社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,タ行 “ち”の用語を  ちあ~ちゆ,  ちよ~ちん  に分けて紹介する。

 用語一覧 ちよ~

超厚膜型エポキシ樹脂塗料 】  , 【 潮位 】  , 【 超音波板厚測定 】  , 【 超音波洗浄 】  , 【 超音波探傷試験 】  , 【 超音波膜厚計 】  , 【 潮解 】  ,

長期耐久性 】  , 【 長期防せい(錆)型塗装 】  , 【 調合 】  , 【 超高層建築物 】  , 【 調合ペイント 】  , 【 調査(鉄道) 】  , 【 調査(道路) 】  , 【 調色 】  ,

潮汐(ちょうせき) 】  , 【 長油 】  , 【 長油性フタル酸樹脂(塗料) 】  , 【 調理器具(アルミニウム製加熱調理器具) 】  , 【 チョーキング(塗膜の) 】  , 【 直弦トラス 】  , 【 直接暴露試験 】  , 【 直達日射計 】  , 【 直達日射量 】  ,

貯槽(アルミニウム製貯槽の構造  】  , 【 貯蔵安定性 】  , 【 沈降炭酸カルシウム 】  , 【 沈降防止剤 】  , 【 沈降硫酸バリウム 】  , 【 沈着

 用語の概要と関連ページ


 【超厚膜型エポキシ樹脂塗料】( )
 一度の塗付けで非常に厚い膜(一般的には 300μm以上)を得るため,低粘度の液状エポキシ樹脂とポリアミン,ポリアミドなどの硬化剤を使用し,溶剤含有量の低いハイソリッド型や無溶剤形のエポキシ樹脂塗料。
 関連ページ : 塗料各論:防食用エポキシ樹脂塗料 ,  防食塗装系:道路:塗装系摩擦接合部用 ,  防食塗装系:鉄道:特定部位用 ,  防食塗装系:鉄道:塗替え特定部位用 ,  
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 【潮位】( tide level )
 基準面から測った海面の高さで、波浪など短周期の変動を平滑除去したもの。防災気象情報における潮位は「標高」で表す。
 「標高」の基準面として東京湾平均海面(TP)を用いるが、島嶼部など一部では国土地理院による高さの基準面あるいは平均潮位(MSL)等を用いる。
 関連ページ : 鋼の腐食:海洋環境(環境区分) ,  
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 【超音波板厚測定】( ultrasonic thickness measurement )
 UTM と略記され,金属,非金属及び超音波を透過させる材料に関し,超音波により共振を起こして厚さを測定ができる。測定が容易で使用実績が多数あり,信頼できる方法の一つである。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,  
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 【超音波洗浄】( ultrasonic cleaning )
 金属製品を清浄にする場合に,液中で超音波によって起こるキャビテーション現象を応用し,清浄力を高めて清浄にすること。清浄液としてはハロゲン化炭化水素系溶剤,石油系溶剤,アルカリ脱脂水溶液,乳剤クリーナーなどを用いる。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 洗浄液中に超音波を発振し,品物に微振動を与える洗浄方法。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
 超音波によって,被めっき物及び洗浄液に微振動を与えて行う洗浄。【JIS H 0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・試験片準備 ,  
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 【超音波探傷試験】( ultrasonic testing )
 UT と略記され,超音波パルスを与え,その反射を計測することで。超音波を透過させる材料の亀裂等の欠陥の検出,その位置の判別も可能となる。
 関連ページ : 防食基礎:ライニング鋼管の設計施工 ,  
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 【超音波膜厚計】( ultrasonic thickness gauge )
 JIS K5600-1-7 「塗料一般試験方法−第1部:通則−第7節:膜厚」 に規定する測定法 10で,塗膜を通過する超音波パルスの伝ぱ(播)時間から探触子と素地の間の距離(膜厚)を求める方法である。⇒ 乾燥膜厚(塗膜)
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,  
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 【潮解】( deliquescence )
 対象とする物質(固体)の飽和水溶液の水蒸気圧と問題とする環境の水蒸気の分圧(湿度)を比較し,環境の水蒸気の分圧が大きい場合に,物質が環境中の水分子を吸収し,物質を含む水溶液を形成する現象をいう。
 固体が残存している場合は,飽和水溶液を形成する。固体がすべて水溶液になった後は,水溶液の水蒸気圧が環境の水蒸気分圧に一致する濃度まで希釈される。この現象を起こす物質には,塩化マグネシウム(MgCl2), 水酸化ナトリウム(NaOH),塩化カルシウム(CaCl2) ,クエン酸(C6H8O7)などがある。
 関連ページ : 鋼の腐食:海塩粒子の影響 ,  防食基礎:水分除去 ,  腐食基礎:均一腐食(潮解) ,  腐食基礎:汚染表面の濡れ ,  
