社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)
“社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
ここでは,ハ行 “は”の用語を はあ~はそ, はた~はん に分けて紹介する。
用語一覧 はた~
【 白化(塗膜の) 】 ,
【 発光知覚色 】 ,
【 発光分光分析法 】 ,
【 発送電分離 】 ,
【 発電 】 ,
【 発電所 】 ,
【 発電装置 】 ,
【 パテ 】 ,
【 馬蹄形ジベル 】 ,
【 ばね鋼 】 ,
【 ハブ空港 】 ,
【 刃物鋼 】 ,
【 バライト粉 】 ,
【 パラフィン 】 ,
【 バルコニー構成材及び手すり構成材(住宅用金属製) 】 ,
【 ハロゲン 】 ,
【 バロチニ法 】 ,
【 半乾性油 】 ,
【 半金属 】 ,
【 鈑桁橋 】 ,
【 半硬化乾燥 】 ,
【 反射高速電子線回折法 】 ,
【 反射の法則 】 ,
【 反射炉 】 ,
【 半電池反応 】 ,
【 半透膜 】 ,
【 反応機構 】 ,
【 反応性希釈剤 】 ,
【 反応速度 】 ,
【 反応速度定数 】 ,
【 反応速度式 】 ,
【 反応物 】 ,
【 反発硬さ試験 】 ,
【 半反応式 】
用語の概要と関連ページ
【白化(塗膜の)】( blushing )
塗料の乾燥過程で起こる塗膜の白化現象(ミルク状の乳白色を呈する現象)。溶剤の蒸発で空気が冷やされ,その結果,凝縮した水分が塗料の表層に浸入し,又は溶剤の蒸発中に混合溶剤間の溶解力の均衡が失われて,塗膜成分のどちらかが析出するために起こる。通常,ラッカーなど揮発乾燥形塗料に起こりやすい。高湿で起こるものを”moisture blushing”といい,セルロース誘導体が析出する現象を”cotton blushing”といい,樹脂が析出する現象を”gum blushing”という。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装管理(竣工検査) , 塗装概論:塗膜変状と措置(塗装作業時) , 塗料各論:常温硬化形エポキシ樹脂塗料 , 塗料評価:塗膜の外観 ,
用語一覧へ
【発光知覚色】( luminous perceived color )
一次光源として光を発している面に属しているか,又はその光を鏡面反射しているように知覚される色。
備考 自然の環境で見る一次光源は,普通この意味において発光色の見えを呈する。【JIS Z8105「色に関する用語」】
関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較 ,
用語一覧へ
【発光分光分析法】( atomic emission spectrometry )
電気的,熱的など各種の方法によって試料を励起し,基底状態に戻る際に放射される原子スペクトルを分光器又は分光光度計で観測する定性・定量分析の総称。スパーク放電,グロー放電,レーザなどを励起源とする。
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,
用語一覧へ
【発送電分離】( separation of electrical power production from power distribution and transmission )
送配電事業の中立・公平性を高め,新規事業者の参入を促すのを目的に,電力会社の発電部門と送配電部門の事業を分離すること。
関連ページ : 社会資本:電力 ,
用語一覧へ
【発電】( electricity generation )
電力以外のエネルギーを電力へ変換すること。発電機による発電:電磁誘導によって運動エネルギーを電力に変換。動力の種類で,水力,火力,原子力,地熱,風力,太陽熱,波力,潮力などがある。
その他の発電:燃料電池発電,太陽光発電,熱電発電(温度差利用),振動発電(圧電素子),MHD発電(プラズマ利用)などがある。
関連ページ : 社会資本:電力 ,
用語一覧へ
【発電所】( electrical power plant, power station )
発電機,原動機,変圧器,その他の機械および装置から成り,電気エネルギー以外の形のエネルギーを電気エネルギーに変換するところ。変換前のエネルギーの状態によって,水力発電所,火力発電所,原子力発電所,風力発電所,地熱発電所,潮力発電所などに分けられる。
