社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)
“社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
ここでは,サ行 “せ”の用語を せあ~せち, せつ~せわ, せん に分けて紹介する。
用語の概要と関連ページ
【遷移元素】( transition element )
原子の電子配置に基づく元素分類の一種(電子軌道 d 軌道あるいは f 軌道が閉殻でない元素)で,周期表の 3族から 11族(12族を含める学者もいる)までの全ての元素をいう。各族の縦の類似性はあまり著しくなく,横の類似性が目立つ元素類である。
関連ページ : 金属概論:金属とは ,
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【線欠陥】( line defect )
格子欠陥の一種,ある長さを持つ格子欠陥で,転位(dislocation)とも呼ばれる。金属が変形するとき,加えられた応力によって,金属原子が移動する。この移動は,結晶面間のすべりによってもたらされると考えられている。
⇒ 転移(てんい)
関連ページ : 腐食基礎:金属構造欠陥 ,
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【先行塗装】( )
関連ページ : 塗装概論:塗り付け技術(刷毛塗り) , 塗装概論:新設時塗装管理(1層目) ,
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【戦後復興】( post-war recovery, post-war reconstruction )
戦争が終わった後の経済・社会等の復興の時期を意味し,日本では第二次世界大戦の戦後混乱期(占領期)を経て,それに続く時期の 1950年(昭和25年)頃から 1954年(昭和29年)の高度成長期が始まる頃までを戦後復興期とする例が多い。
関連ページ : 塗料概論:塗料の近代化 ,
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【洗浄】( cleaning )
金属表面の汚れを,必要な程度にまで除去した状態,若しくはそのような状態にすること。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
関連ページ : 防食基礎:腐食試験・試験片準備 ,
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【船窓】( Ships' side scuttles, Ships' ordinary rectangular windows )
船舶用丸窓の種類(系列,級別及び形式)及びこれらの丸窓について互換性と構造上必要な寸法,材料,試験,表示及び製品の呼び方について,JIS F 2413「造船及び海洋構造物−船用丸窓:Shipbuilding and marine structures−Ships' side scuttles」に規定されている。
船用角窓の種類(系列,級別,形式及び呼び寸法),互換性及び構造上必要な寸法,材料,試験,表示及び製品の呼び方について,JIS F 2421「造船及び海洋構造物−船用角窓:Shipbuilding and marine structures−Ships' ordinary rectangular windows」に規定されている。
関連ページ : 金属概論:アルミ関連JIS規格 ,
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【選択排流法】( selective elimination of corrosive current )
迷走電流腐食を防ぐために用いられる排流法の一種で,例えばレールと埋設管を接続(排流線)し,その途中に逆流を遮断する装置(排流器)を挿入する。排流器では,埋設管が(+),レールが(-)の時のみ通電するため選択排流法といわれる。
関連ページ : 防食基礎:陽極防食(排流法) ,
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【選択腐食】( selective leaching )
読み「せんたくふしょく」,脱成分腐食(dealloying)ともいわれる。特定の合金成分が選択的に溶解する腐食。黄銅から亜鉛が溶解する場合を脱亜鉛腐食(dezincification)という。【JIS Z0103「防せい防食用語」
関連ページ : 腐食基礎:腐食形態による分類 , 腐食基礎:腐食現象の分類 , 防食基礎:腐食試験・形態観察 ,
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【せん断応力】( shear stress )
せん断応力(shear stress)σij (Pa) とは,その本来の作用面に平行に働く力をこの面で測定した試験片の断面積で除した値。【JIS K 6900[プラスチック用語」】
接合部に懸かった力が接着層と同一面にあるときに生じる応力。引張りせん断応力と圧縮せん断応力がある。【JIS K 6800「接着剤・接着用語」】
関連ページ : 防食基礎:ライニング皮膜の品質 , 塗装概論:塗り付け技術(刷毛の特徴) , 塗料評価:付着性 ,
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【せん断接着強さ】( longitudinal shear strength )
接着面にせん断応力を加え,接着接合部が破壊したときの強さ。【JIS K 6800「接着剤・接着用語」】
関連ページ : 防食基礎:ライニング皮膜の品質 , 塗料評価:付着性 ,
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【せん断強さ】( shear strength )
せん断試験の間じゅう試験片が耐える最大のせん断応力。せん断応力も参照。【JIS K 6900[プラスチック用語」】
せん断応力(shear stress)σij (Pa) とは,その本来の作用面に平行に働く力をこの面で測定した試験片の断面積で除した値。【JIS K 6900[プラスチック用語」】
関連ページ : 防食基礎:ライニング皮膜の品質 , 塗料評価:付着性 ,
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【剪断力(応力)】( shear stress )
せん断応力(剪断応力)は,接線応力やシャー応力ともいわれ,物体内部のある面に平行方向に作用する応力,すなわち面がすべるように作用する応力である。
その本来の作用面に平行に働く力をこの面で測定した試験片の断面積で除した値。【JIS K 6900「プラスチック−用語」】
関連ページ : 塗装概論:塗替え塗装管理(塗膜除去) , 塗膜の評価:付着性 ,
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【船底塗料】( ship bottom paint )
