化学関連用語解説 (索引)

 ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
  ☆ “ホーム” ⇒ “生活の中の科学“ ⇒ “化学(目次)“ ⇒


 ハ行 フで始まる用語を  ( フア - フキ ) ,  ( フク - フホ ) ,  ( フマ - フレ ),  ( フロ - フン ) に分けて紹介する。

 用語一覧  ハ行  フロ - フン

フロートガラス 】  , 【 ブロッキング 】  , 【 ブロック共重合体 】  , 【 ブロック硬化剤 】  , 【 プロテアーゼ 】  , 【 プロトアクチニウム 】  , 【 プロトン性溶媒 】  , 【 プロトンの汲み出し 】  , 【 プロパンガスの完全燃焼について 】  , 【 プロピオニル CoA 】  , 【 プロビタミンA 】  , 【 プロビタミンD
 
プロピレンオキシド 】  , 【 プロピレングリコール 】  , 【 プロピン 】  , 【 プロペン 】  , 【 1-プロペン-1,2,3-トリカルボン酸 】  , 【 2-プロペン酸 】  , 【 プロメチウム 】  , 【 プロラクチン 】  , 【 プロラクチン放出因子 】  , 【 プロラクチン抑制因子 】  , 【 プロラミン 】  , 【 プロリン 】  , 【 フロログルシノール 】  , 【 フロン回収・破壊法
 
分圧の法則 】  , 【 分化 】  , 【 分解ガソリン 】  , 【 分解能 】  , 【 分極 】  , 【 分光器 】  , 【 分光測色方法 】  , 【 分光分布 】  , 【 分散剤 】  , 【 分散素子 】  , 【 分子 】  , 【 分子間力 】  , 【 分子軌道 】  , 【 分子軌道法 】  , 【 分子式
 
分子生物学 】  , 【 分析化学 】  , 【 分析値 】  , 【 ブンゼンの吸収係数 】  , 【 分体積の法則 】  , 【 分配クロマトグラフィー 】  , 【 分配係数 】  , 【 分泌型酵素 】  , 【 分泌腺 】  , 【 分布帰還( DFB )型レーザ 】  , 【 分離カラム 】  , 【 分離度 】  , 【 分離分析

 用語の概要と関連ページ


 【フロートガラス】( float glass )
 最も一般的な板ガラスで,溶解したガラス素地を溶融金属の上に浮かべ,厚み・板幅の均一な板ガラスに成型(フロート法)したものをいう。
 関連ページ : ガラス   
 用語一覧へ
 
 【ブロッキング】( blocking )
 材料間の意図しない固着。( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
 関連ページ : ゴム関連用語   
 用語一覧へ
 
 【ブロック共重合体】( block copolymer )
 ブロック(block)とは,多数の構成単位からなり,隣接部分には存在しない構成上又は立体配置上の特徴を少なくとも一つもつ,重合体分子の一部分(JIS K 6900「プラスチック―用語」)。
 ブロック重合体(block polymer)とは,
 直線状に連結されたブロックから成り立つ分子の重合体(JIS K 6900「プラスチック―用語」)。
 直線的につながったブロックで構成された重合体( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
 ブロック共重合体(block copolymer)とは,
 2 種類以上の単量体から誘導されるブロック重合体(JIS K 6900「プラスチック―用語」)。
 なお,2 種の単量体から誘導されるものを二元共重合体(bipolymer)。2 種類以上の単量体から誘導されるものをグラフト共重合体(graft copolymer)と呼ぶ。
 関連ページ : 高分子材料   ゴム関連用語   
 用語一覧へ
 
 【ブロック硬化剤】( blocked curing agent )
 一時的に不活性化されているが,物理的又は化学的な手段によって所望に応じて再び活性化できる硬化剤。閉鎖硬化剤ともいわれる 。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
 関連ページ : プラスチックの記号と関連用語   熱硬化性プラスチックとは   
 用語一覧へ
 