関連ページ : 社会資本:電力系統 , 社会資本:電源設備 ,
用語一覧へ
【発電装置】( electrical power generation apparatus )
電力を生み出す装置。
関連ページ : 社会資本:電源設備 ,
用語一覧へ
【パテ】( putty )
下地のくぼみ,割れ,あななどの欠陥を埋めて,塗装系の平滑さを向上させるために用いる肉盛り用の塗料。顔料分を多く含み,多くはペースト状である。【JIS K5500「塗料用語」】
なお,平滑性向上目的で中塗りとして用いるものはサーフェーサーという。
関連ページ : 塗料評価:中塗り塗料 ,
用語一覧へ
【馬蹄形ジベル】( horseshoe-shaped dowel )
合成桁のずれ止めの一種で,鋼板を馬蹄形に折り曲げたずれ止め,これに斜め又は垂直に輪形筋を取り付たずれ止めもある。
関連ページ : 鋼橋構造:合成桁 ,
用語一覧へ
【ばね鋼】( spring steel )
ばねに用いられる鋼をいい,小型のばねは,ピアノ線,硬鋼線材,帯鋼などの冷間加工でつくられる。大型のばねは,熱間仕上げで作られる。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,
用語一覧へ
【ハブ空港】( hub airport, airline hub )
広域の航空路線網の中心として機能する空港。路線網を自転車の車輪に例え,車輪のハブ部分が「空港」に当たることからこの名称が付いた。
関連ページ : 社会資本:空港 ,
用語一覧へ
【刃物鋼】( cutlery steel )
工具鋼の一種で,ナイフや包丁に使用される鋼である。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,
用語一覧へ
【バライト粉】( barytes )
重晶石の粉末。主成分は硫酸バリウム。体質顔料として用いる。【JIS K5500「塗料用語」】
JIS K 5115「沈降性硫酸バリウム及びバライト粉(顔料)」参照
関連ページ : 塗料概論:構成(防せい・体質顔料 ,
用語一覧へ
【パラフィン】( paraffin )
鎖式の飽和脂肪族炭化水素で,一般式 CnH2n+2 で表される鎖式飽和炭化水素で,メタン系炭化水素,パラフィン系炭化水素や脂肪族化合物などとも呼ばれる。なお,パラフィン( paraffin )といった場合は,炭素原子の数が 20 以上のアルカンを指すのが一般的である。⇒ アルカン
関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,
用語一覧へ
【バルコニー構成材及び手すり構成材(住宅用金属製)】( Components for balcony and handrails of dwellings )
低層住宅の屋外に使用するバルコニー構成材及び手すり構成材について,JIS A 6601「低層住宅用バルコニー構成材及び手すり構成材:Components for balcony and handrails of dwellings」に規定されている。
関連ページ : 金属概論:アルミ関連JIS規格 ,
用語一覧へ
【ハロゲン】( halogen )
ハロゲンとは,周期表第17族のふっ素( F ),塩素( Cl ),臭素( Br ),よう素( I )をいう。
複数のハロゲン元素が結合した化合物をハロゲン間化合物という。ハロゲンの関わる反応には,ハロゲン化,ハロゲン付加,ハロゲン化水素付加などがある。
関連ページ : 塗料各論:ふっ素樹脂とは ,
用語一覧へ
【バロチニ法】( )
JIS K 5600-3-21999「塗料一般試験方法−第3部:塗膜の形成機能−第2節:表面乾燥性(バロチニ法)」に規定される塗料の乾燥時間(表面乾燥性)を求める時に用いる方法。
関連ページ : 塗料評価:乾燥時間 ,
用語一覧へ
【半乾性油】( semidrying oil )
乾性油ほど早くはないが,空気中で乾燥する性質のある脂肪油。一般によう素価100~130のもの。
参考追記:大豆(だいず)油・コーン油・綿実(めんじつ)油・胡麻(ごま)油などがある。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 , 塗装概論:塗り付け方法 , 塗料概論:塗料の分類(材料) , 塗料各論:アルキド樹脂とは ,
用語一覧へ
【半金属】( metalloid )
