化学関連用語解説 (索引)

 ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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 ハ行 フで始まる用語を  ( フア - フキ ) ,  ( フク - フホ ) ,  ( フマ - フレ ),  ( フロ - フン ) に分けて紹介する。

 用語一覧  ハ行  フク - フホ

副交感神経 】  , 【 複合材料 】  , 【 複合脂質 】  , 【 副甲状腺 】  , 【 副甲状腺ホルモン 】  , 【 複合石けん 】  , 【 複合たんぱく質 】  , 【 複合反応 】  , 【 副腎 】  , 【 副腎髄質 】  , 【 副腎皮質 】  , 【 副腎皮質刺激ホルモン 】  , 【 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン 】  , 【 副腎皮質ホルモン
 
複製工場 】  , 【 複製装置 】  , 【 複製フォーク 】  , 【 複層ガラス 】  , 【 複素環式化合物 】  , 【 複素芳香族化合物 】  , 【 不けん化物 】  , 【 不織布(ふしょくふ) 】  , 【 不斉炭素 】  , 【 ブタジエンゴム 】  , 【 不確かさ 】  , 【 不確かさの伝ぱ則 】  , 【 フタル酸 】  , 【 ブタン酸 】  , 【 ブタンジオール
 
付着 】  , 【 ブチルゴム 】  , 【 物質 】  , 【 ふっ素樹脂 】  , 【 沸点上昇 】  , 【 ふっ素ゴム 】  , 【 ふっ素含有ポリオール 】  , 【 プテロイルグルタミン酸 】  , 【 不動態 】  , 【 ブドウ糖 】  , 【 ブヒャラー反応 】  , 【 部分ふっ素化樹脂 】  , 【 不飽和化合物 】  , 【 不飽和脂肪族化合物 】  , 【 不飽和ポリエステル

