社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,タ行 “て”の用語を  てあ~てわ,  てんあ~てんく,  てんけ~てんん  に分けて紹介する。

 用語一覧 てんけ~

典型元素 】  , 【 点欠陥 】  , 【 点検(道路) 】  , 【 電源設備 】  , 【 点検要領 】  , 【 電磁界 】  , 【 電子軌道 】  , 【 電子顕微鏡 】  ,

電磁鋼板 】  , 【 電磁膜厚計 】  , 【 電子線回折法 】  , 【 電子線硬化 】  , 【 電磁波 】  , 【 電子プローブマイクロアナライザ 】  , 【 電食 】  ,

展色材 】  , 【 展性 】  , 【 添接 】  , 【 電線(アルミニウム) 】  , 【 電池 】  , 【 電池活物質 】  , 【 電着塗装 】  , 【 伝導電子 】  ,

天然ガス(NG) 】  , 【 天然ゴム(NR) 】  , 【 天然樹脂 】  , 【 天然油脂 】  , 【 電波吸収塗料 】  , 【 電縫鋼管 】  , 【 電離 】  , 【 電離定数 】  , 【 電力 】  , 【 電力系統 】  , 【 転炉鋼

 用語の概要と関連ページ


 【典型元素】( typical element )
 遷移元素以外の元素の総称で,各族で縦の類似性が大きい。これが,典型の語源で,周期表の特徴をよくあらわしている。
 典型元素(周期表の第 1 族,第 2 族と第 12 族から第 18 族)の中で第 1 族のアルカリ金属( Li ,Na ,K ,Rb ,Cs ,Fr ),第 2 族の中のアルカリ土類金属( Ca ,Sr ,Ba ,Ra )を典型金属と称す。
 関連ページ : 金属概論:金属とは ,  
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 【点欠陥】( point defect )
 格子欠陥の一種,結晶格子中に点状に存在している欠陥で,形態として原子空孔(vacansy),格子間原子(interstitial atom),異種原子(foreign atom)がある。
 関連ページ : 腐食基礎:金属構造欠陥 ,  
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 【点検(道路)】( inspection )
 橋梁の損傷,機能等の状態を把握するもの。(鉄道では検査という。)
 点検には,通常点検(通常巡回として,道路パトロールカー内からの目視),定期点検(5年毎の定期的に実施),中間点検(定期点検の中間年に実施),特定点検(塩害等の特定の事象を対象に,予め頻度を定めて実施),異常時点検(災害や大きな事故発生,予期しない異常の発見した時)がある。
 関連ページ : 維持管理(道路) ,  防食設計:期待耐久性 ,  防食塗装系:はじめに ,  
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 【電源設備】( power supply facilities )
 発電のための電源設備は,水車,ボイラー(原子炉),排煙・排蒸気装置,タービン等の発電機,熱交換設備,変圧設備で構成される。
 関連ページ : 社会資本:電源設備 ,  
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 【点検要領】( inspection manual )
 道路橋の各部材の状態を把握,診断し,当該道路橋に必要な措置を特定するために必要な情報を得るために用いられる国交省が提供する要領で,道路法の道路における橋長 2.0m 以上の橋,高架の道路等のうち,国土交通省及び内閣府沖縄総合事務局が管理する道路橋の定期点検に適用される。
 関連ページ : 維持管理(道路):概要 ,  防食塗装系:鋼道路橋の維持管理 ,  
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 【電磁界】( electromagnetic field )
 電界と磁界の組み合せを電磁界という。電磁波(electromagnetic wave)は,電界と磁界が交互に発生しながら空間を伝わる電磁界の波で,電磁界は周波数(波長)により次のように分類される。
 0 Hz(静電界)の利用分野には地磁気,MRI,鉄道などがある。0~300Hz(超低周波電磁界)の利用分野には家電製品,電力設備,鉄道がある。300~10MHz(中間周波電磁界)の利用分野にはIH調理器,電子タグ,放送局・通信設備がある。10M~300GHz(高周波電磁界)の利用分野には非接触式ICカード,携帯電話,通信設備,放送局,電子レンジなどがある。
 電磁界が空間を伝わる速さは,光の速さ c(約 30万 km/s )と同じで,周波数 f(Hz)と波長λ(m)には,c=f・λ の関係がある。高周波電磁界より周波数が高いものは,赤外線,可視光線,紫外線,放射線に分類される。なお,可視光線より周波数の低い電磁界は電離作用(物質をイオン化)を示さないが,人体などの生物に与える影響が懸念されている。
 関連ページ : 塗装概論:新設時塗装管理(膜厚管理) ,  
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 【電子軌道】( electron orbital )
 電子軌道は,主量子数( main quantum number ) n ,方位量子数( azimuthal quantum number ) l (エル) ,磁気量子数( magnetic quantum number ) m で指定される。
