社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)
“社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
ここでは,カ行 “こ”の用語を こあ~こうき, こうく~こうす, こうせ~こうそ, こうた~こお, こか~こん に分けて紹介する。
用語の概要と関連ページ
【高耐候性圧延鋼】( Superior atmospheric corrosion resisting rolled steels )
SPA材と記され,車両,建築,鉄塔及びその他の構造物に用いる高い耐候性をもつ圧延鋼材で,品質については JIS G 3125「高耐候性圧延鋼材:Superior atmospheric corrosion resisting rolled steels」に規定されている。
関連ページ : 金属概論:鉄鋼製品JIS , 金属概論:耐候性鋼 , 防食塗装系:鋼橋の構造例 ,
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【光沢】( gloss, luster )
表面の選択的な方向特性によって,物体の明るい反射がその表面に写り込んでいるように見える見え方。【JIS Z 8120「光学用語」】
表面の方向選択特性のために,諸物体の反射ハイライトが,その表面に写り込んで見えるような見えのモード。【JIS Z8105「色に関する用語」】
光の反射(能力)で特徴付けられる表面の(光学的)性質。JIS Z 8105「色に関する用語」参照【JIS K5500「塗料用語」】 反射光によって感じられる物体表面の属性。正反射光成分の大小によって光沢の大小が定められる。つやともいう。【JIS H0201「アルミニウム表面処理用語」】
関連ページ : 塗装概論:塗膜変状と措置(経年変化) , 塗膜の評価:視覚特性とは , 塗膜の評価:鏡面光沢度 , 塗膜の評価:促進耐候性 , 塗膜の試験規格:促進耐候性 ,
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【光沢度】( glossiness )
正反射光の割合や,拡散反射光の方向分布などに注目して,物体表面の光沢の程度を一次元的に表す指標。【JIS Z8105「色に関する用語」】
関連ページ : 塗膜の評価:視覚特性とは , 塗膜の評価:鏡面光沢度 ,
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【高炭素鋼】( high carbon steel )
一般的には,炭素鋼(炭素含有率 0.02~約 2%の鋼)の中で,炭素含有量 0.6%以上をいう。なお,0.6%以下の炭素鋼(低炭素鋼,中炭素鋼)は広く使用され,普通鋼ともいわれる。⇒ 炭素鋼
関連ページ : 金属概論:鉄および鋼 ,
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【高張力鋼】( high tensile strength steels )
建築,橋,船舶,車両,自動車その他の構造物用及び圧力容器用として,通常,引張強さ 490 N/mm2以上で溶接性,切欠きじん性及び加工性も重視して製造された鋼材。冷延鋼板では引張強さ 340 N/mm2以上を高張力鋼という。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
関連ページ : 金属概論:鉄および鋼 , 鋼の腐食:鋼材の変遷 , 鋼の腐食:水素脆化 , 防食基礎:溶融めっき ,
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【光電子放出】( photoemission )
読み「こうでんしほうしゅつ」,物質に光(光子)を当てたとき、励起された物質内の電子が外部に放出される現象で,外部光電効果(がいぶこうでんこうか,external photoelectric effect)ともいわれる。
物体が金属の場合,光子が照射されると,光子のエネルギーが金属内の電子(自由電子)に与えられられる。この電子のエネルギーが金属の仕事関数φより大きいとき,自由電子は金属表面から外部に放出される。
光子のエネルギー(hν)の吸収に関するアインシュタインの方程式を金属の自由電子に適用すると, hν=φ(仕事関数)+eV(光電子のエネルギー) で与えられるので,光電子(こうでんし,photoelectron)のエネルギーを測定することで仕事関数が求められる。
関連ページ : 腐食基礎:仕事関数 ,
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【硬度(硬さ)】( hardness )
物質,材料の特に表面または表面近傍の機械的性質の一つ。
塗膜の硬度は,厚みが1mm以下と薄いため,参考の項に示す金属やゴムで採用されている押し込み法では,塗膜の変形以外に素地の影響が大きく計測困難である。このため,塗膜の硬度は,引っかき法を用いて評価されている。
試験方法の規格には,JIS K 5600-5-4「塗料一般試験方法-第5部:塗膜の機械的性質-第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」,JIS K 5600-5-5「塗料一般試験方法-第5部:塗膜の機械的性質-第5節:引っかき硬度(荷重針法)」がある。
参考:硬さの概念は,数値化して表現しようとする場合の試験方法の定義により様々な値を取る。硬さ試験では,金属,セラミックス,ゴムなどの材料特性により微小な変形を与える力に対する挙動がそれぞれ異なる。
材質により,ブリネル硬さ(押し込み),ビッカース硬さ(押し込み),ヌ―プ硬さ(押し込み),ロックウェル硬さ(押し込み),バーコール硬さ(押し込み),モノトロン硬さ(押し込み),ショア硬さ(反発硬さ),鉛筆硬さ(引っかき),マンテルス硬さ(引っかき)などがある。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・表面物性 , 塗膜の評価:機械的性質とは , 塗膜の評価:硬さ ,
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【鋼トラス橋】( steel truss bridge )
トラスとは,直線部材を三角形状に接合して組み合わせた構造をいう。
トラスには,斜材と弦材の形式によって,直弦トラス(上下の弦材が平行しているもの。平行弦トラスともいう。),曲弦トラス(上下の弦材が水平でないトラス。),ワーレントラス(斜材が上向き,下向きと交互になっているトラス,他のトラス形式に比べて剛性が大きく,使用鋼材が少なく,構造上有利なため鋼トラス橋によく使われる。 ),曲弦ワーレントラス(ワーレントラスの上弦材が水平でないトラス。),プラットトラス(斜材が中央に向かって下向きになっているトラス。),ポニートラス(スパンが短く,上方が解放された橋。)などがある。
