ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
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サ行 シで始まる用語を ( シア - シク ) , ( シケ - シャ ) , ( シュ ) , ( ショ ) , ( シラ - シン ) に分けて紹介する。
用語一覧 サ行 シュ
【 自由エネルギー 】 ,
【 周期的共重合体 】 ,
【 周期表 】 ,
【 重金属 】 ,
【 重クロム酸カリウム 】 ,
【 終結 】 ,
【 重合 】 ,
【 重合禁止剤 】 ,
【 重合体 】 ,
【 重合度 】 ,
【 重合反応 】 ,
【 しゅう酸 】 ,
【 重質洗剤 】 ,
【 重縮合 】
【 集積回路 】 ,
【 集積二重結合 】 ,
【 重曹 】 ,
【 従属変数と独立変数 】 ,
【 終点(滴定の) 】 ,
【 充填カラム 】 ,
【 充塡剤 】 ,
【 充填材 】 ,
【 自由電子 】 ,
【 自由度 】 ,
【 柔軟剤 】 ,
【 重付加 】 ,
【 重油 】 ,
【 自由誘導減衰 】 ,
【 重油燃焼ボイラ 】 ,
【 重量分析 】 ,
【 重量平均分子量 】
【 縮合環化合物 】 ,
【 縮合重合 】 ,
【 縮合反応 】 ,
【 主鎖 】 ,
【 樹脂 】 ,
【 朱子織(しゅすおり) 】 ,
【 主成分分析 】 ,
【 酒石酸 】 ,
【 シュテファン‐ボルツマン定数 】 ,
【 シュバイツァー溶液 】 ,
【 主要ミネラル 】 ,
【 シュルツ・ハーディの法則 】 ,
【 シュレディンガー方程式 】 ,
【 循環型社会 】 ,
【 循環資源(3R) 】 ,
【 純石けん分 】 ,
【 純物質 】
用語の概要と関連ページ
【自由エネルギー】( free energy )
ある系の化学反応による平衡と自発性の指標で,ヘルマン・フォン・ヘルムホルツが 1882 年に提唱した概念である。
等温等積過程の自由エネルギーをヘルムホルツの自由エネルギー( Helmholtz free energy :記号 F )と呼ばれ,等温等圧過程の自由エネルギーはギブズの自由エネルギー(Gibbs free energy:記号 G )と呼ばれる。なお,IUPAC (国際純正・応用化学連合)では自由を除いたヘルツホルツエネルギー,ギブズエネルギーとの名称使用を推奨している。
関連ページ : 自由エネルギー変化
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【周期的共重合体】( )
規則性を持ち周期的に配置した二元共重合体
関連ページ : 高分子材料
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【周期表】( periodic table )
広く利用されている周期表は,ロシアの化学者メンデレーエフによって提唱された。当時発見されていた元素を単体や化合物の性質で分類し,原子量順に整理することで,未発見の元素性質の予言を目的とした。
周期表には,長周期型周期表と短周期型周期表の 2種類がある。長周期型は,1族~ 18族で分類するのに対し,短周期型は,1族~ 8族に分類し,各族はさらに A, Bに分けられる。また,長周期型の 8 ~10族は,短周期型では 8B族(鉄族などとも称される)にまとめられている。
長周期型は,国際純正・応用化学連合 ( IUPAC ) の推奨で,日本高校教育で採用している。米国では,今でも短周期型が一般的である。
関連ページ : 周期表 元素一覧 金属分類:化学的性質
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【重金属】( heavy metal )
金属を比重で分類する場合は,一般的には比重 4 ~ 5 を下回るものを軽金属,上回るものを重金属とするのが一般的である。
関連ページ : 分類:その他
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【重クロム酸カリウム】( potassium dichromate )
二クロム酸カリウム( K2Cr2O7 )の慣用名で,酸化力が強く,第一級アルコールやアルデヒドをカルボン酸に,第二級アルコールをケトンに変える。
関連ページ : 酸化剤・還元剤
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【終結】( termination )
DNA複製の終盤で,レプリコンの終点に複製フォークがたどり着くことで,DNA から複製装置が解離し,娘鎖の絡まりを解く(脱カテナン化)と最末端領域の複製(末端複製問題)が行われる。
関連ページ : DNA , RNAとは
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【重合】( polymerization )
単量体又は単量体類の混合物を重合体に転化する過程。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
関連ページ : プラスチックの記号と関連用語
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【重合禁止剤】( polymerization‐inhibitor )
ハイドロキノンなど
関連ページ : 不飽和ポリエステル樹脂
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【重合体】( polymer )
複数のモノマー(単量体)が重合しできた化合物。⇒ポリマー
関連ページ : 高分子合成反応 プラスチックの記号と関連用語
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【重合度】( degree of polymerization )