 【プロテアーゼ】( protease )
 高分子量のたんぱく質を分解するたんぱく質分解酵素。ペプチド鎖のどちらかの一端から順次切断するエキソペプチダーゼ,ペプチド鎖の中程から切断するエンドペプチダーゼがある。
 関連ページ : たんぱく質の代謝   
 用語一覧へ
 
 【プロトアクチニウム】( protactinium )
 プロトアクチニウム( Pa ),アクチノイド系,原子番号91の元素
 関連ページ : 周期表第 3 族 その 3   
 用語一覧へ
 
 【プロトン性溶媒】( protic solvents )
 酸素や窒素原子に結合した比較的酸性度の高い水素を持ち,水素イオン(プロトン)供与性を持つ溶媒のことである。
 関連ページ : アルコールの特性   
 用語一覧へ
 
 【プロトンの汲み出し】( )
 ミトコンドリアのマトリックス側(内膜の内側)で発生したプロトン( H )を膜間スペース(外膜と内膜の間)へ汲み出すことで,ミトコンドリア内膜を隔てて,隙間スペースが高濃度となる H+ の濃度勾配が生じる。このため,マトリックスと膜間スペースの間に電位差が生じる。
 関連ページ : ATP 生成とクエン酸回路    
 用語一覧へ
 
 【プロパンガスの完全燃焼について】( )
 関連ページ : 天然・石油ガスと燃焼   
 用語一覧へ
 
 【プロピオニル CoA】( Propionyl-CoA )
 関連ページ : 脂質の異化   
 用語一覧へ
 
 【プロビタミンA】( Provitamin A )
 体内でビタミン A に変換される物質のα‐,β‐,γ‐カロテン,β‐クリプトキサンチン,エキネノンなど。
 関連ページ : 脂溶性ビタミン   
 用語一覧へ
 
 【プロビタミンD】( Provitamin D )
 紫外線照射によってビタミンD活性を発現するエルゴステロール( C28H44O ,ergosterol )や 7‐デヒドロコレステロール( C27H44O ,7-dehydrocholesterol )
 関連ページ : 脂溶性ビタミン   
 用語一覧へ
 
 【プロピレンオキシド】( propylene oxide )
 プロピレンの直接酸化又は塩素化後アルカリ処理によって得られる。ノニオン界面活性剤の原料として用いられる。( JIS K 3211「界面活性剤用語」)
 関連ページ : ポリウレタン樹脂   界面活性剤関連用語   
 用語一覧へ
 
 【プロピレングリコール】( propylene glycol )
 示性式 C3H6(OH)2。保湿剤,潤滑剤,乳化剤,不凍液,ポリエーテルポリオールを得るための官能基数 2 の開始剤などに利用される。
 関連ページ : ポリウレタン樹脂   
 用語一覧へ
 
 【プロピン】( propyne )
 メチルアセチレンともいい,分子式 C3H4 ,構造式 CH3−C≡CH ,アルキンの一種である。ガス溶接の燃料として用いられる。
 関連ページ : 不飽和脂肪族の特徴   
 用語一覧へ
 
 【プロペン】( propene )
 プロピレン (propylene) ともいい,分子式 C3H6 ,構造式 CH3-CH = CH2 のアルケンで,有機合成の原料として用いられる。
 関連ページ : 不飽和脂肪族の特徴   
 用語一覧へ
 
 【1-プロペン-1,2,3-トリカルボン酸】( prop-1-ene-1,2,3-tricarboxylic acid )
 トリカルボン酸(三価)
 関連ページ : カルボン酸とは   
 用語一覧へ
 
 【2-プロペン酸】( 2-propenoic acid )
 不飽和のモノカルボン酸
 関連ページ : カルボン酸とは   
 用語一覧へ
 
 【プロメチウム】( promethium )
 プロメチウム( Pm ),ランタノイド系,原子番号61の元素
 関連ページ : 周期表第 3 族 その 2   
 用語一覧へ
 
 【プロラクチン】( prolactin )
 下垂体前葉の略号 PRL のペプチド系ホルモン。下垂体 前葉のプロラクチン分泌細胞から分泌され,乳腺の分化・発達,乳汁合成,乳汁分泌,妊娠維持など生殖に関する作用,母性行動誘導,射精オーガズム後の急速な性欲失墜などに作用する。
 関連ページ : 視床下部・下垂体   
 用語一覧へ
 