周期表上で金属と非金属との境界付近の元素で,金属と非金属の両方の性質を持つものとされ,ホウ素 ( B )・ケイ素 ( Si )・ゲルマニウム ( Ge )・ヒ素 ( As )・アンチモン ( Sb ) ・テルル ( Te ) ・ポロニウム ( Po ) ・アスタチン ( At )をいう場合が多い。
関連ページ : 金属概論:金属元素 ,
用語一覧へ
【鈑桁橋】( plate girder bridge )
鋼桁橋の一種で,鋼板を組み合わせて作った I 形の桁を主桁として使用した鋼桁橋梁をいう。この構造は,自重が小さく,工期が比較的短いという特徴がある。
関連ページ : 鋼橋構造 , 防食塗装系:鋼橋の構造例 ,
用語一覧へ
【半硬化乾燥】( dry to touch, touch dry )
塗料の乾燥状態の一つ。塗った面の中央を指先でかるくこすってみて塗面にすり跡が付かない状態(dry to touch)になったときをいう。JIS K 5600-1-1「塗料一般試験方法-第1部:通則-第1節:試験一般(条件及び方法) 参照。
備考:BS では,指先で軽く圧力をかけて押えても,指紋の跡が残らず,粘着性を示さない状態(touch dry)をいう。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 塗装概論:はじめに , 塗装概論:新設時塗装管理(塗装作業) , 塗装概論:塗替え塗装管理(塗装作業) , 塗料評価:乾燥時間 , 塗料評価:半硬化乾燥 , 塗膜の評価:品質試験 ,
用語一覧へ
【反射高速電子線回折法】( reflection high energy electron diffraction method )
RHEED と略され,10 keV 以上の電子線を試料表面に浅い角度で入射させ,試料表面の結晶格子で回折した反射図形を検出することで結晶表面の構造を分析する方法。【JIS K 0215「分析化学用語(分析機器部門)」】
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,
用語一覧へ
【反射の法則】( law of reflection )
反射の法則とは,光の波長に比べてなめらかな2媒質の境界面で反射するとき成り立つ法則。
入射光線と反射光線は入射点で媒質の境界面に立てた法線と同じ平面上にあり,かつ法線に関して反対側にある。
媒質1を経て入射した光線が他の媒質2との境界面で反射するとき,境界面の法線に対して θ の角度で入射した光線は入射面内で法線に対して -θ の角度をなす方向に反射される。すなわち反射において入射角と反射角は等しく逆符号であることを反射の法則という。
関連ページ : 塗膜の評価:鏡面光沢度 ,
用語一覧へ
【反射炉】( reverberatory furnace )
石炭紛,重油などの燃焼火炎を炉内に噴射し,炉の天井からの反射熱で装入物を加熱する炉をいい,金属の製錬,溶解などに用いられる。
関連ページ : 金属概論:金属利用の歴史 ,
用語一覧へ
【半電池反応】( half‐cell reaction )
化学電池での電極反応をいい,酸化還元反応の酸化と還元の反応を分けて記述する半反応式とは定義が異なる。
関連ページ : 腐食基礎:腐食と電気化学 ,
用語一覧へ
【半透膜】( semipermeable membrane )
粒子(分子やイオン)の大きさで,物質を分別できる膜である。適切な半透膜を用いると,溶液のモル濃度と浸透圧が比例するので,高分子化合物などの分子量を測定できる。
実用の膜には,フェロシアン化銅の沈殿膜,コロジオン膜,膀胱膜,多孔質高分子膜などがある。多孔質高分子膜の原材料には,セロファン,アセチルセルロース,ポリアクリロニトリル,テフロン,ポリエステル系ポリマーアロイ,ポリスルホンなどが用いられる。
半透膜を介して移動する物質に対し溶媒と溶質の何れかに注目するかで,溶媒の移動に注目する浸透(しんとう: osmosis )と,溶質の分別に注目する透析(とうせき: dialysis )とに現象に対する呼称が変わる。
例えば,血液中の老廃物である生体高分子や塩を透析により分離し,血液を正常化する透析療法(人工透析),浸透圧以上の圧力を掛け,半透膜を通らない溶質の濃縮(逆浸透:海水の淡水化など)に利用されている。
半透膜の穴(空隙)のサイズは,対象とする粒子の大きさで決まる。この場合に,粒子の大きさは溶媒和の程度とその大きさを考慮しなければならない。
