社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,ア行 “い”の用語を  いあ~いお,  いか~いそ,  いた~いん  に分けて紹介する。

 用語一覧 いた~

1液形塗料 】  , 【 一次光源 】  , 【 一次素地調整 】  , 【 一次防錆(ぼうせい) 】  , 【 一酸化鉛 】  ,
 
一般構造用圧延鋼(SS材) 】  , 【 一般構造用炭素鋼鋼管  】  , 【 一般国道 】  , 【 一般さび止めペイント 】  , 【 一般電気事業者 】  , 【 移動制限装置 】  ,
 
糸状腐食 】  , 【 糸引き(塗膜の) 】  , 【 イミダゾール 】  , 【 イミン 】  , 【 鋳物(アルミニウム合金) 】  , 【 鋳物用銑 】  ,
 
イルミナント 】  , 【 色(塗膜の) 】  , 【 色合せ 】  , 【 色空間 】  , 【 色刺激 】  , 【 色の目視比較 】  , 【 色むら(塗膜の) 】  ,
 
陰イオン 】  , 【 陰極 】  , 【 陰極防食法 】  , 【 インヒビター 】  , 【 インフレーション法 】  , 【 隠ぺい率(塗膜の) 】  , 【 隠ぺい力(塗膜の)

 用語の概要と関連ページ


 【1液形塗料】( single-packaged paint )
 調合ペイントなどの一つの成分で供給され,そのまま塗装するだけで塗膜が得られる塗料を一液形塗料という。なお,塗料の荷姿として,複数の成分に分けて供給され,塗装作業直前に混合して使用する塗料を多液形塗料という。
 関連ページ : 塗料概論:分類(形態,機能) ,  
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 【一次光源】( primary light source )
 エネルギーの変換によって発生した光を放出する表面又は物体。参考 IEC では. 一次光源 だけを使用しているが,我が国では,単に, 光源 と呼ぶ。ただし,二次光源と対比して使われる場合は,一次光源と呼んでもよい。【JIS Z8113 「照明用語」】
 関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較 ,  
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 【一次素地調整】( temporary surface preparation, temporary cleaning )
 鋼橋製作時の素地調整には,鋼材製作時の一次素地調整と橋梁組立後の防食塗装時に行う二次素地調整,及び架設工事で行う現場塗装での素地調整がある。
 一次素地調整とは, 鉄鋼メーカ等で行われる一次素地調整は,原板ブラスト(blasting for rolled sheet)とも呼ばれる。この処理は,製鉄工場で熱間圧延で生成したミルスケール(黒皮),付着物やその後に発生した赤さびなどを除去することを目的として行われる。
 関連ページ : 鋼橋製作:工程 ,  鋼橋製作:素地調整 ,  防食基礎:素地調整概論 ,  塗装概論:新設塗装工程 ,  塗装概論:新設時塗装管理(素地調整) ,  防食塗装系:新設時塗装方法 ,  
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 【一次防錆(ぼうせい)】( temporary rust prevention )
 作業工程,保管,輸送中などにおける短期間の防せい。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 関連ページ : 防食基礎:ライニング方法 ,  塗装概論:新設塗装工程 ,  防食塗装系:防食塗装に用いる塗料 ,  
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 【一酸化鉛】( lead monoxide, litharge )
 PbO の組成をもつ鉛の化合物。うす黄色の粉末。黄鉛・鉛ドライヤーの原料として用いる。【JIS K5500「塗料用語」】 ⇒ リサージ
 関連ページ : 塗料各論:塩基性防せい顔料 ,  
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 【一般構造用圧延鋼(SS材)】( rolled steels for general structure )
 SS材と略称され,橋梁,船舶,車両その他の構造物に用いる一般構造用の熱間圧延鋼材(hot rolled steel)及び熱間押出形鋼をいう。【JIS G 3101「一般構造用圧延鋼材」】
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,  金属概論:一般構造用圧延鋼 ,  鋼の腐食:鋼材の変遷 ,  防食塗装系:鋼橋の構造例 ,  
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 【一般構造用炭素鋼鋼管 】( carbon steel tubes for general structure )
 STK材と記され,鉄塔,足場,支柱,基礎ぐい,地滑り抑止ぐいなどの土木,建築の構造物に使用する炭素鋼鋼管,品質については,JIS G 3444「一般構造用炭素鋼鋼管:Carbon steel tubes for general structure」に規定されている。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼製品JIS ,  防食塗装系:鋼橋の構造例 ,  
