金属概論:鉄および鋼

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  【一般構造用圧延鋼】

 SS材と呼ばれる JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材(Rolled steels for general structure)に規定される鋼材は,橋,船舶,車両その他の高い溶接性を求めない一般構造に用いる熱間圧延鋼(hot rolled steel)である。
 なお,良好な溶接性を求める場合は,別途紹介する JIS G 3106「溶接構造用圧延鋼材」(SM材),JIS G 3136「建築構造用圧延鋼材」(SN材)が用いられる。
 
 圧延鋼材(rolled steel)は,鋼の塊をロールにかけて圧延し,鋼板,鋼帯,鋼棒,平鋼,形鋼にしたもので,広く用いられている。この鋼材は接合に溶接を用いない用途に適用される。
 鋼板とは,板状の鋼材をいい,厚さで呼び方が薄鋼板(厚さ3mm未満),中鋼板(3~6mm),厚鋼板(6mm以上),極厚鋼板(150mm以上)に分けるのが一般的である。なお,JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」では,中鋼板,極厚鋼板を含めた 3.0mm以上の鋼板を厚鋼板と定義している。
 
 薄鋼板(steel sheets)は,コイル状に巻くことが可能で,この状態を鋼帯(steel strip)や帯鋼(steel coil)などとも呼ぶ。
 一般的な構造物等には 9mm以上の厚鋼板(steel plates)が用いられる。また,用途別に構造用鋼板,建築用鋼板,造船用鋼板,ボイラー用鋼板,自動車用鋼板などとも呼ばれる。
 棒鋼(steel bars)は,鋼片や鋼塊を圧延して得られるもので,断面が円形,正方形,長方形,多角形のものがある。断面が円形の物を丸鋼,正方形の物を角鋼,長方形の物を平鋼とも呼ぶ。
 形鋼(sections)は,断面が多角的な形状をした鋼材をいう。形鋼には,熱間圧延で作製される重量形鋼,薄い鋼板を冷間で折り曲げ加工して作製される軽量形鋼の2種がある。一般に形鋼という場合には,重量形鋼を指す場合が多い。用途の多い重量形鋼にはH形,I形,山形(L形),溝形,Z形等があり,軽量形鋼には山形,溝形,Z形,ハット形等がある。


一般構造用圧延鋼材(SS材)の例
  種類の記号  化学成分(%) 引張強さ
N/mm2
C Mn P S
  SS330    ―    ―    0.050以下    0.050以下    300~430 
  SS400    400~510 
  SS490    490~610 
  SS540    0.30以下    1.60以下    0.040以下    0.040以下    540以上 

 【参考資料】
 1)谷野満,鈴木茂「鉄鋼材料の科学―鉄に凝縮されたテクノロジー」内田老鶴圃(2006)
 2) 大澤直 『金属のおはなし』 日本規格協会,2008年
 3) 齋藤勝裕 『金属のふしぎ』 ソフトバンククリエイティブ,2009年

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