船底の腐食防止,生物付着防止,生物侵入防止などに用いる塗料。鋼船船底塗料と木船船底塗料とがある。鋼船船底塗料は,塗膜形成要素の種類によって油性塗料,ビニル樹脂塗料,塩素化樹脂系塗料などに分かれ,目的によってA/C(anti-corrosibe paint),A/F(anti-couling paint),B/T(boot topping paint)の3種類がある。
A/Cはさび止め用で,下塗りと中塗りとに用い,A/Fは生物付着防止のための防汚用として上塗りに用い,B/Tは水線部の防汚用又は耐候性の上塗りに用いる。一般に,さび止め用は,さび止め顔料を加えて作り,防汚用は防汚顔料又は防汚性物質を加えて作る。なお,塗膜形成要素自体が防汚性能をもち,海水中で徐々に溶出するタイプのA/Fもある。【JIS K5500「塗料用語」】
関連ページ : 塗料概論:塗料工業の黎明期 , 塗料各論:塗料分類(機能別分類) ,
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【銑鉄】( pig iron )
読み「せんてつ」,高炉や電気炉などで鉄鉱石を還元して取り出した粗製の鉄をいい,その多くは製鋼の原料として,一部は鋳物の原料として用いられる。一般的な銑鉄は,炭素(C)を 3~4%,ケイ素(Si)を 0.5~1.4%,マンガン(Mn)を 0.2~1.0%,少量のリン(P),硫黄(S),銅(Cu)などを不純物として含む。
銑鉄には,製造方法による分類(高炉銑,電気製銑,特殊銑),遊離炭素(C)と鉄炭化物(Fe3C ;セメンタイト,cementite)の含有量の違い(結晶構造の違い)による分類(ねずみ銑,白銑,斑(まだら)銑)がある。
銑鉄に含まれるケイ素(Si)は炭素(C)を黒鉛化して遊離させる作用を持つ。一方,マンガン(Mn)は炭素(C)をセメンタイト化(Fe3C)する作用がある。
関連ページ : 金属概論:金属利用の歴史 , 金属概論:金属の工学的分類 , 金属概論:鉄および鋼 , 金属概論:鉄鋼の分類 ,
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【全天日射計】( pyranometer )
⇒ 日射系,ピラノメータ
関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,
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【全天日射量】( global solar radiation )
太陽から観測点に直接差し込む光の日射量(直達日射量;direct solar radiation)と観測点に差し込む雲などで散乱された光の日射量(散乱日射量;diffuse solar radiation)との和。
関連ページ : 塗膜の試験規格:屋外暴露耐候性 ,
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【船舶】( ship )
櫓(ろ)や櫂(かい)で動かす櫂櫓船,及び推進器をもたない浚渫船(しゅんせつせん)以外のすべての船をいう。
関連ページ : 社会資本:船舶史と港湾 ,
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【船舶役務用施設】( )
給水施設,給油施設など
関連ページ : 社会資本:港湾設備 ,
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【線爆溶射】( wire explosion spraying )
線状の金属の溶射材料を瞬間的通電によって爆発的に溶融,飛散させ,その微粒子を基材に吹き付けて被膜を形成する溶射。 【JIS H8200「溶射用語」】
溶射材料の金属を線や箔にし,これにコンデンサに蓄えた電荷を瞬間的に放電して大電流を流し,爆発的に溶融・微粒子化した材料を被覆対象物に吹き付けて,皮膜を形成する溶射。
材料の導線はきわめて短時間に加熱され溶融し,溶滴と蒸気は周りを取り囲む被覆対象物に高速度で衝突し,溶射皮膜を形成する。パイプの内面溶射に適しており,エンジンシリンダ内面への適用例がある。【日本溶射学会・溶射用語集より】
関連ページ : 防食基礎:金属溶射 , 防食基礎:溶射方式 ,
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【全般検査】( general inspection )
全般検査には,2 年ごと(「維持管理標準」では 2 年を超えない時期)に行う通常全般検査,それぞれの構造物の必要性から定めた期間ごとに行う特別全般検査(通常は 10 年程度)とがある。
全般検査における具体的な検査目的は, 1) 構造物の変状の有無を確認, 2) 健全度の判定ができる情報(変状の程度)を把握, 3) 運転保安および旅客公衆の安全を脅かす恐れの判断, 4) 悪影響を及ぼす恐れのある環境変化の判断, 5) 個別検査の必要性の判断, 6) 措置の必要性の判断
関連ページ : 維持管理(鉄道):考え方 , 維持管理(鉄道):全般検査要領 , 防食塗装系:鋼鉄道橋の維持管理 ,
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【全反射】( total reflection )
屈折率の大きい媒質から屈折率の小さい媒質へ光が入射するとき,特定の角以上の入射角で,入射光のエネルギーがすべて反射される現象。【JIS Z 8120「光学用語」】
関連ページ : 塗膜の評価:鏡面光沢度 ,
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【全面腐食】( general corrosion, entire surface corrosion, whole surface corrosion, allover corrosion )
金属表面全体にほぼ均一に生じる腐食。⇒ 均一腐食
関連ページ : 腐食基礎:腐食分類 , 腐食基礎:表面の揺らぎ , 腐食概論:鋼の腐食とは , 鋼の腐食:全面腐食と局部腐食 , 防食基礎:腐食試験・形態観察 ,
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【全溶解固形物質】( total dissolved solid )
全溶解性蒸発残留物質ともいい,TDSで表される。水を蒸発・乾固したときに残る物質(蒸発残留物)は,蒸発操作で重炭酸塩の中に改変を受けるものがあるため,蒸発残留物量を補正して計算した値として総溶解固形物質(TDS)が用いられる。TDS の数値が低いほど不純物が少ないことを示す。
関連ページ : 鋼の腐食:水質(陽イオン)の影響 ,
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【染料】( dyestuff )
染料溶解したとき,その塗料に所期の色を与える天然又は合成の物質。
関連ページ : 塗料概論:着色顔料