防食概論:防食の基礎

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          【電気めっきとは】

 電気めっきは,防食に限らず,装飾目的,硬さ(耐傷つき)の向上,耐摩耗性の向上,電気特性の改善,はんだ等との付着性の改善など様々な目的で利用される。このため,電気めっきは機能めっきなどとも呼ばれる。
 【電気めっきの原理】
 電気めっきの原理は,電解液中での金属の電解と析出を行う電気化学反応であり,腐食原理である電池作用と非常に似ている。
 下図には,「腐食の基礎」で腐食の原理を解説するのに用いた「ダニエル電池」と鋼に亜鉛めっきする際の「電気めっき原理図」を示す。

ダニエル電池

ダニエル電池

電気めっき原理図

電気めっき原理図(電気亜鉛めっき)

 ダニエル電池では,亜鉛板が酸化され電子と亜鉛イオンとなり,亜鉛イオンが溶液中に移動すると同時に電子が銅板に向って導線内を移動する。銅板に達した電子は溶液中の銅イオンを還元し金属銅として銅板に付着する。
 電気めっきでは,亜鉛電極と鋼電極を結ぶように,直流の外部電源を設置し,外部電源から鋼板に向って電子を送り込む。これにより,鋼電極表面で,溶液中の亜鉛イオンが還元され金属亜鉛として鋼電極の表面に付着する。
 一方,亜鉛電極表面では,鋼電極表面で消費された電子に見合う量の亜鉛の酸化が起き,電子は直流電源に向い,亜鉛イオンは溶液中に移動する。これにより,亜鉛電極の消耗量と同じ量の亜鉛が鋼電極表面に付着する。

 (参考)
 図で分かるように,電池と電気めっきでは,金属板のアノードとカソードの関係は同じであるが,電池の負荷部と電気めっきの直流電源のプラス極(正極)とマイナス極(負極)の関係が反対になっている。
 この関係を混同して記述されることがあるので注意が必要である。腐食関係で,正極(プラス極),負極(マイナス極)の用語を用いる場合には,関係を明確にしないと誤解を与えるので,陰極・陽極やアノード・カソードで表現するのが望ましい。

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