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 【長期耐久性】( long-term durability. )
 ⇒ 耐久性
 関連ページ : 防食設計:防食設計の前提 ,  塗膜の評価:塗膜品質の分類 ,  
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 【長期防せい(錆)型塗装】( long-term rust prevention coating, high performance coating )
 重防食塗装を腐食性の激しい環境以外に適用し,従来の塗装より長期の防せいを図る場合に,JIS Z0103「防せい防食用語」での用語定義“重防食塗装”と矛盾するので,“長期防せい型塗装”と称する場合がある。⇒ 重防食塗装
 関連ページ : 塗料概論:長期防錆用塗料の登場 ,  
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 【調合】( mixing )
 2種又はそれ以上の物を決められた分量で混ぜ合わせること。
 関連ページ : 塗装概論:塗装施工管理 ,  
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 【超高層建築物】( skyscraper )
 建築基準法第二十条(構造耐力)では,高層建築物の定義はないが,高さ60m を超える建築物と 60m 以下の建築物に異なる基準を定めている。このため,高さが60mを超える建築物を超高層建築物と解される場合が多い。また,超高層建築物を一般的な高層建築物より著しく高い建築物(高さ100m以上,高さ150m以上など)として定義されることもある。
 なお,超高層ビルに相当する英語 Skyscraper を用いる場合は,時代により異なるが,今は 40階以上( 150m 以上)を指すことが多いようである。
 関連ページ : 社会資本:建築 ,  
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 【調合ペイント】( ready-mixed paint )
 特にボイル油を加える必要がなく,かき混ぜて一様にすれば,はけですぐ塗れるように製造したペイント。油性調合ペイント,合成樹脂調合ペイントなど。JIS K 5511「油性調合ペイント」,JIS K 5516「「合成樹脂調合ペイント」」参照。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:歴史(日本の油性塗料) ,  塗料概論:塗料の近代化 ,  塗料概論:分類(形態,機能) ,  塗料各論:塗料分類(形態別分類) ,  
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 【調査(鉄道)】( survey, inspection, investigation, examination )
 構造物の状態やその周辺の状況を調べる行為。
 関連ページ : 維持管理(鉄道) ,  
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 【調査(道路)】( survey, inspection, investigation, examination )
 点検に引き続いて,補修等の対応策を講ずるための損傷特性を詳細に把握するもの。
 関連ページ : 維持管理(道路) ,  
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 【調色】( color matching )
 数色の塗料を混合して,得られる塗膜の色が,希望の色になるようにする作業。色合せともいう。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:着色顔料 ,  塗膜の評価:測色(色差) ,  
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 【潮汐(ちょうせき)】( tide )
 約半日の周期でゆっくりと上下に変化する海面の水位(潮位)の昇降現象のこと。
 関連ページ : 鋼の腐食:海洋腐食環境区分 ,  
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 【長油】( )
 ⇒ 油長,アルキド樹脂
 関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂塗料 ,  
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 【長油性フタル酸樹脂(塗料)】( long oil alkyd resin )
 ⇒ アルキド樹脂,アルキド樹脂塗料,合成樹脂調合ペイント
 関連ページ : 塗料概論:塗料の近代化 ,  塗料概論:塗料の分類(材料) ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:長油性フタル酸樹脂塗料 ,  塗料各論:JISフタル酸樹脂塗料 ,  防食塗装系:防食塗装に用いる塗料 ,  
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 【調理器具(アルミニウム製加熱調理器具)】( Aluminium cookwares )
 主として家庭で使用するアルミニウム製加熱調理器具について,JIS S 2010「アルミニウム製加熱調理器具:Aluminium cookwares」に規定されている。2010年の改訂で「アルミニウム板製品器物」⇒「アルミニウム製加熱調理器具」
 関連ページ : 金属概論:アルミ関連JIS規格 ,  
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 【チョーキング(塗膜の)】( chalking, powdering )