 【プロラクチン放出因子】( prolactin releasing factor )
 視床下部に存在し略号 PRF のホルモンで,下垂体 前葉から乳腺刺激ホルモン( MTH )ともいわれるプロラクチン( prolactin ,PRL )を分泌させる。
 関連ページ : 視床下部・下垂体   
 用語一覧へ
 
 【プロラクチン抑制因子】( prolactin inhibiting factor )
 視床下部に存在し略号 PIF のホルモンで,プロラクチンの分泌を抑制する。
 関連ページ : 視床下部・下垂体   
 用語一覧へ
 
 【プロラミン】( prolamin )
 アミノ酸だけで構成される単純タンパク質のうち,60 ~ 90 %のアルコールに溶けるが,90 %以上のエタノール(エチルアルコール),水,中性塩溶液には溶けないタンパク質の総称である。
 関連ページ : たんぱく質とは   
 用語一覧へ
 
 【プロリン】( proline )
 イミノ基を持つ五員環の複素環アミノ酸(ピロリジン-2-カルボン酸)。
 食品添加物は,タンパク質原料の加水分解,又は糖類を原料とした発酵により得られたものを分離して得る。成分はL-プロリンで,栄養強化剤としても用いられるアミノ酸系調味料。
 関連ページ : ヒドロキシ酸・アミノ酸   調味料   アミノ酸の構造   
 用語一覧へ
 
 【フロログルシノール】( phloroglucinol )
 医薬品や爆薬の合成に使われるフロログルシノールは,フェノール型の 1,3,5-トリヒドロキシベンゼン(1,3,5-ベンゼントリオール)とケトン型の 1,3,5-シクロヘキサトリオン(フロログルシン)が平衡状態(互変異性体)で存在する。 ⇒ベンゼントリオール
 関連ページ : フェノール   
 用語一覧へ
 
 【フロン回収・破壊法】( )
 フロンとは,炭素と水素の他、フッ素や塩素や臭素などハロゲンを多く含む化合物の総称で。狭義には炭素,ふっ素,塩素からなるクロロフルオロカーボン: CFC をいう。
 2001 年公布の「特定製品に係るフロン類の回収および破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)」
 関連ページ : オゾン層破壊問題   
 用語一覧へ
 
 【分圧の法則】( law of partial pressures )
 「混合気体全体の圧力(全圧)は,各気体成分の圧力(分圧)の和に等しい」を分圧の法則,又はドルトンの法則( Dalton's law )という。
 容器内の気体 A の物質量 nA モル,気体 B の物質量 nB モル,及び気体 C の物質量 nC モルが混合した気体の状態方程式は,
    PV = nRT = PA V+ PB V+ PC V
とできる。
 すなわち,P = PA + PB + PC となる。
 ここで,PA ,PB ,PC は,それぞれの気体種の分圧という。
 ちなみに,PA V = nA RT = ( nA / n )・n RT = ( nA / n )・PV とできるので,気体成分の分圧は,全圧とモル分率( nA / n )から容易に求めることができる。
 関連ページ : 気体の量と体積:混合気体の状態方程式   
 用語一覧へ
 
 【分化】( differentiation )
 複雑化,異質化するさま,生物学では,細胞分化(生殖細胞の分化),器官の分化(頭部や胸部などの分化),種分化(生物進化)などが挙げられる。
 関連ページ : ホルモンとは   
 用語一覧へ
 
 【分解ガソリン】( cracking gasoline )
 石油製品の中で,高沸点留分を熱分解や接触分解で得られる低沸点のガソリン。
 関連ページ : 石油製品と燃焼   
 用語一覧へ
 