 用語の概要と関連ページ


 【副交感神経】( parasympathetic nervous )
 自律神経系の一部を構成する神経系。
 関連ページ : 視床下部・下垂体   
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 【複合材料】( composite )
 JIS K 6900「プラスチック―用語」ので定義は次の通りである。
 (1) 結合材料(マトリックス)と微粒子又は繊維状材料を含む,2 又はそれ以上の異なる相からなる固体製品。(注) 例:強化繊維,微粒子状充てん材又は中空球を含む成形材料。
 (2) 接着剤中間層を伴う又は伴わないプラスチックフィルム又はシート,標準又はシンタクチック発泡プラスチック,金属,木材,定義 1 に従う複合材料,などの 2 層又はそれ以上の層(多くの場合は対称組立の形で)からなる固体製品。(注) 例;包装用フィルム複合材料;構造用サンドイッチ発泡複合材料,紙,布などで製造した積層品。
 関連ページ : プラスチックの記号と関連用語   FRP 関連用語   
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 【複合脂質】( complex lipid , compound lipid )
 単純脂質にリン酸・硫黄・窒素塩基・糖などが加わった脂質をいい,リン脂質と糖脂質に大別される。
 関連ページ : 脂質とは   
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 【副甲状腺】( parathyroid gland )
 内分泌器官の一つで,甲状腺に隣接し,人で 2 対計 4 個存在する。
 関連ページ : ホルモンとは   主な内分泌器官   
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 【副甲状腺ホルモン】( parathyroid hormone )
 副甲状腺から分泌されるペプチド系ホルモン。⇒パラトルモン
 関連ページ : 主な内分泌器官   
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 【複合石けん】( complexed soap )
 石けん以外の界面活性剤を配合した石けん。主としてカルシウム石けんの分散剤が配合されている。( JIS K 3211「界面活性剤用語」)
 関連ページ : 洗剤(界面活性剤)とは    界面活性剤関連用語   
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 【複合たんぱく質】( conjugated protein )
 アミノ酸以外の成分を含むたんぱく質で,糖たんぱく質(糖鎖を含む),リポたんぱく質(脂質を含む),リンたんぱく質(リンを含む),核たんぱく質(核酸を含む),金属たんぱく質(金属原子を含む)などがある。
 関連ページ : たんぱく質とは   酵素(はじめに)   
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 【複合反応】( complex reaction )
 複合反応は,連続反応( successive reaction ),逐次反応( consecutive reaction ),連鎖反応( chain reaction )などとも呼ばれ,A → ( B → C ) → D となる中間の段階を経た多段階反応の一つである。
 複合反応は,単純反応と異なり,反応式の成分数よりも少ない反応次数の速度となる反応である。これは,反応式には現れない反応中間体( reaction intermediate )又は中間生成物( intermediate product )を介する複数の反応過程を経由するためである。
 複合反応の 1 つの過程を素反応(elementary reaction)と呼ぶ。複合反応は,複数の素反応と反応中間体を含んで反応が構成されている。このため,複合反応の反応速度式は,一般的に複雑な表記になる。
 関連ページ : 化学反応の形態   
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 【副腎】( adrenal gland )
 内分泌器官の一つで,腎臓の頭側にある1cm大の小さな臓器で,副腎髄質( adrenal medulla )が副腎皮質( adrenal cortex )に囲まれた 2 層構造になっている。
 関連ページ : ホルモンとは   主な内分泌器官   
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 【副腎髄質】( adrenal medulla )
 内分泌器官の一つで,副腎の内部を構成する器官。
 関連ページ : ホルモンとは   主な内分泌器官   
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 【副腎皮質】( adrenal cortex )
 内分泌器官の一つで,副腎の外皮を構成する器官。
 関連ページ : ホルモンとは   主な内分泌器官   
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 【副腎皮質刺激ホルモン】( adrenocorticotropic hormone )
 下垂体前葉の略号 ACTH のペプチド系ホルモン。下垂体 前葉から分泌されるホルモンのひとつ。視床下部-下垂体-副腎系を構成し,副腎皮質に作用して副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイドなど)の分泌を促進する。
 関連ページ : 視床下部・下垂体   
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 【副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン】( corticotropin-releasing hormone )
 視床下部の略号 CRH のペプチド系ホルモン。下垂体 前葉に到達し副腎皮質刺激ホルモン( ACTH )の分泌を促進する。
 関連ページ : 視床下部・下垂体   
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 【副腎皮質ホルモン】( corticosteroid )
 副腎皮質で産生されるステロイド系ホルモンの総称をいい,機能から 3 つ(糖質コルチコイド,鉱質コルチコイド,性ホルモン)に分類される。
 関連ページ : 主な内分泌器官   
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 【複製工場】( replication factory )
 ⇒複製装置
 関連ページ : DNA , RNAとは   
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 【複製装置】( replication machinery )
