JIS Z 2382  大気環境の腐食性を評価するための環境汚染因子の測定

 JIS Z2382  1998年版   大気環境の腐食性を評価するための環境汚染因子の測定(Determination of pollution for evaluation of corrosivity of atmospheres) を  【序文・目次・適用範囲】,   【二酸化硫黄の測定(プレート法)】,   【二酸化硫黄の測定(円筒法)】,   【二酸化硫黄の測定(アルカリろ紙法)】,   【塩化物の測定(ウェットキャンドル法)】,   【塩化物の測定(ドライガーゼ法)】 に分けて紹介する。

 序文・目次・適用範囲

 序文
 この規格は,1992年第1版として発行された ISO 9225 (Corrosion of metals and alloys−Corrosivity of atmospheres −Measurement of pollution) を翻訳し,原国際規格の様式によって作成した日本工業規格である。
 ISO 9225では,
 “金属及び合金の腐食を引き起こす大気環境の特性は,次の諸因子によって左右される。
 大気環境の腐食性を評価するための基本的必要事項は,環境汚染物質の濃度と付着度の標準的測定である。
 大気中の二酸化硫黄(SO2)の濃度は別の規格によって測定されるべきである。
 この規格は二酸化硫黄及び大気浮遊塩分(海塩粒子,Cl-)の付着度を測定するための方法を提示する。”
と述べている。
 この規格では,規格の名称を“大気環境の腐食性を評価するための環境汚染因子の測定”とし,規定内容の一部を我が国の実状に即して変更した。
 
 JIS規格の目次(ここでは青字の項目を説明)
 序文,1 適用範囲,2 引用規格,3 二酸化鉛(PbO2)プレートによる二酸化硫黄(SO2)の測定(3.1 原理,3.2 測定装置,3.3 プレートの暴露,3.4 二酸化硫黄(SO2)の分析及び付着度の表示),4 二酸化鉛(PbO2)円筒による二酸化硫黄(SO2)の測定(4.1 原理,4.2 二酸化鉛円筒の作製,4.3 二酸化鉛円筒の暴露,4.4 硫酸塩の分析),5 アルカリろ紙法による二酸化硫黄(SO2)の測定(5.1 原理,5.2 測定装置,5.3 アルカリろ紙プレートの暴露,5.4 硫酸塩の分析),6 ウェットキャンドル法による塩化物の測定(6.1 原理,6.2 測定装置,6.3 ウェットキャンドルの暴露,6.4 塩化物の分析),7 ドライガーゼ法による塩化物の測定(7.1 原理,7.2 測定装置,7.3 ドライガーゼプレートの暴露,7.4 塩化物の分析),8 記録
 
 1 適用範囲
 この規格は,大気中の二酸化硫黄(硫黄酸化物),及び大気浮遊塩分(海塩粒子)の付着度を測定する方法について規定する。
 備考 この規格に包含される測定方法は,試験場所の腐食性の特性化に適用する。
 警告 この日本工業規格に包含される方法の幾つかは,有害な可能性のある化学薬品の使用を伴う。あらゆる適切な安全性の対策がとられることが強調される。

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 二酸化硫黄の測定(プレート法)