 主量子数 n は,軌道の大きさとエネルギーを決定し,1, 2 , 3 , …の整数値をとる。これは,電子殻( K 殻, L 殻, M 殻, … )に対応する。
 方位量子数 l は,軌道の形を決定し,0 , 1, 2 , … n-1の整数値をとる。これは,s 軌道,p 軌道,d 軌道,f 軌道,h 軌道に対応する。すなわち,K 殻 ( 主量子数 1 ) では l = 1 - 1 = 0となり,s 軌道しかとりえないが, N 殻 ( 主量子数 4 ) では l = 4 - 1 = 3 となり,s 軌道,p 軌道,d 軌道をとることができる。
 磁気量子数 m は,各軌道を決定し,0 , ± 1, ± 2 , … ± l の整数値をとる。従って,s 軌道は, l = 0, m = 0 で 1 つの軌道を,p 軌道は l = 1 , m = -1 , 0 , 1 で 3 つの軌道を,d 軌道は l = 2 , m = -2 , -1 , 0 , 1 , 2 となり 5つの軌道を持つことができる。
 関連ページ : 金属概論:金属の化学的特徴 ,  腐食基礎:イオン化エネルギー ,  
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 【電子顕微鏡】( electron microscope )
 電子線を用いて試料の拡大像を得る顕微鏡。【JIS K 0215「分析化学用語(分析機器部門)」】
 電子線の波としての特性を利用して拡大観察する顕微鏡である。電子が透過できるほど薄い試料と電子が透過できない厚い試料や表面観察を目的とする試料で原理が異なる方法が用いられる。
 試料を透過した電子を観察する透過電子顕微鏡( transmission electron microscope ; TEM ),入射電子を走査し,試料表面からの反射電子や電子衝突で生じた二次電子の検出で画像を得る走査電子顕微鏡( scanning electron microscope ; SEM )に分けられる。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,  
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 【電磁鋼板】( flat rolled electrical steel sheet )
 鉄損値,磁束密度,透磁率などの磁気特性の優れたけい素鋼板,低炭素鋼板及び純鉄の鋼帯又は鋼板の総称。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,  
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 【電磁膜厚計】( electromagnetic thickness tester )
 電磁現象を利用した膜厚計には,① 交番磁界を利用したもの,② 静的磁界を利用したもの,③ 高周波渦電流を利用したものがある。いずれも電磁式膜厚計といえるが,一般的には,① の交番磁界を利用したものを電磁膜厚計といい,② は磁気膜厚計,③ 渦電流式膜厚計と呼び区別されている。
 鉄や鋼などの強磁性金属素地上の常磁性被膜(亜鉛やアルミニウムなど)や非磁性被膜(塗膜,ライニングなど)の厚さを,測定器の交番磁界を発生する磁極(鉄心などに巻かれたコイルに交流電圧を印加,プローブともいう),被膜及び素地金属を通る磁気回路の磁気抵抗(磁極に巻かれたコイルの交番電流変化)を測定することで厚みが求まる。⇒ 磁気膜厚計,渦電流式膜厚計
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,  
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 【電子線回折法】( electron diffraction method )
 結晶性の高い物体では,結晶面の間隔( d ),波長(λ)が,次のブラッグ条件を満たすとき,反射角θで回折される。電子線の波としての特性を利用し,微小領域や表面の構造解析ができる。
 電子線回折では,電子線の種類により,低エネルギー(加速エネルギーが 1 keV 以下)の電子線を入射し,電子線の回折像から物質の表面の原子構造を解析する低速電子線回折( low energy electron diffraction method ; LEED ) ,高エネルギー(加速エネルギーが 10 keV 以上)の電子線を入射し,得られる回折像を解析する高速電子線回折( high energy electron diffraction method ; HEED ),HEED で反射電子線の回折像を観察する反射高速電子線回折( reflection high energy electron diffraction method ; RHEED )に分けられる。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,  
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 【電子線硬化】( electron beam curing )
 電子線の集束した流れによって塗料を速硬化させる方法。電子線のエネルギーで塗料中にラジカルを発生させ,ラジカルを重合開始剤として塗料中のモノマー,オリゴマー及びポリマーに橋かけ反応を生じさせるものである。
