第五部:有機化学の基礎 界面活性剤(洗剤)

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  ここでは,石鹸や洗剤として身近な界面活性剤に関連し, 【界面活性剤とは】, 【洗剤とは】, 【石けんの種類】, 【合成洗剤の種類】, 【家庭用品品質表示法における洗剤】, 【表示法 界面活性剤の区分表】 に項目を分けて紹介する。

  界面活性剤とは

 界面活性剤( surface active agent , surfactant )
 JIS K 3211「界面活性剤用語:Technical terms for surface active agents 」
 “分子中に適当な親水基と親油基をもち,液体に溶けて低濃度で界面活性を示す物質。”
と定義されている。
 なお,界面に吸着が起こって界面張力を低下させるなど界面の性質を著しく変える性質を界面活性( surface activity )という。

 具体的には,【第三部:物質の状態と変化】「界面活性剤とは」で紹介したように,界面活性剤は,分子中に親水性と疎水性の官能基を持ち,水溶液中でミセル,ベシクル,ラメラ構造を形成することで,極性物質と非極性物質を均一に分散させる働きや,溶液の表面張力を弱める作用を持つ物質である。
 分子内に親水基と疎水基を持つことで,液 /液界面,液 /固界面,気 /液界面に吸着し,これらの界面自由エネルギーを低下させることができる。

 界面活性剤は,特性基の違いで,アニオン界面活性剤(陰イオン界面活性剤)カチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)両性界面活性剤(双性界面活性剤)ノニオン界面活性剤(非イオン界面活性剤)に分けられる。
 また,比較的高分子量の界面活性剤を高分子界面活性剤( high molecular weight surface active agent , polysoap )と呼ぶこともある。

 用途
 界面活性剤によるミセルの形成(コロイド化)による分散性向上などの特性を利用した用途として,衣類や食器の洗剤,化粧品,食品乳化剤,表面処理剤(帯電防止剤,撥水剤,潤滑剤,防錆剤など)として利用されている。

 界面活性剤や洗剤に関連する JIS 規格
 JIS K 3211「界面活性剤用語:Technical terms for surface active agents 」,JIS K 3301「化粧石けん:Toilet Soaps 」,JIS K 3302「固形洗濯石けん:Laundry Bar Soaps 」,JIS K 3303「粉末洗濯石けん:Laundry powdered soaps 」,JIS K 3304「石けん試験方法:Test methods for soaps 」,JIS K 3362「家庭用合成洗剤試験方法:Test method of household synthetic detergent 」,JIS K 3363「合成洗剤の生分解度試験方法:Testing Method for Biodegradability of Synthetic Detergent 」,JIS K 3370「台所用合成洗剤:Synthetic detergents for kitchen 」,JIS K 3371「洗濯用合成洗剤:Synthetic detergents for home laundering 」

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  洗剤とは

 洗剤( detergent )
 JIS K 3211「界面活性剤用語」では,
 “固体の表面に付着した汚れに対し洗浄作用をもつ薬剤。主として合成洗剤をいう。”
と定義されている。
 なお,洗浄剤( cleaning agent , cleaner )は,洗剤と同じ意味合いで用いられる。

 一般家庭で洗剤といった場合,石けん(石鹸)と合成洗剤を指し,意識して区別していないが,厳密には JIS K 3211「界面活性剤用語」では,次の様に区別している。
 石けん( soap ):“高級脂肪酸の塩類。通常はアルカリ塩をいう。”
 合成洗剤( synthetic detergent , syndet ):“石けん以外の,アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ,アルファオレフィンスルホン酸ソーダなどの合成によって製造された界面活性剤を主成分とする洗剤。”

