社会資本:鋼橋の維持管理(鉄道)
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維持管理の考え方
構造物に限らず,すべての物は時間とともに変化する。構造物の性能低下につながる変化が生じることで,構造物設計時に想定した要求性能を満足できなくなることは十分に想定できる。
そこで,構造物の設計・施工においては,これまでの経験・研究成果をもとに,経時での性能低下を考慮した様々な配慮が行われている。また,これらの成果は,構造物の維持管理技術にも反映され,効率的・経済的管理に貢献している。
構造物の維持管理とは,構造物本体あるいは構造物を構成する部材が,設計時の要求性能を満足しているかどうかを確認し,要求性能を満足できなくなる事態を適切な方法で回避することである。そこで,「維持管理標準」では,構造物が要求性能を満足しているかの確認,確認結果を受けた適切な措置,技術情報の記録に関する維持管理体系の考え方を採用している。
鉄道の構造物への基本性能として,安全性,使用性および復旧性が要求される。安全性とは,列車が安全に運行できるとともに,旅客,公衆(沿線住民など)の生命を脅かさないための性能をいう。使用性とは,構造物の使用者が快適に構造物を使用するための性能,および周辺の人々が快適に生活するための性能をいう。復旧性とは,構造物の機能を使用可能な状態に保つ,あるいは短期間で回復可能な状態にとどめるための性能をいう。
構造物維持管理において,その基幹技術は,構造物の検査技術である。検査においては,構造物に現れた変状を適切に調査・評価する必要がある。変状は,構造物の一部に発生するものから構造物全体にわたるものまで,その種類と程度は千差万別である。
変状が構造物の性能にどのように関連しているかを性能項目の照査,変状原因の推定,変状の予測を含めて,下図に示すように総合的に評価する必要がある。
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