 高エネルギーで浸透力も高い電子線は,硬化も迅速で,比較的容易に硬化できる。ただし,電子線は発生するX線のシールドのほかに,生産ラインでも安全なシールドが必要となる。また,平らな表面に対し最も効果があり,不規則な形では,より多くのビーム源を必要とする。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:塗料の分類(工程) ,  
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 【電磁波】( electromagnetic wave )
 電磁放射(electromagnetic radiation)とも呼ばれ,電場と磁場が互いに垂直な方向に変化することで形成される横波(波動)が,空間や物質中を伝わる現象である。
 電磁波は,イギリスの物理学者マクスウェルが理論的に予言し,ドイツの物理学者ヘルツにより存在が実証された。その後,光,X線,γ線も電磁波であることが知られた。
 電磁波は,波動の波長(又は周波数)により,電波(ラジオ波,短波 HF ,メートル波 VHF ,デシメートル波 UHF ,マイクロ波など),光(赤外線,可視光線,紫外線など),放射線の一種であるX線,γ線などに分けられる。
 また,電磁波は,波と粒子の性質を持つため,波として散乱や屈折,反射,また回折や干渉などの現象を起こす。量子力学的には粒子として考えられ,物体が何らかの方法でエネルギーを失うと,そのエネルギーに相当する電磁波が光子として放出される。
 関連ページ : 鋼の腐食:物体の温度変化 ,  鋼の腐食:放射冷却 ,  
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 【電子プローブマイクロアナライザ】( electron probe micro analyzer )
 電子線マイクロアナライザー( EPMA ),X線マイクロアナリシス( XMA )などともいい,細く絞った電子線を試料表面に照射し,発生する特性X線を分光して元素の組成及び分布を解析する機器。【JIS K 0215「分析化学用語(分析機器部門)」】
 試料面に照射した電子ビームによって発生する特性 X 線分光によって,微小領域の組成を分析する方法。 注記 1990 年頃までは X 線マイクロアナリシス(XMA)とも称していた。【JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」】 ⇒ EPMA(いーぴーえむえー)
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,  
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 【電食】( stray current corrosion )
 直流電鉄の線路付近の線路から漏れた電流による埋設鋼管などの局部的腐食として問題となる迷走電流腐食(めいそうでんりゅうふしょく)を特に電食(でんしょく)という。
 迷走電流腐食とは,正規の回路以外のところを流れる電流によって生じる腐食。【JIS Z0103「防せい防食用語」】ともいう。
 関連ページ : 腐食基礎:環境による分類 ,  腐食基礎:腐食形態による分類 ,  腐食基礎:腐食現象の分類 ,  鋼の腐食:土壌腐食(マクロ腐食) ,  鋼の腐食:迷走電流腐食 ,  防食基礎:陽極防食(排流法) ,  
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 【展色材】( vehicle )
 塗膜形成(構成)要素の一つで,塗膜の主体となる樹脂で,バインダー(binder)ともいう。また,液相の構成成分についてはビヒクル(vehicle, medium)ともいう。
 由来により油類,天然油脂,合成樹脂,繊維素誘導体,架橋剤・硬化剤などに分類される。
 関連ページ : 防食基礎:塗料の構成 ,  塗料概論:塗料の分類(材料) ,  塗料概論:塗料構成材料 ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  防食塗装系:鋼橋の防食設計 ,  
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 【展性】( malleability )
 物質に圧縮力を加えた時の変形する能力をいう。工業的な作業工程の鍛造や圧延で薄いシート状に成形できる能力をいう場合が多い。そのため展性を可鍛性(かたんせい)とも呼ぶ。
 関連ページ : 金属概論:金属とは ,  金属概論:金属の結晶構造 ,  
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 【添接】( splice )
 二つ以上の部材を接合して,一つの構造に組み立てる場合の接合。ボルト接合では,一般に,添接板を当てて接合する。
 関連ページ : 鋼橋製作:接合・溶接 ,  防食塗装系:新設時塗装方法 ,  
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 【電線(アルミニウム)】( conductors(aluminium conductors) )
 アルミニウム製の電線には,電気用硬アルミニウム線,硬アルミニウムより線,鉄心アルミニウムより線がある。