 3 二酸化鉛(PbO2)プレートによる二酸化硫黄(SO2)の測定
 3.1 原理
 大気中の二酸化硫黄(SO2)は,二酸化鉛と反応して硫酸塩を形成して捕捉される。大気中に所定の期間暴露した二酸化鉛プレートを回収し,二酸化硫黄捕捉程度を決定するためにこの二酸化鉛プレートの硫酸根分析を行い,二酸化硫黄の付着度を平方メートル・日当たりのミリグラム[mg/(m2・d)]で表示する。
 この方法で使用される二酸化鉛試薬は,硫化水素やメルカプタンのような他の硫黄化合物とも反応し硫酸塩を形成することがある。
 二酸化鉛プレートの二酸化鉛の面を地面向きにしてあるのは,酸性雨や硫酸エアゾルからの硫酸の捕捉を最小にするためである。
 3.2 測定装置
 3.2.1 二酸化鉛プレート
 二酸化鉛プレートは,次のとおり作製する。
 a)  円形ろ紙(直径 50mm,又は 60mm)をポリスチレン製ペトリ皿の底にはり付ける。
 はり付けは,ペトリ皿の底にろ紙の粗面を上にしてろ紙にしわがよらないように,ペトリ皿の内側にはり付けアセトンを注意深く注入し,ろ紙をガラス棒でしっかりと完全に圧着した後,アセトンを蒸発させて行う。
 b)  1バッチのろ紙をはり付けたペトリ皿(以下,プレートという。)は,架台の上に置き,蒸留水,又は脱イオン水ですすぐ。
 再びプレートに蒸留水,又は脱イオン水を満たし,1時間放置する。プレートから水を注ぎ出し,蒸留水,又は脱イオン水で 4分の 1から 2分の 1まで再び満たす。
 c)  3.5gのトラカントゴムと 900mlの蒸留水,又は脱イオン水を高速混合機に入れ,低速で 2時間混合する。
 d)  混合機の内容物を 1リットルビーカーに移し,その溶液の 350mlを混合機に戻す。
 パルプ化した 3.5gのろ紙を 350mlのゴム溶液に加え,混合物が滑らかで均一になるまで,中速で混合する。
 e)  これにc)で作製した 400mlのゴム溶液を加え,中速で1分間混合する。
 次に,混合機を高速にセットし,112gの二酸化鉛(注1)を加え,2分間混合し,次いで混合機を低速に戻す。
 f)  この混合液を,b)の 50mmのプレートには 10ml,60mmのプレートには 15ml,注意深くピペットを用いて注ぐ。混合物はプレートの縁まで均一に流れるようにする。
 g)  このプレートの乗った架台を 40~50℃にセットした炉内に 20時間置き,乾燥する。
 プレートを炉から取り出し,冷却し,次いで,暴露開始までそれらを保護するためにカバーで密閉し,保管する。
 h)  プレートは,番号を付け,作製から 120日以内に暴露する。
 各バッチから少なくとも 3個のプレートをブランク値を求めるために用意する。
 注(1) : 二酸化鉛粉末の活性度は,品質によって差があるので,活性度を明示した英国 D.S.I.R.(Department of Scientific Industrial Research)標準品を使用するとよい。
 3.2.2 プレート暴露用架台
 プレート暴露用架台は,次のとおりとする。
 a)  プレートを逆さ位置(地向き)にしっかりと水平に固定できるもので,大気腐食に対し十分な耐食性をもつ材質であること。
 b)  架台は,暴露したプレートに対し通常の風及び空気の循環を妨げてはならない。
 c)  強風の場合に,プレートが飛ばされないための保持クリップ又は他の防御手段を備えていること。
 3.3 プレートの暴露
 プレートの暴露は,次のとおり行う。
 暴露場所をモニタリングするとき,最低 3個のプレートを各暴露期間ごとに使用すべきである。プレートは可能ならば腐食試験片の最低と最高の暴露高さの位置に置く。
 a)  プレートを暴露用架台に地面向きに固定し,暴露する。
 b)  暴露期間は 1か月とし,通常,各月の 1日に暴露を開始し,翌月の 1日に回収する。
 c)  暴露終了後,架台から取り外しカバーをして密封し,分析するときまで保管する。このとき,プレートには暴露場所,暴露開始及び終了した日付を記録しておく。
 d)  暴露を終了したプレートの分析は,終了後 60日以内に行う。
 3.4 二酸化硫黄 (SO2)の分析及び付着度の表示
 プレートの二酸化硫黄 (SO2)の分析及び付着度の表示は,通常,次によるが,円筒法の方法によってもよい。
 3.4.1 原理
 プレートの内容物は取り外され,例えば炭酸ナトリウムの溶液を用いて溶解される。次いで,硫酸塩は,バリウムイオンで沈澱され,比濁法で測定される。
 3.4.2 試薬
 分析には,推奨される分析級の試薬だけ及び蒸留水,又は同純度の水だけが使用される。
 a) 炭酸ナトリウム 約 50g/l 溶液
 50+0.5gの無水炭酸ナトリウム(Na2CO3)を 1000mlの水に溶解する。
 b) 塩酸 (HCl) 溶液 0.7mol/l
 60mlの濃塩酸(ρ=1.19g/ml)を水で 1000mlに希釈する。
 c) 塩化バリウム二水塩 5g/l 溶液
 5gの塩化バリウム二水塩(BaCl2・2H2O)を 1000mlの水に溶解する。
 d) 硫酸ナトリウム 500mgSO42-/lに相当する標準液
 0.740g の無水硫酸ナトリウム (Na2SO4)を 1mgまで量り,1000mlのワンマーク全量フラスコにそれを入れ,水に溶解し,マークまで希釈し,よく混合する。
 この標準液 1mlには 500μgの SO42-を含む。
 3.4.3 プレートの分析
 プレートの分析は,次による。
 a)  プレートから二酸化鉛とできるだけ多くの繊維状材料を定量的に取り外し,50mlのワンマーク全量フラスコに入れ,これに 20mlの炭酸ナトリウム溶液を加えかき混ぜ,さらに,時折かき混ぜながら 3時間放置する。
 b)  次いで,100℃の湯浴中で30分間加熱した後,冷却してマークまで水で希釈する。
 c)  定量微細級定量ろ紙を用いて,清浄かつ乾燥した試験管に少なくとも15mlをろ過する。
 d)  直径 25mm,長さ 150mmの試験管に 10.0mlのろ液をピペットで採り,10.0mlの水と 5.0mlの塩酸溶液を加え,よく混合して指示薬紙で pHを測定する。pHは 2.5から 4.0の間でなければならない。これを試料溶液とする。そうでないときはこれを捨て,この操作を繰り返す。
 e)  直径 25mlの試験管 2本に,それぞれ 5.0mlのこの試料溶液をピペットで採り,15mlの水を加える。
 f)  これらに,1mlの塩化バリウム溶液を加え,激しくふり混ぜ,濁度測定まで 5分間放置する。
 g)  試料溶液の濁度は,500nmでバリウムを含まない溶液を対照液として測定する。吸光度(濁度)の読みは,規定する方法で得られた検量曲線を用いて,硫酸根のマイクログラムに換算する。
 h)  暴露したプレートと同一バッチの未暴露プレートについて,同時に,この分析操作を行い,ブランク値を求める。
 3.4.4 検量曲線の作成
 検量曲線は,次のとおり作成する。
 a)  10.0mlの硫酸ナトリウム溶液を,全量フラスコを用いて 100mlに希釈する。
 b)  希釈した硫酸ナトリウム溶液の 1ml,2ml,3ml,4ml,5ml,10ml,及び 15mlを各試験管にピペットで採る。
 c)  それぞれを水で 20mlに希釈する。
 d)  次に,「プレートの分析」で規定した操作を行い,それぞれの吸光度(濁度)を測定する。
 e)  各溶液の吸光度の読みをそれらが含む硫酸根のそれぞれの質量,すなわち,50μg,100μg,150μg,200μg,250μg,500μg,及び 750μgに対し,グラフ用紙にプロットして検量曲線を作成する。
 3.4.5 付着度の表示
 次の式によって計算し, R(SO2)[mg/(m2・d)] で表す。
 
