化学関連用語解説 (索引)

 ここでは,化学を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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 ハ行 ヒで始まる用語を  ( ヒア - ヒソ ) ,  ( ヒタ - ヒノ ) ,  ( ヒハ - ヒン ) に分けて紹介する。

 用語一覧  ハ行  ヒハ - ヒン

非破壊分析 】  , 【 比表面張力 】  , 【 ビフェニル 】  , 【 ヒュッケル則 】  , 【 ヒュッケル法 】  , 【 氷酢酸 】  , 【 標準光源 】  , 【 標準酸化還元電位 】  , 【 標準状態 】  , 【 標準水素電極 】  , 【 標準生成ギブスエネルギー 】  , 【 標準添加法 】  , 【 標準電極電位
 
標準物質( RM ) 】  , 【 標準偏差 】  , 【 漂白剤(食品添加剤) 】  , 【 表面化学分析 】  , 【 表面処理剤 】  , 【 表面張力 】  , 【 表面分析 】  , 【 平織 】  , 【 ピラノース 】  , 【 ピリジン 】  , 【 ピリドキサール,ピリドキサミン,ピリドキシン 】  , 【 ピリドキサールリン酸 】  , 【 ピリミジン塩基 】 
 
微量成分分析 】  , 【 微量分析 】  , 【 微量ミネラル 】  , 【 ビルダー(洗剤用) 】  , 【 ビルトイン補酵素 】  , 【 ピルビン酸 】  , 【 比例限界 】  , 【 疲労寿命 】  , 【 ビロード 】  , 【 ピロール 】  , 【 ピロガロール 】  , 【 ピロリジン-2-カルボン酸 】  , 【 ピロロキノリンキノン