(1) その分子が規則正しい繰返し単位から構成されている場合には,分子当たりの基本単位の(平均)数。
(2) その分子が全く同等の単量体から重合によりつくられる(又は仮定されうる)場合には,分子当たりの(真の又は仮定の)マーの(平均)数。
(注)この二つの定義は必ずしも同等である必要はない。例えば,ポリエチレンに対しては,基本単位は CH2 であり,マー(単量体単位)は C2H4 である。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
関連ページ : プラスチックの記号と関連用語 熱硬化性プラスチックとは
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【重合反応】( polymerization reaction )
重合体(ポリマー)の合成を目的にする化学反応の総称である。反応機構による分類で紹介した付加重合,縮合重合の他に,元となる反応の反応機構や化学反応種により多くの反応名が与えられている。
関連ページ : 用途による分類 高分子合成反応
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【しゅう酸】( oxalic acid )
示性式 (COOH)2,もっとも単純なジカルボン酸。IUPAC 名 エタン二酸 (ethanedioic acid)。
関連ページ : 酸化剤・還元剤 カルボン酸とは カルボン酸の製法
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【重質洗剤】( heavy duty detergent )
アルカリ性ビルダーなどが配合された,汚れの度合いの大きいものの洗浄に用いられる合成洗剤( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
関連ページ : 洗剤(界面活性剤)とは 界面活性剤関連用語
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【重縮合】( polycondensation )
縮合過程(すなわち,簡単な分子の脱離を伴う)の繰返しによる重合。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)⇒縮合重合,縮重合ともいわれる。
関連ページ : 高分子合成反応 プラスチックの記号と関連用語
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【集積回路】( Integrated Circuit )
複数の機能を発揮するため,複数の半導体素子を複数の端子で結び,一つのパッケージにした電気回路(略称 IC )。素子数 1000 ~ 100000 のものを LSI ( large scale integration :大規模集積回路)という。
関連ページ : 集積回路(IC)
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【集積二重結合】( cumulated double bonds )
2 つ以上の二重結合が連続(隣接)する結合。
関連ページ : ジエンの特徴
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【重曹】( baking soda )
重炭酸ナトリウム( Sodium hydrogen carbonate )又や重炭酸ソーダ( Bicarbonate soda )ともいわれる炭酸水素ナトリウム( Sodium bicarbonate )で,焼き菓子,ホットケーキ,まんじゅうなどの膨張剤として用いられる。
関連ページ : 増粘安定剤,乳化剤,膨張剤
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【従属変数と独立変数 】( dependent variable / independent variable )
従属変数を目的変数,独立変数を説明変数ともいう。従属変数は,独立変数に従属して変化する。独立変数は,従属変数に関係なく独立して変化させられる。
関連ページ : 化学反応の速度とは
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【終点(滴定の)】( end point )
滴定すべき反応が終わったことを指示薬,又は反応検出器で認められる点。
関連ページ : 酸塩基滴定(中和滴定)
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【充填カラム】( packed column )
充塡剤を充塡したカラムで,パックドカラムともいわれる。数 mm 程度の筒。一般的には,シリカゲルや活性炭,ゼオライトなどの吸着力を持つ固体,あるいは天然由来の珪藻土や合成シリカなどの多孔質不活性担体に,固定相を吸着させた充填剤が用いられる。
関連ページ : ガスクロマトグラフィー
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【充塡剤】( column packing )
クロマトグラフィー管に固定相として充塡する物質。主に,粒子,表面修飾した粒子及び連続構造のモノリス材がある。カラム充塡剤ともいう。
関連ページ : イオンクロマトグラフィー
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【充填材】( filler )
強さ,耐久性,作業特性,その他の性能を改質するため,又は価格を引き下げるためにプラスチックに加える比較的不活性な固体材料( JIS K7010 「繊維強化プラスチック用語」)。
関連ページ : FRP 関連用語
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【自由電子】( free electron )