浄水の製造で微粒子除去目的に用いる限外ろ過膜( Ultrafiltration Membrane )は,概ね 1 ~ 10 nm の孔径を持ち,イオンの除去を目的で用いる逆浸透膜( RO 膜: Reverse Osmosis Membrane )は 2 nm 以下の孔径を持つ。
関連ページ : 塗膜の評価:耐水性 , 塗膜の試験規格:膨れの等級 ,
用語一覧へ
【反応機構】( reaction mechanism )
反応経路(reaction pathway)といわれ,化学反応全体を出発物質から最終生成物に至るまでの過程を一連の素反応で段階的に記述する試みである。
関連ページ : 腐食基礎:腐食とは ,
用語一覧へ
【反応性希釈剤】( reactive diluent )
塗料の粘度を下げるなどの希釈剤としての機能を持ち,硬化反応に関与し塗膜に残る要素をいう。
関連ページ : 防食基礎:塗料の構成 , 塗料概論:塗料構成材料 , 塗料概論:溶剤類 ,
用語一覧へ
【反応速度】( reaction velocity ,reaction rate )
反応速度(reaction velocitu)は,化学反応において,反応物(又は生成物)の量の時間変化率を表す物理量と定義される。
反応速度は,物理学における等速度運動と同じ扱いで求めることが多いが,本質的には,化学反応の多くは,物理学における加速度運動の様に,化学反応が進むことで,反応物や生成物の物質量,質量,濃度,又は体積が時々刻々と変化する。
従って,測定した濃度を測定に要した時間間隔で割ったものを反応速度として扱う例は多いが,厳密には反応量と経過時間の変化曲線のある時点での変化率を反応速度といべきある。
すなわち,測定に要した時間間隔が非常に短く,直線的な変化と仮定できる場合は反応速度と近似できるが,比較的長い時間間隔で得られた変化量を用いる場合は,時間間隔を明記した上で“反応の平均速度”というべきである。
なお,一般的には,後者の平均速度に対しても反応速度(reaction rate)を用いた報告書が少なからずある。
関連ページ : 腐食基礎:腐食とは , 腐食基礎:溶存酸素濃度の影響 , 腐食基礎:反応速度定数とは , 腐食基礎:酸素拡散律速とは ,
用語一覧へ
【反応速度定数】( reaction rate constant )
化学反応において,反応物(又は生成物)の量の時間変化率を表す物理量を反応速度(reaction velocity ,reaction rate)といい,濃度のべき関数として表現したものを反応速度式という。
ν = k [ A ]α [ B ]β [ C ]γ・・・
反応速度式において,べき乗係数の総和( n =α+β+γ+・・・)を全反応次数( overall reaction order )といい,係数 k を n 次反応の速度定数( rate constant )と呼ぶ。
関連ページ : 腐食基礎:反応速度定数とは ,
用語一覧へ
【反応速度式】( reaction rate equation )
化学反応において,反応物(又は生成物)の量の時間変化率を表す物理量を反応速度(reaction velocity ,reaction rate)といい,濃度のべき関数として表現したものを反応速度式という。
ν = k [ A ]α [ B ]β [ C ]γ・・・
関連ページ : 腐食基礎:腐食は化学 ,
用語一覧へ
【反応物】( reactant )
化学反応では,反応する出発物質を反応物,基質,又は始原系,原料などと呼び,反応で生成ずる物質は生成物と呼ぶ。
関連ページ : 腐食基礎:化学反応式とは ,
用語一覧へ
【反発硬さ試験】( rebound hardness test )
特定のハンマを一定のエネルギーで試料の試験面に衝突させ,ハンマが試験面から反発される際のエネルギーからその試料の硬さを決める硬さ試験の総称。代表的なものにショア硬さ試験がある。【JIS G 0202「鉄鋼用語(試験)」】
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・表面物性 , 塗装概論:研削材 , 塗膜の評価:機械的性質とは , 塗膜の評価:硬さ ,
用語一覧へ
【半反応式】( half reaction )
酸化還元反応は,酸化と還元を分けて記述すると理解しやすい。この一方のみに注目した記述方式を半反応式と呼ぶ。
関連ページ : 腐食基礎:腐食と電気化学 , 腐食基礎:電荷保存則と腐食 , 腐食基礎:酸素拡散律速とは