリシン),L-アルギニンL-ヒスチジンは,カルボキシル基 1 個,アミノ基 2 個以上を持つ塩基性アミノ酸に分類される。 なお,赤字必須アミノ酸である。
 ヒドロキシリシンは,体内でリシルヒドロキシラーゼによるリシンの酸化(ヒドロキシル化)で合成され,コラーゲンの構成要素として知られる。
 なお,図には立体異性の関係が分かりやすいフィッシャー投影式を用いて示した。

塩基性アミノ酸

塩基性アミノ酸

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 【芳香族アミノ酸】

 L-フェニルアラニンL-チロシンは,側鎖置換基に芳香環(ベンゼン環)を持つ芳香族アミノ酸に分類される。 なお,赤字必須アミノ酸である。
 
 なお,図には立体異性の関係が分かりやすいフィッシャー投影式を用いて示した。

芳香族アミノ酸

芳香族アミノ酸

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 【複素環アミノ酸】

 側鎖にインドール環を持つ L-トリプトファン,五員環の L-プロリン( L-ヒドロキシプロリン)は,複素環アミノ酸に分類される。 なお,赤字必須アミノ酸である。
 ヒドロキシプロリンは,たんぱく質合成後に,プロリルヒドロキシラーゼによりプロリンにヒドロキシル基( -OH )が導入(ヒドロキシル化)されたもので,コラーゲンの主要な成分である。
 なお,五員環の L-プロリンと L-ヒドロキシプロリンは,フィッシャー投影式より化合物の形状をイメージし易いハース投影式で表した。

複素環アミノ酸

複素環アミノ酸

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