  R(SO2 )=[(m1―m0)×16.67]/(A×t×1000)
 
  ここに,R(SO2):二酸化硫黄の付着度 [mg/ (m2・d)]
     m0:未暴露プレートの硫酸根の質量 (μg)
     m1:暴露したプレートの硫酸根の質量 (μg)
      A:プレートの面積 (m2)
      t:暴露期間 (d)

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 二酸化硫黄の測定(円筒法)

 4 二酸化鉛(PbO2)円筒による二酸化硫黄(SO2)の測定
 4.1 原理
 大気中の二酸化硫黄 (SO2)は,二酸化鉛と反応して硫酸塩を形成して捕捉される。
 大気中に所定の期間暴露した二酸化鉛円筒を回収し,二酸化硫黄捕捉程度を決定するためにこの二酸化鉛円筒の硫酸根分析を行い,二酸化硫黄の付着度を平方メートル・日当たりのミリグラム [mg/(m2・d)] で表示する。
 この方法で使用される二酸化鉛試薬は,硫化水素やメルカプタンのような他の硫黄化合物とも反応し硫酸塩を形成することがある。
 4.2 二酸化鉛円筒の作製
 二酸化鉛円筒の作製は,次のとおりとする。
 a)  清浄な 60番ブロード布を 10×10cmに切り,陶器製などの円筒(外周囲 10cm,長さ 15cm)の中央部にはり付ける。
 b)  粉末トラカントゴム 2gを JIS K 8101「エタノール(99.5)(試薬)」に規定のエタノール 10mlに溶解し,かき混ぜながら水(注) 190mlをさらに加えよくかき混ぜ,トラカントゴム液を作製する。
 c)  トラカントゴム液 5mlと粒径が 149μm未満の硫酸塩の特に少ない二酸化鉛の粉末 5gとをよく練り合わせ,ペースト状にする。
 d)  このペースト状の混合物を,円筒表面のブロード布面にはけ(刷毛)又は清浄な外科用ゴム手袋をはめた手で均一に塗り,デシケーター中で乾燥する。乾燥した二酸化鉛円筒は暴露するまでデシケーター又は適切な容器中に保管する。
 :使用する水は,JIS K 0101「工業用水試験方法」に規定する電気伝導率が 1μS/cm (25℃)以下のイオン交換水とする。
 4.3 二酸化鉛円筒の暴露
 二酸化鉛円筒の暴露は,次のとおり行う。
 a)  暴露試験架台の近くに置かれた百葉箱,専用のシェルター内又は雨及び日光の当たらない覆いの下などで通風のよい場所に,垂直に暴露する。
 b)  暴露期間は 1か月とし,通常,各月の 1日に暴露を開始し,翌月の 1日に回収する。
 c)  暴露を終了した円筒は,分析するまで更に硫酸塩が生成されないように保護し,保管する。
 d)  暴露を終了した円筒の分析は,暴露終了後 60日以内に行う。
 4.4 硫酸塩の分析と表示
 4.4.1 原理
 二酸化鉛円筒から取り外された布は,炭酸ナトリウムの溶液で溶解され,硫酸塩はバリウムイオンで沈澱され,沈澱した硫酸バリウムの質量を測定する質量法で行う。
 4.4.2 試薬
 試薬は,次のとおりとする。
 a) 炭酸ナトリウム: JIS K8625「炭酸ナトリウム(試薬)」に規定の炭酸ナトリウム
 b) 塩化バリウム 100g/l 溶液: JIS K 8155「塩化バリウム二水和物(試薬)」に規定の塩化バリウム 100gを水に溶解し 1000mlにする。
 4.4.3 分析
 分析は,次のとおり行う。
 a)  円筒から二酸化鉛を塗布した布を取り外し,500mlのビーカーに入れ,100mlの水を加える。
 b)  これにJIS K 8625に規定の炭酸ナトリウム 5gを加え,溶けるまでかき混ぜる。
 c)  水を加えつつほぼ 100mlに保ちながら 30分間煮沸し,室温まで冷却してから JIS P 3801「ろ紙(化学分析用)」の5種Cのろ紙を用いてろ過し,洗浄する。
 d)  このろ液に徐々に塩酸を加えて酸性にし,加温して炭酸ガスを追い出す。
 e)  次いで,加温しながら塩化バリウム溶液(100g/l)を加えて硫酸バリウムを沈澱させる。
 f)  沈澱物を定量ろ紙を用いてろ過し,これをろ紙とともに磁性るつぼに入れ,初めは,ふたをずらした状態で加熱し,ろ紙の炭化を確かめてからふたをし,強く加熱する。
 g)  次に,るつぼを常温に冷却してから内容物の質量を量り,これを灰分を含む硫酸バリウムの量 W1とする。
 h)  暴露した二酸化鉛円筒と同時に作製した暴露しない円筒についても同様に操作し,空試験値 W2を求める。
 4.4.4 表示
 次の式によって計算し,S[mgSO2/(m2・d)PbO2]で表す。
 
