腐食概論:鋼の腐食

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          【淡水とは】

 水の分類には,存在場所による分類,成分による分類,含まれる塩分濃度での分類などがある。
 存在場所による分類には,大分類として陸水と海水があり,陸水とは,海水を除く陸地上にある水をいい,湖沼,河川,ダム湖,河口域,地下水,湿地,雪氷などの水域,またはその水を表わしている。
 成分による分類では,例えば酸性水,中性水,アルカリ性水などpHによる分類,軟水,硬水などミネラル成分の多寡による分類などがある。
 塩分濃度での分類では,淡水(fresh water:0.05%以下),汽水(brackish water:淡水と塩水の混合0.05~3.0%),塩を含んだ水(saline water:3.0~5.0%),塩水(brine:飽和に近い又は飽和塩水5.0%以上)などがある。
 このように,淡水とは,塩分濃度で分類される水で,塩分濃度0.05%以下(500ppm以下)の陸水の中の河川水,湖水,地下水など,及びこれらから作られる水道水,工業用水(冷却水や冷暖房使いる蓄熱水,雑用水等)が該当する。

 日本の一般的な淡水(河川水,地下水,上水)の水質例を次に示す。


日本の淡水の水質範囲の例
出典:用水排水便覧(丸善)
 項 目    河 川 水  
 g・cm-3 
  地 下 水     上 水  
  pH   6.6~7.6   6.8~8.0   6.4~7.6 
 Mアルカリ度(ppm CaCO3  10~50   20~120   10~40 
  Ca2+(ppm)   4~13   5~20   - 
  Mg2+(ppm)   1~4   3~15   - 
  Cl-(ppm)   2~12   5~50   5~25 
  SO42-(ppm)   3~15   0~15   0~20 
  遊離炭酸(ppm CO2  -   0~20   - 
  残留塩素(ppm)   -   -   0.1~1.0 

 表中のMアルカリ度とは,希釈硫酸を用いて水をpH 4.8に調整するために必要な酸の量を求め,これを炭酸カルシウム(CaCO3)濃度に換算した値で,カルシウムイオンとマグネシウムイオンなどのアルカリイオン量の指標となる。
 WHOでは,Mアルカリ度 120(ppm)以下を軟水,これ以上を硬水と分類し,日本では 100以下を軟水,100~300を中硬水,300以上を硬水と分類している。
 表からは,日本の淡水の多くは,中性水の軟水に分類されることが分かる。

 淡水中の金属腐食は,(1)水中に溶けている酸素濃度(溶存酸素濃度)と流速,(2)水に溶けている各種イオン成分(水質因子)及び(3)その他因子(温度等)によって決まる。
 なお,これらの因子の影響は金属材料の種類によって大きく異なる。例えば,
 ① 鋼の腐食速度は,溶存酸素の拡散で律速されるため,水の溶存酸素濃度,鋼表面の付着物,流速に影響される。
 ② 亜鉛は,表面が薄い腐食生成物の被膜で覆われているため,活性な金属ではあるが,腐食速度は比較的小さい。腐食生成物皮膜の性状は,水中の成分に影響される。このため,亜鉛の腐食速度は水質に大きく影響される。
 ③ アルミニウムは,表面が不動態化しており,腐食速度は極めて小さい。しかし,不動態皮膜を破壊する塩化物イオンなどが存在すると局部的な腐食,すなわち孔食が発生する。
 
【参考資料】
 1)Groundwater Glossary  http://www.groundwater.org/gi/gwglossary.html
 2)用水排水便覧編集委員会,用水排水便覧(丸善)より抜粋

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