 洗剤に用いられる界面活性剤に関し,JIS K 3211「界面活性剤用語」での化合物の特性による区分は次の通りである。
 アニオン界面活性剤( anionic surface active ageht )
 “水中でイオン化し,界面活性を示す部分が陰イオンである界面活性剤。”と定義され,陰イオン界面活性剤とも呼ばれる。
 水中で解離したとき陰イオンになるもので,親水基にカルボン酸,スルホン酸,又はリン酸構造を持つものが多い。カルボン酸系には石けんに用いられる脂肪酸塩,スルホン酸系には合成洗剤に用いられる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウムなどが,リン酸系にはモノアルキルリン酸塩がある。
 カチオン界面活性剤( cationic surface active agent )
 “水中でイオン化し,界面活性を示す部分が陽イオンである界面活性剤。”と定義され,陽イオン界面活性剤とも呼ばれる。
 水中で解離したとき陽イオンになるもので,親水基としてテトラアルキルアンモニウムを持つものが多い。逆性石けん,リンス,柔軟剤などに利用される。
 両性界面活性剤( ampholytic surface active agent , amphoteric surface active agent )
 “同一分子内に陽イオン活性基と陰イオン活性基をもち,水中で条件によってアニオン又はカチオン界面活性剤のいずれかの性質を示す界面活性剤。”と定義され,双性界面活性剤とも呼ばれる。
 分子内にアニオン性部位とカチオン性部位の両方を持ち,溶液の pH に応じて陽イオン,陰イオンとなる。分子は,アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤を組み合わせた構造をもつアルキルジメチルアミンオキシド,アルキルカルボキシベタインなどがある。
 ノニオン界面活性剤( nonionic surface active agent )
 “水中においてイオン解離しないで界面活性をもつ界面活性剤。”と定義され,非イオン界面活性剤とも呼ばれる。
 イオン化しない親水性部分を持つ界面活性剤で,低分子系のアルキルグリコシド系,高分子系のポリエチレングリコール系,ポリビニルアルコール系などがある。

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  石けんの種類

 JIS K 3211「界面活性剤用語」に定義される石けん関連の用語を次に紹介する。
 カリ石けん( soft potassium soap , potash soap ):高級脂肪酸のカリウム塩。軟石けんともいう。
 逆性石けん( inverted soap , cationic soap ):カチオン界面活性剤の別名。水中で界面活性を示す部分が通常の石けんと逆の正荷電をもつのでこの名称が用いられる。殺菌剤として使用されることが多い。
 金属石けん( metallic soap , metal soap ):高級脂肪酸のアルカリ金属以外の,亜鉛,アルミニウムなどの金属塩。水に難溶又は不溶で,合成樹脂の安定剤,グリース,防水剤などとして使われる。
 透明石けん( transparent soap ):グリセリンなどの透明化剤を配合して製造した透明な固形化粧石けん。
 複合石けん( complexed soap ):石けん以外の界面活性剤を配合した石けん。主としてカルシウム石けんの分散剤が配合されている。

 海水用石けん( marine soap ):海水で用いても洗浄作用のある石けん。比較的低級な脂肪酸を主体とするやし油などから製造する。
 硬水用石けん( hard water soap ):硬水中で用いても洗浄作用のある石けん。海水石けんはその一種。
 化粧石けん( toilet soap ):洗顔,手洗い,身体洗浄などに使用する石けん。石けん素地を乾燥し,香料などを混練し,押出機で成形する機械練石けんと,枠に流し入れて固化させる枠練石けんとがある。
 洗濯石けん( laundry soap ):洗濯に用いられる石けん。固型及び粉末のものがあり,それぞれに無添剤と添剤入りとがある。
 薬用石けん( medicated soap ):消毒,殺菌などの医療又は衛生用に使うために殺菌剤を配合した石けん。
 浴用石けん( bath soap ):入浴時に用いられる石けん。

 工業用石けん( industrial soap ):繊維工業,機械・金属工業,合成ゴム工業などの諸工業分野で用いられる石けん。
 マルセル石けん( marseilles soap ):繊維工業などに使われる石けん。オリーブ油を主原料としたフランスのマルセーユ地方で製造された石けんに由来している。

 カードソープ( curd soap ):含核石けんのことで,油脂をけん化塩析したままの石けん。外観がミルクカードに似ているのでこの名称がある。
 ニートソープ( neat soap ):石けん製造工程中,仕上塩析によって上層に分離してくる精製された石けん。
 機械練石けん( milled soap ):石けん素地を小片又は削片にして乾燥し,着色料,香料を混練して押出機で圧出し,成型した石けん。
 枠練(わくねり)石けん ( framed soap ):石けん素地を溶融したまま枠に入れて個化させて作った石けん。