   S=0.274(W1-W2)×100/t
 
   ここに,S:大気中の二酸化硫黄の付着度 [mgSO2/(m2・d)PbO2]
      W1:暴露した円筒から求めた灰分を含む硫酸バリウムの質量 (mg)
      W2:暴露しない円筒から求めた灰分を含む硫酸バリウムの質量 (mg)
       t:二酸化鉛円筒の暴露日数 (d)
     0.274:SO2の式量/BaSO4の式量
     100:10000cm2/100cm2

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 二酸化硫黄の測定(アルカリろ紙法)

 5 アルカリろ紙法による二酸化硫黄(SO2)の測定
 5.1 原理
 二酸化硫黄 (SO2),及びその他酸性硫黄化合物は,炭酸ナトリウム,又は炭酸カリウム溶液で飽和された多孔質のろ紙プレートの表面でアルカリと反応して硫酸塩を形成し捕集される。
 二酸化硫黄の付着度は,平方メートル・日当たりのミリグラム [mg/(m2・d)] で表される。
 5.2 測定装置
 5.2.1 アルカリろ紙プレートの作製
 アルカリろ紙プレートは,次のとおり作製する。
 a)  150×100×3mmのろ紙(クロマトグラフ用ペーパーろ紙又は類似の性質の材料を使用することができる。)を,70g/lの炭酸ナトリウム,又は炭酸カリウム溶液に2分間浸せきする。
 b)  溶液からろ紙を取り出し,しずくを切り,105±2℃で1時間,又は90±2℃で8時間乾燥する。
 c)  乾燥後,アルカリろ紙プレートは,プラスチック容器(ポリエチレン,ポリプロピレン)内に暴露するまで密封保管する。
 d)  同時に作製した5個のアルカリろ紙プレートを,ブランク試験用とする。
 5.2.2 暴露架台
 暴露架台は,次のとおりとする。
 a)  アルカリろ紙プレートを暴露する架台は,直射日光及び雨の当たるのを防ぎ,垂直に暴露する保持具をもったもの。
 b)  保持具の位置は,ろ紙プレートを暴露場所の風の主方向に平行に保持でき,さらに,ろ紙プレートの下端が地上から1.8~2m離れていること。
 c)  架台は,大気のろ紙プレートへの自由な接近を妨げない構造であること。
 5.3 アルカリろ紙プレートの暴露
 アルカリろ紙プレートの暴露は,次のとおり行う。
 a)  暴露架台に垂直に取り付ける。
 b)  暴露期間は1か月とし,通常,各月の1日に暴露を開始し翌月の1日に回収する。
 c)  暴露を終了したアルカリろ紙プレートは,表面を傷つけないように取り外し,プラスチック容器に密閉保管する。その際,容器には暴露場所名,暴露開始及び取り外しの日付を記録しておくこと。
 d)  暴露するアルカリろ紙プレートの数は,暴露試験場所で同時に3個が望ましい。
 e)  暴露を終了したアルカリろ紙プレートの分析は,60日以内に行う。
 5.4 硫酸塩の分析と表示
 硫酸塩の分析は,通常,次の容量分析方法によって行うが,精度が十分であれば,質量分析方法,又は分光分析方法などによってもよい。
 5.4.1 原理
 硫酸塩の量は,トリン試薬の存在下で,過塩素酸バリウムの水/エタノール溶液による,水/エタノール試料溶液の滴定によって決定される。滴定の終点は,pH 間隔 2~3 への黄桃色移行で示される。
 5.4.2 試薬
 分析には分析級の試薬及び蒸留水又は同純度の水を使用する。
 a) 過酸化水素水: 150g/l溶液
 b) エタノール: 95%(v/v)
 c) 過塩素酸: 1+5に希釈
 d) 硫酸標準照合溶液: c (H2SO4)=0.005mol/l
 e) 容量分析用過塩素酸バリウム標準溶液: c [Ba (ClO4)2]=0.005mol/l2.0g の過塩素酸バリウム三水塩 [Ba (ClO4)2・3H2O]を 200mlの水に溶解し,過塩素酸[c)]を加えてpHを 2~3に調整する。
 この溶液をエタノール[b)]で 1000mlに希釈する。正確な濃度は,10mlの硫酸標準照合溶液[d)]を滴定することによって決定する。
 f) トリン指示薬:2g/l溶液 0.2gのトリン指示薬を 100mlの水に溶解する。
 5.4.3 試料溶液の調製
 試料溶液は,次のとおり調製する。
 a)  暴露したアルカリろ紙プレートを 800mlのビーカーに入れ,湿らせた後,ガラス棒を用いてそれを断片に分割し,懸濁液の量を水で 400mlに調製する。
 b)  1mlの過酸化水素溶液[a)]を加え,懸濁液をよくかき混ぜる。
 c)  混合物を短時間煮沸して,一晩静置する。
 d)  目の粗い定量ろ紙を用いて懸濁液を真空ろ過し,ろ紙上の残さ(渣)を水で2回洗浄する。
 e)  ろ液の容量を容量フラスコで 500mlに調製する(試料溶液)。
 5.4.4 分析
 分析は,次のとおり行う。
 a)  10mlの試料溶液をピペットでフラスコに採る。もし試料溶液の硫酸塩濃度が高いときは,低容量をピペットで採り,その容量を水で10mlにする。
 また,試料溶液の硫酸塩濃度が低いときは,5mlの硫酸標準照合溶液[d)]を加える。
 b)  過塩素酸[c)]を添加して,pHを 2~3に調整する。
 c)  40mlのエタノール[b)]と 3滴のトリン指示薬[f)]を加える。
 d)  この溶液を過塩素酸バリウム標準溶液[e)]を用いて,黄桃色に変わるまで滴定する。
 e)  同時に作製した未暴露プレートについて,ブランクの二酸化硫黄を分析する。
 5.4.5 表示
 分析結果は,実施した分析方法について,次の式によって計算し,R(SO2)[mg/ (m2・d)]で表す。
 
 R(SO2)=m/(A⋅t)
   ここに,R(SO2):二酸化硫黄 (SO2)の付着度 [mg/(m2・d)]
      m:暴露したアルカリろ紙プレートの二酸化硫黄の質量 (mg)
      A:アルカリろ紙プレートの暴露部分の面積 (m2)
      t:暴露期間 (d)
 容量分析用過塩素酸バリウム標準溶液による硫酸塩の滴定の場合は,その結果は次の式によって計算する。
 
 R(SO2)={(V1-V0)×c1×64.06VT}/(VA⋅A⋅t)
   ここに,R(SO2):二酸化硫黄付着度 [mg/ (m2・d)]
      V0:ブランクの試料溶液の滴定のために使用した
        容量分析用過塩素酸バリウム標準溶液の容量 (ml)
      V1:暴露した試料溶液の滴定のために使用した
        容量分析用過塩素酸バリウム標準溶液の容量 (ml)
      VA:ピペットで採った暴露試料溶液の容量 (ml)
      VT:試料溶液の全容量 (ml)
      c1:リットル当たりの Ba (ClO4)2のモル数で表した
        容量分析用過塩素酸バリウム標準溶液の正確な濃度
      A:試験プレートの暴露部分の面積 (m2)
      t:暴露期間 (d)

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 塩化物の測定(ウェットキャンドル法)