関連ページ : 鋼橋構造:トラス橋 , 防食塗装系:鋼橋の構造例 ,
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【高濃度亜鉛末塗料】( zinc rich paint )
ジンクリッチペイントの一種で,亜鉛含有量 90%以上の物が多い。バインダーの含有量が少なく,塗膜の強度が不足するため,広い面積の防せい塗膜より,溶融亜鉛めっきの不めっき部の補修(JIS H 8641「溶融亜鉛めっき」)など局部の防食に用いられることが多い。このため,cold gaivanizing (compound) coating (常温亜鉛めっき塗料)などとも呼ばれている。⇒ ジンクリッチペイント
関連ページ : 金属概論:溶融亜鉛めっき鋼 , 塗料各論:ジンクリッチ系塗料 ,
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【鋼板】( steel plates, steel sheets )
平らに熱間圧延又は冷間圧延した鋼で,平板状に切断した鋼材。鋼帯からの切板も含む。ただし,平鋼は,含まない。【JIS G 0203「鉄鋼用語(製品及び品質)」】
関連ページ : 金属概論:鉄および鋼 , 鋼の腐食:結露の発生2 ,
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【交番磁界】( alternating magnetic field )
時間と共に,磁界の大きさと方向が繰り返し変化する磁界。
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・厚み測定 ,
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【孔食】( pitting corrosion )
読み「こうしょく」,金属内部に向かって孔状に進行する局部腐食。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
局部腐食が金属内部に向かって孔状に進行する腐食。【JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」】
関連ページ : 腐食概論:鋼の腐食とは ,
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【光明丹】( red lead primer, red lead paint )
日本で初めて製造された鉛丹の商品名。鉛丹は,四三酸化鉛を主成分とする朱顔料でさび止め顔料として用いる。⇒ 鉛丹
関連ページ : 塗料概論:歴史(日本の油性塗料) ,
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【鋼矢板】( steel sheet pile )
港湾,河川などの護岸工事や山止めに用いられる鋼製の矢板をいう。矢板とは,土砂の崩壊や水の浸入を防ぐため地盤に打ち込む板状の杭を指す。
鋼矢板は,断面の形状でハット型・U型・組み合わせ型・直線型の4種類に分けられる。
関連ページ : 社会資本:港湾設備 ,
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【高欄】( handrail )
橋の両側の地覆上に,通行する車両や人間の危険防止用に取り付けられたもの。 アルミニウム,鋳鉄,鋳鋼,鉄筋コンクリートなどの材料が用いられる。【新版図説土木用語辞典】
関連ページ : 橋梁関連の基礎用語 ,
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【高力ボルト】( high-tensile bolt, high strength bolt )
高張力鋼を用いた引張力の大きいボルト。摩擦力により接合する。
関連ページ : 鋼橋製作:接合・溶接 , 鋼の腐食:水素脆化 ,
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【高力六角ボルト】( high strength hexagon bolt, hexagon head high tensile bolt )
六角形の頭を持つ六角ボルト(hexagon head bolt)の一種。
建築(鉄骨製ビルなど)及び土木(橋りょうなど)に用いられる引張強さが高い六角ボルト(JIS B 1186「摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット」)。一般的には単に“高力ボルト”と呼ばれている。【JIS B 0101「ねじ用語」】
関連ページ : 鋼橋製作:ボルト継手 ,
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【航路】( track, route, line )
読み「こうろ」,港湾の水域施設の一つで,船舶などが海上または河川を航行するための通路。
関連ページ : 社会資本:港湾 ,
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【高炉】( blast furnace )
製鉄所の主要な設備で,鉄鉱石を熱処理して溶けた鉄を取り出す製鉄用溶鉱炉を指す。
関連ページ : 金属概論:金属利用の歴史 ,
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【港湾】( port and harbour )
読み「こうわん」,港・湊(みなと)とも呼ばれ,岬などの天然の地勢や防波堤などの人工構造物で風浪を防ぎ,船舶が安全に停泊し,人の乗降や荷役が行なえる海域と陸地を指す。
関連ページ : 社会資本:船舶史と港湾 ,
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【港湾構造物防食・補修マニュアル】( )
一般財団法人「沿岸技術研究センター」から平成9年に出版され,平成21年に改訂された海洋・港湾構造物の維持管理に関する参考図書。
関連ページ : 鋼の腐食:海洋環境(環境別腐食) ,
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【港湾法】( Port and Harbor Act )
港湾法(こうわんほう)は,港湾組織等を定めた法律,公布:昭和25年5月31日法律218号,最終改正:平成20年6月13日法律第66号
関連ページ : 社会資本:港湾 ,
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【コールタール】( coal tar )
コークスを製造する時にコークス炉で石炭を乾留して得られる副生成物の一つ。
関連ページ : 塗料各論:防食用エポキシ樹脂塗料 , 塗料各論:防食用変性エポキシ樹脂塗料