 【分解能】( resolution )
 JIS Z 8103「計測用語」では,分解能とは,a) 測定器については,識別限界と同じ意味。 b) 指示計器については,識別可能な指示間の最小の差異。識別限界(discrimination threshold)とは,測定器において,出力に識別可能な変化を生じさせることができる入力の最小値。
 JIS K 0212「分析化学用語(光学部門)」では,a) スペクトル上で近接する二つの輝線を分解する能力(resolution)。b) 空間的に近接した二つの物体を個別に分解する能力(resolution , resolving power)。
 JIS K 0215「分析化学用語(機器分析部門)」では,分解能に関して次の様に定義している。
 分光分析装置の分解能(resolution , resolving power (of spectrometer))は,隣接する輝線スペクトルを個別のものとして識別できる能力。通常,逆線分散によってその性能を示す。接近したスペクトル線を分離できる分光器の能力。(mass resolving power)
 質量分析計が近接したスペクトルを分離できる能力を質量分解能。
 X線検出器の分解能(resolution (of X-ray detector)),すなわちエネルギー分解能(energy resolution)は,検出した X 線に対するエネルギー識別能力。理想的な単色X線が検出器に入射したときのピークの半値幅(FWHM,単位の次元はエネルギー)又は半値幅とピークエネルギーとの比。
 なお,顕微鏡,望遠鏡などの分解能(optical resolution)は,評価法( 2 点間の距離,2 点を見分ける角度など)が複数ある。
 関連ページ : 電子顕微鏡・電子線回折   
 用語一覧へ
 
 【分極】( polarization )
 電極系において,電流が流れていない状態の電位から電流を流すように電極電位をずらす操作,又は電流を流すことによって電極電位がずれる現象( JIS K 0213「分析化学用語(電気化学部門)」)。
 なお,分極という場合には,電荷の分極(誘電分極,又は電気分極という),磁極の分極(磁気分極),化学結合の分極,電気化学的分極などがある。
 関連ページ : ファンデルワールス力   電気伝導率の測定   
 用語一覧へ
 
 【分光器】( spectrograph , spectrometer , spectroscope )
 JIS K 0215「分析化学用語(機器分析部門)」,JIS K 0212「分析化学用語(光学部門)」の定義では,分光器( spectrograph , spectrometer )という場合は,“ a) 一つの光源からの光を分散させて一つの焦点面上に波長順にスリット像を結像させる機器。”,分光器( spectroscope )という場合は,“ b) a)の機器でスペクトルを目視観察可能な機器。”と使い分けされている。
 分光器には,複数あるスペクトル線を順次計測するシーケンシャル形分光器(ツェルニ・ターナー形分光器),複数のスペクトル線を同時に計測できるパッシェン・ルンゲ形分光器,エシェル形分光器などがある。
 また,一つの光源からの光を波長分散させて一つの焦点面上に結像させるには,スリット,ミラー,分散素子などから構成される光学系が必要である。
 関連ページ : 発光分光分析   赤外分光分析装置   
 用語一覧へ
 
 【分光測色方法】( spectrophotometric colorimetry )
 分光測定及び三刺激値積分計算によって行う測色の方法。
 関連ページ : 無機化学(物体色の評価)   
 用語一覧へ
 
 【分光分布】( spectral distribution )
 波長λを中心とする微小波長幅内に含まれる放射量 X (放射束,放射輝度,放射照度など)の単位波長幅当たりの割合。 Xλ ( = dX /dλ) を波長λの関数として表したもの。
 関連ページ : 無機化学(光の評価)   
 用語一覧へ
 
 【分散剤】( dispersing agent , dispersant )
 分散(dispersion)とは,一つの相の中に他の物質が微粒子状に散在する現象( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
 分散性(dispersibility)とは,界面活性剤の代表的な性能の一つで,分散系をつくる性質のこと( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
 分散剤とは,微粒子を液中に分散させて,安定な懸濁液をつくるために用いられる薬剤。界面活性剤の代表的用途の一つである。( JIS K 3211「界面活性剤用語」)
 関連ページ : 非イオン(ノニオン)界面活性剤   界面活性剤関連用語   
 用語一覧へ
 
 【分散素子】( dispersive device )
 種々の波長成分の光を含む光を波長ごとに分けるための光学素子( JIS K 0212「分析化学用語(光学部門)」)。
 関連ページ : 赤外分光分析装置   
 用語一覧へ
 