 用語の概要と関連ページ


 【非破壊分析】( non-destructive analysis )
 試料の状態を変えないで行う化学分析。分野や状況により“その場分析”,“生きたままの分析”などともいう。
 関連ページ : 分析化学とは   化学分析の流れ   有機化合物の分析   
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 【比表面張力】( relative surface tension )
 水と試験液の表面張力の比。通常は滴容法によって求める( JIS K 3211「界面活性剤用語」)。
 関連ページ : 界面活性剤関連用語   
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 【ビフェニル】( biphenyl )
 2 つのフェニル基が単結合で共有結合した構造式 C6H5-C6H5 のポリフェニル系炭化水素(芳香族多環化合物)。
 関連ページ : 芳香族化合物とは   
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 【ヒュッケル則】( Hückel's rule )
 “ヒュッケルの 4n+2 則”ともいわれ,完全に共役したシクロポリエン(平面環状分子)のうちで,環の中にある π 電子の数が4n+2(n=0,1,2,…)のときに芳香族性が出現するという経験則。⇒芳香族性
 関連ページ : 芳香族化合物とは   
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 【ヒュッケル法】( Hückel method )
 ドイツのヒュッケルが提案した量子化学的手法を用いた分子軌道の計算法。
 関連ページ : ベンゼン   
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 【氷酢酸】( Acetic Acid , Glacial )
 酢酸は,食酢の酸味成分として知られる有機酸で,含有量 90 %以上の場合,室温で固体となるため,高含有量の酢酸は“氷酢酸”と呼ばれる。
 食品添加物の場合は,含有量 99 %以上のものを「氷酢酸」と呼んでいる。食品添加物としての酢酸は,化学的に合成したものになる。
 関連ページ : 甘味料,酸味料,苦味料,香料   
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 【標準光源】( standard light source )
 特定の分光分布,光度,光束などをもち,測光,測色の標準として用いられる光源。
 関連ページ : 無機化学(物体色の評価)   
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 【標準酸化還元電位】( standard redox potential ,standard oxidation-reduction potential )
 反応に関与する全ての化学種の活量が 1で,平衡状態にある時の熱力学的に求まる理論値である。
ギブズエネルギー変化⊿rG0 に対応する電位 E0 と定義される。
  rG0 = - zFE0
  ここで,z :酸化還元反応で授受される電子数,F :ファラデー定数( 96,485 C mol-1
一般的には,標準電極電位(standard electrode potential),標準電位(standard potential),標準還元電位(standard reduction potential)とも呼ばれる。
 関連ページ : イオン化傾向   標準酸化還元電位   参考(イオン化)   
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 【標準状態】( normal state )
 気体の標準状態には,基準の温度を 25℃(298.15 K)とする SATP (標準環境温度と圧力: standard ambient temperature and pressure ),基準の温度を 0℃( 273.15 K)とする STP (標準温度と圧力: standard temperature and pressure )である。
 気体の標準状態としては,現在は試験室環境に近い SATP ( 25 ℃ 100kPa )の使用が多い。しかし,気体関連のJIS 規格,日本の高等学校教育などでは STP ( 0 ℃ 100kPa )を標準状態とする場合がある。なお,1990年以前の圧力は,1気圧= 101.3325kPa を用いていた。
 関連ページ : 気体の状態方程式:標準状態とは   
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 【標準水素電極】( standard hydrogen electrode , SHE , normal hydrogen electrode , NHE )
 水素電極は,水素ガスの分圧 101.325 kPa ,水素イオンの活量 1 のとき,電極電位の基準として用いられる。全ての温度において,この電極の電位は IUPAC の規約によって 0 V と定められ,標準水素電極( SHE 又は NHE )という。
 関連ページ : 電極電位の測定   
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 【標準生成ギブスエネルギー】( standard Gibbs energy of formation )
 標準状態で一番安定な単体を原点に定め,単体から物質 1 mol を生成する反応のギブスエネルギー変化⊿G を測り,これを各物質の標準生成ギブズエネルギーと呼び,⊿f G0 で表す。なお,添え字の f は formationの頭文字である。
 関連ページ : 標準酸化還元電位   
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 【標準添加法】( standard addition method )
 標準添加法は,検量線法,内標準法での定量分析が困難な試料の分析に適用される方法である。
 関連ページ : 検量線を用いた定量   ガスクロによる分析   
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 【標準電極電位】( standard electrode potential )
 ⇒標準酸化還元電位
 関連ページ : 標準酸化還元電位   
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 【標準物質( RM )】( reference material )
 指定された性質に関して十分に均質,かつ,安定であり,測定又は名義的性質の検査において,意図する用途に適していることが立証されている物質
 関連ページ : 検量線を用いた定量   
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 【標準偏差】( standard deviation )
 分散の平方根の絶対値。実験で求めた場合は実験標準偏差ともいう。σで表す。
 関連ページ : 結果の表し方   
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 【漂白剤(食品添加剤)】( bleach )
 原料などに含まれる好ましくない色素成分や着色物質を漂白することで,鮮明な色調に整える目的で使用される。
 漂白剤には,酸化漂白剤(亜塩素酸ナトリウムなど)と還元漂白剤(亜硫酸ナトリウムなど)がある。使用基準により,使用できる食品が制限され,品質,鮮度等の判断を誤らせるおそれがある食品のごま,豆類,野菜への使用が禁止されている。食品別に使用量も規制されている。
 関連ページ : 発色剤,漂白剤,光沢剤   
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 【表面化学分析】( surface chemical analysis )
 固体表面の幾何学構造(表面原子配列,欠陥)や表面原子の状態(原子組成,結合状態その他),固体表面に吸着した化学種に関する諸現象の解析,定性・定量分析などの総称。
 関連ページ : 表面・局所分析   電子顕微鏡・電子線回折   電子衝突と局所・表面分析   
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 【表面処理剤】( coupling agent )
 強化材と樹脂との接着効果を高めるために用いる化合物で,同一分子の一端に強化材と反応するか,又は親和性のある官能基をもち,他端には樹脂と反応するか,又は親和性の官能基をもつ構造の化合物。備考:シラン系,クロム系,チタネート系などがある。 ( JIS K7010 「繊維強化プラスチック用語」)。
