鋼橋の製作

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   【4.1 耐候性鋼(無塗装構造物)】

 耐候性鋼材を用いた無塗装構造物の耐腐食性の検討は,架設環境の腐食性を考慮して,設計耐用年数以内の腐食による断面減少が耐力の低下を問題のないレベルに留めるか否かで行う。
 耐候性鋼材は,大気中の水と酸素の影響で生成した腐食生成物が鋼材表面に付着し,その後の腐食を抑制する鋼材として知られる。生成した腐食生成物が期待する保護性を示すか否かは,架設環境,及び構造物構造の部位別の環境条件で決まる。

 架設環境条件について
 耐候性鋼材は,自然環境における飛来海塩粒子(海岸近く)や硫黄化合物(温泉蒸気など),人工環境における飛来塩(道路面凍結防止剤など),工場からの大気排出物の影響を受け,期待される腐食生成物層が形成されず,腐食し続けることが知られている。
 JIS G 3114「溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材」を裸で適用できるか否かの判定の目安として,飛来塩分量 0.05mg・dm-2・day-1(mdd)以下の環境といわれている。これは,旧建設省土木研究所,鋼材倶楽部と日本橋梁建設協会の3者共同研究報告(耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同研究報告書(XX),整理番号87号,1993.3)を拠り所にしている。
 共同研究報告では,全国41橋で実施した床下環境における小型試験片の暴露試験結果から,10年以内の暴露で試験片に層状はく離さびが見られず,50年間の推定される板厚減少量が0.30mmを超えないとみなせる条件として示された値である。
 ただし,飛来塩分の計測を土木研究所独自の方法で行っており,一般的なJIS Z 2381に示す飛来塩分計測法と異なるので,数値の扱いには注意が必要である。また,局部的な環境については配慮されていないことにも留意する必要がある。
 近年に高ニッケル耐候性鋼材が開発され,JIS規定の従来の耐候性鋼材より塩の影響を受けにくいとされ,従来の耐候性鋼の裸仕様が困難な環境への適用が進んでいる。

 構造物構造について
 1980年代にJIS耐候性鋼を用いた無塗装橋梁が広く使われるようになった。その後10年を超えるころから局部的な環境差による異常な腐食が観察されるようになり,1990年代には実態調査が行われ,地形,部材面の向き,部材の形状によって腐食状態が異なることが知られるようになった。
 これらの経験を踏まえて,耐候性鋼を裸で使用する場合に,設計段階で考慮すべき望ましくない構造物構造として次のものが指摘されている。

  • 雨水が回らず,付着した塩分が流されにくい構造
  • 泥や塵芥が堆積しやすい構造
  • 通気性が悪く,湿潤状態になり易い構造(桁の内側垂直面,水平面)
  • 床版や配水装置の破損による漏水

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