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  合成洗剤の種類

 JIS K 3211「界面活性剤用語」に定義される洗剤関連の用語を次に紹介する。
 液体洗剤( liquid detergent ):製品形態が液体の洗浄剤。狭義には,粉体の衣料用洗剤に対比して,液体の衣料用洗剤をいうことがある。
 家庭用洗剤( household detergent ):家庭で用いられる洗剤で,衣料用,台所用,住宅・家具用などがある。
 クレンザー( cleanser ):ベントナイト,けいそう土などの研磨材に少量の界面活性剤を配合した洗剤。
 軽質洗剤( light duty detergent ):軽い汚れの繊維,又は洗濯機などの機械的な力をかけない方がよい絹,毛などを手洗いするときに用いられる合成洗剤。主として中性洗剤である。
 高級アルコール系洗剤( detergent prepared from higher alcohol ):高級アルコール系界面活性剤を主成分とする洗剤。通常は高級アルコール又は高級アルコールエトキシル化物の硫酸エステル塩を主成分とするものをいう。
 工業用洗剤( detergent for industrial use ):繊維工業,機械・金属工業,食品工業などの諸工業分野で用いられる洗剤。
 重質洗剤( heavy duty detergent ):アルカリ性ビルダーなどが配合された,汚れの度合いの大きいものの洗浄に用いられる合成洗剤。
 ビルダー(洗剤用)( builder (for detergents) ):石けんや合成洗剤に添加してその洗浄作用を向上させるために用いられる物質。けい酸ソーダ,ゼオライトはその代表例。
 台所用洗剤( detergent for kitchen ):野菜,果物,食器及び調理器具などの洗浄のために,主として台所,調理室で用いられる洗剤。
 中性洗剤:標準使用濃度で水素イオン濃度(pH値)が 6.0 以上 8.0 以下を示す中性の合成洗剤。
 粉末洗剤( powdered detergent ):粉末状の洗剤。主として合成洗剤をいう。

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  家庭用品品質表示法における洗剤

 家庭用品品質表示法では,家庭で利用する洗剤に対し,研磨剤を含むもの及び化粧品を除き,.洗濯用又は台所用の石けん,合成洗剤,住宅用又は家具用の洗浄剤に分けて,表示法を規定している。
 ここでは,品質表示法における各洗剤の定義,品名の表示法,成分の表示法について紹介する。

 洗濯用又は台所用の石けん
 定義
 界面活性剤又は界面活性剤及び洗浄補助剤その他の添加剤から成り,その主たる洗浄の作用が純石けん分の界面活性剤作用によるもの。
 洗濯用の石けんについては,純石けん分の含有重量が界面活性剤の総含有重量の 70 %以上のものに限り,台所用の石けんについては 60 %以上のものに限る。
 品名
 ● 洗濯用に供されるものであって,純石けん分以外の界面活性剤を含有しないものは「洗濯用石けん」,含有するものは「洗濯用複合石けん」の用語を,台所用に供されるものであって,純石けん以外の界面活性剤を含有しないものは「台所用石けん」,含有するものは「台所用複合石けん」の用語を用いてそれぞれ表示する。
 ● ここに定められた「洗濯用石けん」「洗濯用複合石けん」「台所用石けん」「台所用複合石けん」以外の品名を使うことはできない。「洗濯用」及び「台所用」の両方に使用できるものについては,どちらか一方の用語を用いるか「洗濯用、台所用石けん」と表示する。
 成分
 ● JIS K3362(家庭用合成洗剤試験方法)又はJIS K3304(石けん試験方法)による成分分析により表示する。また,界面活性剤の含有率を表示するときには,これらの試験方法により,固形のもの,粉末状のもの及び粒状のものについては乾燥状態における「重量比」,それ以外のものについては「製品重量比」によって表示する。
 ● 界面活性剤については,純石けん分以外の界面活性剤を含有しないものは,「純石けん分」の用語を用いて表示し,括弧書きでその含有率と脂肪酸塩の種類の名称を付記する。
 また,純石けん分以外の界面活性剤を含有するものは,「界面活性剤」の用語を用いて表示し,括弧書きで純石けん分を含めた界面活性剤の含有率を付記する。さらにこの後に純石けん分の含有率,種類の名称及び純石けん分以外の界面活性剤の含有率と種類の名称を「純石けん分」「純石けん分以外の界面活性剤」の用語を用いて付記する。
 ● 界面活性剤の種類の名称及び系列は,区分表に応じて表示する。
 ● 洗浄補助剤の一つである「りん酸塩」については,石けんに 1 %以上(五酸化りん換算)含有されている場合には「りん酸塩」の用語を用いて表示し,括弧書きで五酸化りん( P2O5 )としての含有率を付記する。
 ● りん酸塩以外の洗浄補助剤及びその他の添加剤については,含有率が 1 %以上のものについてはその成分の機能の名称を示す用語を用いて表示し,含有率が 10 %以上のものについてはその成分の機能の名称の次に括弧書きで種類の名称を示す用語を用いて表示する。
 ● 蛍光剤,酵素,漂白剤を配合しているものは,その含有率にかかわりなく「蛍光増白剤」「酵素」「漂白剤」の用語を表示する。