 DNAの複製伸長段階で機能する複合体で,複製工場,レプリソームまたはDNAレプリカーゼ系とも呼ばれる。DNA ヘリカーゼによりほどけた ssDNA 上に形成するDNA複製に関与する因子で構成された複合体。
 関連ページ : DNA , RNAとは   
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 【複製フォーク】( replication fork )
 DNAの複製伸長段階において,複製前の dsDNA が ssDNA にほどけられる分岐点をいう。
 関連ページ : DNA , RNAとは   
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 【複層ガラス】( multi-layered glass )
 数枚の板ガラスの間に気体封入又は真空とし,断熱,結露防止,遮音,防犯を目的としたガラスである。
 関連ページ : ガラス   
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 【複素環式化合物】( heterocyclic compound )
 ⇒環式化合物
 関連ページ : 分子構造による分類   
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 【複素芳香族化合物】( heteroaromatic compound )
 環構造にヘテロ原子(炭素,水素以外の元素)を含む芳香族化合物。2種類以上の元素により構成される複素環式化合物の中で芳香族性のあるものをいい,環の大きさ,縮合状態,複素元素や電荷の存在などベンゼンとは異なる構造を有するものが多数存在する。
 関連ページ : 分子構造による分類   芳香族化合物とは   
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 【不けん化物】( unsaponifiable matter )
 生化学や栄養学では,生体由来の脂質の中で,アルカリ液(水酸化カリウムアルコール溶液)による加水分解(けん化)を受けなかった成分をいう。不けん化物は,ステロール( 3位にヒドロキシ基を持つステロイド),色素,脂溶性ビタミンなど,一般的な油脂の中に 0.5 %程度存在する。
 関連ページ : 脂質とは   
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 【不織布(ふしょくふ)】( non-woven fabric )
 製織しないで各種の方法によって,繊維をシート状にした布( JIS L0206 「繊維用語(織物部門)」)。
 機械的,化学的,熱的などで繊維を固着したり,絡み合わせたりして作られるシート状の構成物( JIS K7010 「繊維強化プラスチック用語」)。
 関連ページ : FRP 関連用語   繊維関連用語   
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 【不斉炭素】( asymmetric carbon atom )
 分子中の1つの炭素原子が異なる 4 つの置換基を有するとき,その炭素原子(不斉炭素)をいう。
 関連ページ : エナンチオマー(光学異性体)   アミノ酸の構造   
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 【ブタジエンゴム】( butadiene rubber )
 ブタジエン( CH2=CH-CH=CH2 )のツィーグラー・ナッタ触媒( Ziegler-Natta catalyst )による溶液重合で合成される。
 シス-1,4結合が 96 %以上の立体規則性ポリマー(高シスBR )である。低シスBR(シス-1,4結合 10~35%,トランス-1,4結合 57~66%)はリチウム系触媒の溶液重合あるいは乳化重合によって製造される。天然ゴム(NR)やSBRとブレンドされて各種タイヤに用いられる。
 関連ページ : ゴム(エラストマー)とは   
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 【不確かさ】( uncertainty )
 合理的に測定量に結びつけられ得る値のばらつきを特徴づけるパラメータ。これは測定結果に付記される。( JIS Z 8103「計測用語」)。
 不確かさ(誤差)には,個人誤差,系統誤差,偶然誤差が含まれる。
 JIS Z 8103「計測用語」の備考欄
 備考1. パラメータは,例えば,標準偏差(又はその倍数)であっても,又は信頼水準を明示した区分の半分の値であってもよい。
 備考2. 測定の不確かさは,通常,多くの成分からなる。それらの成分の一部は,一連の測定結果の統計的分布に基づいて推定可能で,試料標準偏差で示すことができる。その他の成分は,経験又は他の情報に基づいてだけ推定が可能である。
 備考3. 測定の結果は,測定量の値の最良推定値であると理解されている。また,補正や参照標準に付随する成分のような系統効果によって生じる成分も含めた,すべての不確かさの成分はばらつきに寄与すると理解されている。
 関連ページ : 結果の表し方   検量線を用いた定量   
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 【不確かさの伝ぱ則】( law of propagation of uncertainty )
 測定量を与える入力量に関する関係式と各入力量に関する標準不確かさなどから測定量の合成標準不確かさを求める法則。
 関連ページ : 結果の表し方   
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 【フタル酸】( phthalic acid )
 示性式 C6H4(COOH)2 の芳香族カルボン酸(ベンゼンジカルボン酸)。
 ベンゼンジカルボン酸には 3 種の異性体があり,オルト体をフタル酸,メタ体はイソフタル酸,パラ体はテレフタル酸という。
 関連ページ : カルボン酸とは   カルボン酸の製法   ポリウレタン樹脂   芳香族化合物とは   
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 【ブタン酸】( butanoic acid )
 飽和のモノカルボン酸
 関連ページ : カルボン酸とは   
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 【ブタンジオール】( butanediol )
 分子式 C4H10O2で,4つの構造異性体のある多価アルコール( 1,2-ブタンジオール,1,3-ブタンジオール,1,4-ブタンジオール,2,3-ブタンジオール)。1,4-ブタンジオールは,ポリエステルポリオールの合成に用いられる
 関連ページ : ポリウレタン樹脂   
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 【付着】( abherence )
 二つの表面が界面に働く力でつなぎ合わされている状態。(注) 付着は接着剤を使用し,又は使用しないでも達成できる。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
 関連ページ : プラスチックの記号と関連用語   