 表面が粉末状になる現象。主として光による劣化が原因である。自亜化ともいう。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
 関連ページ : 塗膜の試験規格:白亜化の等級 ,  
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 【直弦トラス】( parallel-chord truss )
 トラス形式において,上下弦材が平行しているもの。平行弦トラスともいう。
 関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋 ,  防食塗装系:鋼橋の構造例 ,  
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 【直接暴露試験】( direct outdoor exposure test, direct exposure test )
 日照,雨,雪,風などの自然状態における大気環境下で試料を直接暴露する試験方法。【JIS Z 2381「大気暴露試験方法通則」】
 関連ページ : 防食基礎:大気暴露試験 ,  塗膜の評価:耐候性 ,  塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【直達日射計】( pyrheliometer )
 ⇒ 日射計,ピレリオメータ
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【直達日射量】( direct solar radiation )
 太陽から観測点に直接差し込む光の日射量。
 関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,  
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 【貯槽(アルミニウム製貯槽の構造 】( Construction of Welded Aluminium and Aluminium Alloy Storage Tanks )
 高さ 8m 以下のアルミニウム及びアルミニウム合金製溶接構造のたて円筒形固定屋根貯槽であって,常圧で液状の化学薬品などを貯蔵するもの(貯槽)の構造について,JIS B 8502「アルミニウム製貯槽の構造:Construction of Welded Aluminium and Aluminium Alloy Storage Tanks」に規定されている。
 関連ページ : 金属概論:アルミ関連JIS規格 ,  
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 【貯蔵安定性】( storage stability )
 貯蔵しても変質しにくい性質。塗料を一定の条件で貯蔵した後塗ってみて,塗る作業はできた塗膜に支障がないかどうかを調べて判定する。【JIS K5500「塗料用語」】
 塗膜,塗装系及び類似の製品の,高湿度条件に対する耐久性を測定するための方法については,JIS K 5600-2-7「塗料一般試験方法−第2部:塗料の性状・安定性−第7節:貯蔵安定性」(Testing methods for paints−Part 2 : Characteristics and stability of paints Section 7 : Storage stability)に規定されている。
 関連ページ : 塗料評価:はじめに ,  
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 【沈降炭酸カルシウム】( precipitated calcium carbonate )
 石灰石を焼成して生石灰を作り,水に分散させて石灰乳とし,焼成のときに発生した二酸化炭素を反応させ,沈降させて作るか,副産物である塩化カルシウム溶液と炭酸ナトリウム溶液とを反応させ,沈降させて作った白い粉末。体質顔料として用いる。
 関連ページ : 塗料概論:構成(防せい・体質顔料 ,  
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 【沈降防止剤】( anti-settling additive, pigment sedimentation-preventing agent )
 塗料の添加剤として用いられるものは,液体系の塗料において,顔料や充填剤の沈澱(settling),沈降(sedimentation)を防止する添加剤。増粘剤としても作用する。
 関連ページ : 塗料概論:塗料副要素(添加剤) ,  
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 【沈降硫酸バリウム】( precipitated barium, sulfate, blane fixe )
 重晶石を還元して作った硫化バリウムの水溶液に硫酸ナトリウム溶液を加えて反応させて作った白い粉末。体質顔料として用いる。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K 5115「沈降性硫酸バリウム及びバライト粉(顔料)」参照
 関連ページ : 塗料概論:構成(防せい・体質顔料 ,  
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 【沈着】( deposition )
 deposition ;物が底にたまって付着すること。 calmness , composure , equanimity , cool , ;物事に動じないこと。落ち着いていて驚かないこと。または,その様。
 関連ページ : 鋼の腐食:水質(陽イオン)の影響