社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,カ行 “か”の用語を  かあ~かいさ,  かいし~かか,  かき~かし,  かす~かち,  かつ~かね,  かの~かわ,  かん~かんす,  かんせ~かんん  に分けて紹介する。

 用語一覧 かいし~かか

改質剤 】  , 【 海水 】  , 【 海水飛沫 】  , 【 海水腐食 】  , 【 海水面 】  , 【 改築 】  , 【 回転曲げ疲れ試験 】  ,

外部電源方式 】  , 【 開放系 】  , 【 界面活性剤 】  , 【 界面張力 】  , 【 界面破壊 】  , 【 海洋(海洋環境) 】  , 【 海洋構造物 】  , 【 海洋生物 】  ,

替ケレン 】  , 【 カオリン 】  , 【 加温貯蔵安定性 】  , 【 化学的素地調整 】  , 【 化学種 】  , 【 化学蒸着 】  , 【 化学的前処理 】  ,

化学反応 】  , 【 化学反応式 】  , 【 化学物質排出把握管理促進法 】  , 【 化学分析 】  , 【 化学ポテンシャル 】  , 【 化学めっき 】  , 【 化管法

 用語の概要と関連ページ


 【改質剤】( modifier )
 添加剤の一種で,組成・性質を改良するために用いられる薬剤。
 関連ページ : 塗料各論:エポキシ樹脂塗料概要 ,  
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 【海水】( sea water )
 海洋学で伝統的に用いられている絶対塩分による分類では,淡水(fresh water: 0.5 ‰以下),汽水(brackish water:淡水と塩水の混合 0.5~30 ‰),塩を含んだ水(saline water: 30~50 ‰),塩水(brine: 50 ‰以上の飽和に近い又は飽和塩水)になる。
 一般的な認識では,海水を塩水に分類しがちであるが,学術的には,海水は“塩を含んだ水”に分類される。
 塩分の表示は,1980年代を境に,伝統的な千分比‰(パーミル)で表されていた絶対塩分(absolute salinity , salinity)から記号 psu で表される実用塩分(practical salinity)に変わっている。
 海水などは,複数の塩を含むため,絶対塩分を求めるための分析の煩雑さを回避するため,塩を含む水の特性である電気伝導率(electric conductivity)を基準とした実用塩分の採用が広まった。
 電気伝導率から換算される実用塩分は,絶対塩分表示とほぼ同じ値になるよう工夫されている。例えば,海水の塩分は,絶対塩分で 35‰(パーミル)と表示し,実用塩分で 35 psu 又は単に 35 と表示する。
 関連ページ : 腐食概論:鋼の腐食とは ,  鋼の腐食:海水の特徴 ,  鋼の腐食:基本用語 ,  
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 【海水飛沫】( sea water spray, spraya splash )
 波が海岸に衝突する時に生ずる海水の飛沫(しぶき)で,波飛沫(なみしぶき;sea spray)ともいう。
 関連ページ : 鋼の腐食:海洋腐食環境区分 ,  鋼の腐食:海洋環境腐食 ,  鋼の腐食:飛来塩分について ,  鋼の腐食:海岸のしぶき ,  
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 【海水腐食】( corrosion in sea water )
 読み「かいすいふしょく」,海水中で起きる腐食の総称である。海水面からの深さで腐食速度が異なるのが特徴である。
 関連ページ : 腐食基礎:環境による分類 ,  腐食基礎:腐食現象の分類 ,  鋼の腐食:海洋環境(環境区分) ,  
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 【海水面】( sea level )
 海面(かいめん)は海の表面を,海面(うみずら)は海辺を意味する。ある時点での海面(かいめん)の高さを海水面という。
 海水面は,潮汐(ちょうせき),気圧変化,海流などの影響で上下運動する。長年にわたり観測した値の平均から定めた海水面を平均海水面(MSL ;mean sea level)と呼ぶ。
 関連ページ : 鋼の腐食:海洋腐食環境区分 ,  
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 【改築】( rebuilding, reconstruction )
 構造形式を部分的あるいは全体的に変更する措置,あるいは構造物の一部を取り壊して作り替える措置。
 関連ページ : 維持管理(鉄道) ,  
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 【回転曲げ疲れ試験】( rotating bending fatigue test )
 簡便な疲れ試験として知られる。回転曲げとは,曲げモーメントの面内に軸を有する試験片が,曲げモーメントの面と相対的に回転し,試験片に繰返し応力が与えられるような荷重方法をいう。【JIS Z2274「金属材料の回転曲げ疲れ試験方法」】⇒ 疲れ試験
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・機械特性 ,  
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 【外部電源方式】( impressed current system )
 外部電源によって陽極材料から防食電流を被防食金属に供給するカソード防食法。陽極を地下数十m深く埋設して地下埋設構造物に防食電流を供給する方法を深埋め陽極工法(deep groundbedsystem)という。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 関連ページ : 防食基礎:電気防食(陰極防食) ,  
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 【開放系】( open system )
 開いた系ともいう。外界とのエネルギーや粒子の交換がある系をいう。
 なお,外界とのエネルギーおよび物質の交換をしない系を閉鎖系,閉じた系,孤立系などという。
 関連ページ : 鋼の腐食:水質(温度)の影響 ,  
