腐食概論:腐食の基礎

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  【均一腐食:表面の揺らぎ】

 イオンや酸素の濃度差があると,「局部腐食:酸素濃淡電池」で解説するように,濃淡電池が形成される。濃淡電池の電位差は,基本的にはネルンストの式に従う起電力で説明される。
 
      ネルンストの式:E=E0+(RT/zF) ln(Ox/Red)
      ここに,E0:標準電極電位,R:気体定数,T:絶対温度,z:反応に含まれる電子数
          F:ファラデー定数,Ox:酸化側の活量,Red:還元側の活量
 
 溶存酸素濃度がOx1からOx2に変化した場合の電位差⊿Eは次式で計算される。
 
      ⊿E=(RT/4F) ln(Ox1・Red2/Ox2・Red1)
 
 多少強引ではあるが,雰囲気温度20℃,還元側の水酸イオンは拡散し,酸素濃度変化ほどの活量変化がなく,無視できると仮定すると,
 
      ⊿E≒15×10-3・log(Ox1/Ox2)
 
 となり,濃度差が10倍のときに約15mV,100倍ときで30mVの電位差が発生する。なお,式から溶存酸素濃度の低い方がアノードとなる。
 実際には水酸イオンの影響を無視できないが,溶存酸素濃度の低い方がアノードになることの原理として説明した。
 
 同様に,鉄イオンの濃度差でも電池が形成される。鉄イオンは,水膜中で加水分解や酸塩基反応で固体の水酸化鉄(Ⅱ)として除去されるため濃度差を的確に予測できないが,鉄イオン濃度の低い方がアノードになる。
 すなわち,腐食開始後しばらくすると,アノードの表面が溶解し鋼表面の不均一差が変化するとともに,環境の不均一が進む。
 極端な例であるが,下図に示すイメージのすように,ある段階でアノードがアノードであり続けるのが困難になるとともに,カソードの中にアノードになりうる個所が発生し,アノードの移動が起きる。
 実際には,水酸化鉄(Ⅱ)や含水酸化鉄が鋼表面に沈着し,腐食関連成分の拡散障害になるなど複雑な過程を含むが,鋼表面の形状等の変化と環境の不均一を原因とするアノードの移動により均一腐食になると考えられる。

均一腐食(ミクロセルの移動)イメージ図

ミクロセルの移動(イメージ図)

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