社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,カ行 “か”の用語を  かあ~かいさ,  かいし~かか,  かき~かし,  かす~かち,  かつ~かね,  かの~かわ,  かん~かんす,  かんせ~かんん  に分けて紹介する。

 用語一覧 かん~かんす

岩塊 】  , 【 環境 】  , 【 環境因子 】  , 【 環境因子繰り返し性 】  , 【 環境影響 】  , 【 環境汚染因子 】  ,

環境汚染物質排出・移動登録制度 】  , 【 環境基本法 】  , 【 還元 】  , 【 関西ペイント株式会社 】  , 【 感作性 】  , 【 監視 】  ,

乾式ブラスト 】  , 【 乾食 】  , 【 含水酸化鉄 】  , 【 含水比

 用語の概要と関連ページ


 【岩塊】( boulder )
 読み「がんかい」,粒径 256mm以上の岩石。
 関連ページ : 鋼の腐食:土壌について ,  
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 【環境】( environment )
 大気,水,土地,天然資源,植物,動物,人及びそれらの相互関係を含む,組織の活動をとりまくもの。注記 1;“とりまくもの”は,組織内から,近隣地域,地方及び地球規模のシステムにまで広がり得る。 注記 2;“とりまくもの”は,生物多様性,生態系,気候又はその他の特性の観点から表されることもある。【JIS Q14001「環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引」】
 広辞苑では,“① めぐり囲む区域,② 四囲(周囲,周り)の外界。周囲の事物。特に,人間または生物をとりまき,それと相互作用をおよぼし合うものとしてみた外界。自然的環境と社会的環境とがある。”と解説している。
 大辞林では,“① 取り囲んでいる周りの世界。人間や生物の周囲にあって,意識や行動の面でそれらと何らかの相互作用を及ぼし合うもの。また,その外界の状態。自然環境の他に社会的,文化的な環境もある。② 周囲の境界。まわり。 ③ 動作中のコンピューターの状態。ハードウエア,ソフトウエア,ネットワークにより規定される。”と解説している。
 一般的には,地形,地質,土壌,陸水,海洋,気候,植生,動物などの総体としての自然環境,歴史,社会,経済,政治などの条件を問題にする人文環境に大別される。
 一方,地球環境,大気環境,水環境,土壌環境,行員環境,電磁環境,腐食環境など,限定した範域や側面で捉えた環境分類もある。
 関連ページ : 腐食基礎:環境による分類 ,  防食設計:防食設計とは ,  
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 【環境因子】( environmental factor )
 一般的には,生物の生存,生活に影響する環境の条件をいう。腐食工学では,鋼などの金属の腐食に影響する環境条件(environmental conditions)をいう。例えば,大気腐食(屋外)では,気温,湿度,降水,海塩粒子,二酸化硫黄などが環境因子として取り上げられる。
 JIS Z 2381 「大気暴露試験方法通則:General requirements for atmospheric exposure test」では,環境因子を“暴露試験場における気象因子及び大気汚染因子の総称。”,気象因子を“気象観測の対象となる気温,湿度,太陽放射エネルギー量,降水量,風向,風速などの因子。”,大気汚染因子を“人為的・自然的に発生する硫黄酸化物,窒素酸化物,硫化水素,海塩粒子などの暴露試験に影響を及ぼす因子。”と定義している。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食とは ,  腐食基礎:腐食は化学 ,  鋼の腐食:大気汚染の影響 ,  鋼の腐食:大気腐食環境分類(ISO 9223) ,  防食設計:環境の腐食性 ,  防食基礎:腐食試験・評価法 ,  防食基礎:大気暴露試験 ,  塗膜の評価:耐久性とは ,  塗膜の評価:促進耐候性 ,  
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 【環境因子繰り返し性】( environmental factors cycling test )
 試験目的に応じて選択された複数の環境因子を組み合わせ,これを繰り返し負荷することで,塗膜の変化(表面特性,ふくれ,割れ,さび)に対する抵抗性。この目的で実施される試験を人工環境試験といい,塗膜への適用では,サイクル腐食性, 耐湿潤冷熱繰返し性, 促進耐候性などがある。
 関連ページ : 塗膜の評価:耐久性とは ,  塗膜の評価:環境因子繰り返し性 ,  塗膜の試験規格:サイクル腐食試験 ,  
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 【環境影響】( environmental impact )
 JIS Q14001「環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引」では,“有害か有益かを問わず,全体的にまたは部分的に組織の環境側面から生じる,環境に対するあらゆる変化。”と定義している。なお,組織(organization)とは,“自らの目的を達成するため,責任,権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ,個人又は人々の集まり。”,環境(environment)は“大気,水,土地,天然資源,植物,動物,人及びそれらの相互関係を含む,組織の活動をとりまくもの。”,環境側面(environmental aspect)は“環境と相互に作用する,又は相互に作用する可能性のある,組織の活動又は製品又はサービスの要素。”と定義されている。
 大規模開発事業等による環境への影響を事前に調査し,影響を予測・評価する手続きを環境影響評価(境影響アセスメント,環境アセス,environmental impact assessment)といい,平成9年6月に,日本における環境影響評価(環境アセスメント)の手続き等について定めた法律(法律第81号,平成26年6月改正 法律第51号) が制定されている。
 関連ページ : 防食設計:防食設計とは ,  防食設計:防食設計時の要点 ,  塗料概論:環境規制 ,  