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 【界面活性剤】( surface active agent, surfactant )
 液体に溶け,界面に吸着して界面の性質を変える物質。塗料では分散,湿潤,泡消しなどを助長するのに用いる。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K 3211「界面活性剤用語」界面活性剤工業において用いられる主な用語及びその定義について規定されています。
 関連ページ : 塗料概論:塗料副要素(添加剤) ,  
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 【界面張力】( interfacial tension )
 二つの相が接するとき,単位面積当たりの界面自由エネルギー【JIS K 3211「界面活性剤用語」】。 気・液界面の場合は,一般的に表面張力という。
 界面自由エネルギー( surface free energy )とは,“液体や固体の界面が内部に比べ過剰にもっている自由エネルギー”【JIS K 3211「界面活性剤用語」】。
 関連ページ : 腐食基礎:酸素濃淡電池 ,  塗料各論:ふっ素樹脂塗料 ,  
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 【界面破壊】( interfacial failure )
 接着接合物の破壊形態の一つで,接着破壊ともいわれ,接着体と被着体の界面で起きる破壊をいう。一方,接着が強く,被着体自身の破壊接着体の層内で起きる破壊を凝集破壊(cohesive failure)いう。また,被着体自身が破壊する場合は被着体の凝集破壊(被着体破壊)であるが,材料破壊という。
 関連ページ : 塗膜の評価:付着性 ,  
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 【海洋(海洋環境)】( ocean, sea (marine environment) )
 単に海(sea)ともいい,塩分の組成がほぼ一定の海水をたたえた凹所で,総面積約 3.6億 km2 と陸地の約 2.4倍ある。
 海洋は,独立の海流系をもつ海の太平洋(the Atlantic Ocean)・大西洋(the Pacific Ocean)・インド洋(the Indian Ocean)の三つの大洋(ocean),およびそれらの付属海(adjacent sea)の総称である。
 付属海とは,大洋の海流の影響を受け,浅くて独立の海流系を持たない海をいう。付属海は,地形により地中海(mediterranean sea)と縁海(marginal sea)に分けられる。
 大洋の海流の影響を受け,浅くて独立の海流系を持たない海を付属海という。付属海は,地形により地中海と縁海に二分される。
 地中海は,二つ以上の陸地に囲まれた北極海,ヨーロッパ地中海,アメリカ地中海,東インド諸島海などの大地中海,大陸へ深く入った湾のバルト海,紅海,ペルシア湾などの小地中海に分けられる。
 縁海は,ベーリング海,オホーツク海,日本海,北海などの島や半島で不完全に大洋と区切られた海をいう。
 海洋環境(marine environment)は,金属腐食の観点では,海水飛沫(sea water spray , spraya splash)や高濃度の飛来海塩粒子(airborne sea salt particles)の影響を受ける海洋大気部,砕けた海水飛沫を常時浴びる飛沫帯(splash zone , supralittoral zone),潮汐(ちょうせき:tide)で海中への没水と大気露出が繰り返される干満帯(tidal zone),干潮時の海水面(干潮位)から海底土壌の表面までの海中部,及び海底土中部に分けるのが一般的である。
 関連ページ : 鋼の腐食:海洋腐食環境区分 ,  鋼の腐食:海洋環境(環境別腐食) ,  
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 【海洋構造物】( marine structure, offshore structure )
 海洋の開発や保全のために利用される洋上設備の総称で,狭義には,海洋における石油・天然ガスの掘削・生産設備を指すことが多い。海洋構造物は,海底に直接支持される固定式(着底式)と間接的に支持される浮体式に大別される。
 関連ページ : 防食基礎:有機ライニングとは ,  
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 【海洋生物】( marine life, marine species, marine organism )
 海に生息する生物の総称。動物は約 18万種,植物は約 2万種といわれている。
 関連ページ : 鋼の腐食:海洋腐食環境区分 ,  鋼の腐食:海洋腐食の影響要因 ,  
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 【替ケレン】( cleaning, hand cleaning )
 塗替え塗装時に行う素地調整作業。
 関連ページ : 防食塗装系:塗替え塗装 ,  
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 【カオリン】( kaoline, kaolinite )
 長石が風化してできた土類。含水けい酸アルミニウムを主成分とし,体質顔料として用いる。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:構成(防せい・体質顔料 ,  
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 【加温貯蔵安定性】( storage stability at warm temperature )
 温度 35℃で 3か月間保存した後で使用に適する状態を保つ性質。【JIS K 5600-2-7「塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第7節:貯蔵安定性」】
 関連ページ : 塗料評価:はじめに ,  
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 【化学的素地調整】( chemical surface preparation )
 塗装前に行われる化学力を用いた化学的前処理(chemical pretreatment)を意味する。この用語は,物理力を用いた機械的素地調整(mechanical surface preparation)に対する用語として用いられることが多い。⇒ 化学的前処理