 合成洗剤
 定義
 界面活性剤又は界面活性剤及び洗浄補助剤その他の添加剤から成り,その主たる洗浄作用が純石けん分以外の界面活性剤の界面活性作用によるもの。
 洗濯用は純石けん分以外の界面活性剤が界面活性剤の総含有重量の 30 %を超えるものに限り,台所用は 40 %を超えるものに限る。
 品名
 ● 洗濯用に供されるものは「洗濯用合成洗剤」,台所用に供されるものは「台所用合成洗剤」の用語を用いて表示する。
 ● それ以外のものについては,その用途を適切に表現した用語に「合成洗剤」の用語を付したものを表示する(例:浴室用合成洗剤)。
 「無公害洗剤」「万能洗剤」等の品名表示は,用途を適切に表現したものではない。
 成分
 ● JIS K3362(家庭用合成洗剤試験方法)又はJIS K3304(石けん試験方法)による成分分析により表示する。また,界面活性剤の含有率を表示するときには,これらの試験方法により「製品重量比」によって表示する。
 ● 界面活性剤については,「界面活性剤」の用語を用いて表示し,括弧書きで界面活性剤の総含有率及び界面活性剤の種類の名称を付記する。
 ● 洗浄補助剤の一つである「りん酸塩」については,合成洗剤に 1 %以上(五酸化りん換算)含有されている場合には「りん酸塩」の用語を用いて表示し,括弧書きで五酸化りん( P2O5 )としての含有率を付記する。
 ● りん酸塩以外の洗浄補助剤及びその他の添加剤については,含有率が 1 %以上のものについてはその成分の機能の名称を示す用語を用いて表示し,含有率が 10 %以上のものについてはその成分の機能の名称の次に括弧書きで種類の名称を示す用語を用いて表示する。
 ● 蛍光剤,酵素,漂白剤を配合しているものは,その含有率にかかわりなく「蛍光増白剤」「酵素」「漂白剤」の用語を表示する。