 【分子】( molecular )
 2つ以上の原子( atom )から構成される電荷的に中性な物質を指す。分子には,酸素など2つの原子で構成される分子から,金属,ダイヤモンドのように,原子数に定めがなく,物質そのものが一つの分子(巨大分子)のものまである。
 特異な例として,ヘリウム ( He ),ネオン ( Ne ),アルゴン ( Ar )などの希ガス元素は,単原子で安定して存在できるので単原子分子などとも呼ばれる。
 関連ページ : 化学結合(はじめに)   
 用語一覧へ
 
 【分子間力】( intermolecular force )
 分子間力とは,狭義では電気的に中性の分子間に作用する力(ロンドン分散力,ファンデルワールス力,双極子相互作用)を指し,気体から液体や固体への相転移( phase transition :変態ともいう)で重要な役割を果たす。
 広義には,分子間などの離れた部分の間に働く電磁気学的な力で,ファンデルワールス力,双極子相互作用に加えて,より強い力を示す水素結合やイオン間相互作用を含んで言う場合がある。
 電気的に中性な分子で構成される液体の主要な分子間力は,“ファンデルワールス力”である。極性を持つ分子の液体や固体などでは“双極子に基づく力”の影響を受けると考えられる。その中で,双極子による力の中で,最も大きな力を発揮する“水素結合”は,水素との電気陰性度に大きな差がある元素と水素との化合物の中で,大きい双極子モーメントが発生する構造を持つ特定の分子(水やアンモニアなど)が凝集する際に,分子間に水素を介して働く力をいう。
 関連ページ : 化学結合:分子間力   
 用語一覧へ
 
 【分子軌道】( molecular orbital )
 単原子分子(希ガス)を除き,複数の原子で分子を構成した場合には,結合に関与した電子は,原子間距離に応じて,一つ以上の原子核と相互作用をもつ分子軌道で記述される。
 関連ページ : 電子の共有   分子軌道について   
 用語一覧へ
 
 【分子軌道法】( Molecular Orbital method ,通称 MO 法 )
 原子に対する原子軌道の考え方を,そのまま分子に対して適用したもので,原子軌道の線形結合(量子力学的重ね合わせ)によって電子の波動関数を記述し,その電子状態(分子軌道)を求める計算手法LCAO 法( Linear combination of atomic orbitals method )を用いて記述される。
 この手法を,あるいは原子軌道による線形結合法という。
 分子軌道法では,軌道は,原子それぞれの軌道の波動関数の和と波動関数の差になる。
 原子 A の波動関数をψA,原子 B の波動関数をψBとすると,分子ABの波動関数は,和分のψMOⅠ( a ψA+ b ψB ),差分のψMOⅡ( c ψA- d ψB )になる。
 MOⅠは2つの原子間の電子密度が高く,結合性分子軌道( bonding molecular orbital )という。
 MOⅡは電荷の密度が極めて低く,反結合性分子軌道( antibonding molecular orbital )と呼ばれ,結合性分子軌道よりエネルギー順位が高い。
 結合に関わる電子が関連する原子核の影響を受け,結果として電子軌道が関連の原子の数分に分裂する。
 関連ページ : 分子軌道について   
 用語一覧へ
 
 【分子式】( molecular formula )
 分子に含まれる原子とその個数を的確に示す場合に用いるが,分子の一部が化学特性に大きく関わる場合には,示性式や構造式による表記が望ましい。
 関連ページ : 化学結合表記   
 用語一覧へ
 
 【分子生物学】( molecular biology )
 酵素たんぱく質の構造と機能との関係をはじめ,デオキシリボ核酸(DNA),リボ核酸(RNA),たんぱく質の相互作用による遺伝情報の発現と伝達機構の解明などを対象とする分子レベルの生化学的研究である。
 関連ページ : 生化学とは   
 用語一覧へ
 
