社会資本鋼橋の製作と構造

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  部材の接合方法について

 橋梁製作においては,部品形状に切断された鋼材を接合し,運搬・架設が可能なブロックに組み立てられる。
 1960年代までの接合は,リベット(rivet)で行われていた。1960年代になると,溶接技術の向上に伴い,単純な構造部は溶接接合し,複雑な構造や現場接合にのみリベット接合が用いられるようになった。
 リベットは,締め釘や鋲(びょう)ともいわれ,重ね合わせた鋼材を締結するのに用いる金属製の部品である。リベットの一端に頭(丸形・平形・皿形)を持ち,軸部(柱状)を接合する穴に差し込み,はみ出た他端をつぶして頭を作り,永久的に締結する。なお,軸部の直径が 25mmより大きいものは機械打ち,小さいものは手打ちで作業する。
 
 1970年代以降は,工場での接合を溶接で行い,現場接合に高力ボルトを用いる現在主流となっている方式が確立された。
 近年では,現場に搬入されたブロックの接合にも溶接(現場溶接)が用いられるようになってきている。

年代別接合の例

年代別接合の例


 【基礎用語】
 ここに示す用語は,「新版図説土木用語辞典」実教出版(略称 図説土木)を参考に記述した。
  • 添接(splice)
     二つ以上の部材を接合して,一つの構造に組み立てる場合の接合。ボルト接合では,一般に,添接板を当てて接合する。
  • 突合せ継手(butt joint)
     部材の接合面を突き合わせて接合する継手。溶接接合やボルト接合の時によく用いられ,添接板を通して力の伝達が行われる。
  • 高力ボルト(high-tensile bolt)
     高張力鋼を用いた引張力の大きいボルト。摩擦力により接合する。
  • 溶接接合(welding)
     溶接には圧接,融接,ろう接があるが,一般には融接のことをいう。圧接とは,接合部を加熱して柔軟にし,圧力を加えて接合させる。鉄筋の継手にも使われる。融接とは,ガスまたはアークなどで接合部を溶融して接合させる。鋼構造など一般的に使われる。ろう接とは,融点の低い金属を溶融添加して接合させる。はんだ付け,ろう付けに用いられる。
  • アーク溶接(arc welding)
     金属溶接棒と母材の間に電流を通して持続的にアークを発生させ,熱によって棒を溶かして接合する方法。アークは円弧,電弧の意味である。
  • アーク切断(arc cutting)
     アーク熱によって金属を溶かして行う切断。
  • ガス溶接(gas welding)
     ガス(アセチレン・水素・プロパン・石炭ガス)と酸素の混合物の燃焼熱を利用して溶接する方法。
  • ガス切断(gas cutting)
     金属材料をガス炎で加熱し,金属と酸素の急激な化学反応を利用して行う切断。

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