 断面が円形の電気用硬アルミニウム線について,JIS C 3108「電気用硬アルミニウム線:Hard-drawn aluminium wires for electric purposes」に,主として母線及び架空き電線に使用する硬アルミニウムより線について,JIS C 3109「硬アルミニウムより線:Hard-drawn aluminium stranded conductors」に,主として架空送電線,架空配電線及びちょう架兼用き電線に使用する鋼心アルミニウムより線について,JIS C 3110「鋼心アルミニウムより線:Aluminium conductors steel reinforced」に規定されている。
 関連ページ : 金属概論:アルミ関連JIS規格 ,  
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 【電池】( cell )
 一対の電極を電解質溶液に浸した系。腐食理解に役立つ古典的な電池 ⇒ ダニエル電池
 関連ページ : 腐食基礎:腐食の開始について ,  防食基礎:電気めっき ,  
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 【電池活物質】( cell active material )
 電池の放電によって電極に電子の授受を行う物質を示す。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食開始と継続 ,  
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 【電着塗装】( electrodeposition, electrocoating )
 導電性のある物体を,水に分散した塗料の中に入れ,物体と他の金属体とが両極になるようにして電流を通し,物体に塗料を塗る方法。塗料中の塗膜形成要素と顔料とは帯電するので,物体がそれと反対の極になるように電流の方向を選べば,帯電したものは物体に付着し,電荷を失い,付着物は水に非分散性の被膜層になる。一般には,この後に塗料から引き上げ,水で洗浄してから焼き付ける。【JIS K5500「塗料用語」】
 解離可能な水溶性塗料中で,被塗装物を陽極又は陰極として直流電圧を印加し,電気泳動によって塗装する方法。アルミニウムの場合は,アルミニウムを陽極として使うのが一般的である。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:工業塗装 ,  防食基礎:塗装技術 ,  塗装概論:塗装工程(塗り付け:歴史) ,  塗装概論:塗り付け方法 ,  塗料概論:分類(形態,機能) ,  
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 【伝導電子】( conduction electron )
 一般には,電気伝導を担う電子をいう。半導体においては,伝導帯にある電子を区別する場合に用いられる。
 関連ページ : 鋼の腐食:物体の温度変化 ,  
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 【天然ガス(NG)】( natural gas )
 広義では,地下から噴出するガスを指すが,一般的には狭義の可燃性天然ガスを指す。
 可燃性天然ガスは,メタン(CH4)を主成分とするため,常温で気体のため,輸送・貯蔵のためは,-162℃以下にまで冷却した液化天然ガス(liquefied natural gas;LNG)として流通している。
 関連ページ : 防食塗装系:タンク外面の防食 ,  
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 【天然ゴム(NR)】( natural rubber )
 天然ゴムとは,パラゴムノキ( Hevea brasiliensis )から得られるシス−1, 4−ポリイソプレン。【JIS K 6200「ゴム‐用語」】
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,  
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 【天然樹脂】( natural resin,resin )
 樹木又は虫類の分泌されてできた,主に塊状のもの,又はこれらが地中に埋れて半化石状態になったものの総称。ロジン,セラック,ダンマル,コーパル,こはくなど。【JIS K5500「塗料用語」】
 樹皮より分泌される樹液に含まれる不揮発性の固体または半固形体の物質のことを指しており,樹脂といえば天然樹脂のことを指していた。しかし,有機化学の発達で化学的には別種の物質であるが,天然樹脂と似た性質を持つ物質が合成されるようになった。そこで,従来樹脂と呼ばれていたものを天然樹脂と呼んで区別するようになった。
 天然樹脂には,樹木又は虫類の分泌物から形成したもの,又はこれらが地中に埋れて半化石状態になったものがある。天然樹脂として,動植物由来のロジン,天然ゴム,セラック,ダンマル,コーパル,こはくなど,鉱物質ではアスファルトが実用されている。
 関連ページ : 防食基礎:塗料の構成 ,  防食基礎:有機高分子材料 ,  塗料概論:塗料とは ,  塗料概論:塗料構成材料 ,  
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 【天然油脂】( natural oil )
 天然物から採取した脂肪油。主成分は脂肪酸のグリセリンエステル。乾燥性の程度によって,乾性油・半乾性油・不乾性油に分ける。乾燥性の目安として,よう素価が用いられる。