 【分析化学】( analitical chemistry )
 分析化学とは,物質を分析する理論や技術を研究する学問分野をいい,物質の化学種( chemical species )を明らかにするための,又はそれを定量するための操作及び技術を化学分析( chemical analysis )という。
 関連ページ : 生活と無機化学   分析化学とは   有機化合物の分析   
 用語一覧へ
 
 【分析値】( analytical value )
 化学分析の結果として得られた値( JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」)。
 関連ページ : 結果の表し方   
 用語一覧へ
 
 【ブンゼンの吸収係数】( Bunsen's absorption coefficient )
 対象とする気体の分圧が 1 気圧( 760 mmHg ,101325 Pa )のとき,温度( t ℃)での単位体積( 1 mL )の溶媒に溶解する気体の体積( mL )を標準状態( 0℃,1 気圧)の体積に換算した値をいう。これは,溶解度係数とも呼ばれる。
 関連ページ : 液体への溶解現象:気体の溶解   
 用語一覧へ
 
 【分体積の法則】( )
 「理想気体において,混合気体の体積は,同温同圧の成分気体の体積の和に等しい」を分体積の法則,又はアマガーの法則といわれている。
 分圧の法則と同じように考えることができる。すなわち,気体の状態方程式から,
    PA V = nA RT = P VA
 従って, V = VA + VB + VC
とできる。
 関連ページ : 気体の量と体積:混合気体の状態方程式   
 用語一覧へ

 【分配クロマトグラフィー】( partition chromatography )
 試料成分の移動相と固定相との間の分配平衡の差によって分離の行われるクロマトグラフィー( JIS K 0213「分析化学用語(クロマトグラフィー部門)」)。
 ガスクロマトグラフィーで,固定相に液体を用い,液体への分配現象を利用したクロマトグラフィーを気液クロマトグラフィーともいう。
 関連ページ : クロマトグラフィーの原理   
 用語一覧へ
 
 【分配係数】( partition coefficient )
 ネルンストの分配則における濃度比 K をいう。
 JIS K 0213「分析化学用語(クロマトグラフィー部門)」では,次の式で表す値と定義されている。
 K=(Ms/Vs)/(Mm/Vm)
 ここに,K:分配係数,Ms:固定相における物質の質量,Mm:移動相における物質の質量,Vs:固定相の体積,Vm:移動相の体積
 関連ページ : クロマトグラフィーの原理   
 用語一覧へ
 
 【分泌型酵素】( exoenzyme , extracellular enzyme )
 可溶型酵素の中で,細胞外に分泌される酵素で,消化酵素など細胞外の物質に作用し,細胞内への取り込みが可能な物質に変える役割のものが多い。
 関連ページ : 酵素(はじめに)   
 用語一覧へ
 
 【分泌腺】( secretory gland )
 分泌物の排出を行う腺。外分泌腺と内分泌腺とがある。
 関連ページ : ホルモンとは   
 用語一覧へ
 
 【分布帰還( DFB )型レーザ】( distributed feedback Laser )
 回折格子の作用を受け特定波長(1つのモード)のみを強め合う半導体レーザ。回折格子は活性層の共振方向に沿って分布しているので分布帰還( Distributed Feedbak )型レーザーと言われている
 関連ページ : レーザ   
 用語一覧へ
 
 【分離カラム】( separation column )
 試料成分の分離が行われる管状の場。充塡剤が充塡されたもの,又はキャピラリー管壁に固定相が担持されたものなどがある( JIS K 0213「分析化学用語(クロマトグラフィー部門)」)。
 関連ページ : ガスクロマトグラフィー   
 用語一覧へ
 
 【分離度】( resolution )
 クロマトグラム上で近接している二つのピークがどの程度分離しているかを示す尺度( JIS K 0213「分析化学用語(クロマトグラフィー部門)」)。
 関連ページ : クロマトグラフィーの原理   
 用語一覧へ
 
 【分離分析】( separation analysis )
 複数の成分を含む試料について,各成分に分離した後,それぞれの成分に関して確認反応又は定量を行う分析の総称( JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」)。
 関連ページ : 有機化合物の分析   
 用語一覧へ

  ページの先頭へ