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 【一般国道】( national route, national roads, national highway )
 ⇒ 国道,道路
 関連ページ : 防食塗装系:鋼道路橋の維持管理 ,  
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 【一般さび止めペイント】( anticorrosive paint for general use )
 鉄鋼のさび止め地肌塗り用のペイント。使用するさび止め顔料が限定されていないもの。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K56212008 「一般用さび止めペイント;Anticorrosive paints for general use」,さび止め顔料に鉛系及びクロム系成分を使用しないで,一般的な環境下での鉄鋼製品などのさび止めに用いる一般用さび止めペイントについて規定する。ただし,JIS K 5674 に規定する鉛・クロムフリーさび止めペイントは除く。種類は,次によって区分する。a)1種 屋内外における鉄鋼製品に用いるボイル油系さび止め塗料。b) 2種 屋内外における鉄鋼製品に用いる有機溶剤を揮発成分とする液状・自然乾燥性のさび止め塗料。c) 3種 屋内外における鉄鋼製品に用いる速乾性で,短期間の防せい(錆)性をもつ有機溶剤を揮発成分とする液状・自然乾燥性のさび止め塗料。d) 4種 屋内における鉄鋼製品に用いるもので,水を主要な揮発成分とする液状・自然乾燥性のさび止め塗料。
 関連ページ : 塗料各論:非鉛系さび止めペイント ,  
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 【一般電気事業者】( general electricity utility )
 一般の需要に応じ電気を供給する事業の許可を受けた事業者をいう。
 関連ページ : 社会資本:電気事業 ,  
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 【移動制限装置】( stopper )
 桁からの水平力を橋台く体,橋脚く体等に伝達するとともに,桁の移動を制限する装置。【鉄道構造物等設計標準・同解説(鋼・合成構造物)】
 関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,  
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 【糸状腐食】( filiform corrosion )
 読み「いとじょうふそく」,主に塗料又は油脂などで被覆した金属表面に,糸状に進行する腐食。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 主に,塗料又は油脂などで被覆した金属表面に,糸状に進行する腐食。一般に,金属の塗装されていない端面から,又は塗膜の部分的にきずのついた場所から始まる。備考:一般に,糸さびは,長さや成長する方向が不規則であるが,ほぼ平行に大体同じ長さに成長する。【JIS K5500「塗料用語」】
 重ねた板の間又は塗膜の下に生じる糸状の腐食。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
 関連ページ : 腐食基礎:腐食形態による分類 ,  腐食基礎:腐食現象の分類 ,  
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 【糸引き(塗膜の)】( cobwebbing )
 吹付け塗りのとき,塗料が糸状になってスプレーガンから出る現象。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗装概論:塗膜変状と措置(塗装作業時) ,  
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 【イミダゾール】( imidazole )
 五員環内に窒素原子二つ(1,3位)を含む複素環式化合物(heterocyclic compound)の一つで,1,3-ジアゾール(C3H4N2)ともいうアミンの一種。
 関連ページ : 塗料各論:エポキシ樹脂塗料概要 ,  
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 【イミン】( imine )
 構造式 R-C(=NR'')-R' で表される炭素・窒素の二重結合を持つ有機化合物の総称。
 関連ページ : 塗料各論:エポキシ樹脂塗料概要 ,  
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 【鋳物(アルミニウム合金)】( Aluminium alloy castings )
 金型鋳物,砂型鋳物などのアルミニウム合金鋳物について,JIS H 5202「アルミニウム合金鋳物:Aluminium alloy castings」に規定されている。
 関連ページ : 金属概論:アルミ関連JIS規格 ,  