自由電子とは,束縛を受けていない電子をいう。即ち,特定の原子核の近傍に留まらず結晶全体に非局在化している電子である。
自由電子の存在が,電気や熱の高い伝導性の要因の一つとなっている。このため,自由電子は伝導電子とも呼ばれる。
関連ページ : 金属の分子軌道 エネルギーバンド 自由電子と特性
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【自由度】( )
関連ページ : 赤外分光とは
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【柔軟剤】( softening agent )
織物などの感触を柔らかくするために用いられる薬剤( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
関連ページ : 界面活性剤関連用語
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【重付加】( polyaddtion )
広義には付加重合と同義語。狭義には炭素−炭素不飽和結合を含まない単量体の付加(例えば,エポキシ,イソシアネート,又はラクタム単量体の反応)によって重合体を形成する化学反応。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
不飽和結合や環状構造の官能基を2個以上もつ化合物と分子の両末端に活性水素をもつ化合物が,付加反応を繰返しながら重合体を生成する反応。重付加は,ポリウレタンやエポキシ樹脂製造に用いられる水素移動型重付加,環状ポリオレフィン樹脂の製造で用いられるペリ環状反応で多重結合を次々と付加反応する電子移動型重付加とに分けられる。 ⇒付加重合
関連ページ : 高分子合成反応 プラスチックの記号と関連用語
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【重油】( fuel oil , heavy )
残油と軽油を混合した石油製品をいう。一般的には,混合割合が,残油 1 :軽油 9 のものを A 重油,残油 5 :軽油 5 のものを B 重油,残油9 :軽油 1 のものを C 重油に区分される。重油の英語表現は,文字通りの heavy oil より,JIS K 2205「重油: fuel oil 」に示されるように,用途である燃料油としての fuel oil の表現が一般的である。
関連ページ : 石油製品とは 石油製品と燃焼
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【自由誘導減衰】( free induction decay )
強力な静磁場に対して,垂直な面内にラーモア周波数に一致する回転磁場を加えたあと,回転磁場を止めることで,観測される信号の振幅が時間とともに減衰する現象をいう。
関連ページ : 核磁気共鳴とは
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【重油燃焼ボイラ】( oil fired boiler )
重油,原油,軽油,アスファルトなどの液体燃料を使用するボイラ。
関連ページ : ボイラの化学
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【重量分析】( gravimetric analysis )
定量しようとする成分を一定の組成の純物質として分離し,その質量又は残分の質量から分析種の量を求める定量分析。
関連ページ : 分析化学とは 元素分析 有機化合物の分析
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【重量平均分子量】( weight-average molecular weight )
⇒平均分子量
関連ページ : 高分子材料
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【縮合環化合物】( condensed ring compound )
関連ページ : 芳香族化合物とは
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【縮合重合】( condensation polymerization )
縮合過程(すなわち,簡単な分子の脱離を伴う)の繰返しによる重合(JIS K 6900「プラスチック―用語」)。縮合重合は,重縮合,縮重合とも呼ばれる。具体的には,複数の化合物が,互いの分子内から水( H2O )などの単純な化合物を脱離しながら重合する反応である。
関連ページ : 用途による分類 高分子合成反応 プラスチックの記号と関連用語
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【縮合反応】( condensation reaction )
2 つの官能基からそれぞれ一部分の分離で小さな分子を形成して脱離し,新しい官能基が生成する形式の反応である。
関連ページ : 高分子合成反応
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【主鎖】( the parent hydrocarbon chain )
化合物の母体で,次のルールに従う。 1)ハロゲン基は主基になれないので,これを除き,置換基(官能基)の数が最大になるように選ぶ。複数の置換基を持つ場合は,優先順位の最も高い置換基を接尾辞とする。2)多重結合(二重結合,三重結合)の数が最大になるように選ぶ。3)単結合の数が最大になるように選ぶ。4)長さが最大(骨格炭素原子が最多)になるように選ぶ。
関連ページ : 有機化合物の命名法
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【樹脂】( resin )
