化 学 (無機化学)

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 ここでは,通信機器の端末,表示に用いる発光ダイオードに関連して,【発光ダイオードとは】【フォトダイオードの動作原理】【発光ダイオードの動作原理】【発光ダイオードの種類】に項目を分けて紹介する。

 【発光ダイオードとは】

 通信機器や端末の動作・情報表示や照明などで,省電力装置として用いられる発光ダイオード( light emitting diode : LED )は,類似の用語フォトダイオード( Photodiode )とは異なる材料である。はじめに,両者の違いを紹介する。
 
 フォトダイオードとは,JIS Z 8113 「照明用語: Lighting vocabulary 」では“ 2 種類の半導体 p-n 接合又は金属と半導体とのショットキー接合の近傍で吸収された放射によって発生する光電流を利用する光電検出器。”と定義されている。
 光電流の発生は,光起電効果( photovoltaic effect )と呼ばれ,光検出器や CCD ,太陽電池の原理として活用されている。
 光起電効果とは,“金属と半導体の接触部又は半導体の接合部に光を照射すると,光を吸収して,その界面に自由キャリア対を生じ,正負の電荷がそれぞれ界面にできた電界によって移動し,負荷側が開路になっていると,電位差すなわち起電力を発生する現象。”と定義されている( JIS Z 8113 )。
 似た用語の光電効果( photoelectric effect )は,“物質が光を吸収して自由電子(伝導電子を含む。)を生じる現象。電気伝導度の増加又は起電力が表れる内部光電効果と,固体表面から光電子が放出される外部光電効果とがある。”と定義( JIS Z 8113 )され,光起電効果とは異なる。。
 
 発光ダイオードとは,JIS Z 8113 「照明用語: Lighting vocabulary 」では“電子流によって励起されたとき,光放射を放出する p-n 接合をもつ個体デバイス。”と定義されている。
 具体的には,pn接合の順方向に電圧を加えた際に,エレクトロルミネセンス電界発光)効果で発光する半導体素子である。
 発光ダイオードは,省電力の掲示板などのディスプレイや照明,光ダイオードと組み合わせたリモコンなどの光通信などに広く活用されている。
 エレクトロルミネセンス( electroluminescence )とは,気体又は固体物質中で,電界の作用によって生じるルミネセンス( JIS Z 8113 )。
 ルミネセンス( luminescence )とは,物質中の原子,分子又はイオンの粒子が,熱的じょう乱以外のエネルギーによって励起された結果として生じる,物質によって定まったある波長又は波長領域に対して同じ温度におけるその物質からの熱放射以上に及ぶ光学的放射の放出( JIS Z 8113 )。

 

 【フォトダイオードの動作原理】

 pn 接合の半導体に充分なエネルギーを持つ光(半導体種で決まる特定の波長より短い光)が入射すると,半導体内の電子が励起され,空乏層で生成した電子は N 層へ,正孔は P 層へ流れ,N 層で生成した電子は N 層に残り,正孔は空乏層を通り P 層へ流れ,P 層で生成した電子は空乏層を通り N 層へ流れ,正孔は P 層に残る。
 結果として,電子は N 層に,正孔は P 層に集まるように働くので,外部との接続により,光の強度に比例する電流が発生する。

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 【発光ダイオードの動作原理】

 pn 接合“整流性”の解説で説明したように,発光ダイオードの外部から内部電解を打ち消す(ドナーレベル ED >アクセプタレベル EA の方向)ように電位を与えると,過剰の電子と正孔が空乏層に注入され電流が流れる。
 電位がある値(半導体種で決まる)を超えると,伝導帯の電子と価電子帯の正孔が pn接合部(空乏層)付近で禁制帯を越えて再結合する。この際に禁制帯の幅(バンドギャップに相当する狭い範囲のエネルギーを持つ光が放出される。なお,発光量は,外部電位には依存せず,電流量に比例する。

 pn 接合型 光ダイオードと発光ダイオード原理図

pn 接合型 光ダイオードと発光ダイオード原理図
元図出典:甲南大学工学部物理学科半導体/電子デバイス物理

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 【発光ダイオードの種類】

 発光ダイオードから放出される光の波長(エネルギー)は,pn 接合を形成する素材の禁制帯の幅(バンドギャップにより決まる。すなわち,発光する光の色は,半導体の材料により異なる。
 
 主な素材と得られる色の関係は,アルミニウムガリウムヒ素( AlGaAs :赤外線,赤),ガリウムヒ素リン( GaAsP :赤,橙,黄),インジウム窒化ガリウム: InGaN /窒化ガリウム: GaN /アルミニウム窒化ガリウム: AlGaN などの窒化ガリウム系(緑,青,紫,紫外線),リン化ガリウム( GaP :赤,黄,緑),セレン化亜鉛( ZnSe :緑,青)などがある。
 
 LED照明の調色は,青,赤,緑など光の三原色に相当する発光ダイオードを用いて色表現する方法,補色関係にある2 色の混合による橙色から白色に調色する方法が用いられる。他に,白色を得るには,青や紫外線の発光ダイオードの表面に塗布した蛍光塗料の発光を利用する方法がある。

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