 6 ウェットキャンドル法による塩化物の測定
 6.1 原理
 一定面積の織物を湿潤状態で雨を遮断して暴露すると,織物表面に塩化物が捕集される。この塩化物を化学分析によって定量する。
 分析結果から塩化物の付着度を計算し,平方メートル・日当たりのミリグラム[mg/(m2・d)]で表す。
 6.2 測定装置
 6.2.1 ウェットキャンドル
 ウェットキャンドルは,次のとおり作製する。
 a)  ウェットキャンドルは,瓶の中に挿入した心棒から構成される。
 b)  心棒は,不活性材料(ポリエチレンなど)製の直径約 25mm,長さ 150mm以上のもの。
 c)  瓶は,容積 500ml以上のポリエチレン製,又は他の不活性材料製のもの。
 d)  ゴム栓は,c)の瓶の首にはめられる大きさのもので,中央部に b)の心棒を挿入する孔,及びその孔の周辺にガーゼのフリーの端が通る二つの孔をもち,三つの孔の縁はすべてじょうご状であるもの。
 e)  心棒を,長さ約 120mmを残してゴム栓に差し込む。このとき暴露される心棒の表面積は約 100cm2である。
 f)  この心棒の約 120mmの部分に,蒸留水で塩化物をよく洗浄し乾燥した管状の外科用ガーゼ,又は帯状の外科用ガーゼを2層に巻き付け,残りのフリーのガーゼの端をゴム栓の孔に通す。
 ガーゼは,管状のものは,約 120mmを残して長さ方向に沿って二つに切断し,切断した部分が瓶の底に達する長さのものを用いる。また,帯状のガーゼは,約 120mmの部分に 2層に巻き付けた残りがゴム栓を通して瓶の底に達する長さのものを用いる。
 g)  瓶に,200mlのオクタン酸を加えたグリセリン溶液[20%(v/v)]を入れる。
 このグリセリン溶液は,200mlのグリセリン[CHOH(CH2OH) 2]を蒸留水で 1000mlにし,この溶液に 20滴のオクタン酸(C8H16O2)を加える。オクタン酸を加えるのは,アスパーギラスニガーのような菌類の成長を妨げるためである。
 長期的に極端な温度,すなわち 25℃以上とか −25℃以下といった状況では,凍結や過剰な蒸発を防ぐため,グリセリン濃度を 40%(v/v)まで高めるか,グリセリン溶液を 20% (v/v)のエチレングリコール溶液に置換する必要がある。
 h)  グリセリン溶液の入った瓶g) に,d) のゴム栓をして,ウェットキャンドルを組み立てる。
 6.2.2 暴露架台
 暴露架台は,次のとおりとする。
 a)  直射日光,雨を避けるための屋根,及びウェットキャンドルを暴露する支持台で構成される。
 b)  支持台は,ウェットキャンドルの先端が屋根から約 200mmの位置に,瓶と地表との距離が少なくとも 1m になるように取り付ける。
 c) 暴露架台の材質は,耐食性のよいものを用いる。
 6.3 ウェットキャンドルの暴露
 ウェットキャンドルの暴露は,次のとおり行う。
 a)  暴露架台の支持台に垂直に取り付け,固定する。
 b)  暴露期間は 1か月とし,通常,各月の 1日に暴露を開始し翌月の 1日に回収する。
 c)  暴露を終了したウェットキャンドルは,心棒のガーゼを取り外し瓶の中に入れるとともに,心棒及びゴム栓の孔の内面を蒸留水で洗浄し,洗浄液を瓶の中に入れて密栓をして分析するまで保管する。
 瓶中の溶液が分析用試料となる。瓶には,暴露場所の名称,暴露開始及び終了日を記録する。
 6.4 塩化物の分析と表示
 塩化物の分析は,通常,次のとおり行うが,6.5 「ドライガーゼ法」の方法で行ってもよい。
 6.4.1 原理
 試料中の塩化物の量は,ジフェニルカルバゾン・ブロモフェノールブルー混合指示薬を用いて,水銀化合物溶液滴下法によって決定される。滴定の終点はpH2.3~2.8の範囲で,ジフェニルカルバゾン第二水銀の青紫色錯塩の形成によって示される。
 6.4.2 試薬