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 【環境汚染因子】( environmental pollution factors )
 材料分野では,金属の腐食性に影響する因子(腐食因子)に含まれる環境汚染物質を指し,大気汚染防止法などで指定される人の健康や環境に悪影響を及ぼす環境汚染物質を意味するものではない。
 大気環境の中で,腐食性に影響する環境汚染因子として,二酸化硫黄(硫黄酸化物),大気浮遊塩分(海塩粒子)の評価法は,JIS Z 2382「大気環境の腐食性を評価するための環境汚染因子の測定」 (Determination of pollution for evaluation of corrosivity of atmospheres)に規定されている。
 関連ページ : 防食基礎:大気暴露試験方法 ,  塗膜の評価:環境因子繰り返し性 ,  塗膜の評価:耐候性 ,  塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  防食塗装系:新設時塗装方法 ,  
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 【環境汚染物質排出・移動登録制度】( Pollutant Release and Transfer Register )
 頭文字のPRTR制度や化学物質排出移動量届出制度などともいわる。日本の環境問題に対処するため,1999 年(平成 11年)制定の「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)に基づき,国が指定した有害性が疑われる化学物質を規定量以上含む物質を対象とし,指定された物質毎に,事業者が環境(大気・水域・土壌など)への排出量,廃棄物などとして移動量の把握,集計・公表する仕組み。
 関連ページ : 塗料概論:塗料と環境問題 ,  塗料概論:環境規制 ,  
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 【環境基本法】( Basic Environmental Law )
 1993年(平成 5 年)に公害対策基本法を廃止し,環境の保全についての基本理念を定めた環境基本法が制定され。日本の環境政策の根幹を定める基本法で,具体的施策は規定の趣旨に基づく個別の法制上および財政上の措置により実施される。
 関連ページ : 塗料概論:環境規制 ,  塗膜の評価:はじめに ,  
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 【還元】( reductiom )
 原子が電子を受け取ることで電子密度が高くなった状態である。受け取った電子の数を負 ( - ) の酸化数とする。⇒ 酸化還元反応
 関連ページ : 金属概論:電気亜鉛めっき ,  腐食基礎:腐食とは ,  腐食基礎:腐食と電気化学 ,  腐食基礎:酸化還元反応 ,  腐食基礎:腐食の速さとは ,  鋼の腐食:乾食 ,  鋼の腐食:湿食 ,  防食設計:防食法の分類 ,  塗料各論:不動態化,還元系防せい顔料 ,  
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 【関西ペイント株式会社】( Kansai Paint CO., LTD. )
 関西ペイント株式会社;大阪市中央区今橋二丁目6番14号
 関連ページ : 塗料概論:塗料工業の黎明期 ,  
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 【感作性】( sensitizing potential, sensitizing property, sensitization )
 読み「かんさせい」,抗原抗体反応(アレルギーなど)で用いられる用語。ある抗原に対し敏感な状態にする作用。
 関連ページ : 塗料各論:防食用変性エポキシ樹脂塗料 ,  
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 【監視】( monitoring, observation )
 目視等により変状の状況や進行性を継続的に確認する措置。(道路では追跡調査という)
 関連ページ : 維持管理(鉄道) ,  
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 【乾式ブラスト】( dry blasting )
 水を用いないブラスト処理の総称。乾式ブラストに共通する特性として,鋼材表面の塩類,油分などの汚染物質を,完全に除去することはできないので,適切な除去方法を別途講じなければならない。
 関連ページ : 防食基礎:ブラスト処理 ,  塗装概論:ブラスト処理 ,  
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 【乾食】( dry corrosion )
 読み「かんしょく」,液体状の水の作用を受けることなく,腐食性の気体と反応して生じる金属の腐食。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 例えば,水が関与しない高温の空気,反応性ガスによる特殊環境での腐食。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食とは ,  腐食基礎:環境による分類 ,  腐食基礎:腐食現象の分類 ,  腐食概論:鋼の腐食とは ,  鋼の腐食:乾食 ,  鋼の腐食:フレティング・コロージョン ,  
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 【含水酸化鉄】( )
 水酸化鉄(Ⅲ)の表記,一般組成式 2Fe2O3・3H2O ,水を含む酸化鉄(含水酸化鉄)。現在はオキシ水酸化鉄と称するのが一般的である。
 ⇒ 水酸化鉄(Ⅲ),オキシ水酸化鉄
 関連ページ : 腐食基礎:腐食反応と溶存酸素 ,  腐食基礎:腐食反応 ,  鋼の腐食:鋼の腐食生成物 ,  
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 【含水比】( water content )
 土壌の物性を示す場合に用いられ,土壌に含まれる水の百分率( 100×水の質量/土粒子の質量 %)で表される。
 関連ページ : 鋼の腐食:土壌について ,  鋼の腐食:土壌腐食(ミクロ腐食)