不明確でかつしばしば高い相対分子質量を有し,応力を受けると流動する傾向を示し,通常は軟化又は溶融範囲を有し,かつ通常は貝殻状に割れる固体,半固体,又は凝固体の有機材料。広義にはこの用語はプラスチック用の基盤材料であるいくつかの重合体を明示するためにも使用される。 (JIS K 6900「プラスチック―用語」)
関連ページ : プラスチックとは プラスチックの記号と関連用語 熱硬化性プラスチックとは
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【朱子織(しゅすおり)】( sateen weave )
少なくとも 5 本のたて糸とよこ糸を含む完全組織で,一完全中で同一のたて糸は 1 回だけよこ糸と交錯し,よこ糸の飛び数は 1 以上である組織。 一完全中の糸の数と飛び数とは,公約数をもたないことに注意。( JIS L0206 「繊維用語(織物部門)」)。
関連ページ : 繊維関連用語
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【主成分分析】( major constituent analysis )
関連ページ : 化学分析の流れ
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【酒石酸】( tartaric acid )
葡萄などの酸味のある果実,ワインに多く含まれる有機化合物。示性式 (CH(OH)COOH)2 のヒドロキシ酸。IUPAC名 2,3-ジヒドロキシブタン二酸(2,3-dihydroxy butanedioic acid) 。
関連ページ : ヒドロキシ酸・アミノ酸 甘味料,酸味料,苦味料,香料
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【シュテファン‐ボルツマン定数】( Stefan-Boltzmann law )
熱輻射により黒体から放出される電磁波のエネルギーと温度の関係を表した物理法則(シュテファン‐ボルツマン定数)において,放射発散度と熱力学温度の関係として表した時の比例係数 σ。
関連ページ : 地球温暖化問題
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【シュバイツァー溶液】( )
水酸化銅( Cu(OH)2 )にアンモニア( NH3 )水を加え,アンモニア性硫酸銅とし,水酸化ナトリウムを加えることで得られる銅アンモニア溶液である。この溶液は,セルロースを溶解させることができる。
関連ページ : 繊維とは
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【主要ミネラル】( )
必須ミネラルとして基準摂取量( 100 mg /1日 以上)の硫黄 S,塩素 Cl ,ナトリウム Na ,カリウム K ,マグネシウム Mg ,カルシウム Ca ,リン P の 7 種。
関連ページ : 遷移元素の化学
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【シュルツ・ハーディの法則】( Schulze-Hardy rule )
負に帯電する疎水コロイドの凝析における凝析価と添加した電解質の陽イオン価数との関係に関する経験則で,「コロイド帯電電荷と反対電荷を持つ電解質の添加によりコロイドは沈殿するが,この時の凝析価は一価の陽イオンを基準にして,イオン価数の 6 乗に反比例する。」
関連ページ : 疎水コロイド
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【シュレディンガー方程式】( Schrödinger equation )
量子力学の波動関数
関連ページ : 原子の構造
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【循環型社会】( recycling-oriented society )
廃棄物発生量の増大,最終処分場の不足,不法投棄の増大などの問題など,大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会から脱却し,環境への負荷が少ない「循環型社会」を形成する必要性が高まった。このため,2000 年(平成 12 年)に循環型社会形成推進基本法が制定された。
関連ページ : 環境問題の国際的取り組み 日本の環境問題
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【循環資源(3R)】( )
循環資源については,いわゆる 3R といわれる取り組み,すなわち「発生抑制」(リデュース)>,「再使用」(リユース)>,「再生利用」(マテリアルリサイクル)>,「熱回収」(サーマルリサイクル)>,「適正処分」の順に処理の優先順位を定めている。
関連ページ : 日本の環境問題
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【純石けん分】( )
石けん試料中の石けん分(脂肪酸中和物)含量( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。石けんとは,脂肪酸ナトリウム,脂肪酸カリウムなど脂肪酸系(陰イオン)の陰イオン系界面活性剤(アニオン界面活性剤) 。
関連ページ : 洗剤(界面活性剤)とは 陰イオン(アニオン)界面活性剤 界面活性剤関連用語
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【純物質】( )
1 種類の元素からなる単体( elementary substance )と 2 種以上の元素で構成される化合物( compound )とに分けられる。一般的には,単体,化合物とも分子( molecule ),又はイオン( iron )で構成される。
関連ページ : 純物質とは 化学結合(はじめに)
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