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 【鋳物用銑】( pig iron for casting )
 鋳物製品をつくるのに用いられる銑鉄。用途上,ケイ素が多く,マンガン,硫黄が少い。2000年に廃止された旧日本工業規格 JIS G 2202「鋳物用銑」では,1種 (普通用) ,2種 (可鍛鋳鉄用) ,3種 (強靭鋳鉄用) に分けられていた。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,  
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 【イルミナント】( illuminant )
 測色用の光ともいい,物体の色知覚に影響する波長域全体の相対分光分布が規定されている放射。【JIS Z 8120「光学用語」】
 それで照明された物体の色知覚に影響を及ぼす波長域全体の相対分光分布が規定されている放射。
 参考1. この用語は,以前は標準 , 基準などの語と組み合わせて …の光 と呼び,単独の場合には 測色用の光 としたが,場合によっては紫外波長域も含む分光分布を表すので,IEC 60050 (845) 01-06 light の定義1.及び2.と矛盾しないように,イルミナントと呼ふことにした。
 参考2.この用語の対応英語 illuminant は日常英語では,このような意味に限らず,物又は場面を照明するどんな光に対しても用いる。【JIS Z8105「色に関する用語」,JIS Z8113 「照明用語」】
 CIE(国際照明委員会)によって相対分光分布が規定されたイルミナント A 及び D65を CIE標準イルミナント(CIE standard illuminant)という。
 関連ページ : 塗膜の評価:色の目視比較 ,  
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 【色(塗膜の)】( color, color of film )
 物体色(object-color)とは,対象物体に属しているように知覚される色。【JIS Z 8105「色に関する用語」】
 知覚色(perceived color)とは,有彩色成分と無彩色成分との組合せからなる視知覚の属性。この属性は,黄,オレンジ,赤,ピンク,緑,青,紫などの有彩色名,若しくは白,灰,黒などの無彩色名を,明るい,暗いなどで修飾したもの,又はこれらの色名の組合せで記述される。 【JIS Z 8105「色に関する用語」】
 心理物理色(psychophysical colour)とは,三刺激値のように,算出手法が規定された 3個の数値による色刺激の表示。備考 知覚色,心理物理色とも,文脈から意味が明確な場合に限って,用語“色”又は“色彩”だけを用いてよい。 【JIS Z 8105「色に関する用語」】
 関連ページ : 塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  塗膜の評価:視覚特性とは ,  塗膜の評価:測色(色差) ,  
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 【色合せ】( color matching )
 数色の塗料を混合して,得られる塗膜の色が,希望の色になるようにする作業。調色ともいう。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:着色顔料 ,  塗膜の評価:測色(色差) ,  
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 【色空間】( color space )
 色の幾何学的表示に用いる,通常 3次元の空間。【JIS Z8105「色に関する用語」】
 色を秩序立てて配列する形式で,色を座標で指示できる。
 関連ページ : 塗膜の評価:測色(色差) ,  
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 【色刺激】( colour stimulus )
 目に入って,有彩又は無彩の色感覚を生じさせる可視放射。【JIS Z8105「色に関する用語」】
 関連ページ : 塗膜の評価:視覚特性とは ,  塗膜の評価:色の目視比較 ,  
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 【色の目視比較】( visual comparison of the color )
 目視で色を評価・比較する場合は,試験場所の光源や明るさなどの条件で変化する。このため,塗膜及び関連製品の色を,自然昼光又は色観察ブース内の人工光源を用いて,標準品(参照標準又は新たに調整した標準)と対比して目視比較する。【JIS K5600-4-31999「塗料−般試験方法−第 4 部:塗膜の視覚特性−第 3 節:色の目視比較」】
 関連ページ : 塗膜の評価:視覚特性とは ,  塗膜の評価:色の目視比較 ,  
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 【色むら(塗膜の)】( mottle,irregular color )
 塗膜の色が部分的に不均等な状態。塗料の欠陥,塗装の欠陥,塗膜の成分の分解,変質などで起こる。【JIS K5500「塗料用語」】
