腐食概論鋼の腐食

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 鋼腐食の基礎

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 局部腐食の代表的な形態

 鋼橋等の陸上構造物で観察される腐食形態について,【腐食の基礎】「腐食現象の分類」と重複する内容も多いが,理解を深めるため腐食事例を中心に紹介する。
「全面腐食」「局部腐食」
 金属表面にほぼ均一に生じる全面腐食(general corrosion:均一腐食ともいう)と局部的に集中して生じる局部腐食(local corrosion)の違いを解説する。
「濃淡電池腐食」(concentration cell corrosion)
 局部腐食の一種で,金属表面に接触する水溶液中のイオンや溶存酸素の濃度が局部的に異なるために生じた電池による腐食(濃淡電池腐食(concentration cell corrosion))について解説する。
「異種金属接触腐食」
 局部腐食の一種で,ガルバニック腐食ともいわれる異種金属が直接接続されて,両者間に電池が構成された時に生じる腐食(異種金属接触腐食(bimetallic corrosion, galvanic corrosion))について解説する。
「すき間腐食」
 濃淡電池腐食の一種で,金属又は金属と他の材料との間にすき間が存在する場合,すき間の内外においてイオン,酸素などの濃淡電池が構成されて生じる腐食(すき間腐食(crevice corrosion))について解説する。なお,用語のイメージから比較的安易に用いられる用語であるが,開口の広い亀裂内部の腐食などに対し誤解した使われ方も多い。
「孔食」(pitting corrosion)
 局部腐食の一種で,金属内部に向かって孔状に進行する腐食(孔食(pitting corrosion))について解説する。なお,明確な定義が無いため,不適切な用語の使い方もある。一般的には,ステンレス鋼やアルミニウムなど不動態化した金属で観察されることの多い現象である。
「粒界腐食」
 金属の結晶粒と結晶粒の界面は,結晶格子の乱れた領域であり,不純物も集まり易い。
 ある種の合金(オーステナイト系ステンレス鋼や銅を含むアルミニウム合金など)が不適切な熱影響を受けたときに問題となる結晶粒界の選択的腐食による損傷(粒界腐食(intergranular corrosion ))を紹介する。

 機械特性に直接影響する腐食現象

 金属の機械特性に直接影響する腐食現象として,「応力腐食割れ」,「水素脆化(遅れ破壊)」,「腐食疲労」,「エロージョン・コロージョン」,「キャビテーション・コロージョン」及び「フレッティングコロージョン」を紹介する。
「応力腐食割れ(SCC)」
 腐食と引張応力との相乗作用によって金属材料に割れを生じる現象(応力腐食割れ(SCC)(stress corrosion cracking))について解説する。
「水素脆性」(hydrogen embrittlement)
 遅れ破壊(delayed fracture)ともいわれ,腐食,酸洗い,電解,溶接などによって生じた水素(原子状水素)が金属中に吸蔵されて,材質がもろくなる現象(水素脆性(hydrogen embrittlement))について解説する。
「腐食疲労」
 腐食と繰り返し応力との相乗作用によって,腐食しない条件での金属疲労試験結果より少ない繰り返し数で割れが生じるとともに,疲労限が認められない現象(腐食疲労(corrosion fatigue))について解説する。
「エロージョン・コロージョン」
 流動する水,土砂などの環境物質の摩耗作用と腐食作用の相乗作用によって金属に生じる損耗(エロージョン・コロージョン(erosion corrosion))について解説する。
「キャビテ-ション・コロージョン」
 金属表面でこれに接触する液体の圧力の繰返し変動によって気泡の発生,崩壊が起こることによって金属に生じるキャビテーション損傷(cavitation damage)によって酸化皮膜(不動態皮膜)が破壊され,損傷が促進される現象(キャビテ-ション・コロージョン(cavitation corrosion))について解説する。
「フレッティング・コロージョン」
 擦過(さっか)腐食ともいい,空気中で金属とそれに接触する金属又は他の物質との接触面で微小滑りが繰り返し起こるとき,金属表面に生じる腐食(フレッティング・コロージョン(fretting corrosion))について解説する。

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