 よう素価130以上を乾性油,130~100を半乾性油,100以下を不乾性油ということがあるが,明確な区分の定義はない。(ASTM では,区分の定義はないとしている。)【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 防食基礎:塗料の構成 ,  防食基礎:有機高分子材料 ,  塗料概論:塗料とは ,  塗料概論:塗料構成材料 ,  塗料各論:アルキド樹脂とは ,  
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 【電波吸収塗料】( electric wave absorption paint )
 障害となる電波を吸収するための塗料。航行する船舶のレーダーに影響する長大橋,大型船舶のマストや甲板上の構造物などに適用される。
 金属表面に導電性材料とフェライトを構成成分とした吸収層,フェライトを配合した変成層との二層構造となるような塗料を用いる。
 関連ページ : 塗料各論:塗料分類(機能別分類) ,  
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 【電縫鋼管】( electric welded tube )
 読み「でんほうこうかん」,常温の鋼帯を引き出しながら,幅方向を円形に変形させ,局部的に大電流を流し,瞬間的に接合部を溶接(抵抗溶接)させて加工した物。
 関連ページ : 社会資本:水道 ,  防食基礎:耐食材料とは ,  
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 【電離】( electrolytic dissociation )
 電解質溶液では,電解質が解離して生じたイオンと未解離の物質が平衡状態にある時,イオンに解離する現象を電離といい,平衡定数を電離定数( electrolytic dissociation constant)という。
 関連ページ : 腐食基礎:酸素拡散律速とは ,  
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 【電離定数】( electrolytic dissociation constant )
 電解質が水に溶解することで,陽イオンと陰イオンに電離する。弱酸や弱塩基,及びその塩では,未電離の分子とイオンとの平衡(電離平衡という)になるのが一般的である。
 化学反応が進んでも溶媒(水)の量変化を無視できる。そこで,溶媒の量(例えば[ H2O ] )を定数として,平衡定数(equilibrium constant)に加味した電離定数をもちいる。
 例えば, 1 価の酸( AH )の水溶液での AH +H2O ⇆ A +H3O+ ,1価の塩基( B )の水溶液での  B + H2O ⇆ BH+ +OH  の平衡(電離平衡)が成立するとき,それぞれの平衡定数において,水の活量を 1 とした時の平衡定数(電離定数)は下式で与えられる。なお ,電離定数の記号は,酸に対して Ka (酸解離定数)を,塩基に対してKb (塩基解離定数)を用いるのが一般的である。
       Ka = [ A ] [ H3O+ ] / [ A ]  ,Kb = [ BH+ ] [ OH ] / [ B ]
 電離定数は,物質により大きく異なり,桁数に著しい差があるなど,取扱いが不便なことがある。このため,正の整数で表記できる負の常用対数(底が10 の対数) pKa = - log10Ka ,pKb = - log10Kb で表される場合が多い。
 関連ページ : 腐食基礎:参考(腐食反応) ,  
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 【電力】( electric power )
 力学における仕事率(power)と同等の概念で,単位時間( 1 秒)当たりの仕事率に対して,電気工学で用いる術語である。
 国際単位系(SI)では,” 1 秒当たり 1 ジュール( J )の仕事率(ジュール毎秒(J/ s)を 1 ワット( W )”と定義している。
 なお,電力を時間ごとに積算した量を電力量(electric energy)と呼び,電力とは区別される。
 関連ページ : 社会資本:電力 ,  
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 【電力系統】( electric power system )
 発電所から消費場所まで電気を送る系統を電力系統といい,発電設備,変電・送電設備(昇圧変圧器と遮断器,及び電線などで構成),配電設備で構成される。
 関連ページ : 社会資本:電力系統 ,  
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 【転炉鋼】( converter steel )
 金属精錬用の転炉で得られた鋼で,用いた転炉法によりベッセマー鋼,トマス鋼,LD鋼などと呼ばれる。転炉でつくられた鋼。ベッセマー法 (酸性転炉法) はイギリスのヘンリー・ベッセマー が 1856年に発明した世界初の転炉である。トマス法 (塩基性転炉法) はイギリスのシドニー・ギルクリスト・トーマスとパーシー・カーライル・ギルクリストが 1878年に発明した転炉である。LD法 (純粋な酸素を吹込んで精錬する方法) は,純酸素上吹転炉ともいい,オーストリアのリンツ工場とドナウ工場で開発(1952年)されたためLD法という。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼(分類)