 住宅用又は家具用の洗浄剤
 定義
 洗浄剤とは,酸,アルカリ又は酸化剤及び洗浄補助剤その他の添加剤から成り,その主たる洗浄の作用が酸,アルカリ又は酸化剤の化学作用によるもの。
 品名
 その用途を適切に表現した用語を用いることとし,必ず「洗浄剤の用語を付記して表示しなければならない。具体的には「浴室用洗浄剤」「カビ取り用洗浄剤」「トイレ用洗浄剤」「換気扇・レンジ用洗浄剤」のように表示する。
 成分
 ● 「界面活性剤」「洗浄補助剤及びその他の添加剤」「酸又はアルカリ」「酸化剤」の4つに分類される。
 ● 界面活性剤については,「界面活性剤」の用語を用いて表示する。
 その種類ごとの界面活性剤の含有率が 3 %以上の場合は,「界面活性剤」の用語の次に括弧書きで種類の名称を示す用語を付記する。
 2 種類以上含まれている場合には含有率の大きいものから順次列記する。3 %未満の界面活性剤しか含まれていない場合は,含有率の最も高いもの 1 つの種類の名称を示す用語を表示する。
 ● 洗浄補助剤及びその他の添加剤のうち,その含有率が 10 %以上のものについては,その成分の機能の名称の次に括弧書きで種類の名称を示す用語を表示する。
 種類の名称については合成洗剤に準ずる。また,含有率が 1 %以上のものについてはその機能の名称を示す用語を表示する。
 ● 酸又はアルカリについては,主要なものの種類の名称を示す用語を用いて表示し,括弧書きでその成分の含有率を付記する。
 「塩酸」「硫酸」「しゅう酸」「塩酸及びしゅう酸を含むもののうちの塩酸」「スルファミン酸」「硫酸及びスルファミン酸を含むもののうちの硫酸」「水酸化ナトリウム」は,指定された試験方法により算出された当該成分の含有率を括弧書きで付記(許容範囲は表示値の±1)しなければならないので,別途確認が必要である。
 ● 酸化剤については,その種類の名称を示す用語を用いて表示する。次亜塩素酸塩を配合しているものについては,「次亜塩素酸塩」の用語を表示する。

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  表示法 界面活性剤の区分表

 ここでは,家庭用品品質表示法で指定された界面活性剤の区分表に記載される主な界面活性剤を紹介する。
 家庭用品品質表示法の成分表示に用いる界面活性剤の区分系統,及び名称を示す。なお,区分の赤字は表示法で用いる用語を示し,これに対応する JIS K 3211「界面活性剤用語」に規定する用語はカッコ書きで示した。

 陰イオン系界面活性剤(アニオン界面活性剤)
 水に溶けたとき,陰イオンに電離する親水基を持つ界面活性剤である。
 石けんをはじめ,古くから多くの種類が開発・利用されてきた。現在実用される界面活性剤の約半分を占める。
 脂肪酸系(陰イオン):純石けん分(脂肪酸ナトリウム,脂肪酸カリウム),アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム
 直鎖アルキルベンゼン系:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
 高級アルコール系(陰イオン):アルキル硫酸エステルナトリウム,アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
 アルファオレフィン系:アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム
 ノルマルパラフィン系:アルキルスルホン酸ナトリウム

 非イオン系界面活性剤(ノニオン界面活性剤)
 水に溶けたとき,イオン化しない,すなわち電離しない親水基を持つ界面活性剤である。
 電離しないため,水の硬度や電解質の影響を受けにくく,他の界面活性剤との併用が可能である。近年に使用量が非常に増えている界面活性剤である。
 非イオン系界面活性剤は,構造によりエステル型,エーテル型,エステル・エーテル型及びその他に分類される。
 脂肪酸系(非イオン):しょ糖脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,脂肪酸アルカノールアミド
 高級アルコール系(非イオン):ポリオキシエチレンアルキルエーテル
 アルキルフェノール系:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル

 陽イオン系界面活性剤(カチオン界面活性剤)
 水に溶けたとき,陽イオンに電離する官能基を持つ界面活性剤である。
 石けんと逆のイオンになるため,逆性石けんとも呼ばれる。陽イオンになるため,マイナス(負)に帯電する固体表面に強く吸着するため,柔軟性,帯電防止性,殺菌性などの性質を付与でき,柔軟仕上げ剤,リンス剤,消毒剤として利用されている。
 第四級アンモニウム塩系:アルキルトリメチルアンモニウム塩,ジアルキルジメチルアンモニウム塩

 両性イオン系界面活性剤(両性界面活性剤)
 水に溶けたとき,塩基性(アルカリ性)環境では陰イオン界面活性剤の性質を,酸性環境では陽イオン界面活性剤の性質を示す界面活性剤で,洗浄性や起泡性を高める補助剤として広く使用されている。
 アミノ酸系:アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム
 ベタイン系:アルキルベタイン
 アミンオキシド系:アルキルアミンオキシド

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