 関連ページ : 塗装概論:素地調整技術 ,  
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 【化学種】( chemical species )
 物質を構成している元素又は化合物の集合体。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,  
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 【化学蒸着】( chemical vapor deposition )
 気相化学反応によって,基板上に膜を形成させる方法。略称:CVD。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:金属被覆(分類) ,  
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 【化学的前処理】( chemical pretreatment )
 塗料の塗装前に施されるすべての化学的方法をいう一般用語でもある。【JIS K5500「塗料用語」】
 参考追記:りん酸塩処理・黒染め処理・クロメート処理などがある。
 関連ページ : 防食基礎:素地調整概論 ,  塗装概論:素地調整技術 ,  
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 【化学反応】( chemical reaction )
 化学変化(chemical change)と同義で,一般的には,原子間の結合の生成,切断によって異なる物質を生成する現象である。
 化学反応では,反応する出発物質を反応物( reactant ),基質( substrate ),又は始原系,原料などと呼び,反応で生成ずる物質は生成物( product )と呼ぶ。
 関連ページ : 腐食基礎:化学反応式とは ,  腐食基礎:腐食は化学 ,  
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 【化学反応式】( chemical equation )
 化学反応式とは,反応物,生成物の分子式を用い,質量保存の法則,倍数比例の法則などの基本法則に従い化学反応を表示する式である。化学反応式では,反応形式が,不可逆反応( irreversible reaction )か,可逆反応( reversible reaction )かを明示するため表示方法が異なる。
 また,化学反応による熱収支を明示する場合には,物質の状態,反応熱を加えた熱化学方程式( thermochemical equation )を用いる。
 関連ページ : 腐食基礎:腐食は化学 ,  
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 【化学物質排出把握管理促進法】( Law concerning Reporting etc. of Release of Specific Chemical Substances to the Environment and Promotion of the Improvement of Their Management )
 1999 年(平成 11年)制定の「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」の略称。一般には,さらに略して「化管法」ともいわれている。
 関連ページ : 塗料概論:環境規制 ,  
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 【化学分析】( chemical analysis )
 物質の化学種(chemical species)を明らかにするための,又はそれを定量するための操作及び技術。注記 化学種を認知するもので,化学的方法,物理的方法などを問わない。【JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」】
 化学分析方法に関する一般的な事項については,JIS K 0050「化学分析方法通則」(General rules for chemical analysis)に規定されている。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,  
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 【化学ポテンシャル】( chemical potential )
 ギブズにより導入された浸透圧や化学反応のようなマクロな物質量の移動が伴う現象で重要な示強性状態量の一つである。混合物中に存在する一つの成分 1 モル当たり,又は 1 分子当たりのギブズエネルギーに相当する。⇒ ギブズエネルギー
 関連ページ : 腐食基礎:反応速度定数とは ,  
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 【化学めっき】( chemical plating, electroless plating )
 金属塩水溶液にめっきしようとするものを浸して,外部電源を用いずに還元剤の作用によってめっきする表面処理方法。無電解めっきともいう。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 金属又は非金属表面に金属を化学的に還元析出させる方法。 参考:置換法,化学還元法,熱分解法とがあり,置換法は浸せきめっきと接触めっきとに,また化学還元法は自己触媒めっきと非触媒めっきとに分けられる。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:金属被覆(分類) ,  
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 【化管法】( Law concerning Reporting etc. of Release of Specific Chemical Substances to the Environment and Promotion of the Improvement of Their Management )
 1999 年(平成 11年)制定の「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」の略称。
 関連ページ : 塗料概論:環境規制