 仕上がりの色調が品物の部分で異なる外観。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
 関連ページ : 塗装概論:塗膜変状と措置(塗装作業時) ,  塗料評価:塗膜の外観 ,  
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 【陰イオン】( anion, negative ion )
 アニオン(anion)ともいい,負の電荷を帯びたイオンをいう。イオン(ion)とは,原子や原子団(分子)が電子を得たり失うことで電荷を帯びた状態をいう。
 歴史的には,ファラディーが電気分解の実験で,陽極(アノード:anode )に向かう粒子と陰極(カソード:cathode )に向かう粒子を発見し,これらの粒子をイオン(ion)と名付け,陽極に向かう粒子を陰イオン(anion :アニオン),陰極に向かう粒子を陽イオン(cation :カチオン) と呼んだのが始まりである。
 関連ページ : 鋼の腐食:淡水環境の腐食・目次 ,  鋼の腐食:水質(陰イオン)の影響 ,  鋼の腐食:海水の特徴 ,  
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 【陰極】( negative pole )
 電極の名称であるが,電池と電気分解では定義が異なる。
 a ) 電気分解において,電気活性物質へ電子を与える電極。カソード( cathode )となる。
 b ) 電池の放電において,電池活物質から電子を受け取る電極。負極,アノード( anode )となる。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食と電気化学 ,  腐食基礎:腐食開始と継続 ,  
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 【陰極防食法】( cathodic protection )
 カソード防食ともいい,電極電位を基準値(防食電位)以下に下げることで目的を達成する電気化学的防食法。
 外部からの電流付与方法には,電源装置を用いて電流を与える【外部電源方式】,異種金属接触腐食の原理を利用した【流電陽極方式】の 2種ある。
 関連ページ : 防食基礎:電気防食(陰極防食) ,  塗料各論:不動態化,還元系防せい顔料 ,  防食塗装系:鋼橋の防食設計 ,  
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 【インヒビター】( inhibitor )
 阻害剤,阻害物質ともいう。⇒ 腐食抑制剤
 関連ページ : 塗装概論:ブラスト処理 ,  
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 【インフレーション法】( inflation )
 ⇒ 溶融押出成型法
 関連ページ : 防食基礎:ライニング方法 ,  
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 【隠ぺい率(塗膜の)】( contrast ratio )
 塗料が下地の色の差を覆い隠す度合。黒と白とに塗り分けて作った下地の上に,同じ厚さに塗ったときの,塗膜の45度,0度拡散反射率又は三刺激値Yの比で表わす。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K 5600-4-1「塗料一般試験方法-第4部:塗膜の視覚特性-第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)」,JIS K 5600-4-2「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第2節:隠ぺい力(低明度塗料用)」参照。
 関連ページ : 塗料各論:JISフタル酸樹脂塗料 ,  塗料各論:JIS耐候性塗料 ,  塗料評価:鋼構造物耐候塗料中塗り用 ,  塗料評価:隠ぺい率 ,  塗膜の評価:品質試験 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  
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 【隠ぺい力(塗膜の)】( hiding power )
 塗料が素地の色又は色差を覆い隠す能力。黒と白とに塗り分けて作った下地の上に,同じ厚さに塗ったときの塗膜について,色分けが見えにくくなる程度を,見本品の場合と比べて判断する。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K 5600-4-1「塗料一般試験方法-第4部:塗膜の視覚特性-第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)」,JIS K 5600-4-2「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第2節:隠ぺい力(低明度塗料用)」参照。
 関連ページ : 塗膜の評価:隠ぺい力 ,  塗料概論:構成(防せい・体質顔料) ,  塗料概論:着色顔料 ,  塗膜の評価:視覚特性とは ,  塗膜の評価:隠ぺい力 ,  
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