化 学 (生化学)
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ここでは,生体物質の代表的な糖,糖質,炭水化物の定義について紹介する。
【糖,糖質,炭水化物とは】
糖( sugar , saccharose )
広義では単糖( monosaccharide )を構成成分とする化合物の総称で,狭義では単糖を構成成分とする化合物の中の水溶性で甘味のあるものを指す。代表的なものには,しょ糖(サッカロース,砂糖),グルコースなどがある。
単糖とは,それ以上加水分解されない糖をいい,多価アルコールの最初の酸化生成物で,アルデヒド基( ‐CHO ),又はケトン基( >C=O )をひとつ持ち,ポリヒドロキシアルデヒド,又はポリヒドロキシケトンともいわれる。
2分子,3分子の単糖が脱水縮合したものを二糖,三糖という。数個の単糖が重合したものを総称してオリゴ糖,多数の単糖が重合したものを多糖と称する。
なお,単糖の構造には,直鎖構造と環状構造があり,アルデヒド基を持つ糖をアルドース( Aldose ),ケトン基を持つ糖をケトース( Ketose )と分類される。
糖質( saccharides )
糖を主成分とする有機化合物の総称で,脂質やタンパク質に対してよばれる用語である。なお,古くは炭水化物( carbohydrates )といわれており,栄養学では現在も炭水化物といっている。
糖質は,天然に存在する有機化合物の中で最も量の多い化合物である。糖質は,生物に必要不可欠な物質で,骨格形成,貯蔵,代謝等に広く用いられるため,たんぱく質,脂質と共に「三大栄養素」と呼ばれている。
糖質の多くは単糖が直鎖状もしくは枝分れのある鎖状に結合した高分子化合物(多糖類)である。
広義には糖質に,ポリアルコールやその酸(例えばグリセロール,ソルビトール,グリセリン酸,グルコン酸,グルクロン酸,グルコサミンなど)も含めるが,これらは糖という場合には区別される化合物である。
最も単純な糖には,グリセルアルデヒド,ジヒドロキシアセトンがある。
炭水化物( carbohydrate )
糖質の多くは,分子式 CmH2nOn で表すことができる。分子式を書き換えると,Cm(H2O)n とできるので,あたかも炭素に水が結合した物質のように見える。このため,糖質を炭水化物や含水炭素と呼んでいた。
しかし,デオキシリボース( C5H10O4 )など Cm(H2O)n で表すことができない糖質や,ホルムアルデヒド( CH2O )の様に Cm(H2O)n で表せても炭水化物と呼ばない物があるため,今日では,糖質と呼ぶ方が一般的になっている。
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