化 学 (有機化学)

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 ここでは,有機化合物の一般的な分類に従い,【有機化合物分類の考え方】【研究分野による分類】【用途での分類】に項目を分けて紹介する。

 【有機化合物分類の考え方】

 有機化合物の一般的な分類に関する考え方を紹介する。
 
 天然物と人工物
 一般的には,食品分野などでは,有機化合物を天然物(生物由来)と人工物(人為的に合成)に区分することが多い。
 例えば,肥料に人工物の有機化合物を一切用いずに天然物のみを用いた農業を有機農業と称している。なお,「有機農業の推進に関する法律」(平成 18 年 12 月制定)では,“有機農業とは,化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として,農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。”と定義している。
 
 食品以外の化学関連の分野では,天然物と人工物を積極的に区分する意義が小さい。このため,化合物の構造・特性 による分類,研究分野による分類,用途による分類などが用いられる。
 有機化学分野で一般的な分子構造による分類,及び化合物の特性に影響する置換基,特性基,官能基)による分類については,別に項目を設けて紹介する。

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 【研究分野による分類】

 石油化学分野などの多くの場合は,有機化学分野での分類が基本である。しかし,研究分野によっては,その分野の歴史的な理由で固有の分類を用いることも多い。それらの例を次に紹介する。
 
 食品,健康分野
 大豆油,亜麻仁油などの脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物である脂質,それ以上加水分解されない糖(単糖: monosaccharide )を構成成分とする糖質( glucides :いわゆる炭水化物: carbohydrates ),多種のアミノ酸( amino acid )が鎖状に連結した蛋白質( protein )などがある。
 
 生化学分野
 生化学分野で扱われることの多い物質である。例えば,塩基,糖,リン酸からなるヌクレオチド( nucleotide )がリン酸ジエステル結合で連なった核酸( DNA・RNA ),生体内の化学反応における触媒として機能する酵素( enzyme ),酵素反応で原子団の授受を行うビタミンなどの補酵素( coenzyme ),生体内の特定の器官の働きを調節するためのホルモン( hormone ),神経細胞間で情報を伝達する神経伝達物質( neurotransmitter ),ある種の微生物が他の微生物など生体細胞の増殖や機能を阻害するために生産する抗生物質( antibiotics ),疾病の検査,治療,予防に関わる医薬品( medical supplies )などがある。
 
 高分子材料分野
 高分子化合物( high polymer )とは,分子量が概ね 1 万を超える化合物をいう。高分子化合物は,鉱物,ガラスなどの無機高分子化合物,油脂,タンパク質などの天然有機高分子化合物,プラスチック,エンジニアリングプラスチックと呼ばれる合成樹脂,FRPなどの複合材料,合成繊維,合成ゴム(エラストマー)などの合成有機高分子化合物などがある。
 機能性材料分野
 触媒,センサー,エネルギー変換等で必要とされる機能性材料の例として,ホスト分子の三次元網目構造の中にできるすき間に,ゲスト分子と呼ばれる他の原子または分子が一定の組成で入りこんでできる巨大な化合物のシクロデキストリン,クラウンエーテル,クリプタンド),カリックスアレーンなどはクラスレート化合物( clathrate compound )又は包接化合物( inclusion compound )といわれ,人工酵素の研究などに用いられている。

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 【用途での分類】

 有機化合物の用途別の分類では,染料(色素・塗料),有機溶剤,農薬,工業薬品,殺虫剤,除草剤,香料,充填剤,接着剤,プラスチック,合成繊維,エンジニアリングプラスチックなど数多くの分類がある。
 この中で,法規制を受ける物質の分類には,
 「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法や薬事法と呼ばれる)に規制される医薬品,動物薬,医薬部外品,化粧品など,
 「毒物及び劇物取締法」に規制される毒物,劇物,特定毒物など,
 「麻薬及び向精神薬取締法」に規制される麻薬,覚せい剤,向精神薬などがある。
 他に,「食品衛生法」に規制される食品添加物,「消防法」,「高圧ガス保安法」,「労働安全衛生法」,「火薬類取締法」などで規制される危険物などがある。

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