 分析には,分析級の試薬及び蒸留水又は同純度の水を使用する。
 a) エタノール 95%(v/v)
 b) 硝酸溶液 c(HNO3)=0.05mol/l
 3mlの硝酸(ρ=1.40g/ml)を水で 1000mlに希釈する。
 c) 水酸化ナトリウム溶液 c(NaOH)=0.25mol/l
 10gの水酸化ナトリウムを水に溶解し,1000mlに希釈する。
 d) 塩化ナトリウム標準照合溶液 c(NaCl)=0.025mol/l
 塩化ナトリウムを 300℃で 1時間乾燥する。その 1.4613gを水に溶解し,全量フラスコで 1000mlに希釈する。
 e) 硝酸第二水銀容量分析用標準溶液 c[Hg(NO3) 2]=0.0125mol/l
 4.283gの硝酸第二水銀一水塩[Hg(NO3) 2・H2O]を 0.5mlの硝酸(HNO3,ρ=1.40g/ml)を加えて酸性にした 50mlの水に溶解する。
 次いで,全量フラスコを用いて水で 1000mlに希釈する。必要ならばろ過した後,「分析」の方法で塩化ナトリウムの標準照合溶液[d) ]を用いて,滴定によって正確な濃度を決定する。
 f) 硝酸第二水銀容量分析用標準溶液 c[Hg (NO3) 2]=0.00705mol/l
 2.4200gの硝酸第二水銀一水塩[Hg(NO3) 2・H2O]を 0.25mlの硝酸(HNO3,ρ=1.40g/ml)を加えて酸性にした 25mlの水に溶解する。 次いで,全量フラスコを用いて水で 1000mlに希釈する。必要ならば,ろ過した後,「分析」の方法で塩化ナトリウムの標準照合溶液[d) ]を用いて,滴定によって正確な濃度を決定する。
 g) 混合指示薬
 0.5gのジフェニルカルバゾンと 0.5gのブロモフェノールブルーを 75mlのエタノールa) に溶解し,エタノールで 100mlに希釈する。暗色の瓶に入れ,冷蔵庫に保存する。
 6.4.3 分析
 分析は,次のとおり行う。
 a)  暴露を終了した瓶中の溶液「“ウエットキャンドルの分析”のc) 」をよくかき混ぜ,定性ろ紙を用いてろ過し,ろ液を試料溶液とする。
 b)  あらかじめ硝酸第二水銀容量分析用標準溶液「“塩化物の分析”のe) 」を用いて予備滴定によって,試料溶液中の塩素イオンの概略の含有量を決定する。
 c)  20mg以上塩素イオンを含まないよう試料から一定量を採取する。
 もし採取した一定量の試料溶液に 2.5mg以上の塩素イオンが含まれるときは,硝酸第二水銀容量分析用標準溶液「“塩化物の分析”のe) 」を用いて滴定を実施する。
 もし採取した一定量の試料溶液に 2.5mg以下の塩素イオンしか含まれないときは,硝酸第二水銀容量分析用標準溶液「“塩化物の分析”のf) 」とマイクロビュレットを用いて滴定を実施する。
 もし一定量が 1リットル当たり 0.1mg以下の塩素イオンしか含まないときには,適当な量を 50mlまで蒸発する。
 d)  採取した試料溶液に,5~10滴の混合指示薬「“塩化物の分析”の g) 」を加える。
 もし青紫色,又は赤色に発色するならば,色が黄色に変わるまで硝酸溶液「“塩化物の分析”の b) 」を滴加する。混合指示薬を加えたとき黄色,又はだいだい(榿)色が現れるならば,水酸化ナトリウム溶液「“塩化物の分析”の c) 」の滴加によって青紫色に発色させ,次いで酸性化する。
 e)  黄色の酸性溶液は全体が青紫色を持続するまで適合する硝酸第二水銀容量分析用標準溶液「“塩化物の分析”のe) ,又はf) 」で滴定する。
 f)  暴露したウェットキャンドルと同時に作製した未暴露のウェットキャンドルについて同様に操作して,ブランク試験を実施する。
 6.4.4 表示
 分析結果は,実施した分析方法について,次の式によって計算し,R(Cl)[mg/(m2・d)]又はR(NaCl)[NaClmg/(m2・d)]で表す。
 
