防食概論:防食の基礎

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           【腐食形態観察】

 腐食した試験片の外観観察は,腐食形態と腐食程度に分けて観察するのが良い。
 ここでは,腐食形態の観察法を紹介する。腐食程度の観察は,全面腐食と局部腐食に分けて,次の項で紹介する。
 腐食形態の観察では,肉眼に加えて拡大鏡(10倍程度)を用いて行うと不均一腐食の観察に役立つ。
 腐食形態の表示には,規定された方法はないが,次に示すように,Fontana が提案した腐食原因による分類(参考資料1),Champion が提案した腐食状況による分類(参考資料2)が参考になる。

● 腐食原因による腐食形態の分類(参考資料1)
 腐食原因による分類では,材質と環境条件で均一腐食と局部腐食に分けられ,局部腐食は機構の違から 7種に分けられる。
 均一腐食:① 全面腐食
 局部腐食:② 粒界腐食
         ③ 応力腐食割れ(疲労腐食,水素脆化含む)
         ④ ガルバニ電池腐食(異種金属接触腐食,マクロ電池腐食含む)
         ⑤ すき間腐食
         ⑥ 孔食
         ⑦ 選択腐食(脱成分腐食)
         ⑧ 摩耗腐食(エロージョン・コロージョン,フレッチング・コロージョンなど)
 それぞれの概要については,「鋼腐食の基礎」に紹介してある。

● 腐食状況による腐食形態の分類(参考資料2)
 腐食状況とは,外観上の広がりや深さなどの様子の違いである。一般的には次の 8種に分けられる。
   a :比較的平たんな全面腐食
   b :凹凸の激しい全面腐食
   c :比較的平たんな局部腐食
   d :凹凸の激しい局部腐食
   e :広い孔食(1<W/D≦6)
   f :中程度の孔食(1/4<W/D≦1)
   g :狭い孔食(W/D≦1/4)
   h割れ
 腐食状況の用語としては,全面腐食,局部腐食,孔食及び割れに分類されている。参考資料2)では,金属表面に原板の表面が腐食せず残存している場合を局部腐食と定めている。
 分類の“凹凸の激しい全面腐食”と,d の“凹凸の激しい局部腐食”は,表面に腐食せずに残っている面の有無で評価が分かれる。
 孔食については,局部腐食個所の直径 W と深さ D の比率で“広い孔食”(wide pits),“中程度の孔食”(medium pits),“狭い孔食”(narrow pits)に分けている。
 なお,文献では,ステンレス鋼,アルミニウム合金,銅合金,不動態化した鋼などの不動態皮膜をもつ金属において,発生した局部腐食のうちW/D≦1のものを孔食とする例が多い。

【参考資料】
  1) Fontana, M. G., The Eight Forms of Corrasion, PROCESS INDUSTRIES CORROSION, p. 1 (1975) NACE, Houston, Texas
  2) F.A. Champion; J. Inst. Metals, 69. 47 (1943)

【参考規格例】
 JIS Z 2383「大気環境の腐食性を評価するための標準金属試験片及びその腐食度の測定方法」
 ISO 8407「 Corrosion of metals and alloys−Removal of corrosion products from corrosion test specimens」

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