 関連ページ : 生活の中の有機材料   FRP 関連用語   
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 【表面張力】( surface tension )
 液体の表面に作用する表面積をできるだけ小さくしようとする力。液体表面の単位面積当たりの自由エネルギーで表す。( JIS K 3211「界面活性剤用語」)
 関連ページ : 界面活性剤関連用語   
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 【表面分析】( surface analysis )
 ⇒表面化学分析
 関連ページ : 表面・局所分析   
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 【平織】( plain weave )
 各よこ糸が 1 本のたて糸の上下を交互に通り,たて糸は 1 本のよこ糸の上下を交互に通っている組織( JIS L0206 「繊維用語(織物部門)」)。
 縦糸と横糸が 1 本ごとに交差する織り方( JIS K7010 「繊維強化プラスチック用語」)。
 関連ページ : FRP 関連用語   繊維関連用語   
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 【ピラノース】( Pyranose )
 環状構造が,5 つの炭素と 1 つの酸素を頂点とする六員環構造の糖をいう。
 関連ページ : 環状構造の単糖   
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 【ピリジン】( pyridine )
 複素芳香族化合物:窒素を含む 6 員環( C5H5N )
 関連ページ : 芳香族化合物とは   
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 【ピリドキサール,ピリドキサミン,ピリドキシン】( pyridoxal , pyridoxamine , pyridoxine )
 ⇒ビタミンB6
 関連ページ : 酵素(はじめに)   水溶性ビタミン    
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 【ピリドキサールリン酸】( pyridoxal phosphate )
 ピリドキサールリン酸( PLP )は,ピリドキサール( pyridoxal ),ピリドキシン( pyridoxine ),ピリドキサミン( pyridoxamine )などと呼ばれるビタミン B6 から誘導される補欠分子族の一つである。
 PLP は,栄養素の代謝,神経伝達物質合成,ヒスタミン合成,ヘモグロビン合成などの多くの反応に関与する酵素(アミノ基転移,CO2 離脱)と共に機能する。
 関連ページ : 水溶性ビタミン    酵素(はじめに)   
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 【ピリミジン塩基】( pyrimidine base )
 ピリミジン核を基本骨格とする生体物質で,核酸塩基のシトシン( C ),チミン( T ),ウラシル( U )の他に,5‐メチルシトシン,5‐(ヒドロキシメチル)シトシンがある。
 関連ページ : 核酸とは   ヌクレオチドの代謝   
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 【微量成分分析】( trace analysis )
 試料量の多少にかかわらず,試料中のナノグラム( ng )からマイクログラム(μg )レベルの絶対量の不純物などの成分を対象とする。
 関連ページ : 化学分析の流れ   
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 【微量分析】( micro analysis )
 試料(サンプル)の量が概ね 1 mg ~ 10 mg に適した分析手法。
 関連ページ : 化学分析の流れ   
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 【微量ミネラル】( microminerals )
 健康増進法に基づき,必須ミネラルとして基準摂取量( 100 mg /1日 未満)の鉄 Fe ,亜鉛 Zn ,銅 Cu ,マンガン Mn ,ヨウ素 I ,セレン Se ,モリブデン Mo ,クロム Cr ,フッ素 F の 9 種。
 関連ページ : 遷移元素の化学   
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 【ビルダー(洗剤用)】( builder (for detergents) )
 石けんや合成洗剤に添加してその洗浄作用を向上させるために用いられる物質。けい酸ソーダ,ゼオライトはその代表例。( JIS K 3211「界面活性剤用語」)
 関連ページ : 洗剤(界面活性剤)とは    界面活性剤関連用語   
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 【ビルトイン補酵素】( built-in coenzyme )
 典型的な補酵素と異なり,たんぱく質の翻訳と翻訳後修飾において,アミノ酸残基としてポリペプチド鎖中に組込まれた形で存在する補酵素をいう。
 関連ページ : 酵素(はじめに)   
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 【ピルビン酸】( pyruvic acid )
 示性式 CH3COCOOH のカルボン酸,IUPAC名 2-オキソプロパン酸 (2-oxopropanoic acid)。
 α-ケトプロピオン酸,焦性ブドウ酸( pyroracemic acid )ともいわれる。
 関連ページ : 糖の代謝   脂質の異化   クエン酸回路(TCA回路)    
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 【比例限界】( proportional limit )
 材料が応力のひずみに対する比例関係(フックの法則)を何ら逸脱することなく支え得る最大応力。(JIS K 6900「プラスチック―用語」)
 関連ページ : プラスチックの記号と関連用語   
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 【疲労寿命】( fatigue life )
 試験片又は製品を,規定条件下で変形させたとき,規定の疲労破壊状態になる変形回数。( JIS K 6200「ゴム‐用語」)。
 関連ページ : ゴム関連用語   
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 【ビロード】( velvet )
 パイルの短い,たてパイル織物( JIS L0206 「繊維用語(織物部門)」)。
 関連ページ : 繊維関連用語   
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 【ピロール】( pyrrole )
 分子式 C4H5N の五員環構造を持つ複素芳香族化合物のアミンの一種である。4 個のピロールを含む化合物群をテトラピロール( tetrapyrrole )という。
 関連ページ : 着色料   芳香族化合物とは   糖の光合成   
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 【ピロガロール】( pyrogallol )
 焦性没食子酸(しょうせいもっしょくしさん)ともいわれる。IUPAC名 1,2,3-トリヒドロキシベンゼン,⇒ベンゼントリオール
 関連ページ : フェノール   
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 【ピロリジン-2-カルボン酸】( pyrrolidine-2-carboxylic acid )
 分子式 C5H9NO2 ,プロリン( proline : Pro)ともいうイミノ基を持つ環状のα-アミノ酸。タンパク質を構成するアミノ酸の中で唯一環状の二級アミンである。
 関連ページ : ヒドロキシ酸・アミノ酸   
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 【ピロロキノリンキノン】( pyrroloquinoline quinone )
 メタノール脱水素酵素やグルコース脱水素酵素に含まれる酸化還元補酵素で,抗酸化作用や神経保護作用などを有するキノン補酵素。⇒PQQ
 関連ページ : 酵素(はじめに)   
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