   R(Cl)=m/(A⋅t)  
    ここに,R(Cl):塩化物(Cl)の付着度[mg/(m2・d)]
          m:試料溶液中の塩素イオンの全質量 (mg)
          A:暴露ガーゼ表面の面積 (m2)
          t:暴露期間 (d)
 
   R(NaCl)=1.649×R(Cl)  
    ここに,R(NaCl):塩化物(Cl)の付着度[NaClmg/(m2・d)]
         1.649:NaClの式量/Clの原子量
 
 水銀化合物溶液滴定法によって分析した場合は,次の式によって計算する。
 
   R(Cl)=[2(V3-V4)×c2×35.5VT/(VA⋅A⋅t)  
    ここに,R(Cl):塩化物(Cl)の付着度[mg/(m2・d)]
          V3:一定量の試料溶液の滴定に用いられた硝酸第二水銀容量分析用標準液の容量(ml)
          V4:ブランクの滴定に用いられた硝酸第二水銀容量分析用標準液の容量(ml)
          VA:一定量の試料溶液の容量(ml)
          VT:試料溶液の全容量(ml)
          c2:使用した硝酸第二水銀容量分析用標準溶液の正確な濃度(mol/l)
          A:暴露ガーゼ表面の面積(m2)
          t:暴露期間(d)