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 【ブチルゴム】( butyl rubber )
 ⇒イソブチエン・イソプレンゴム
 関連ページ : ゴム(エラストマー)とは   
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 【物質】( material,substance,matter )
 物質は,ろ過,蒸留,再結晶などの物理的な方法では分離できない純物質と複数の純物質に分離可能な混合物( mixture )に分けられる。
 混合物は,複数の純物質の混合割合がどの部分をとっても同じになる均一混合物( homogeneous substance :海水,空気など)と採取する部分によって混合割合が異なる不均一混合物( heterogeneous substance :岩石,牛乳など)に分けられる。
 関連ページ : 物質の構造   
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 【ふっ素樹脂】( fluorocarbon polymers )
 結晶性スーパーエンジニアリング・プラスチック。
 ふっ素の占める割合で,ポリテトラフルオロエチレン( PTFE )の完全ふっ素化樹脂,ポリふっ化ビニル( PVF ),ポリふっ化ビニリデン( PVDF ),ポリクロロトリフルオロエチレン( PCTFE )などの部分ふっ素化樹脂,ペルフルオロアルコキシアルカン樹脂( PFA ),ペルフルオロ(エチレン-プロピレン)樹脂( FEP ),六ふっ化エチレンプロピレン樹脂( PFEP ),エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体( E/TFE )などのふっ素化樹脂共重合体に分けられる。
 関連ページ : プラスチックとは   熱可塑性・エンプラなど   FRP とは   
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 【沸点上昇】( elevation of boiling point )
 溶媒に不揮発性溶質を溶解すると,蒸気圧が降下する結果として,沸点が上昇する。沸点上昇度は溶質の濃度に比例する。
 関連ページ : 希薄溶液の性質:はじめに   希薄溶液の性質:沸点上昇   
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 【ふっ素ゴム】( fluororubber , fluorine-containing rubber )
 ふっ素( F )を含む合成ゴムの総称である。ふっ化ビニリデンと六ふっ化プロピレンあるいは五ふっ化プロピレンの共重合体が代表である。
 市場の 8 割りは,ふっ化ビニリデン系( FKM )ふっ素ゴムが占める。耐熱性,耐油性,耐薬品性がゴムのなかでもっとも優れ,自動車,船舶,航空,一般機器,ケミカルプラントなどで,耐熱性,耐油性,耐薬品性が求められる部品に用いられる。
 関連ページ : ゴム(エラストマー)とは   
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 【ふっ素含有ポリオール】( )
 ポリウレタン合成に用いられる耐候性に優れるポリマーポリオールで,クロロフルオロエチレン(例えばF2C=CFCl)とビニルエーテル類との交互共重合からなる樹脂。
 関連ページ : ポリウレタン樹脂   
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 【プテロイルグルタミン酸】( Tetrahydrofolic acid )
 ⇒ビタミンB9
 関連ページ : 酵素(はじめに)   水溶性ビタミン    
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 【不動態】( passive state )
 標準電位列で卑な金属であるにもかかわらず,電気化学的に貴な金属であるような挙動を示す状態
 一般的には,金属をとり囲む環境の影響で,電気化学列で卑な金属(腐食しやすい金属)が,表面を酸化物で覆われるなどして本来の活性を失い,貴な金属のように挙動する状態を不動態といい,この状態になることを不動態化(passivity)と理解されている。
 不動態化は,酸化力のある酸にさらされた場合,陽極酸化処理によっても生じる。不動態となる酸化被膜(不動態被膜)の典型的な厚みは,数 nm である。
 すべての金属が不動態となるわけではなく,不動態になりやすいのは,アルミニウム,クロム,チタンなどやその合金である。
 関連ページ : 金属のイオン化傾向   
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 【ブドウ糖】( glucose )
 ⇒グルコース
 関連ページ : 環状構造の単糖   糖の代謝   
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 【ブヒャラー反応】( Bucherer reaction )
 芳香族アミンの芳香環に直結するアミノ基を,亜硫酸水素ナトリウムで水酸基に変えフェノールを得る方法。
 関連ページ : フェノール   
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 【部分ふっ素化樹脂】( )
 完全ふっ素化樹脂の特性を多少犠牲するが,欠点の加工性が改善されている。
 関連ページ : 熱可塑性・エンプラなど   
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 【不飽和化合物】( unsaturated compound )
 炭素骨格の炭素−炭素結合に二重結合や三重結合などの不飽和結合( unsaturated bond )を持つ化合物。
 関連ページ : 脂肪族炭化水素   
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 【不飽和脂肪族化合物】( unsaturated compound )
 分子内に炭素-炭素間の二重結合や三重結合をもつものを
 関連ページ : 分子構造による分類   不飽和脂肪族の特徴   脂質の同化   
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 【不飽和ポリエステル】( unsaturated polyester resin )
 後で不飽和の単量体又はプリポリマーと架橋反応し得る重合体連鎖中の炭素−炭素不飽和結合をもつことを特徴とするポリエステル( JIS K 6900 「プラスチック―用語」)。
 すなわち,ポリエチレンテレフタレート( PET )などのポリエステル樹脂の一種で,不飽和の多価カルボン酸とポリアルコールの共重縮合( エステル生成反応)で得た不飽和ポリエステルをプリポリマーとし,これを不飽和結合をもつビニルモノマーに溶解し,加熱硬化で得た熱硬化性樹脂である。
 関連ページ : FRP とは   プラスチックとは   不飽和ポリエステル樹脂   
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