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 塩化物の測定(ドライガーゼ法)

 7 ドライガーゼ法による塩化物の測定
 7.1 原理
 一定面積をもつ 2枚重ねのガーゼを,雨を遮断して暴露すると,ガーゼ表面に塩化物が捕集される。この塩化物を化学分析によって定量する。
 分析結果から,塩化物の付着度を計算し,平方メートル・日当たりのミリグラム[mg/(m2・d)]で表す。
 7.2 測定装置
 7.2.1 ドライガーゼプレートの作製
 ドライガーゼプレートは,次によって作製する。
 a) 捕集枠
 外寸法 150×150mm,内寸法 100×100mmの木製の外枠に,外寸法 120×120mm,内寸法 100×100mmの木製の内枠をはめ込み式にしたものを用いる。捕集面積は,両面を合わせて 200cm2とする。
 b) ガーゼの調製
 ガーゼは 120×240mmの大きさに切り,水で十分に塩化物を浸出した後,よく乾燥させ,使用時までポリエチレン袋に入れて保存する。
 c) ドライガーゼプレートの組立て
 暴露直前に,b) で調製したガーゼを二つ折りにし,しわが生じないようにa) の捕集枠に取り付ける。
 7.2.2 暴露装置
 暴露装置は,次のとおりとする。
 a)  図(省略)に例示したように,直射日光及び雨雪を遮断できる構造のもの。
 b)  ドライガーゼプレートを垂直に,所定の位置に保持できる保持具を備えていること。ドライガーゼプレートの低端が地上から1~1.2mの位置であることが望ましい。
 c)  ドライガーゼプレート面への風通しを妨げない構造であること。
 7.3 ドライガーゼプレートの暴露
 ドライガーゼプレートの暴露は,次のとおり行う。
 a)  暴露場所は,試験片を暴露する暴露試験装置の近くであることが望ましい。
 b)  ドライガーゼプレートを暴露装置に取り付け,風で揺れないようにしっかりと固定する。
 c)  暴露期間は 1か月とし,通常,各月の 1日に暴露を開始し翌月の 1日に回収する。
 d)  暴露を終了したガーゼは,捕集枠から取り外し,ポリエチレン袋に入れて分析するまで保管する。
 7.4 塩化物の分析と表示
 7.4.1 原理
 試料中の塩化物イオンは,チオシアン酸水銀 (II) を用いた吸光光度法,又はイオンクロマトグラフ法によって定量する。
 7.4.2 試料溶液の調製
 ガーゼを細かく切断し 100mlのビーカーに入れ,水 50mlを加えて水浴中で 20分間加熱する。冷却した後,JIS P 3801「ろ紙(化学分析用)」の5種cのろ紙を用いてろ過し,さらに水でろ紙を洗浄してろ液を 50mlとして,試料溶液 I を調製する。
 次に,暴露したガーゼと同時に調製した未暴露のガーゼについて同様に操作し,試料溶液 II を調製する。
 7.4.3 分析
 分析操作は,試料溶液 I,及び II について,次の吸光光度法,又はイオンクロマトグラフ分析法によって,試料溶液中の塩素イオンを定量分析する。
 a) チオシアン酸水銀(II)吸光光度法
 JIS K 0101「工業用水試験方法」の 32.1[チオシアン酸水銀(II)吸光光度法]による。
 b) イオンクロマトグラフ分析法
 JIS K 0101の 32.5(イオンクロマトグラフ法)による。
 7.4.4 表示
 分析結果は,次の式によって計算し,R (NaCl) [NaCl・mg/ (m2・d)]で表わす。
 
 R (NaCl)=41.2(C1-C2)×100×1/t
    ここに,R (NaCl):塩化物の付着度[NaCl・mg/ (m2・d)]
           C1:試験溶液 I の塩素イオン濃度 (mg/l)
           C2:試験溶液 II の塩素イオン濃度 (mg/l)
            t:暴露期間 (d)
           41.2:(NaClの式量/Clの原試料)×50ml×(100cm2/200cm2)
           100:10000cm2/100cm2
 
 イオンクロマトグラフ法
 
 R (NaCl) =0.824(C1-C2)×1/t
   ここに,R (NaCl):塩化物の付着度[NaCl・mg/ (m2・d)]
          C1:試験溶液 I の塩素イオン濃度 (mg/l)
          C2:試験溶液 II の塩素イオン濃度 (mg/l)
          t:暴露期間 (d)
        0.824:(NaClの式量/Clの原試料)×(100ml/1000ml)×(100cm2/200cm2)×(10000cm2/100cm2)

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